IS《インフィニット・ストラトス》駆け抜ける光 コラボ小説第二弾 第五話 |
ラウラ「いつの間にか嫁が居なくなっているが何処に行ったんだ?」
シャルロット(異)「そういえばロックオンとクレアもいなくなってるし……三人ともどうしちゃったんだろ?」
一夏(元)とシャルロット(異)との模擬戦前に光輝とロックオン、クレアは姿を消していた。それを知っている千冬と一夏(異)はみんなを落ちつかせた。
千冬「あの三人ならすぐに戻ってくるさ。そんな大したことじゃない」
一夏(異)「織斑先生の言う通りだ。あいつらはあいつらで何かあるらしいんだ。模擬戦を続けよう」
一夏(元)「気になるけど……そう言うなら続けようか。あんまり無闇に突っ込んでも本人達の基が悪くなるだけだし」
セシリア「むぅ……でも一体どうしたんでしょうか、お三方は?」
聞いた全員が全て納得したわけではないが二人の言葉に了解した。千冬と一夏(異)はこう言っているが二人も気になって仕方ないのだ。だが、割り込むほど簡単な話ではないのを感じたためこのような対処をした。
千冬「一夏、あの二人をどう思う?」小声
一夏(異)「光輝とロックオンですか? 模擬戦中に何かあったのは間違いないですが……細かいことは分かりませんね。クレアは様子を見に行っただけのようですし」小声
千冬「アムロさんも付いてるし大丈夫とは思うが……」小声
ロックオンSIDE
ロックオン「大丈夫?」
光輝「……ごめん。取り乱しちゃって」
隠れてこちらを見ていたクレアを見つけて私たちは光輝の部屋に移動した。光輝は私たちと顔を合わせたくないのかベットに横になっている。織斑先生と一夏(異)には「光輝と大切な話があるから模擬戦を抜けます」と言ったけど、クレアが付いてきたのは予想外だったわ。
クレア「えっと、お二人は何を話していたんですか?」
ロックオン「知ってどうするの? このことはあんまり深く関わらない方がいいわよ」
クレア「それは分かってます。でも心配なんです……私みたいなのが首を突っ込むことじゃないけど、それでも――」
アムロ[光輝、君はどうだ?]
光輝「ここまで来たんです。クレアちゃんがよければいいですよ。ロックオンさんは?」
光輝はベットで横になって反応してくれた。ホントにごめんなさい……。
ロックオン「私は君が大丈夫なら良いわよ。アムロさん、説明いいですか?」
このことはアムロさんが詳しいので説明を促した。私自身もなんでこうなったのかは分からないのだから。
アムロ[クレア、この二人は模擬戦中に意識共有を果たしたんだ。その結果、お互いの過去を見ることが出来た。でもそれは光輝の心の古傷に触れてしまった]
クレア「心の古傷……」
光輝「……僕は幼いころある場所で実験台にされてたんだ――」
光輝はゆっくりと声を震わせながらも自分の過去を話してくれた。
ある日、両親と病院に行った際に光輝は先生に注射を打たれ意識を失った。次に覚醒した時は見覚えのない狭く薄暗い部屋――そして部屋に入って来た少女。少女の話を聞き、光輝は両親に裏切られたことを悟ってしまう。待っていたのは実験台にさせる毎日。でも同じ部屋にいた少女の存在が光輝の精神を保たせていたと――。
光輝「僕は脱出する際にあの子を見殺しにしてしまった。そのことがずっと頭から離れないんだ……。彼女が言ってくる――なんで私を置いていったの? どうして助けてくれなかったの!? って……」
クレア「………………」
ロックオン「でも今の光輝には仲間が居るわ。昔とは違う。支えてくれる仲間――友達が居る。それに彼女はそんなこと思ってないわ。きっと君だけでも助かって欲しいと思ってたはずよ」
光輝「……でも僕に力があれば彼女を――」
心の傷を修復するのは難しい。この子の場合、深すぎる所まで言ってる。でもこの子はそれを周りには見せずに光を伝えようとしている。そんなこと半端な覚悟じゃ出来るはずがない。光輝は……強い。でもそれが弱さでもある。
アムロ[光輝、ロックオンの言う通りだ。彼女は絶対に責めてなんかないよ。それに彼女は生きてるさ。君がそう思わなかったら彼女が悲しむぞ]
光輝「…………」
ロックオン「ゆっくり考えてみて。さてそろそろ私、戻らないといけないわ。光輝はどうする?」
光輝「休んでから行くよ」
ロックオン「分かったわ。アムロさん、クレア行きましょ」
アムロ[今はゆっくり休むんだ光輝。ゆっくり時間がかかってもいいから、な?]
私は光輝の待機状態のHI-νガンダムを取ってクレアと共に部屋を後にしようとしたが――
クレア「すいません。私、残ります」
ロックオン「……いいの、光輝?」
光輝「別に、いいよ……」
光輝は今にも泣きそうな声で答えてくれた。今はそっとしておいた方がいいのだけど、クレアはどうするのかしら?
部屋を後にした私とアムロさんは模擬戦の行われているアリーナへと戻っていった。
ロックオン「なんで意識共有なんかできたんでしょうか?」
アムロ[推測だが、サイコフレームが何らかの理由で反応したんだろう。サイコバースト中に光輝の意志で意識共有は出来るが、勝手に発動した理由が分からん……サイコフレームの未知数の力の一つかもね]
クレアSIDE
ロックオンさんとアムロさんが去ったこの部屋には私とベットで私の反対方向に横になってる光輝さんだけです。
クレア「…………」
あんな話を聞いた私はどう話したらいいのか分からなくてずっとだんまりです。でもこんな辛そうな光輝さんを支えたい、その気持ちでいっぱいなの。
光輝「……笑っちゃうよね」
クレア「え?」
光輝「人の心の光をみせるとか言いながら僕は未だに過去の事を引きずってる。過去に囚われたまま――笑っちゃうよね」
クレア「そ、そんなこと――」
光輝「会って謝りたい。もう死んでるかもしれない。それでも彼女に……」
光輝さんは何年も苦しんでる。一人の少女一人の為に……でもそれは光輝さんの優しさの表れなのかもしれない。自分を救ってくれた一人の少女をいつまでも按じ続けて……。
クレア「光輝さん、私は一人の人に囚われるのは良いことだって思ったりします」
光輝「……何で?」
クレア「だってそれほど相手の事が大切だって思ってる証拠じゃないですか。でも光輝さんは一人の方に囚われていながらも仲間のみんなを思いやってるじゃにですか。それって凄いですよ!」
光輝「僕は一人は嫌なんだ。それにみんなが居てくれるから僕は毎日が楽しいって思う。だから……僕もいつまでもあの子の事を想ってるのはいけないことなんだって分かってる。でもあの子との繋がりが消えそうで……死んでるかもしれないけどあの子との繋がりも消したくないんだ」
光輝さんは人との繋がりを――思い出を本当に大切にしてるんだ。自分を辛い場所から救ってくれた少女。それに今も周りに居る友達の輪を切らせたくないんだ……。
私は光輝さんに近付き、起こしてゆっくりと抱きしめた。
光輝「ク、クレア、ちゃん!?」
クレア「もっと自分を大切にしてください。私はそんな光輝さんを見ていると胸が痛くなります……。私のあの話を真剣に聞いてくれた貴方から勇気をもらったんです。だから今度は私、が……ひっく」
光輝「だ、大丈夫!?」
クレア「そうやって、すぐに人の、ぐすっ……心配をしてくれる。自分が苦しんで、るのに――」
光輝「誰だって人が悲しんでるのを見たくないよ。ごめんね、クレアちゃん……」
クレア「……抱きしめてください。光輝さんの暖かい気持ちを感じたいです……」
光輝さんは私をゆっくり抱きしめ返してくれた。顔がかなり赤かったけど、ありがとうございます!
光輝SIDE
クレアちゃんのおかげでなんとか立ち直ることができたのかな? でもおかげで僕は――
光輝「あのねクレアちゃん、今度の文化祭が終わったらみんなに僕の過去を話そうと思う。もういつまでも隠し事をするのは止めるよ。これもクレアちゃんが勇気をくれたおかげ――ありがとね」
そう言うとクレアちゃんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。むぅ、どうもこの子は顔を赤くする癖でもあるのだろうか?
クレア「い、いえ! 私はな、何もして、ないですから!」
ちょっ! そこまで緊張しなくても! 本当に大丈夫かな? そんなに堅くならなくてもいいのに。
光輝「さて、そろそろアリーナに戻る?」
クレア「ま、待ってください! あの、私、伝えたいことがあるんです……聞いてくれますか?」
光輝「いいよ。喜んで!」
ん〜一体何だろうか? これまたかなり緊張してらっしゃるけど、大丈夫なの?
クレア「わ、私! こ、光輝、さんのことが――」
クレアちゃんはそこまで言うと今までで最高に顔を赤くし、そしてベットに倒れていった。
光輝「クレアちゃん! クレアちゃん! 一体どうしたの!? 大丈夫!?」
大丈夫かクレアちゃん! どうしてこうなった!? さっきまでのシリアスな雰囲気は何処へ……ってそんなこと言ってる場合じゃない! あぁ! どうしよう!
説明 | ||
今回は戦闘シーンありませんwww 泣き崩れた光輝についてです。光輝の過去を知ったロックオンとクレアは? コラボ第二弾 第一話 http://www.tinami.com/view/430713 第二話 http://www.tinami.com/view/441524 第三話 http://www.tinami.com/view/465678 第四話 http://www.tinami.com/view/479903 オリキャラ・IS紹介 http://www.tinami.com/view/392141 |
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