IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode67 約束
それから一日後・・・・・
「はぁ・・・」
と、疲れたかのように隼人はため息を付く。
「やっと解放された・・・」
「そ、そうですね・・・」
「うん」
「そうですわね」
と、近くに居て同様に疲れたようにラウラ、シャルロット、セシリアが言う。
四人はIS学園のどこかにある研究施設の一室に居た。
襲撃の後すぐに四人は千冬に呼ばれて事情聴取と検査を受けることになって今日ですべてが終わったが、昨日の疲労もあってかなり疲れていた。
「ところで、お前たちはどうだったんだ?」
隼人が聞く内容とはあの時三人の身に起きたISの変化であった。
「はい・・・。あの後色々と調べたところ、普段は通常のISで、任意発動であの姿になれると言うのが分かりました」
「任意発動か・・・」
「うん。特にこれといった制限は掛かって無いよ。僕達の身体には何も起きたないし、ISにもこれと言った異変は無い」
「それと直接その状態で展開も可能と言うことが分かりましたわ」
「そうか・・・」
「それで、師匠はどうだったのですか?第二形態移行になったバンシィの状況は?」
「あぁ。色々と調べた結果・・・今のバンシィ集大成って感じだったな」
「と、言うと?」
と、セシリアが怪訝そうに聞く。
「例えば背中に増設されたBビットだ」
「Bビット・・・?」
「Bは『ブラスター』の略だ。バンシィのデータじゃあれはセシリアのブルー・ティアーズが基になっていたようだ」
「セシリアの?」
「一体なぜですか?」
今度はシャルロット、ラウラが怪訝そうに聞く。
「そういえば二人はまだその時はIS学園に来ていなかったな。ちょうどその時クラス対抗戦の代表を決める決定戦があったんだ。その時にセシリアのブルー・ティアーズのコントロールを奪って使用したんだよ」
「その後に恐ろしい思いもしましたわ」
と、セシリアが皮肉的に言う・・・って、まだ根に持っていたのかよ・・・
「バンシィってISのコントロールを奪うことが出来るの?」
「あぁ。簡単にな」
「しかし、そのような機能は見たことがありませんけど・・・その機能を使えばこれまでの戦闘も容易かったのでは?」
「ラウラ・・・そういう考えはやめろ」
「?」
「それを使えば自分に有利な状況を作れる・・・それはそうかもしれない。だがな・・俺はそこまで策略家じゃない」
「す、すみません・・・」
「そう何度もポンポンと出せるものじゃないんだよ。ISのコントロールを簡単に奪えるISが居ると知られることになれば面倒なことになるからな。特にやつらにはな」
「まぁ、それは確かに・・・・・」
「・・まぁ、話を戻せば、Bビットはバンシィの武装のアームドアーマーBSをベースにブルー・ティアーズのビットの機能を取り入れた複合武装ってわけだ」
「なるほど」
「そしてラウラのシュヴァレツェア・レーゲンの停止結界のような機能も取り入れているからな」
「AICを?」
「まぁ相手を止めるってぐらいしか共通点は無いけどな。止め方も違えば効果維持の方法も違う」
「・・・・・・」
「バンシィの本体はともかく、新しい武装もあったよね」
「あぁ。左腕の複合武装『ストライクバスター』・・・まぁ複合って言ったって斬撃と射撃しかないけどな」
「それでも結構凄かったよ。超音速で弾を放っていなかった?」
「まぁな。超電磁砲・・・すなわちレールガンってところだな・・・。いや、それ以上かな」
「レールガンって・・・・」
「かなり物騒な武装を発現させたものですね」
「確かに」
「・・・・」
「まぁ、普段じゃあの形態は使用するなってことだろ」
「はい。きょう・・・織斑先生からもそう言われました」
「わたくしもですわ」
「僕も。ってか、僕だけ念入りに言われたんだけどね・・・なんでだろう?」
(((そりゃそうだ(ですわ)))
そしてシャルロット以外は同じことを考えた・・・・
「・・・・・・・」
そうして隼人は寮に戻っていた。
(参ったな・・これは)
そして自室にてパソコンの画面に向き合っていた。
パソコンの隣には少し損傷しているAGE-3の待機状態である腕時計があり、画面には中破したAGE-3が映し出されていた。
(駆動系や回路が完全に逝っている上にフレームの損壊・・・・これは修復するより改装した方が手っ取り早いか?)
そして腕を組んでイスの背もたれにもたれかかって静かに唸る。
(設計図案は一応あるが・・・それでも改装に使う部品や設備が無い・・・バンシィのコア内でも改装に限界がある。ただでさえAGE-3はバンシィ内にあったいくつかの部品でギリギリ組み上げることができた機体だからな)
なのでバンシィのコア内のデータバンクには改装に使える部品が残っていない。
(誰か居るかな・・・設計図どおりに改装ができて部品もたくさんあって十分な設備を持って最高に仕上げることが出来る科学者って・・)
そう考えながらパソコンの画面を切る。
(しかし・・・)
そして隼人はあることを思い出した。
(あの機体・・・一体・・)
それはあの時隼人の背後から襲い掛かってきた白いバンシィの攻撃を遠距離攻撃で阻止した黒い機体のことである。
(・・あの時は遠かったからぼやけていたが・・・それでもバンシィ・アサルトに酷似していたな・・)
ぼやけていて別の形状に見えていたのかもしれないが、それでもバンシィ・アサルトの特徴である背面ユニットがあった。
(何より・・・色もバンシィと同じだった・・・。それだけははっきり分かった)
ぼやけていたとは言っても色は黒と金とはっきりと見えていた。
(・・一体あの機体は・・・)
「・・兄さん」
そして後ろから颯が呼んだ。
「どうした、颯?」
隼人はイスを回して後ろを向く。
「・・話しが・・あるの」
「話し?」
「うん・・・・。昨日のことなんだけど・・」
「・・・・・・」
「・・・・あの後・・考えてみたの・・・私の前に現れたISのことを・・・」
「・・・・・」
「・・あのISのパイロット・・・私の事を知っているような口ぶりだった・・・」
「・・・・・」
「・・・もしかしたら・・・私―――」
「それ以上言うな」
と、隼人は颯が言う前に言葉を遮る。
「で、でも・・・」
「なんにせよ、お前は颯だ。それ以外の何でもない」
「・・・・」
「気にすることなんか無い」
「・・でも・・・もしかしたら私は・・・兄さんの敵なのかもしれないんだよ・・」
「・・・・」
「・・私の消えた記憶・・・・それがもしかしたらあの人たちの所に居た記憶だったら・・」
「颯」
そして隼人は軽く颯の頭を叩く。
「っ?」
「気にするなって俺は言ったぞ」
「・・・・・」
「・・・・・・・」
そして隼人は息を吐くとイスから降りて颯の前に片膝を着く。
「・・心配するな、颯。もしあいつらがお前にやってくるのであれば、俺が守ってやるよ」
「本当?」
「あぁ。どんなことがあろうともな」
「・・・・・」
「約束する。絶対だ」
「・・うん」
そして隼人は颯と指切りを交わす。
『―――以上が報告だ』
そしてディードはとある人物に報告をした。
「ごくろうだった・・・。ベータの居場所を突き止めてくれてな」
『こっちも仕事だからな・・・。やることはやるさ・・ドクター』
そうしてディードは通信を切る・・・
「ベータの居場所が分かったのですね」
と、ドクターの隣でデータを打ち込みながらシスターが聞いてきた。
「あぁ。無事で居てくれて何よりだよ」
「確かにそうですが・・・しかし場所が場所ですしね」
「それもそうだが・・・場所さえ分かればベータを取り戻すなど容易いことだ」
「・・それで封印していた最強の戦闘機人・・No01・・・クライン姉さまを目覚めさせると」
「この際仕方が無い・・・。それにずっと眠り続けるのも彼女に悪いからね」
と、ドクターが見上げる先には、水槽の中に一人の女性が入っていた。
「ですが姉さまの能力に付いていけるISがあるのですか?」
「それを今開発しているのだよ・・・。彼女にしか使いこなせないISを・・・最高傑作のISをね」
「そうですか」
そうしてシスターは作業に集中した。
(・・クライン・・お前にはまだ働いてもらうよ・・・・目的を果たすためにな)
後書き
最近コメントが無い・・・。それに前回と前々回は特にコメントを書いてほしかった回なんですけどねぇ・・・・
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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コメント | ||
たぶん名前が偶然合っているだけだと思います・・・たぶん(ファントム) んっ!? クライン? SAOのアノ人すか?(jon/doe) クライン?どっかで聞いたことがあるような・・・・・・気のせいでありたい(鎖紅十字) |
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バンシィ ガンダム インフィニット・ストラトス IS | ||
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