IS ―インフィニット・ストラトス― きゅー組物語 2
[全3ページ]
-1ページ-

「出雲さーん、出雲さーん!!」

 

ドアの向こうから、声が聞こえてくる。

 

一体誰だ?また、マスコミか?それとも宗教の勧誘か?

 

 

いや、待てよ………そういえば、面接受けた会社、一社だけ通知がまだだったな。

 

 

………まさか!

 

 

………思えば、この時の俺はアホである。

たとえ件の会社に採用されたとしても、誰かが採用通知を直接持ってくるなんて事はあり得ないのだから。

 

 

 

「はいはいはいはい!今出ます!!!今出ますからちょっと待って!!!!!!」

玄関に向かってそう叫び、俺は大慌てでドアを開けた。

 

するとそこには

「どーも、出雲さん。私、こーいうものです。」

名刺を差し出す、スタイルのいい白人女性が立っていた。

 

ん?んん??通知待ちのとこって、町の小さな不動産だったよな。

なんか、イメージ合わないな?あ、やっぱり宗教さん??

そう思って、差し出された名刺に視線を落とすと

 

 

「IS学園?」

 

「はい!IS学園のロジーナ・ピアリーです!」

 

「ISって、あのIS??」

 

「ええ、あの女性しか使えない超兵器のISです!!」

 

………わからん、何故男で技術職でもない俺の所にIS関係者が尋ねてくるんだ?

 

 

「………なんで?」

解らない、考えても答えは出なさそうなので素直に聞いてみる。

 

「えぇ、それについてちょっと説明させて頂きたいのですが。」

 

「は、はぁ。」

 

「それじゃ、ちょっとお邪魔させていただきますね。」

そう言って彼女は部屋へと滑り込み

 

 

「うわ!汚い!!部屋汚い!!私の部屋並みに汚いよ!?」

大声でそんな事を叫びだしたのだった。

てか、どんだけ汚いんだよアンタの部屋。

 

 

-2ページ-

 

流石にあの部屋に客を入れる訳にも行かず、近所の喫茶店に場所を移すことになった。

 

「とりあえず、この資料を。」

そういって、ロジーナさんはプリントを差し出す。

そこにはデカデカと、こう書かれていた。

 

 

 

国連でISのレスキュー隊作るよ!

国連にノウハウ無いからIS学園に協力してもらうよ!!

学園もレスキューのノウハウ無いからスカウトするよ!!←今ココ

 

 

 

「何です?これ。」

 

「私がココに来た理由と目的。解りやすいでしょ?」

いや、解りやすいけど。

 

「あの、流石にこれだけじゃ………」

なんだか、不安にもなるわけで。

 

「だってさ、詳しく説明すると長くなるしさー。絶対眠くなる、私が。」

アンタがかよ。

 

「ちゅーか、敬語は要らんよ。歳は私のが下だし。」

 

「いや、でもですね」

 

「だー、もー、敬語無し!あと、私のことはロジーナって呼べ!!何かイライラすんだよ!」

うわぁ、何か理不尽な理由で切れかけとるよ、このねーちゃん。

 

「………はぁ、わぁーったよ、ロジーナ。コレでいいか?」

 

「オッケーだ、春告。んで、ズバリ聞くぞ?」

 

「何だ?」

 

「このまま部屋で腐って過ごすか、それともまた人助けをするか。あんたは、どうしたい??」

 

………その聞き方は、卑怯だ。

出雲春告という人間に対して、その問いは余りに卑怯だ。

 

 

 

 

 

「………解った。やらせてもらうよ。」

 

「そうこなくっちゃな!!これからよろしく、春告センセ!」

 

こうして、俺の再就職が決まった。

 

 

-3ページ-

 

「あ、ロジーナ。一つだけいいか?」

給与などの細々とした話が終わり(そっちの資料はちゃんとしていた)、俺達は駅へと向かう。時刻は六時半。辺りはすっかり暗くなり、駅前通りは帰宅する人々で混み合っている。

 

「何だ?」

 

「何で俺にこの話を持ってきたんだ?」

探せば、もっと経験豊富な人材が見付かりそうなもんだ。

大体、IS学園って女子高だろ?女性の方が、良さそうなもんだが。

 

「あー、色々理由はあるんだけどさー。結局は………」

 

「結局は、何だ?」

 

「私が気に入ったんだよ。お前の事。」

 

「気に入ったって、初対面だろ?」

いままで、ロジーナのようなブロンド美人に出会った記憶は無い筈だ。

 

「だって、アンタ有名人じゃん。いやー、ニュースで大爆笑したのは初めてだったぜー。」

そういって、彼女は大爆笑する。

 

「ふん、そんなにピエロが好きかよ。猫を助けてクビになったのがそんなに可笑しいか。」

マスコミが面白可笑しく騒ぎ立ててくれたお陰で、あの件は俺のトラウマみたいになっているのだ。

そこを笑われると流石にイラッとくる。

 

「そーゆーことじゃねーよ。たぶん、アタシがアンタの立場でもきっと同じ事をした。そう考えると、何か笑えてきたんだよ。」 

そういって前を歩いていたロジーナが、こちらを振り向いた。町の明かりに照らされたその笑顔が、何だかとても綺麗で

「そーかよ。」

 

 

俺は赤くなっているであろう顔を隠すように、ぶっきらぼうに応えた。

 

説明
なんとか、投稿済みの辺りまで追いつかせたいです。一週間以内で。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1230 1197 4
コメント
ひゃっはー!大人組のお話だ〜!!で?で?夜の熱い御話しはもちろんあるんでしょ!?(笑)(神薙)
コメントありがとうございます!ロジーナさんもヒロインの一人だったり…するの……かなぁ?きゅー組物語の主人公は教師ですので、割りと大人組みメインの話になっていく予定です。予定です。(かーる・おかめごっち)
お?おお?この回の最後を見るに、どうやらロジーナさんがヒロインなんすかねぇ?大人組が余りいない作品なだけにwktkですね!(神薙)
タグ
オリキャラ オリ主 IS インフィニット・ストラトス 

かーる・おかめごっちさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com