魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー思わぬ再開ー |
「ディバインバスター!」
「グギャアアアア!!」
ーーズガアアアアン!!ーー
バルダ達と悪魔との闘いは案外呆気なく終わった。
下級悪魔…ヘル・プライドは、スバルとティアナのクロスシフトによってなぎ倒され、ヘル・バンガードの空間移動による攻撃には少々手こずったが、なのはのディバインバスターによって倒された。?
「ふぅ、何とかなったね」
ふと安堵の息を吐くなのは。
「ふん、けどたいしたことなかったな」?
悪魔達が思いのほか弱かったため毒づくヴィータ。
「油断は禁物っすよ。ヴィータさん」?
「そうだぞ、ヴィータ」
そんなヴィータをバルダとシグナムがたしなめる。
そこへはやてからの通信が入る。
[みんな!そこから約500メートルの広場に一つ大きい魔力反応があることがわかった。悪いけどそこ向かってくれへんか?]
「了解、みんな準備はいい?」
なのはが確認を取る。
「「「はい!!」」」
それに対し、バルダ達は二つ言葉で了承した。?
「それじゃ、気を引き締めて行くよ」?
はやてからの通信に従い、なのは達は目的地の広場に向かった。?
「これからは別行動を取るよ。私達スターズはあっちを、ライトニングとデビルはここ周辺を散策して下さい」?
「「「了解!!」」」?
『こちらスターズ、フェイトちゃん。そっちはどう?』?
なのはが状況を確認する。
『こちらライトニング、こっちもダメ』?
フェイトからは何もなかった。?
『デビルの方は?』?
『……………』?
『バルダ?どうしたの!?』
バルダから返事がないので焦るなのは。
『……………兄さん…』?
「な…なんでこんな所に兄さんが……」
それは、もう会うことがかなわなかった唯一無二の兄。そして、最も自分のことを見てくれて優しくしてくれた兄。…だが
「……誰だ、貴様…」
「え?!」
バルダの中の何かが止まった。
「「「バルダ!!」」」
?そこになのは達が駆けつける。
「…時空管理局とやらか」
少年は漆黒の日本刀を取り出し、構えた。
「機動六課です!!おとなしく武装を解いて同行してください!!」
フェイトは同行をするようにお願いする。
「ふん…笑止。敵に従うなどムンドゥス様に刃向かうことと同じ…よって貴様等に従うつもりは毛頭ない!!」
「「「!!!!」」」
青年の威圧感に押される前線メンバー達。
「ちょっと待ってくれ!何故兄さんが魔帝に仕えているんだ!?」
復活したバルダが青年に問い詰める。
「「「兄さん!?」」」
色々分からないことはあるが、なのは達は今バルダが言ったことに驚いた。
「バルダってお兄さんいたの?!」
「ええ、三年前に村を出て行ったんです」
なのはが代表して聞くと バルダが事情を説明した。
「ギルバー兄さんは俺と同じく悪魔の血が流れているんだ」
「「「!?」」」
「そして今の俺と同じ年頃で悪魔の力に目覚めてしまい、村にいることができなくなったんだ。キャロさんと同じように…まあ父さんに言われるまで気付かなかったけど」
「…そうだったんだ」
バルダの兄の事情を知り困惑するなのは達。
「だけど目の前の兄さんは何か様子が違う…昔の優しかった兄さんとは逆の冷たい氷のような威圧感を放っている」
バルダは変わり果てたギルバーのただならぬ威圧感に一つの疑問ができる。
「もしかしたら洗脳されてるのかもしれない」
「そんな…一体誰が」
フェイトが憤慨しながら言った。?
「恐らくムンドゥスの仕業だろうな」
「「「?」」」
魔界についての知識はダンテから色々聞いてたので大体の予想はついていた。だがその知識を知らない六課前線メンバーは首を傾げる。そこでバルダが説明をする。
「ムンドゥスとは魔界を統べる絶対なる王で、その力は世界を手中に納めることができる程の魔力と支配力を持っているんだ」
「なんか凄えな…よく勝てたもんだな、その時代の人たち」
ヴィータを初め皆がその時代の人たちを賞賛した。
「そりゃそうだ。おとぎ話でも話した通りムンドゥスと同等の力を持ったスパーダが人間の味方になったんだからな。それにムンドゥスはたったひとりで乗り込んできた父さんに敗れてるんだから、勝てる希望は充分あるって」
バルダは気軽に言うが他の皆は内心そうじゃなかった。
「そろそろいいか」
ギルバーの冷たい声がした。バルダ達はそれにより戦闘態勢に入る。
だがそこに空から乱入者が現れる。
「ギルバー、我々の今回の目的は魔界門を開けることであって敵を殲滅する事ではない。もう魔界門が開くのは時間の問題…ここは退くぞ」
それは赤い雷を猛々しい翼にまとった悪魔、グリフォンだった。
「………わかった」
それによりギルバーも立ち去ろうとする。
「待っ……」
バルダが声をかけようとするが、ギルバーとグリフォンは闇に消えていった。
その後凍えるような冷たい風が吹いたのであった………
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十四話目です。 | ||
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