IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode68 背負われた運命

 

 

 

 

そして次の日・・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

隼人は第三アリーナにてバンシィ・アサルトを展開していた。

 

 

左腕にはストライクバスターを展開しており、右腕にはストライクバスターに酷似した武装を展開していた。

 

形状こそストライクバスターに似ているも、よく見れば若干全体的に細くなっており、マガジンも弾帯のように連続で十個以上マガジンが繋がっている。

 

ストライクバスターと同時に発現した新武装『ストライクカノン』である。バスターよりも連射性に優れており、一度に使える弾丸の数もこちらの方が多い。

 

「・・Bビット・・」

 

そして既に切り離して周囲に配置したBビットを前方の仮想標的に向かわせた。

 

「・・・・・」

 

隼人の脳波によるコントロールで複雑な動きをする仮想標的をBビットがフィンの間でエネルギーを発生させてビームを放つが、十個ある内五つしか破壊できなかった。

 

「ちっ!」

 

隼人はとっさに右腕のストライクカノンのバレルを展開して縦に開いた刀身の間をストライクバスターほどではないが超音速で弾丸が連続で放たれて行って残りの仮想標的を撃ち抜いていった。

 

 

 

「はぁ・・」

 

そして隼人はため息を付いてBビットを自身の周りに戻す。

 

「セシリアのようにうまくビットを操れないな・・・その点は慣れが必要か」

 

《しかし初めてにしては上出来かと》

 

「上出来か・・・・。最初は土壇場で操っていたからな・・・細かな操作となると難しい」

 

《まだ調整が必要ですね》

 

「そうだな・・・」

 

そして隼人は周囲に不規則かつ複雑な動きをする仮想標的を出現させると、ストライクカノンを前に向けて弾丸を放って行く。

 

予測が出来そうに無い仮想標的を正確に撃ち抜いて行くと、ストライクカノンのマガジンの一つを切り離して後ろから接近してくる仮想標的を上に飛んでかわすと左腕のストライクバスターを振るって切り裂いた。

 

「っ!」

 

そしてストライクカノンのバレルを閉じて代わりにストライクバスターの方のバレルを展開して超音速の弾丸を放って仮想標的を撃ち抜いて前方から接近してくる仮想標的をストライクカノンで切り落として左側から来る仮想標的をかわして切り落とした。

 

そしてBビットを周囲に飛ばしてビームを放って仮想標的をバンシィに近づけずに撃ち抜いて行き、最後の一つをストライクバスターから放った弾丸で撃ち抜いた・・・・

 

 

 

 

 

 

「こんなものか」

 

そうしてしばらく戦闘を行ってから両腕の武装を収納した。

 

《バスターカノンも正常に稼動していますね》

 

「あぁ・・・。バスターとカノンは攻防一体の武器だ・・・使いこなせれば相当な戦力だ」

 

《しかしフルドライブウェポンのテストは行わなくてもよろしいのですか?》

 

「あれは別にテストの必要は無いさ。それに、あれは強力すぎる代物だ。あくまでもここぞと言う時ぐらいしか使えんよ」

 

《そうでしたね》

 

「バンシィ・・後でデータをまとめて置いてくれ。細かい調整が必要だ」

 

《yes sir(了解)》

 

そうして隼人はピットに戻って行った・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

それからしばらくして鈴は寮の廊下を歩いていた。

 

(なんか最近色々とありすぎてなにがなんだかねぇ・・・セシリアやシャルロット、ラウラは何か新機能を手に入れているし、隼人は第二形態移行を行って性能のアップ・・・・なんかあたしだけ置いて行かれているような気がする・・・)

 

そう考えながら歩いて行くと、隼人の部屋の前に止まる。

 

「隼人、居る?」

 

と、ドアをノックした。

 

 

『鈴さんですか?』

 

そしてドアが開くとリインフォースが出てきた。

 

「リインフォース・・・隼人は?」

 

『隼人でしたら先ほど出かけましたが?』

 

「で、出かけた?」

 

『ついさっき・・・』

 

「うっ・・・」

 

鈴は「しまった・・」と呟くとため息を付く。

 

「・・で、隼人はどこに行くって言ったの?」

 

『えぇ・・・家の様子見だと』

 

「・・・あぁ・・そっか」

 

そして鈴は何かを思い出した。

 

 

 

 

「・・鈴さん・・」

 

すると部屋の置くから颯が見てきた。

 

「よっ、颯」

 

鈴が手を上げると、颯は頷いた。

 

「どうせ隼人は夜しか帰ってこないんでしょ」

 

『はい。そう言っていました』

 

「やっぱりね・・・。じゃぁそれまで颯の相手をしているよ」

 

『助かります』

 

そうして鈴は部屋に入った・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃・・・・・・

 

 

「・・変わってないな」

 

隼人は一軒の家の前に立って見ていた。

 

そして隼人は家の戸を開けて中に入る。

 

 

 

「姉さんがたまに帰ってきているんだな」

 

玄関から見て分かるように家の中は埃がほとんど無い。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

そして家の奥にある仏壇にお参りをして、隼人は立ち上がって押入れの戸を開ける。

 

そこには数冊のアルバムが整理されて重ねられていた。

 

「・・・・」

 

隼人はその場に座り込んでアルバムを一つ取って開く。

 

「・・懐かしいな」

 

ページの一つ一つには思い出の写真が貼られていた。中には剣道場で箒と一戦を交えた時や、鈴と一夏で海に行った日の写真があった。無論この時はまだ両目が揃っている。

 

 

「こっちはこの辺りに来た頃のものだな」

 

そして三つ目のアルバムを開いた。

 

「っていっても・・・半分にも満たないんだけどな」

 

アルバムは数ページしかなかった。残りはそれ以前のものや綾瀬の写真ばかりである。

 

「・・しかし・・」

 

そしてアルバムを閉じて一旦置くと、一番下にあったアルバムを手にしてページを開く。

 

「・・・何でだろう・・・五歳から下の写真が無いんだよな」

 

そのアルバムの最初のページには五歳からの写真しかなかった。それ以前の写真はどのアルバムには無い。

 

 

 

「・・悩んだって知っている人はほとんどいないから知りようが無いな・・」

 

そうして隼人はアルバムを閉じて押入れに入れると立ち上がって引き戸を閉める。

 

 

「さてと・・・少し部屋の掃除をしてから帰るか」

 

それからして隼人は部屋の掃除に取り掛かった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・だいぶ遅くなった・・)

 

そして掃除を終えたのはそれから三時間後であり、現時刻は六時で、辺りは暗くなっていた。

 

「一応遅くなるかもしれないって千冬さんには言っておいたけど・・・・本当に遅くなったな」

 

そう呟いて隼人は自販機からお茶を買う。

 

 

 

「・・・・・・」

 

それからお茶を飲みながら壁にもたれかかってあることを考えた。

 

(分からんものだな・・・・本当に・・・)

 

そして空になった缶をゴミ箱に投げ入れてまっすぐと立つと・・・・

 

 

 

 

 

「・・・・・?」

 

隼人は人の気配に気付いて立ち止まる。

 

「・・・・」

 

そして視線の先にはちょうど街灯の光があるが、気配があるのはその先の暗いところからであった。

 

 

 

「直接会うのは初めてだな」

 

そして暗いところから一人の少女が出てきた。

 

 

頭以外を覆う全身スーツを着用しており、灰色のコートを上から羽織って胸元には『X』と刻まれたプレートを付けていた。そして街灯に反射する銀色の髪は腰の位置まで伸ばしており、右目には眼帯をしていた。

 

「・・・ラウラ・・?」

 

隼人はその容姿に一瞬そう思ったが、次の瞬間には違うと分かった。

 

「・・・何者だ」

 

 

「私の名はナンバーズNo05・・・リアスだ」

 

「ナンバーズ・・・それにお前はあの時の」

 

「そうだ・・・神風隼人」

 

「・・亡国機業のやつが俺に何の用だ」

 

「言っておくが・・・我々ナンバーズは亡国機業を本属としない。つまりは別働隊と言ったところだ」

 

「・・・・」

 

 

「安心しろ。私はお前と戦いに来たのではない」

 

「なに・・?」

 

「私は話しをしに来ただけだ」

 

「話しだと・・・?敵であるお前と話しなど」

 

「そう警戒するな。私は別にIS学園の情報やISのデータを望むのではない。お互いの所属など関係ない話だ」

 

「・・・・・」

 

「私がお前に聞きたいのは・・・・ラウラ・ボーデヴィッヒについてだ」

 

「ラウラのことだと・・?」

 

「そうだ」

 

「・・・今思えば・・なぜお前はラウラと似ているんだ・・・瓜二つというぐらい」

 

「ぐらいではない・・・誕生の時期が若干違うだけで、私とラウラは同じだ」

 

「同じ・・・?」

 

「そう・・・。一つの細胞からその遺伝子情報を持って生まれた遺伝子強化素体・・・」

 

「・・・お前とラウラはどういう・・・関係だ」

 

「・・・とある科学者が提唱した計画・・・それは遺伝子を強化した最強兵士を生み出す計画『A、Sプロジェクト』・・・その被検体だ」

 

「A、Sプロジェクト・・・」

 

「しかし、その計画は名ばかりなものだ。遺伝子強化はもちろんだが、人体改造や薬物による精神強化など、非人道的なやり方で計画は元から抹消された・・・・被検体も含めてすべて」

 

「・・・・」

 

「私とラウラ・・・そしてもう一人がその抹消から逃れた生き残りだ」

 

「もう一人?」

 

「その計画での私のナンバーは『A、S05』・・・・ラウラが『A、S07』・・・そして最後の個体が『A、S10』だ」

 

「・・・・・」

 

「だが10に関しては消息は不明だ・・・。しかし、生きていることは確かだろう」

 

「・・・・・」

 

「ラウラはその後ドイツ軍に保護されてそのまま兵士となった・・・。まぁ私はその後計画の提唱者の元に戻ることになったのだがな」

 

「・・・お前が言う提唱者・・・一体何者だ・・」

 

 

 

「・・・ドクターアルベルトだ」

 

「ドクターアルベルト・・だと?」

 

隼人はその名前を聞いて脳裏にあることが浮かんだ。

 

(・・楯無さんが調べていた科学者か・・)

 

 

 

「そうして、今に至るのだ」

 

 

 

「・・なぜお前はそう簡単に俺に教える・・・。敵である俺に・・」

 

「言った筈だ・・・お互いの所属など関係ないと・・・。それに、私は組織の事などに興味は無い」

 

「なに・・?」

 

「戦う事・・それさえできれば私はいいのだ」

 

「・・・なぜそうまでして」

 

 

「・・これも・・・やつのためだ」

 

「やつ・・?」

 

「・・・・・」

 

「・・・ラウラのことか」

 

「そう思っても構わない」

 

「・・・・・・・」

 

 

 

「だから・・・戦場ではお互い敵同士・・・本気で潰し合う・・・それがあの計画の残滓である私たちに背負われた運命なのだ」

 

「・・運命、か」

 

 

 

 

「だから・・・戦場であった時には・・・こうはいかんぞ」

 

そうしてリアスはコートを翻して反対側を向く。

 

「・・・神風隼人」

 

「・・・・・」

 

「お前の判断でいい。ラウラに伝えておいてくれ・・・。私を超えて見せろ・・とな」

 

「・・・・・・」

 

 

 

「一つ聞かせてもらいたいものだな」

 

「・・・・・」

 

「なぜそこまでしてラウラとの戦いを望む」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

「言ったはずだ・・・・それが私たちに背負われた運命だと」

 

そう言い残してしてリアスはその場を立ち去った・・・・・

 

 

 

 

 

 

(No05リアス・・・・)

 

そして隼人もその場を立ち去ってIS学園に戻って行った・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!


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