真・恋姫無双〜終焉の宴〜 |
蜀の皇帝が諸葛亮になったという報告から数日後、新たなる報告が魏の北郷に届く。
三代目皇帝、劉協。
かつては後漢の皇帝として、大陸を治めていた人間。しかし、曹否によって後漢は滅びどこかの田舎で暮らしていたはずだった。
それがどうしてこのような形になってしまったのか。それどころか蜀が三代目皇帝を誕生させてしまうことが信じられない。
報告を聞いたその日に、魏の皇帝曹否が北郷を含めた武官、文官達を玉座の間に召集させた。
「では、これより呉の討伐軍儀を行う」
しかし、曹否が発した言葉は追求ではなく討伐だった。
「お、お待ちください陛下。まず軍儀の前に劉協について……」
一人の文官が曹否に話しかけた。
途端。
「――――――――――――――――――っ!!」
その文官の首が飛ぶ。
「そんな事など、どうでもいい。私は一日でも早くこの国を統一させること以外に興味はない」
曹否は、首のなくなった文官を人差し指でさした。
「そして、この俺の話に異議をとなえる奴や口を挟む奴は斬首する」
冷酷に宣言する。
「………ふっ」
それを北郷は小さく笑った。
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曹否が着々と呉の討伐に向けて準備している頃、蜀の諸葛亮が南蛮を平定させた。
特に南蛮王であった孟獲は、諸葛亮の策で信者化してしまい何時いかなるときも傍から離れないようになっていた。
諸葛亮はそれを利用して、無知な孟獲に様々な知識を教え込んだ。最初の頃は、頭が痛む日々だったが今では諸葛亮の右腕と言われるほどの少女に変わった。
「気に入らないな、美以の奴……」
でもそんな孟獲の成長ぶりに蜀の北郷は妬んだ。
「気に留める必要はありませんよ。孟獲がいくら成長しようと北郷様が一番大事だということが朱里様は理解しています」
北郷の部下であり、恋人でもある魏延が励ましてくれる。
「そうそう」
もう一人の恋人、馬岱も励ましてくれた。
「二人とも……」
階級は高く、二人なくしては蜀の存亡はないくらいの権力者と言われ、さらに自身の命令でなんでもしてくれる手駒達は最高の励みになる。
「ありがとう。二人とも……」
それを北郷は小さく笑った。
「それより北郷様、風の噂で曹否が呉の討伐に向けて準備しているしているとの話を聞きました」
「焔耶、それを朱里様にお伝えしたか?」
魏延はこくりと頷く。
「はい。すると朱里様はすぐに兵の準備とある命令を星殿にされました」
「ある命令?」
北郷は頭を傾かせ顔は難しい顔をした。
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第一話『新歴史の微笑み その一』 |
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コメント | ||
どんな命令だろう・・・気になるな・・・(たこきむち@ちぇりおの伝道師) | ||
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