RETRIEVER STORY
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シャングリラ。

 アーガマの入港と、Zガンダムをジュドーたちが手に入れようとしていることを、ステラ・ルキスは知っていたが、彼女はそうできることがうらやましいとは思わなかった。なぜなら、すでに “もうひとつ” のガンダムを手に入れていたからだ。

 ある日、ジャンク屋である彼女はひとり仕事をしていた。そこへある男がやってきた。男の話すことは信じられなかった。ひと気のない輸送船用ポートに泊められた船の中のモビルスーツを見て、彼女は父親の遺産とほそぼそと貯めてきたお金を使い切り、そのモビルスーツを手に入れた。ニュースで見ていた、あの白い Mk.II に似ているが、どこか違うこのモビルスーツがガンダムであることはステラにもわかったからだ。

 あの男が、どんな人間だったのか知らない。しかし、幸運をもって来てくれたことに感謝した。このガンダムはカラバの人々に買ってもらうのだ。いいや、ただでやってもいい。

 ステラはアムロに会いたかった。

 

 

■カラバによるガンダム Mk.II タイプ “レトリーバー” 調査報告

 

 レトリーバーという名は、もともとアナハイムが開発していた人型で無人の偵察/救難機の開発名だったが、見つかった Mk.II タイプの機体のそばにいた少女と愛犬を見て、仮称として調査隊がレトリーバーとしたため、のちにアナハイムの無人機は別の名に変えられた。

 奇しくも、システムの一部は共通する部分もあったため、レトリーバーという名が譲られたとみられているが、このMk.II タイプの機体の存在はいまだ公には認められていない。

 

 “レトリーバー” は、グリプスで設計され “白いガンダム” がエゥーゴのシンボルとなってからは、バスク・オム大佐らの意向で開発が中止された機体である。しかし、技術陣がガンダムの高い汎用性を捨てることはマイナスであるとジャミトフ・ハイマンに説き、キリマンジャロで作られたもので、すでに完成された機体であった Mk.II をさらに改良したものであり、そのポテンシャルは計り知れないものがあると思われるが、数機を試作したのみで再び開発は中止された。その後、このレトリーバー以外すべて不明である。

 この、見つかった機体のコクピットには、サブコンピュータのひとつしか繋がっておらず、メインコンピュータが作動した形跡がないため、このことがシャングリラに流れた理由のひとつと考えられている。

 また、バックパックは変形し、コクピットコアを引き出して高速脱出システムとなることがメインコンピュータの解析でわかった。脱出システムとはいえ、コアファイターともいえる完全なファイター形態となるため、一応、バックパック・コアファイターという仮称をつけている。このバックパック・コアファイターが離脱したあと、パイロットの命令により、レトリーバー本体には自己防衛機能が働くことも解明された。

 バックパックの変形と自己防衛機能は、同時期に開発されていたアナハイムの無人偵察/救難機に似たものが搭載されていたため、このことはアナハイム・エレクトロニクスの巨大さと複雑さを表すものだといわれている。

説明
引き出しを整理していたら、こんなものが。ZZガンダムの時に書いたのかなあ。
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