ハイスクールD×D〜HSSを持つ転生者〜 第51話
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第51話〜夏休みの終わりと新たな問題〜

 

 

ゲーム終了後、俺は匙がいる病室に来ていた。あんなにケガをしたんだ、

 心配で、な。

「手は大丈夫か? あの時、絶対に曲がってはいけないところに曲がっていた

 からな」

「ああ、それなら大丈夫だ。ほら、この通り」

 匙は折れていた右手を動かした。

「そうか。…匙」

 俺は真剣な表情で匙に訊いた

「お前はあの時に、俺を超えるべき目標を言っていたよな?」

 俺の言葉に匙は無言で頷いた。

「なら俺は…お前が超えるべき目標としていてやる。匙もその方がいいだろう?」

「そうだな。待っていろよ、クリス。すぐに追い抜いてやるからな」

 俺と匙は、拳と拳をぶつけ合った。

 

「さて、俺は帰るとするか。――匙、冥界の為に先生になれよ?」

 俺はそれだけ言うと、匙の病室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 八月後半。俺達グレモリー眷属は、本邸前の駅で冥界と別れのときを

 過ごしていた。

「それでは、一誠くん。また会える日を楽しみにしているよ。いつでも気兼ねなく

 帰ってきてくれてかまわないよ。グレモリー家をキミの家と思ってくれたまえ」

 …裏で、一誠を婿にしようと頑張っているな。将来的に一誠は幸せになると

 思うけど。

 赤と紅。俺はとてもお似合いだと思うぞ? 部長に一誠。

「……うぅ、私も最近涙もろくなったものだ。我が家の将来は明るい…」

 部長のお父さんが、突然号泣しだした。一誠は戸惑っている。

「リアス、残りの夏休み、手紙ぐらい送りなさい」

 サーゼクス様が息子のミリキャス様を抱えながら言う。後方にはグレイフィア

 さんが待機していた。

「はい、お兄様。ミリキャスも元気でね」

「うん、リアスお姉さま!」

 列車に乗りながら、サーゼクス様たちに別れのあいさつを告げる。

 三人を見たとき、俺は気づいて、苦笑してしまった。

 やっぱり、あの三名は家族なんだな。すごくお似合いですよ、魔王様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰りの列車。一誠は今までやっていなかった夏休みの宿題をやっていた。

 因みに、俺は夏休みの前日にはすべて終えている。

 あんなの、教科書を見て覚えたら簡単だ。

 俺は一誠に話しかけた。

「…一誠。俺には夢というものがなかった」

「………」

 一誠は無言を通す。俺はそのまま続ける

「でも、今回の事で夢ができた。それは、魔王になることだ」

「はぁ!? 魔王!?」

 一誠は顔を上げた。

「そうだ。匙たちのこともそうだが、俺は冥界を変えたい。みんなが安心して

 くらせるような冥界をつくってみたいんだ。そして、史上初の転生悪魔の

 魔王になりたい」

 これは、冥界に行ったからできた夢だ。ライバルはとても多いが、それの方が

 張り合いがあるしな。

「クリスにはできるさ。…俺も冥界訪問で学んだことがあってさ、今までは

 ハーレムができるまでがむしゃらで頑張ってきたんだ。でも、ただのハーレム

 じゃダメかなと思っている。魅力的でゲームにも強いハーレムを作ろうと思う

 んだ」

 

「…そうかい。お互い、夢に向かって頑張ろうぜ?」

「おうよ!」

 拳をぶつけ合う俺達。確か、匙にもこんな事していたよな、俺は。

 と、いきなり小猫が現れて――俺の膝に座った。…小猫?

 何が何だかよくわからんが――小猫が俺の膝に座り、猫耳をぴこぴこ動かしていた。

「小猫……?」

 顔をのぞいてみると―――

「にゃん♪」

 満面の笑みで微笑まれた。――やっば、めっちゃ可愛い!

 隣で一誠が血涙していたが、小猫のこれが見られて、満足した。

 まぁ、一応この言葉で締めくくろうか。

 

 これにて一件落着、だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人間界の地下ホームに列車は着いて、下りた。

「さて、帰ろうか」

「…そうですね」

 俺の右手は、小猫が握っている。俗に、恋人繋ぎって奴でな。

 階段に向かおうとしたとき、たまたま視界に入ったアーシアが優男に

 詰め寄られていた。

「アーシア・アルジェント……やっと会えた…」

「あ、あの……」

 優男の方は再会を喜んでいるようだが、アーシアのほうは、困惑していた。

 その優男、見覚えがある。あいつは若手悪魔の会合の時にいた奴。

 名前は…ディオドラ・アスタロト。現ベルゼブブを輩出した御家の奴だ

 ディオドラは跪くとアーシアの手にキスをした。…一誠がキレかかっている。

「アーシア、僕はキミを迎えに来た。会合のとき、あいさつに行けなくてゴメン。

 でも、僕とキミの出会いは運命だったんだと思う。―僕の妻になってほしい。

 僕はキミを愛しているんだ」

 ディオドラは、俺達グレモリー眷属の前でアーシアに求婚したんだ。

 

 一難去ってまた一難って奴だな。これは新たな問題になるぞ。

 いつになったら、平和に暮らせるようになるんだ?

説明
神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。
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