とらドラif 竜児×奈々子 17
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「ああ!こんなところにいたのねあんた達!しかもおいしそうなもんまで食べちゃって!

  私にもよk……じゃなかった!今日は見たい番組があったの忘れてたの!すぐかえろ!」

 

正直救われた。

今の奈々子にはこれ以上笑って自分を殺し続けるほどの

勇気も元気もない。

 

 

「じゃあ今日はもう解散しましょうか。また明日も学校あるし」

 

「お、おう。そうだな、じゃあまた明日な」

 

奈々子は竜児たちから見えなくなるまで笑顔で歩き続けた。

商店街を抜け一個目の路地に入った。近所の公園が見えてきた。

自宅につき鍵を開けて自分の部屋に入る。

それでも奈々子がつかれて眠りにつくまで夕立ちはやむことはなかった。

 

 

そして水曜日

あれからというものの今まで以上に奈々子は踏み出す勇気が出せなくなった。

しかし今まで通り笑って話をするぐらいならなんとかって言った具合だ。

 

「チビタイガーだけには負けないわ」

 

「進化した私を見てから言うことね!」

 

そういった大河はビート板をかかえてやる気まんまんだ。

いっぽう奈々子はいまいちやる気がわかなかった。

竜児の気を引くために参加したのにもう竜児の心には別の人がいたのだから。

しかしそんな奈々子の気持ちを知ってか知らずか竜児はみなを応援していた。

 

「香椎ー、がんばれよー」

 

とりあえず奈々子はこの勝負だけでも頑張ろうと思った。

 

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―夏休み

 

「おおう、みなみなさんおはようであります。

 不肖櫛枝みのりこの度は皆さんの旅に同行させていただくであります」

 

「じゃあみんなそろったことだし出発しましょうか」

 

 

結局途中でやる気をなくしかけた奈々子が勝てるはずもなく亜美が勝利した。

勝者の亜美ちゃんの提案で夏休みはみんなで別荘へと行くことになったのだ。

はじめは5人の予定だったのだが、タイガーがどうしてもということで櫛枝さんも一緒の6人旅。

別荘へ向かう新幹線の中で高須君の作ってくれたおにぎりをみんなで食べる。

たかがおにぎりでも高須君の作ってくれたものならなんでもおいしかった。

 

奈々子にはある決心があった。

この別荘で高須君に告白しよう、そう思っていた。

でもこの中に竜児の好きな人がいるのは間違いない。

あんなふうにそわそわする竜児は見たことがなかった。

でももう動き出してしまったものはしょうがない。

竜児が2人の間で揺れているというならその2人以外にも可能性はあるのだから。

 

 

「もうすぐじゃないかな。多分窓からも見えるわ」

 

逢坂さんと櫛枝さんは大はしゃぎだ。

奈々子もこれから起きるであろう一大イベントを前に気合を入れ直す。

 

「うおー、でっかいですなぁ」

 

亜美の別荘は破格だった。

目の前には広大な海。そしてなによりふつうの一軒家より広いであろう別荘。

奈々子は純粋にここにこれてよかったと思った。

 

 

「まあここ結構使ってないから掃除とかしなきゃやばいんだけどね」

「なん……だとっ!」

「そんなことより海行こ!海!」

 

みんなは早く海へ行きたくて仕方がないようだが高須君は一人残って掃除をしたがっているようだ。

正直言って奈々子も早く海で遊びたかったので

ここは心の中で竜児に謝りつつみんなで竜児を海まで引きずっていった。

 

説明
17です。
ここらへんからオリジナル要素さらに強まって
結構有名なシーンをばっさりカットしちゃってます。
そこらへんご了承いただければ幸いです。

よろしくお願いします。
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