IS<インフィニット・ストラトス>with LN<リリカルなのは>第二十三話 |
第二十三話 目と目で通じ会うそういう仲になりたいな
「そうだったか.........」
千冬姉は考え込むように言った。
ちなみに俺は今千冬姉の部屋にいる。
あの後学園に帰ってきてすぐ自分の部屋に行こうとしたら、千冬姉に拉致られたということだ。
まあ、報告しに行こうとしなかった俺が悪いんだが。
俺は千冬姉に海鳴でのことを報告した。
エミル・レイルトンについては伏せたが。
千冬姉になら言ってもいいと思ったがやめておくことにした。
さっき、千冬姉に拉致られる前、弾に連絡してみた。
もちろん、エミル・レイルトンについてだ。
しかし、返ってきた返答は
『エミルならずっと見張ってたけど』
弾は焦った表情も見せずそう言った。
もし、何らかの理由で弾がこの事を隠しているのだとしたら、分かるだろう。
それか、弾は思うより表情を隠すのが得意ということか。
まあ、それはないだろう。
とにかくエミル・レイルトンの件については後から((アイツ|・・・))に頼んでみるとするか..........
「千冬姉、今回の件についてはどう思う?」
俺がそう言うと千冬姉は一拍溜めてから
「かなり厄介としか言えないな」
そう言った。
「だよな..........」
「ああ..........」
そう言うと俺と千冬姉は無言状態になってしまう。
しかし、このやり取りで分かったことがあった。
どうやら千冬姉はある程度情報を知っているらしい。
俺やクロノも知らない情報を。
そしてそれは千冬姉も同じで、俺が隠し事をしているのも理解しているらしい。
「一夏」
ふと、千冬姉に声をかけられる。
「無茶はするなよ」
そう言われた。
だから俺も、
「そっちこそ」
永年一緒にいた家族だからこそのやり取り。
先ほどの無言のやり取りもそうだったが。
千冬姉は俺のことを心配している。
しかし、信頼もしている。
それは俺も同じだ。
だからこそのこのやり取り。
俺は座っていた椅子から立ち上がり千冬姉の部屋から出ていった。
久しぶりのブラコンの心情
(ヤバイ!一夏と分かりあってる的な会話をしてしまった!これは、これは....................夫婦なのか?永年寄り添って生きてきた夫婦のようなやり取り..........そうに違いない!私と一夏は夫婦私と一夏は夫婦私と一夏は夫婦私と一夏は...............................)
ブラコンはハイパーブラコンに進化したあげくの暴走を起こした。
さっきまでのシリアスな雰囲気は木っ端微塵に消し飛んでしまっていた。
『一夏 (さん)!どこにいってたんだ!(ですわ!)(たのよ!)』
次の日の朝、教室に入るといきなり箒とセシリアと鈴が叫ぶように言ってきた。
言うまでもなく俺が学園に居なかったことを問い詰めているのだろう。
横を見れば俺が何をしていたか分かる簪と本音がこちらを苦笑いしながら見ていた。
「あれ?聞いてなかったか?俺、IS委員会に呼ばれていたんだけど」
千冬姉はたしかIS委員会に呼ばれたから学園を休むってことにして、皆に言っていた筈なんだけどな。
『あっ』
箒、セシリア、鈴の三人は思い出したのか気まずそうな顔をする。
おいおい.......
俺と三人の間に微妙な空気が流れる。
すると横からてくてくと近づいてくる簪と本音。
「そういえばオリムー知ってる?」
その空気を破壊するかの如く本音が聞いてきた。
「うん?何をだ?」
「転校生が二人来るみたい......」
そう耳元で小さな声で言ったのは簪だった。
家が((そっちの方|・・・・・))の家だとそういう情報にも敏感なのだろう。
小さな声で言ったということは皆には知られていない情報なのだろう。
「転校生?この前鈴が転校してきたばかりだろ?」
俺も小さな声で言い返した。
明らかに何かある。
そうとしか思えなかった。
俺がそう考えていると。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響く。
「うっ、ヤバイ!じゃあね!一夏!」
そう言って鈴はすごい速さで二組に走っていった。
「バイバイ、一夏またあとで.....」
簪も続くように四組に走っていった。
簪、大丈夫かな?
四組って二組と比べて遠いからな。
俺と本音、箒にセシリアは席についた。
(転校生、どんな奴なんだろう?)
そんなことを考えていると、ガラガラッとドアの開く音がする。
「諸君、おはよう」
「皆さん、おはようございます」
そう言って入ってきたのは我らが千冬姉と担任の山田先生だった。
『お、おはようございます!』
それまでざわざわしていた教室が一変して礼儀正しい姿勢になる。
その姿はまるで軍隊を思わせるほどピッとしたものだった。
ちなみにIS学園、今日から夏服に衣替えだったりする。
見た目はあまり変わっていないが。
「今日からは本格的な実践訓練を開始する。訓練機てはあるがISを使用しての授業だ。気を引き締めるように。それと各人のISスーツが届くまでは学校指定のものを使うので忘れないように。忘れたものは学校指定の水着で受けてもらう。それもなかったら下着でも構わん」
いやいやいやいや!
クラス全員そう思ったことであろう。
ちなみにIS学園の指定水着は紺色のアレである。
スクール水着。
まさか、最先端のIS学園の指定水着がスクール水着だとは思わなかった。
弾や((アイツ|・・・))あたりが喜びそうだ。
昔あいつらにスクール水着やブルマーのなんたるかを三時間くらい聞かされたことがある。
俺のトラウマだったりする。
ロリだとか妹だとか。
はっきり言って弾には妹の蘭がいるのにそれを言っちゃダメだと思う。
「では山田先生、ホームルームを」
「は、はいっ」
連絡事項を終えた千冬姉が山田先生にバトンを渡す。
しかし山田先生は眼鏡を拭いてるところで呼ばれたので慌ててかけ直していた。
眼鏡、巨乳、微妙にロリ。
これも弾や((アイツ|・・・))は喜ぶのだろう。
「ええとですね、今日は転校生を二人紹介します!」
「え..........」
『えええええ!?』
クラスの俺と本音以外は驚いていた。
当たり前だろう。
噂好きの女子の情報網をくぐり抜けての転校生、しかも二人。
驚くであろう。
俺はあらかじめ知っていたので驚きはしなかった。
しかし俺は別のことが気になっていた。
(何故このクラスなんだ?転校生ってことは十中八九専用機持ちだ。でもこのクラスには俺とセシリアがいるのに。専用機持ちは二人いる、普通は分散させるはずなんだが..........)
何か裏がありそうだ、そんなふうに考えていると、ドアの開く音がする。
「失礼します」
「....................」
クラスに入ってきた二人の転校生を見て、教室のざわめきがぴたりと止まる。
転校生の一人が男だったから。
皆はそう思ったはずだ。
しかし俺はこう思った。
何で男装なんかしてるんだあの女子は?
これはまた厄介なことになりそうだ、そうおもってしまった。
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もし、一夏が管理局最強の魔導師と呼ばれていたらのifの物語。 | ||
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次回も、楽しみにしてます!(ryuujin5648) | ||
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