とらドラif 竜児×奈々子 16 |
「今日はこれぐらいでいいだろ、これからどうする?」
「私疲れたからリラクゼーション行ってくる!」
そういうと大河はとことこと駆けて行ってしまった。
「行っちまった・・・香椎はどうするんだ?」
「そうね、小腹もすいたしちょっとお茶にしない?」
「おう、いいぞ」
らくーじゃにはおいしい甘味処があるとの噂で
奈々子は秘かに思いを寄せていたのだ。
そして二人はたわいもない話で盛り上がりいつのまにか恋愛方面の話になっていた。
「ねえ高須君って好きな人とかいるの?」
「え、ど、どうしたんだよ急に・・・・・・ま、まあいるっちゃいるんだけどな」
「どんな子?」
「元気で、俺なんかとちがって活発でいつも笑ってて」
それだけでもう自分ではないことは分かった。
どちらかというとおとなしい方でどう転んでも活発などとは言われないことは
自分がよく分かっている。
もしかしたらと期待していた想いがあった。
「そう、なんだ。それで?」
「でもな、こんなこといったら軽蔑するかもしれないけどもう一人いるんだ。」
どうせ亜美か大河のことだろう。
結局私はあの子たちには勝てないのか。
奈々子の華奢な心が押しつぶされそうになっていた。
「もう一人のその子はどんなこなの?」
「こんな俺といつでも笑顔で話してくれてな、すごい家庭的で理想の女の子って感じなんだ。
その人と知り合う前からずっと好きな人がいたんだけど、その子のこと考えてる時間が
だんだん増えてきて自分でもどっちが好きなのかよく分からないんだ・・・・・・
おかしいよなこんなの」
竜児のいっているもうひとりとは奈々子のことだった。
しかしすでにあきらめかけていた奈々子の耳にはそうは届かなかった。
「そう、二人ともすごいいい子なのね。私も高須君の恋を応援するわ。
悩んだっていいじゃない。ほら命短しこいせよ乙女っていうでしょ」
そういってかわいくウインクをしてみせる。
奈々子は一生懸命に笑って自分の心に刃を立て続けた。
恋愛ドラマで嫉妬する女役を見て面白がっていたが
今の奈々子にはその気持ちがよく分かる。
醜い嫉妬がたまり、そんな自分がいやで何度も何度も刃を立て続ける。
人の少なくなった甘味処には激しい夕立の音だけが響いていた。
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16です。 コメントとか支援数増えてきて、とてもうれしいです。 これからもよろしくお願いします。 |
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コメント | ||
なんでこう、恋愛ってのは外から見るとこうももどかしいのかwww(峠崎丈二) | ||
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