魔法少女リリカルなのはmemories 第五章 ベルカ時代の記憶(メモリー) 第六十四話 |
「『アクセルレイン』っ!!」
その名の通り、雨のようにフェイト達に向かって降りかかっていた。
魔力濃度をこんなにも高め、そしてそれをあらゆるところから弾丸を生成して放つ。一つ一つのダメージはそれほどではないが、それが複数となれば弱かろうとダメージは多くなる。
しかもこの弾丸、一つ一つの魔力消費はそれほどなく、さらに言えば使用した魔法も魔力はわずかに散らばるので、それを再利用して弾丸として使用することも出来る!!
魔力消費も余りなく、再利用を繰り返すことによってほぼ永遠と放ち続けることが可能であった。
「…………」
そして数分間それを繰り返すと、ナノハは一度その攻撃を停止させ、フェイト達の様子を見ることにする。
こんな事でフェイトに相当なダメージを与えられるとは思わないし、自ら散らばらせた自分の魔力はアクセルレインでなくても他にことに使用可能であるため、全てを使う必要はなかった。
アクセルレインによって砂埃が舞ってしまったのでフェイト達の姿が見えず、時間が経つにつれて砂埃が薄くなっていた。
ナノハが思った通り、フェイトはいつの間にかバリアジャケットを来ており、先ほどの攻撃による与えたダメージは全くなく、すべて防いでいたようだった。
「……まぁ、そうなるよね」
ナノハは目の前の光景を見て予想通りだと思っていた。
しかしナノハが優勢なのは変わりなく、フェイトはヴィヴィオとアインハルトの二人を守らないといかなくなり、二人から離れてナノハを攻撃したらナノハの思惑通りで二人を捕えることが簡単になってしまう。自分一人で二人を守れると思ったが、結界を張られて仲間が来ないとなれば状況としては最悪過ぎた。
この時結界がミッド内で張られている事に外は気づいているのだが、ナノハの結界を外から破壊することは不可能。オリヴィエ並みの魔力を保持しているナノハであるので、たとえはやてのラグナロクブレイカーだろうと破壊することは難しいぐらいの結界であった。
中に閉じ込められているのが誰なのかは時期に分かるかもしれないが、その前にナノハはヴィヴィオとアインハルトの二人を捕えようと考えていた。
「今回は非殺傷だから絶対に死ぬことはないけど、どかないと怪我をかなり負うと思うから、そうならない内にどいてくれる?」
「どかない。たとえ状況が不利だろうともヴィヴィオとアインハルトを簡単には渡さない」
「そう……なら、次の攻撃は避けてね」
そう言ってナノハは何か魔法を使用している感じになり、フェイトは警戒する。
見た感じ魔法を使ったようには見えないが、ナノハは何かに集中しているようにも思えた。それがなんなのかは分からないが、何か攻撃してくることだけは事実だろうと思っていた。
しかし、少し空間に異変が感じられた。見た感じ異変というのが感じられないが、何か魔力がある一点に集まっているように思えたのである。
そういえば少し前にヴィータから聞いていた事がある。ナノハと最初に戦った時、ナノハは自分からやってきたのにも関わらず、研究所を破壊せずに帰ろうとしていた事を。そしてその後すぐに研究所が内部から爆発し、どういう原理でそうなったのか分からなかったと。
「……まさかあの時ヴィータが言っていたのってっ!?」
「どうやら、私が何をしようとしているのか気づいたようだけどもう遅い。『アクセル・コンプレッション』」
刹那、フェイトとヴィヴィオ、アインハルトの間から魔力が暴発するような攻撃をもろに受けてしまい、フェイトは二人から離れた反対側のナノハが居る方向へ、ヴィヴィオとアインハルトはその反対に吹っ飛ばされていた。
しかも今回のアクセル・コンプレッションは自分の魔力を分散していたのもあってか、研究所の時とは爆発する量が全く違っていた。
アクセル・コンプレッションによる魔力圧縮暴発によって周りの建物もかなり破壊していた。破壊しても結界を解けば被害はないのであるが、建物は最低でも100メートル内は跡形もなくなっているぐらいの全壊であった。
そしてナノハもその範囲内にいた筈なのに、その場所でずっと立っており、フェイトはそのナノハのかなり後方へとふっとばされていた。ヴィヴィオとアインハルトはナノハの前方のかなり遠くに倒れていた。
先ほどのアクセル・コンプレッションは散らばっていた魔力濃度をすべて使用したため、このような広範囲に爆発が発生したのであった。
そしてナノハはヴィヴィオとアインハルトが飛んで行った方へと歩いて行き、近づいてみると吹っ飛ばされた影響で気絶していたようだったのであった。
「……まさか、あの攻撃で二人が気絶するとは思っていなかったけど、好都合だから良い事にするか。どうせ、」
とりあえず両肩に二人を抱え持ち、それから一度フェイトの方へと振り向いていた。
フェイトはまだ意識はあったようですぐに立ち上がり、ヴィヴィオとアインハルトを救おうと動き出す。
「な、なのはあぁぁあぁぁぁああ!!」
その顔はナノハに対する怒りで満ちていた。あの時みたいにまだ心が揺れているようなナノハではなく、今のナノハは目的のためならなんだってするような感じであったのである。
しかし、ナノハはそんな怒っているフェイトを見て何とも思っていなかった。傷つけたくないという事まで自分の奥底へと閉じ込めて、何も感じないように押し殺していた。そうでもしなければ、自分がフェイト達の言葉に押し負けるかもしれないと思っていたからである。
だが、それがさらにフェイトを怒りを逆上させてしまう。こんなにも自分が怒っているのにナノハは何一つ表情を変えないことに苛立ちが増していたのであった。
「……もう少し付き合ってあげる。今のフェイトちゃんは何を聞いても襲いかかってきそうだから。だけど、私も少しは本気出す」
すると、レイジングハートを突然待機モードに戻して、ナノハは私服姿へと戻るのだった。
その事に怒りながらも驚いていたフェイトであったが、迂闊に近づいたら何かされるかもしれないと思って、その場で立ち止まったままであった。たとえナノハに怒りが抑えられなくても、冷静に対処は出来ていたのだった。
以外とまだ冷静さが結構残っている事にナノハは少々驚いていたが、邪魔をしてこないことは簡単に出来るという事でもあったので好都合であった。まぁ、フェイトが攻撃してきたとしても対処は出来たのであるが。
そして、ナノハは突然ある言葉を言い始めるのであった。
『――エクスティア、カリべリティア。ツヴァイセッゼン・ゼーゲブレヒト』
刹那、ナノハを中心に輝きだして、その輝きは第97管理外世界でも確認した時と同じであった
そして輝きが弱まってきてナノハの姿が見えてくると、それはあの時現れたオリヴィエに似ている人物とまったく一緒で、違うところといえば顔を曝している所だった。
フェイトは正直に言えば、ナノハがオリヴィエだというアインハルトの言葉を少しは信じていたが、それでも信じられなくて今のナノハを見て事実だと思ってしまったのである。
「それじゃあ、ちょっとフェイトちゃんに付き合ってあげようか」
そしてナノハはヴィヴィオとアインハルトを近くに置き、二人が出れないように小さな結界で囲んでフェイトと戦うのであった。
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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