マブラヴ -少年のものがたり-
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「どこだここ…」

 

俺はハッ!っと意識を復活させるとそこは見たことのない場所だった

そこは見渡す限り怪我をしてる人、そしてその人たちを看護するようにいる人たち、せわしなく動いている人、座り込んでいる人

これだけの情報ならきっと病院とかだと思う、しかしここは野外だ

 

怪我を負ってる人たちはみんな白いテントに赤い十字のあるテントに入っていく、じゃあここは野外仮設病院?

最近で大きな災害とかあったか?

あったとしても2011年の東北地方太平洋沖地震だ……俺は関東で暮らしてたからわからないが災害とかあったらきっとこんな感じなのだろうか?

 

でも今は2012年だぞ?1年経ってるんだぞ?

わからないが仮設の野外病院はあるかもしれない……でもこんなにまだ怪我を負ってる人がいるのか?

 

わからない

 

だからとりあえず俺はわからないのなら聞けばいいと思って聞きやすそうな人を探し始めた

 

 

そして見つけた、話しやすそうな人ではなかったが、大勢の人が集まって頭を下げている集団を・・・

 

そこに行けば何かわかるかも……そう思い歩きはじめる

 

 

俺は転んだ

 

おかしい、普通に歩いただけなのに転ぶなんて……何もないところで転ぶなんて……まさか自分にも何か怪我が!!!!

 

そう思い確認しようとすぐに立ち上がろうとして手を地面に付くと自分の手が目に入る……

 

 

おかしい……自分の手が小さい……とりあえず立ち上がり怪我がないか確認すると怪我はなかった

 

でも別の問題があった

 

「俺……体が小さくなってる……コ○ン君みたいになったぞ?!」

 

俺は180cmはあった身長だぞ?!

現状は120cmぐらいだ……子供だ

 

わからない、わからないことが多すぎてわからない

でもとりあえず何か少しでも情報がほしい!周りの人は忙しなく動いていてとても話しかけられないし怪我をしてる人には聞きづらい

 

だから先ほど見つけた集団にもう一度向かう

あそこにいる人たちは怪我がないようだし、全員が同じ方を向いていることから何かあるのは確かだ

 

だからもう一度歩き出した

 

だが……俺はもう一度転んだ、今度は派手に頭からいった

 

「ぐはぁう!」

 

180の体からこの120の体の大きさの違いでうまく体を動かせないのだ

どの動きもぎこちない

 

痛いから地面をのた打ち回っていると

 

 

「何をしているのだ」

 

 

近くで声がする…というより隣に居て俺を抱き上げるとそのまま立たせる

まるで転んだ子供を親が抱き上げて立たせるようだ……

 

 

「ありがとうござい…ま…す…」

 

 

俺は抱き上げて立たせた人を見た

俺の今の目線に合わせてしゃがむその人を

 

 

「礼を言えることは偉いが最後までちゃんと言えるようになれなければいけないぞ」

 

 

きりっとした顔だが優しくゆっくりと言うその人の名前は

 

 

「月詠さん……」

 

マブラヴに出てくるキャラクターだ……月詠 真那さん、Extraでは御剣 冥夜のメイド、オルタでは冥夜の護衛だった人だ

じゃあここはマブラヴの世界?俺はとうとうゲームのやりすぎで頭の中で世界でも作ってしまったのだろうか?

そして月詠さんは先ほどと人が変わったように怖い声で俺に問いかけてきた

 

「……貴様名前はなんだ、なぜ私の事を知っている」

 

優しい声が一遍とても怖い声で聴いてくる月詠さん

合わせていた目線も月詠さんが立つことによって俺が見上げる形になる

 

月詠さんは斯衛の格好だ、メイドじゃない

つまりこのことからわかることはここはアンリミテッド、もしくはオルタネイティヴの世界になる

どちらの世界には……奴らがいる……BETA

俺は奴らを許さない、ゲームをするプレイヤー?だった俺はゲームをやった当時泣いた、2回目をしたってもちろん泣いた

そしてなぜ武の力になれず俺は画面越しにしか見ることしかできないのか真剣に悩んだことさえあった

頑張れタケルちゃん!頑張るんだ!としか言えない……

 

 

「聞こえなかったのか?」

 

もう一度怖い声の月詠さんの声が聞こえて意識を戻す

 

「……俺は、安部 零時(あべ れいじ)です、なぜ知っているかと言うと」

 

「待て、今安部と言ったか?」

 

なんだろうか?今目を見開いたような気がした

 

「そうです、安部です」

 

「お前の親の名前は?」

 

「父が宗次、母が礼子です」

 

名前の由来は簡単

そうじ、れいこ から 母から れい 父から じ をそって れいじ

ちなみに女の子だったら そうこ にしていたらしい そうこ だときっと倉庫とかなんか言われていじめられていそうでイヤだな……

 

「こちらポイントC-3より安部中尉へ………すまない、少し聞きたいことがあってな、確かご子息は零時と言う名だったな?……そうか、では朗報だ、今私の前に安部 零次と言う少年がいる一度確認のために来てみてはどうだろうか?………わかった、貴様好きな食べ物はなんだ?」

 

月詠さんが袖越しに何かを喋っている、どこかに通信をとったみたいだが安部中尉と聞こえた気がした、気のせいじゃないと……思う

しかし今のやり取りSPとかみたいでかっこいいな……

 

しかし今このタイミングで好きな食べ物?

 

俺が好きな食べ物は小さいころから決まってる

 

「母さんが作る角煮ですが……?」

 

年末にしか作ってくれない時間をかけてじっくり煮込んで作ってくれるのだ

年末以外にも作ってくれと言ったが「年に一度だから良いんじゃない、それにあれ作るの大変なのよ」と笑顔で言われた

 

「母親がつくる角煮だそうだ」

 

そこで通信が終わったのか

もう一度俺の目線に合わせてくれる

 

「そうか…生き残っていたのか、しかしなぜ私の名前をしていたのだ?一度もあったことはないと思うのだが?」

 

「それは……」

 

さっきは月詠さん自身が待ったをしてうまく逃れたが見逃してはくれないらしい

 

ここで言って良いのか?

僕はこれからの起こる出来事をしています……とでも

いやでも今この世界は何年なんだ?武が来る前?それとも桜花作戦の後なのか?それとも2001年10月22日?

 

でも武は結局夕呼先生にか未来から来たって話してなかったような……純夏とか霞も知ってたるから……

 

でもこれって信じてもらわなかったらただの頭がおかしくなった奴だよな?

 

「零時!!!」

 

考え事を……月詠さんに何て言って誤魔化そうとしていると後ろから声をかけられて振り返ると走ってくる二人の人物が呼んだようだ

 

「父さん?母さん?」

 

忘れるはずのない両親の顔

しかしその二人の来ている服は斯衛の黒だ

 

つまりさっき月詠さんが連絡を取っていたのは俺の両親でどちらかがきっと”安部中尉”なのだろう

 

走ってきた父さんと母さんは止まらずにそのままスライディングをするかのように突っ込んできてそのまま二人して抱きついてくる

 

「良かった!ホントに良かった!生きていたんだな零時!」

「本当に心配させて!生きていてうれしいわよ!」

 

2人は号泣だ

抱きつく前から号泣だ

 

生きていてくれてうれしい、つまり俺は死んでいた?そうじゃないな…きっと死んでしまったのでは?程度なのだろう

 

しかし俺もよく冷静でいられるな……ここはBETAのいる世界だろうし、いつ死ぬかもわからない

尚且つ俺は今こんな子供の姿だ、ハンデでしかない

 

そうだ……ハンデでしかない

現に俺は武に体力がなくて甲21号作戦にすら参加させてもらえなかった

死の8分は乗り越えてる、新潟侵攻のときにBETAと戦った記憶がある、でもその帰りに爆睡して一日起きないくらい体力を使った記憶がある

 

 

 

ん?……なんで俺武に参加させてもらえなかったとかBETAとの戦闘なんかの記憶が……これは記憶を引き継いでるのか?

じゃあ俺はループしてる?なんで?原因は?むしろなんでココに居る?俺は一般人だぞ?武のように幼馴染とか恋仲になった人もいない、そんな記憶もない

 

でもどうせなら身体も引き継ぎがあってほしかったものだ………でも身体つきはいい方なのかな?なんか筋肉はついてる気がするようなしないような……

 

「なんだ零時、お前身体でも鍛えてたのか?」

 

「あら?ホントね……でも離れてから一週間もたってないのよ?」

 

一週間……その時俺は両親に会った、そして俺は生きていないかもしれないと思われていたと……じゃあこの世界でそんな状況があり得そうな状況と言えば?

 

BETAの襲撃もしくは侵攻……それなら納得がいく

俺の知っているのは新潟侵攻のと横浜基地襲撃だろうか?

 

でも両親は黒の斯衛の格好をしてる、つまり国連軍ではないから帝国軍がある場所に近い方だと思う

 

だから新潟侵攻の可能性が高いな……

 

「しかしよく生きていたな零時、どうやってここまで来たんだ?九州からは随分遠かっただろうに」

 

なぬ?九州だと?!

なんで九州?アニメで始まったTE(トータル・イクリプス)に確か

夏に重慶ハイヴから東進したBETAが日本上陸したんだよ……それでわずか一週間で九州・中国・四国地方に侵攻

犠牲者3600万人 日本人口の30%が犠牲になったはず……そこからも避難は続いて

近畿・東海地方に避難命令。2500万人が大移動を開始したはず

 

そして一ヶ月に及ぶ熾烈な防衛戦の末、京都陥落。首都は京都から東京に移される

 

これが俺の知ってる知識

 

つまりここで考えられる可能性は重慶ハイヴから東進したBETAが日本上陸→俺は九州に居た→両親はもう助かっていないだろうと思う

こんな感じかな?

 

「父さん、母さん……今は何年?」

 

わからなければ聞けばいい、さっき聞きやすそうな人を探していたのだから

しかし聞くと両親に心配されるような顔をされる

 

「どうした?どこか痛むところはあるか?頭をぶつけたとか……」

 

父さんが質問してきて母さんが俺の体をペタペタと触って怪我がないか確かめてくる

この年でまさか母親にベタベタと触られると……おぇっぷ!

でも真剣に心配してくれている親を無下にはできない

 

「大丈夫だよ、それより今何年そしてココはどこ?」

 

「1998年でここは中国地方にある岡山県だ」

 

岡山……中国地方で東京に近い方の端だ、けど一週間で九州・中国・四国地方に侵攻された

98年……オルタもアンリミもまだまだな世界

 

「BETAが日本に上陸して何日?」

 

「………4日」

 

4日……あと3日で……

 

「今BETAどこ?」

 

「九州は全部やられた、今は海上から上がってくるBETAを上陸させないように防衛線を張っているはずだ」

 

でもあと5日で中国・四国地方はやられる

さぁ〜と自分の顔が青くなっていくのがわかる

 

「あと5日……父さん、今すぐここから人を避難させよう、できるならいっその事仙台とかまで……」

 

「何を言ってるの零時?……私たちあなたにBETAの事教えたかしら……いつのは怪物怪物って……」

 

「待て礼子……お前ホントに零時か?」

 

俺に抱き着いていた母さんを父さんが引き離す

 

「身体つきも俺の知っている我が子と違う、俺は零時を衛士にさせたくないから身体は必要な分以外は運動はさせていなかった。それにまだ6歳の子供だ、そんな子供がなぜBETAを知ってるんだ、BETAは機密事項なんだぞ」

 

そうだ……BETAは秘密事項だ

見た目のグロさから規制されているんだったっけな

 

ガチャ!と音を立てて父さんが俺にあるものを向けてくる

 

「宗次さん!あなた何してるの!」

 

「そうだぞ安部中尉!いくらなんでもご子息に……こんな子供に銃を向けるなど間違ってる!」

 

母さんと月詠さんが俺に銃を向ける父さんを叱る

 

 

 

 

「これは何の騒ぎですか、私は行方不明になっていた子供と再会できたという者がいると聞いてきたのですが」

 

 

 

 

凛とした声の方を向く

 

そこには

 

「「「で、殿下!」」」

 

殿下、つまりこの世界での日本のトップの人

 

父さんたちはみんな片膝をついて頭を下げている

 

「どこから聞いていたんですか?」

 

「零時!お前!」

 

父さんが怒った声が聞こえる

でも俺は言うんだ

この人を今味方につけないと俺は父さんの尋問を受ける

でもきっと信じてくれるとは思えない、たとえ両親でも

信じてくれてもどうする?一兵士が何をできる?

 

この際なんでココに居るとか気にしない!今は利用できるものは利用しないと!

だからこの人を味方につけるんだ!日本帝国の政威大将軍、煌武院 悠陽を!

そうすればきっときっと!きっと英雄の力にもなれる!武の力にきっとなれる!

 

「良いのです、そうですね……どこからと言いますと最初から……でしょうか。そなたが両親と会ったから聞いていました」

 

そんな前から?わからなかった

それに悠陽

後ろには……あれはたしか紅蓮 醍三郎だったはず……この世界の地位はたしか記憶だと将軍とかだった気がする

 

「そなたはなぜここから避難した方が良いと言ったのですか?」

 

どうする?ここで未来から来た!とでもいうか?でも言わなきゃ俺の首が飛びそうな雰囲気だ……

 

「それは重慶ハイヴから東進したBETAは日本に上陸…それでわずか一週間で九州・中国・四国地方に侵攻して犠牲者3600万人の被害が出ます、一ヶ月に渡る戦いをしましたが京都は陥落し首都は京都から東京に移されます。これだけの被害が出る前に避難は早めにしておくべきです」

 

俺が話している間はみんな静かだ

でも驚いてる様子はわかる、一週間で九州・中国・四国地方に侵攻を許してしまったのだから

でもこの後の話の方がもっと驚く

 

「そして佐渡島にハイヴ建設とともに米軍は日米安保条約を一方的に破棄して撤退します」

 

「「「なっ!」」」

 

頭を下げていた父さんたちでさえ顔をあげて驚く

 

「そのあとまたBETAは西関東へ侵攻、そして横浜にもハイヴが建設されます、今話したことはすべてこれから今年に起きることです」

 

ゴクリ……と誰かが唾を飲みこむ音が聞こえたような気がする

 

「その話は本当なのですか?」

 

「それを決めるのはあなたです、これが俺の妄想などの可能性もあり得ます、だから信じる信じないはあなたの役目です。あなたはこの国の……日本帝国の政威大将軍、煌武院 悠陽なのでしょう?」

 

ビクッ!とするぐらいのさっきが背中から来る

きっと月詠さんが悠陽を呼び捨てにしたことで怖い顔でもしてるのだろう

 

「俺はただの子供です、でも俺が話したことは現実に起きます、そして今の情報をうまく扱えてそれを実行できるのはあなただ。そして2001年10月には英雄がきます、その英雄はこの世界を救います、その英雄の手伝いをすることが自分の役目だと思ってます」

 

言い終わった、すべて話した訳じゃないがこれだけ言って信じてくれなきゃ俺は死ぬだけ……そんな気がする

 

「紅蓮、そなたはどう思いますか」

 

「はっ!その小僧は嘘は言ってないがしかし何か隠し事はしている、そしてその隠し事は今ココで言うべきではないと思っているのでしょうな。しかし簡単にはい、そうですかと言って割り切れるものではない内容もあったゆえに……一週間で九州・中国・四国地方に侵攻をされる、または米軍が日米安保条約を一方的に破棄して撤退ということが起きればこの小僧が言っていることは本当の事だと証明できます」

 

言った出来事が起きてから、お?当たった当たった!じゃああんたの事信用してあげるよ!ってことか?

確かに武が夕呼先生に信用されたのだって新潟のBETA侵攻があったときだったかな……

 

でもそれじゃ遅い……アニメのTEじゃ確か訓練兵から急に士官して唯依姫達を出撃させたくらいキツイ状況のはず

それじゃあどれだけの衛士が死ぬのかわかったもんじゃない……あのかっこいい唯依姫たちの教官だってそれなりの地位と腕があるから不知火に乗ってたはずだ

そんな人たちをなくしていいのか?

 

ダメだろ?でも……どうしろってんだよ

武はどうして夕呼先生と協力関係を結んだ?利害の一致はなんだった?

 

この人たちをぐっと興味がわくことはなんだ?

 

今ここに居る人たちで…………いるじゃないか目の前に

双子の姉が……御剣冥夜の姉が……

 

「それでは遅いのです……俺は英雄の手伝いをするのが役目、そのためには英雄の仲間たちも守らなきゃいけないんです、その仲間とは御剣 冥夜も含まれています、どういうことかはきっと言わなくてもわかりますよね?」

 

月詠さんのさっきがまた増す、むしろ紅蓮将軍さえも凄い殺気だ

俺漏れそうです

 

「…………小僧貴様何を知っている」

 

怖いよ!そんな低い声で聴かないでよ!

でもあれだ、あるキャラクターの言葉を借りるなら

 

「何でもは知りませんよ。知ってることだけです」

 

そのあとはドクンドクンと自分の心臓の鼓動音が聞こえるくらい静かになる

 

そしてその沈黙を破ったのは

 

「では……そなたは私に何をしてほしいのですか?」

 

殿下こと悠陽

信じたのかはわからないがその未来の情報で私は何をすればいいか聞いてきているのだ

 

「まずは香月 夕呼博士に会いませんか?彼女なら俺のこの記憶と現象をうまく皆さんに伝えられると思います」

 

そうだ……夕呼先生なら因果うんちゃら(因果律量子論)で証明?もできるし霞もいる

 

「わかりました、すぐに行きましょう」

 

驚いたことに今のは即答だった

冥夜の事が絡むと言ったことが原因だろうか?たぶんそうなんだろうな

 

「そなたの名は」

 

「安部 零時、2012年から来た二十歳の未来人です」

 

 

説明
マブラヴオルタネイティヴの世界にマブラヴオルタネイティヴがゲームとしてありトータルイクリプスがアニメで放送されていた世界にいる人物(オリキャラ)がオルタの世界に行ったら?

しかもその世界に行くと体はしっかりしてるしループしたような記憶があったら?
しかもしかも煌武院家の養子になって殿下の弟になったら?

と言った感じの無茶苦茶設定のお話です

物語の最初は1998年から始まります

基本流れはTE→オルタ
TEはどこまでやるかわかりません
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チート オリキャラ オルタ トータルイクリプス マブラヴオルタネイティヴ マブラヴ TE 

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