乱世を歩む武人〜第三十四話〜
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それは4人揃っての仕事中のこんな一言から始まった。

 

「おや?桂枝さん。ここの計算間違えてませんか?」

 

稟が先程計算を済ませた書簡をもってこう言ってくる。

 

桂枝

「む?すまんちょっと借りるぞ・・・っと。これか」

 

どうやら数字を勘違いしていたようだ。急いで修正し稟に改めて渡す。

 

桂枝

「はい、これでどう?」

 

「はい、・・・うん、コレであってますね。」

 

桂枝

「すまないな。手間をかけた。」

 

間違いがこれだけならいいのだが・・・とりあえず次からは気をつけなければ

 

「しかし珍しいですねー。桂枝さんが計算を間違えるなんて」

 

桂枝

「言われてみればここ数年間違えた記憶が無いな・・・」

 

戦闘や戦場での計算違いは常だが純粋な数字を間違えたのは随分久しぶりだ。あれは・・・いつだったっけ?

 

そんなことを考えていたら軽い寒気がした。何事かと思いとなりを見ると・・・

 

桂花

「桂枝が・・・計算を間違えた・・・」

 

厳しい顔をした姉がそこにはいた。

 

桂枝

「どうした姉貴?すごく険しい顔をしてるけど何かあった?」

 

桂花

「大アリよ。桂枝。アンタ部屋に戻って待機してなさい。」

 

桂枝

「・・・む?」

 

随分唐突だな・・・いきなりどうしたんだろう?

 

「おやおや。計算一つ間違えただけで随分と厳しいのですねー。」

 

私もそう思う。数字を間違えた程度でそんなに怒ることだったかな?

 

「そうですよ。人間誰しも間違うことくらいあります「外野は黙ってて!」・・・桂花?」

 

桂花

「桂枝。姉として、軍師として命令するわ。部屋に戻って待機していなさい。」

 

稟の話の最中だというのにすごい剣幕で怒鳴り立てる。・・・いや、待機といっても

 

桂枝

「今から会議のはずだが・・・それまでってこと?」

 

桂花

「会議に出る必要もないわ。今すぐ戻りなさい。その間の仕事も禁止よ」

 

桂枝

「む・・・そんなに怒ることだった「わかったらさっさと行きなさい!!」・・・了解。」

 

ここまで姉が真剣に怒ってるのを見たのは久しぶりだったということもあり私は部屋に戻ることにした。

 

さて、心当たりは一つあるけど・・・バレたのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・どうしたのですか桂花ちゃん?あんなに桂枝さんの怒ってるのを見たのは風も初めてですよ?」

 

桂花

「それについては今日の軍議で話すわ。ちょっと用意するものができたから私も一度部屋に戻らせてもらうわよ。」

 

「え?どういうことです・・・って桂花!・・・行ってしまった。」

 

「なんだか波乱の予感がしますよー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜一刀side〜

 

華琳

「・・・というわけだから秋蘭は凪と沙和と連れて豪族連中のところへ。季衣、流琉は領内で暴れている盗賊達の討伐を。春蘭には帰ってきたら南に行ってもらうことにするわ」

 

ここ王宮の間では軍議がおこなわれている。河北四州を手に入れたのはいいが不穏分子が多すぎて対応に手間取っているところだ。

 

今日はたまたま春蘭ともうひとり以外の全員が揃っているが最近は基本的に数人出払っていることが多い。

 

出動が多いせいか武官の連中も最近はピリピリしている。

 

その中でも俺が一番気になっているのが・・・

 

華琳

「そして霞は稟を連れて西部に行ってちょうだい。偵察目的だとは思うのだけれど油断は禁物よ。」

 

「御意」

 

「了解や。桂枝はどないするん?今日はなんでか欠席しとるようやけど」

 

そう、春蘭以外にいないもう一人の人物、桂枝のことだ。あいつは霞の部隊だからここにいないはずがない。

 

軍師連中も勢揃いのここにいない理由が俺には思いつかなかった。

 

華琳

「そういえばそうね・・・桂花。桂枝はどうしたの?」

 

桂花

「はい・・・華琳さま。少し議題に上げてほしいことがあります。」

 

華琳に呼ばれたというのに嬉しそうにせずにいたって真面目な顔で桂花はそう告げた。

 

華琳

「議題に上げてほしいこと?」

 

桂花

「はい、桂枝のことです。まずはコレをご覧ください。」

 

そういって桂花が数枚の紙を広げた。ところどころに数字が描いてあり赤丸がついている部分がチラホラ。

 

一刀

「これはカレンダー・・・日付表か?」

 

一枚につき大体二ヶ月おきくらいになっているがカレンダーだろうと判断できる。赤丸は一枚丁度4つずつ程度だ。

 

桂花

「そうよ。ここにいる全員!華琳さまも申し訳ありませんが御存知でしたらお教えください。この赤丸の日に桂枝が何をやっていたか覚えている?」

 

そういって一番手前の赤丸の日をさした。たしかそこは・・・

 

華琳

「そこは華佗がきた日よね。あの子はその日華佗を迎えに行っていたはずよ。」

 

桂花

「そうですね・・・じゃあここは?」

 

といってその赤丸の日に×をつけた。

 

「そこはあれや。ウチと模擬戦やった日やな。」

 

桂花

「・・・じゃあここは?」

 

一刀

「そこは確か・・・あ、そうそう。張三姉妹の舞台警護頼んだ日じゃないか?」

 

そういって次々と赤丸の日を指していく桂花。その度に季衣達に勉強の日だったり賊の討伐に向かっていたり時には警備隊の手伝いや秋蘭の手伝いもあった。

 

華琳

「・・・まさか・・・ね」

 

ボソっと華琳が何かを呟いたが聞こえずに終わる。

 

そうしていくうちにも許昌への移動や親衛隊の補助、袁紹との戦などがかぶさっていき・・・

 

桂花

「じゃあ・・・最後よ。ここは?」

 

最後の赤丸までたどり着いた。

 

一刀

「そこってあれだよな。桂枝に街案内をしていてさ・・・」

 

「あーあれか。賊を三人斬り殺してしもうたやつ。あのあとの事後処理結局あいつも手を出したんやろ?」

 

楽進

「はい。書類の準備などをほぼ一人でやったと聞いております。」

 

桂花

「・・・そう。」

 

そういって最後の赤丸にも×をつけた。

 

一刀

「それにしても桂枝のやつ・・・こう聞くと結構色々やってるよな。」

 

「せやなぁ。まぁ頭も良くて戦えてっちゅう奴は秋蘭除いたらあいつくらいしかおらへんし必然そうなるっちゅうのはわかるけどな。」

 

流琉

「そうですね。私達も書類仕事は苦手なのでついつい桂枝兄様に頼っちゃいますし・・・」

 

季衣

「うん、桂枝兄ちゃんが「できないならそのまま渡してくれていい」っていうから頑張ってもできないのは全部お願いしちゃってるよね。」

 

一刀

「俺も何かあるとついつい桂枝に頼んじゃうんだよなぁ・・・」

 

何かあったらあいつに頼んでおけば大抵どうにかなるっていう空気はなんとなくだがある。みんなもそう思っているからついつい桂枝に頼んでしまうみたいだ。

 

于禁

「いいなー。沙和は荀攸さんはちょっと近寄りづらいところがあるから頼みごとなんてしたことないの・・・」

 

李典

「せやなぁ。ウチも開発費の要求やったりはしたことあるけどソレ以上のことは頼んだこと無いなー。なんや生真面目なお人やし。」

 

楽進

「お前たちがサボりたいだけだろう。荀攸様は仕事においても武人においても優秀な方じゃないか。」

 

秋蘭

「そうだな、私も時々だか荀攸にものを相談することはあるし非常に優秀だと評価している。しかし・・・それがどうしたんだ桂花?まさか軍議を使って自分の弟を自慢したいわけでもあるまい?」

 

まさかなぁと皆で笑いあう。しかし・・・

 

華琳・風・稟

「「「・・・・・・」」」

 

 

対照的に軍師連中は重い空気に支配されていた。

 

華琳

「桂花、その印のついた日ってもしかして・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この次桂花から発せられた一言で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桂花

「はい、華琳さま。こちらで印をつけた日「全て」が桂枝の非番の日です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場が完全に凍りついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀

「・・・え?」

 

改めてカレンダーに着いた赤丸と×の数を思い出す。

 

俺の記憶が確かならば・・・確か全てに×がついたはずだ。ということは・・・

 

全員

「「「・・・・・・・・・」」」

 

誰も口を開くことができない。そりゃそうだ。この結果をみたらとてもじゃないが口を開く勇気はでない。

 

しかし・・・まさかこんなことになっているなんて思っていなかった。確かにあいつが今まで休暇をとっている姿を見たことはなかったが・・・

 

チラリと桂花の様子を見る。気づかなかったことに対する後悔か、俺達への怒りか。うつむきながら震えつつもそのオーラはどす黒い。

 

このままでは埒が明かない。そう思い俺は意を決しこの事実を口にした。

 

 

 

 

 

一刀

「ってことはあいつって・・・

 

 

 

ーーーーーーーーーココに来てから今まで一度も休日がなかったってことなのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桂花

「ええそうよ!!ここにいる誰もが気づかずに桂枝を頼ったおかげでねっ!」

 

 

バンっと桂花は手に持っていた日付表を床にたたきつけた。

 

流琉

「そんな・・・だって桂枝兄様なにも・・・」

 

とまどいながら涙目の流琉。季衣も同様に瞳をうるませていた。

 

「そうでしたねー。桂枝さんはそういう人だってことわかってたはずなんですけどねー・・・」

 

于禁

「休日がないなんて・・・沙和だったら絶対に耐えられないの。」

 

李典

「ウチにも無理やでそんなん・・・発明する時間削ってまで働きたくないわ。」

 

楽進

「ちょっと待ってください。その赤丸が休日だというのならばもとより少ないのではありませんか?」

 

凪が疑問に思ったことを口にした。そういえばそうだ。あれだともともとひと月に二回しか休みがないことになる。普通は4〜5回はあるはずなんだけど・・・

 

華琳

「あの子は霞の副官と軍師全員の補佐を兼任してもらっているからもとより休暇が少ないのよ。本人もそれを承諾した上でやっているわよ。」

 

楽進

「な・・・なるほど。しかしそれでも普通非番がここまで連続して潰れているのならばその旨伝えて休みを取るのでは・・・」

 

一刀

「いや・・・桂枝ならやりかねん。」

 

何せ他人100人を殺してでも身内1人を護るというほどの身内びいきだ。身内が困ってるなんて聞いたら自分のことなどそれこそ最後の最後に考えていても不思議ではない。

 

華琳

「桂花。あなたはいつコレに気づいたの?」

 

桂花

「はい。今日の政務中に桂枝が計算を間違えたのがきっかけです。」

 

「あれだけで・・・ですか?しかしあのくらいの失敗ならだれでもあることだと・・・」

 

桂花

「間違えるだけならそれはあるでしょう。でもあの子は他に回す書類に関しては検算まできっちり終わらせてから渡してくるわ。だから本来ならば他人に計算を間違えた書類を渡すことがありえないのよ。」

 

「なるほどー。流石に桂枝さんの姉なだけはあってよく見てますねー。」

 

桂花

「・・・昔に一度だけ同じようなことがあったから。あの時も私に間違えた計算をした書簡を見せてきたわ。」

 

一刀

「・・・その後何かあったのか?」

 

桂花

「私も珍しいなって思う程度だったのよ。でもそのあとすぐにあった剣の稽古中にあの子は倒れたの。過労が原因でね。もし今回も同じ理由だったら・・・」

 

・・・なるほど。桂枝が無意識でだしてるイエローランプだってことか。

 

華琳

「このまま遠征に出していたらどうなっていたかってことね・・・桂花、よくやったわ。危うく曹魏の大事な人材を無為に捨てる所だったわ。」

 

桂花

「華琳さま・・・いえ、あの子の姉として当然のことをしたまでです。そこで相談なのですが・・・」

 

華琳

「わかっているわ。桂枝には数日間の休暇を与えましょう。皆もいいわね。桂枝に仕事を回さないように。コレは命令よ。霞、模擬戦も許可を出すつもりはないからそのつもりで。」

 

「わかっとるわ。ウチも桂枝に倒れられたらかなわんしな。」

 

他の皆もウンウンうなずいた。当然だ。誰も桂枝が倒れることなんて望んではいない。

 

華琳

「結構。そろそろ帰ってくるでしょうし春蘭にもその旨伝えておきま「報告しますっ!」」

 

華琳が話を締めようとしたそのとき扉をあけて伝令兵がやってきた。その様子がただごとではないことを告げている。

 

華琳

「聞きましょう。何かしら?」

 

あ、すごく嫌な予感がするそしてこの世界での嫌な予感は

 

 

 

 

兵士

「はっ!つい先程、荀攸様が夏侯惇将軍との模擬戦の最中にお倒れになられました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

大抵外れないから困る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏侯惇

「おいっ!荀攸!しっかりしろ!おい!」

 

調練場に駆けつけた俺達が見たものは倒れている荀攸と必死に呼びかけている春蘭の姿だった。

 

桂花

「この脳筋!なにやらかしてるのよっ!桂枝!しっかりしなさい!桂枝!」

 

桂花の声に反応したのか桂枝が震える腕を立てなんとか起き上がろうとする。しかし足に力が入っていないのかうつ伏せから仰向けになるので精一杯だった。

 

桂枝

「あれ、姉貴・・・どうしてここに?」

 

そういう桂枝の声には力がない。顔色も悪く明らかに病人の体裁を表していた。

 

桂花

「そんなことはどうだっていいのよ!なんでアンタ私の言うこと聞かずに春蘭と戦ってるのよ!」

 

桂枝

「いや、俺は自室で何もせずに待機していたさ・・・そしたらいきなり夏侯惇さんが来て「暇なのか荀攸!ならば勝負だ!」っていきなり首根っこ掴んでひっぱられてさ・・・」

 

華琳

「春蘭・・・」

 

夏候淵

「姉者・・・」

 

季衣たちすら含めたここにいる全員が春蘭を非難の目で見つめていた。

 

夏侯惇

「な・・・なんなんだ秋蘭まで?私はただ前に負けた雪辱を武人として晴らそうと思って勝負を挑んだだけで・・・」

 

「ああ、その気持ちはめっちゃようわかる。ただ惇ちゃん・・・今日は時期が悪かったわ。」

 

そんなことを行っている最中にふらつきながらも桂枝は立ち上がった。

 

桂枝

「すいませんね夏侯惇さん・・・無様を晒しました。流石にきついので今日はここで終わりでいいでしょうか?」

 

夏侯惇

「お・・・おぅ。わかった。・・・大丈夫か?」

 

桂枝

「ええ、しばらく休めば問題ない・・・はず・・・」

 

そういいながら崩れ落ちそうになる桂枝。慌てて近くにいた季衣と流流が支えることでなんとか立っていることができている状態だ。

 

桂枝

「・・・きっついか。悪いな季衣、流琉」

 

流琉

「いえっ!こういう時くらい頼ってください!」

 

季衣

「桂枝兄ちゃん・・・大丈夫?」

 

桂枝

「そんな心配そうな目で見るなよ。大丈夫だって」

 

華琳

「桂枝、今この瞬間から私がいいというまで仕事をするのを禁止するわ。これは命令よ。」

 

華琳が声も高らかに桂枝に宣言した。対する桂枝は目に見えてわかるほどに動揺している。

 

華琳

「不満そうね。でも・・・自分でもわかっているでしょう?正直今のアナタは役立たずもいい所だってこと。」

 

桂枝

「・・・ええ、でしょうね。」

 

華琳

「ならば今は体調を整えることに専念なさい。今のあなたは今の曹魏にとって欠かせない人物。復帰したらまたこき使ってあげるから覚悟しながら休みなさいね、桂枝。」

 

桂枝

「・・・御意。」

 

そう言って季衣、流琉に支えられながら桂枝は部屋へと戻っていった。

 

 

華琳

「さて・・・桂花。桂枝の仕事を他の子に割り当ててちょうだい。桂枝が戻ってきた時に遅れを最小限にするようにね。」

 

華琳は桂枝が戻っていくのを確認してそう言い放った。

 

北郷

「そういやさ・・・あいつって何を専門にやっていたんだ?」

 

俺はふと疑問に思い三人に尋ねる。

 

すると三人はバツの悪そうな顔をした。

 

華琳

「・・・?どうしたのかしら?丁度ココに全員揃っているんだから振り分けてしまいましょう。あの子の仕事の範囲が広いのは知っているけど振り分けられないってことは・・・」

 

「華琳さま。桂枝さんの仕事を振り分けることはできません。」

 

華琳

「・・・どういうことかしら?」

 

どういうことだ・・・?いくらあいつの仕事量が多いからって誰にも分けられないってことは・・・

 

「はい、桂枝さんの仕事は計算を中心とした部隊、軍、国、政務におけるほぼすべての書類作業です。逆に言うと彼特有の仕事というものはないのですよ。」

 

北郷

「特有の仕事が・・・ない?」

 

「ええ、例えば張遼隊は無論、最近では魏の部隊全ての運営に関わる数字案件のほぼ半数以上を桂枝さんが請け負っていました。」

 

「なんやて!?部隊全部!?」

 

一刀

「おいおい・・・それってどんだけの量があるんだよ!」

 

俺なんか警備隊の書類片付けるだけでも精一杯だっていうのに・・・!

 

「他にも季衣や流琉の場合読めない文字があると手間を掛けるという理由で親衛隊の書類は全て桂枝さんが持って行き説明して処理をしています。」

 

華琳

「最近親衛隊の書類に不備が少ないのはそのおかげだったのね・・・」

 

華琳も知らなかったようだ。

 

一刀

「・・・秋蘭は知っていたのか?」

 

夏候淵

「いや、確かに姉者から来る書類と私の書類あわせてもやけに少ないなとは思っていたが・・・」

 

桂花

「それだけやってもあの子がやったほうが早かったのよ。最近河北四州を手中に収めて規模が大きくなったでしょう?どうしても数字も大きくなって扱いに時間がかかるから・・・」

 

「それについで私達の案件ほぼ全ての見積りだしてますからねー。「専用の仕事が無い」っていうよりかは「専門で仕事をする隙がない」って言ったほうが正しいでしょうか?」

 

確かにそんだけやってたら他の案件なんか持っていられないというのはよく分かる。

 

華琳

「なるほど・・・あの子の仕事はもとよりやるべき人間が片付ければいいだけの話だから振り分ける必要がないと。」

 

桂花

「はい。そういう意味では引き継ぎの影響はあまりありません。ですが・・・」

 

一刀

「皆の仕事が均等に倍程度増えるってことか。しかも時間のかかる数字関係の仕事が・・・」

 

「はい。おそらく能率が半分以下になると思ってくれればよろしいかと。」

 

半分以下・・・全体が落ちるとなるとそうとうだよな・・・

 

華琳

「・・・随分頼っていたのね。」

 

「そうですね。そこに気づかせないあたりが桂枝さんらしいというか・・・」

 

「・・・あの人はお月様みたいな人なのですからね。」

 

一刀

「月?」

 

「いえいえ、風の独り言なのですよー。」

 

桂枝と月・・・あまり想像がつかないかな。

 

華琳

「・・・とにかく。これ以上あの子へ負担をかける訳にはいかないわ。みんなもあの子に頼る際には注意しなさい。」

 

 

 

こうして桂枝には1週間ほどの休みが与えられることになった。

 

諸侯の動きも活発ではあるが様子見程度の小規模なものが多く、そのくらいならば問題がないと判断したためだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしこの数日後、

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達にとって・・・引いては桂枝にとっての最大の危機が訪れる。

説明
書きダメしていて理解しました。

危機感がないと、時間を意識しないとアイデアなんて浮かばねぇ

というわけで週一では確実に更新しようと思っています。
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コメント
>> 不知火 観珪 さん 今確認してきましたが・・・桂花であってますね。あいつら原作で話す回数少なすぎですわ・・・。あと桂枝の仕事に気付けないのは桂枝の仕事が他の人の補佐という都合上大抵が部隊長の手柄か軍師三人の手柄になるからです。(RIN)
冒頭での稟ちゃんですが、桂花ちゃんへの呼び掛けって桂花殿だったきがするのですが、どうでしょうか? それにしても、あの華琳さまが気がつかないように仕事をするスペックとか、高過ぎるww 数字に関しては三国一!(神余 雛)
>> 黄金拍車さん   もとより皆の頼みごとを何も言わずに引き受けていたせいで休みが一日もなかったっていうのが過労の原因です。それじゃなくとも教育は必要でしょうが・・・(RIN)
>>アルヤさん 知識の流用、計算能力、戦場における視野の広さと冷静な判断力があるという隣においておくと非常に便利な桂枝です。 しかし隊長にすると兵士の命を大切と思えない。軍師にすると奇策を練れるほどの発想力がない。政務をさせると数字に強いが「民のための献策」をする能力が皆無、と「人の上に立つ才能」は笑えるほどありません。 (RIN)
南に言ってもらうことにするわ⇒行って  復帰後は各部署に数字担当文官を配置できるように、教育するほうがいいかもね^^;もし数字を弄って私腹を肥やしていた場合は、一族郎党皆殺しって罰則あれば少しはましかも^^(黄金拍車)
こう聞くと桂枝のスペックすごいというかおかしいよなもう。(アルヤ)
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