リリカルDブレイバーズ 第三話 |
リリカルDブレイバーズ
第三話 夢の中の『声』と、空を舞う『少女』
?? Side
『・・・・・・スケ・・・・・』
大輔『(ん?・・・今誰かに呼ばれたような気がするけど、気のせいか?)』
『・・・・・・ダイスケ・・・・・・・』
大輔『(やっぱり、気のせいじゃない・・・誰かが俺の名前を呼んでる)』
『・・・ダイスケ・・・おねがい・・・と・・・を・・・けて・・・』
大輔『(・・・何かお願いしてきてるみたいだけど、声が小さくてよく聞き取れないなあ・・・とりあえず今度はこっちから話しかけてみるか・・・)』
大輔『えーと、ごめん、さっき言ったことがよく聞こえなかったんだ。もう一度言ってくれるかな?』
『・・・・・・・・・・・・』
大輔『(あれ?あっちには俺の言葉が聞こえていないのか?それともまさか・・・俺が聞いてなかったことに対して怒ってるのか?)』
『・・・・・・ダイスケ・・・おねがい・・・・・・』
大輔『(ほっ・・・返事を返してくれて良かったあ。今度は聞き逃さないようにしないとなあ)』
『・・・わたしの・・・おかあさんと・・・・・・いもうとを・・・・・・たすけて・・・』
大輔『えっ?』
『・・・・・・ダイスケ・・・お願い・・・ふたりを・・・たすけて・・・』
大輔『ま、待ってくれ!それはどういことなんだ!?君のお母さんと妹の身に一体何が・・・』
『・・・・・・ごめんね・・・・・・わたしはもう・・・・・・』
大輔『あっ、おい!?どうしたんだ!?』
????『大輔!!』
大輔『!?』
Side Out
大輔 Side
????「ねえ、大輔ってばぁ!起きてくれよ〜!」
大輔「・・・ん・・・あれ?ブイモン?」
目を覚ますと、そこには心配そうな顔している自身のパートナーである青い小竜型デジモン『ブイモン』がいた。
ブイモン「良かったあ〜、なかなか起きないから心配したよ〜」
大輔「そっか・・・心配かけてごめんな、ブイモン」
そう言って大輔は上体を起こし、自分の事を心配してくれた相棒の頭を撫でてやった。
撫でられているブイモン本人も嬉しそうで、表情が笑顔へと変わっていく。
そんな相棒を微笑ましく思いながら、大輔は先程まで見ていた『夢』について思い出していた。
宇宙のように広く、水色と金色の光の粒子を放つ白い空間、そんな不思議な空間に自分はいた。
そして自分に語りかけてくる、幼い女の子のような『声』
その声の主が今にも消えてしまいそうになりがらも言った最後の言葉
『・・・わたしの・・・おかあさんと・・・・・・いもうとを・・・・・・たすけて・・・』
結局その言葉の意味を理解できないまま、自分は目を覚ましてしまった。
あの声の主が言っていた『お母さん』と『妹』・・・出来ることなら助けてあげたいが、助けようにも『お母さん』と『妹』が誰なのかがわからないというのが正直な感想だ。
もう一度夢の中で会えればいいが、そんなことがまた起きるのだろうか・・・
ブイモン「大輔、どうしたの?やっぱり何処か調子が悪いのか?」
夢の中での出来事について考えている大輔の耳に、ブイモンの心配そうな声が聞こえた。
どうやら自分は難しそうな顔をしていたようだ。
パートナーにまた心配をかけてしまうとは・・・しっかりしなければと大輔は思う。
大輔「わりぃ、ちょっと考え事をしてただけだから大丈夫だよ」
ブイモン「本当に大丈夫?」
大輔「ああ。ところで、ブイモン・・・」
ブイモン「ん?なあに?」
大輔「お前いつ進化したんだ?さっきまでチビモンだったのに」
大輔はさっきまで『チビモン(幼年期)』だった相棒がいつの間に『ブイモン(成長期)』に進化していたのかが気になったので、本人に聞いてみた。
ブイモン「へ?ああ・・・実は俺もいつ進化したのかわかんないんだ。俺が目を覚ました時にはもうこの姿に進化してたし・・・」
大輔「そっか、不思議なこともあるもんだなあ・・・まあ、それよりもだ」
大輔は頭が良い方では無いので、その疑問を『不思議なこと』ということで片づけた。
むしろブイモン本人でさえいつ進化したのかもわかってないのだ、これ以上追及しても時間の無駄だろう。
それに今片づけなければならない問題は別にある。
大輔は立ち上がり、辺りを見回してみた。そこに映るのは・・・
大輔「ここは何処だ?お台場じゃないみたいだけど・・・」
見知らぬ街だった。そして、自分達はその街にある廃ビルの屋上に立っていた。
ここが何処の街かはわからないが、自分達の住んでいるお台場の街では無いことは間違いない。
大輔「見たところ、普通の街だなあ」
ブイモン「そうだね。あっ、でも、あそこに大きい海が見えるよ!」
大輔「おお、本当だ!綺麗な海だなあ・・・って、呑気に海を見ている場合じゃないだろ!?」
ブイモン「あはは・・・そうだった。ごめん、ごめん」
大輔「ったく・・・とりあえずここに突っ立ていても何だし、街の方へ移動するぞ」
ブイモン「うん、わかった」
そう言って大輔とブイモンが街の方へ移動しようとしたその時、
ブイモン「っ!?大輔、危ない!!」
大輔「へ?・・・っ!?うわあ!?」
何かを察知したブイモンが大輔に警告した。
それを聞いた大輔も一瞬わからなかったが、彼自身も何かが近づいてくるのを感じて、それを持ち前の運動神経と反射神経を活かして何とか回避した。
ブイモン「大輔、大丈夫か!?」
大輔「あ、ああ・・・しかし、あれは一体なんなんだ?」
大輔が先程までいた場所には金色に光る小さい槍のようなものが廃ビルの床に突き刺さっていた。
おまけによく見ると、それには電気のようなものが帯びていた。
これがもし自分に直撃してたらと思うとぞっとする。
そんなことを考えていた時、
ブイモン「っ!?大輔、また来るよ!!」
大輔「なっ!?またかよ、くそっ!!」
再びブイモンからの警告が入り、それを聞いた大輔は毒づきながらも、ブイモンと共に再び襲いかかる光の槍を避けた。
その光の槍を避けた後、大輔とブイモンは光の槍が飛んできた方向へ視線を向けると、
大輔「なっ!?」
ブイモン「えっ!?」
信じられないものが二人の目に映っていた。
なんとそこには・・・
大輔&ブイモン「「(『女の子』が空に浮いてるぅぅぅぅぅぅぅぅ!?)」」
黒衣と黒いマントを身に纏い、黄色い宝玉のようなものが埋め込まれた黒い斧と思われる武器を携えた、9歳くらいの美しい金髪の少女が空に浮いていたのだった・・・
To Be Continue・・・
説明 | ||
大輔とブイモンの次元漂流した後の話です。 台詞はありませんが、最後あたりにあの金髪の『魔法少女』が出ます。 ※前回の話の作品説明で大輔とタカトだけを主人公に絞り、拓也を外したと言いましたが、再度考えた結果拓也を第三の主人公として登場させることにしました。ただ無印編ではまだ登場しないので、出るとしたらA's編以降からになります。 拓也ファンの皆様、拓也を一旦外してしまい申し訳ありませんでした。 |
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