単一の幸福を求めて…第2話 |
第2話 脱出
「白斗……」
柚は自室で徐庶の帰りを待っていた。
眠れない夜を過ごし、空には既に朝日が登っている。
ドタドタドタッ…バタンッ!!
勢いよく部屋の扉が開き見知った顔の少年が飛び出してきた。
「大変だ!白斗が…白斗が…」
「白斗がどうしたの!?」
「役人に捕まった…」
ーーーー隣り邑の広場
広場には人が集まっており、広場の中心には大きな丸太が立てられた。
「この者を知っているものはおるか!!」
集まった人々に向かい、肥太った役人が叫ぶ。
広場の中心にある大きな丸太に縛られた白斗はそんな声を聞きながら自分の運命を考えていた。
『俺はこのまま死ぬのか…?友の仇討ちも果たせず惨めに晒されながら死ぬというのか…』
時が経ち、広場で大衆に晒されながらも、邑の者達は誰一人名乗り出るものはいなかった。辺りも暗くなり邑人もまばらになっていた。
その為、役人達は白斗を連れて屋敷に戻って来ていた。
ーーーー屋敷内の一室
「誰も小僧を知らんというのか………………いや、明日はもっと酷い姿で衆目に晒してやるとしよう」
グフフッと下卑た笑い声を上げながら役人は部屋から出て行く。
白斗は一人暗い部屋に取り残されたが、体は縄で縛られ身動きがとれなかった。
「…くそっ!」
『夜が明けるまでに何とかして脱出しなければ!………しかしどうやって?』
白斗は悪態をつきながらも脱出する方法を考えていた。
すると突然部屋の扉が開き、誰かが中に入って来る。
その人物は白斗の良く知る、しかしこの場にいるのは以外な人物だった。
「白斗!!」
「柚?どうして…?」
「心配したんだから!」
「悪い…面倒かけたみたいだな…」
「馬鹿!早く脱出しよ?」
そう言って柚が小刀を取り出し、白斗が縛られている縄を切る。
「…まだだ」
「え?」
「まだ芙幼の仇をとってない」
「何言ってるのよ!身体中傷だらけじゃない!」
しかし白斗は立ち上がると、柚の頭を優しく撫でながら言う。
「心配するなよ…もう無茶なことはしないさ」
「…え?」
「策がある」
此の日この時から軍師徐庶元直の、中華万民が願う単一の幸福『平和』を求める戦いが始まるのだった!
あとがき
割りと早くに書けたかな?
オリキャラ紹介
第2弾!
石韜(セキトウ) 広元
真名 柚(ユウ)
白斗の幼馴染み、白斗にとっては妹のような存在。
髪は茶色で肩くらいまでの長さ。
武芸はあまり得意ではないが、護身術として小太刀を扱える。
とまあ簡単にではありますがこんな感じです。
暇があれば妄想にふけっている今日この頃…
オリキャラの設定に頭を悩ませながらもどうにかこうにか進めております。
次回は徐庶さん初の策が炸裂!です!
ではまた次回〜!
説明 | ||
真・恋姫無双の二次創作です。 オリキャラ多数です。 嫌いな方は御遠慮下さい。 まだまだつたない駄文ですが、よろしくお願いします。 |
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