超次元ゲイムネプテューヌmk2 Reborn 第二十一話 後悔
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現在ギョウカイ墓場跡地

 

氷室たちがギョウカイ墓場跡地を後にして数分後、ギョウカイ墓場跡地は完全な静寂に包まれていた。

存在する物はGANTZと朝日を受けて横たわっているのは無残にも惨殺されたマジェコンヌ四天王の死体だけだった。

斬り捨てられた体は微動だにせず、流れ出た血液は既に固まり始めていた。

その時、4つの死体のすぐ傍から何の前触れも無く人の足が出現した。

胴体から輪切りに切り離されたような断面をした足は徐々に足首から太ももにかけてその姿を増してゆき、ついには腕と胴体、顔までをも形成した。

 

少年「……えっ? 何これ? 何で死んでるの?」

 

真っ黒なコートに身を包んだ少年は少しとぼけたような声を上げながら、目の前の四天王の死体を眺めた。

少年は二、三歩前に出ると傍に転がっていたマジックの死体を足で蹴り始めた。

何の抵抗も無く、マジックの死体は少年の蹴る方向に従って転がっていった。

 

少年「せっかく強化までして蘇らしてあげたのに……二度手間じゃん。」

 

蹴ったマジックの死体を眺めながら、少年は右手の人差し指を右の耳の穴の中に突っ込んだ。

そのまま少年が指をグルリと半回転させると、四天王の死体は天空から降り注ぐレーザー照射によって、徐々にその姿を消していった。

レーザーの照射音が響き、あまりにも非現実的な光景が繰り広げられる中で少年はその事実を当然のごとく傍観していた。

 

少年「今度はすぐにやられないようにもっと強化して……ブレイブの余計な記憶も削除しておこうかな。」

 

少年の呟きと同時に、先ほどまで地面に横たわっていた四天王の死体は、欠片も残さずにその場から消えていた。

少年は耳の穴から指を抜き取ると両手をポケットに仕舞い、天を仰いでため息を1つ着いた。

真っ赤に染まった空を見上げながら、少年はフードの中で薄気味悪い笑みを顔に浮かべていた。

やがて少年が視線を前に戻すと同時に、少年の足が先ほどと同じように輪切りになって消えかかっていた。

足のほとんどがその場から消え、今度は同時に頭からもその現象が始まった時、少年は笑みを浮かべながら静かに口を開いた。

 

少年「さあ、ゲームスタート♪」

 

少年の声は既に誰もいなくなったギョウカイ墓場に静かに響き渡った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

現在ラステイション

 

ノワール「せやっ!!」

ユニ「そこ!!」

 

ラステイションの中央街、その真っ只中にノワールとユニはいた。

目的は住民の救助とモンスターの討伐の2つだった。

だがその目的は今や1つに絞られていた。

住民を救助しようと2人が街に降り立った瞬間、モンスター達の狙いは住民達から2人へと完全に移行した。

状況を理解する間もなく、もはや一匹たりとも2人以外を襲うモンスターはいなくなっていた。

だがそれは同時に2人にとっては好都合だった。

住民の避難が完了し、人気の無くなった中央街にはモンスターの奇声と斬撃音、銃声のみが響き渡っていた。

ノワールは自分に襲い掛かるモンスター達を抜刀したショートソードを縦横無尽に振り払い、次々と斬り伏せた。

ノワールを襲おうと宙に飛び上がったモンスター達はノワール触れる前に体を割られ、消滅していった。

ユニも負けじとその体にしては若干大きめのアサルトライフルを目の前のモンスターの群れに目掛けて一斉掃射した。

銃口から放たれた弾丸は次々とモンスター達に吸い込まれて行き、その一つ一つを蜂の巣状にしては消していった。

モンスターの数も徐々に減り、討伐完了を目前に控えているノワール達だが、ノワールの頭の中には1つの疑念が着きまとっていた。

 

ノワール(このモンスター達……私達に引き寄せられてる!? と言うよりは私達が来るのを待ってたみたい………!?)「ユニ! 上よ!!!」

ユニ「えっ!? きゃっ!!」

 

ノワールが声を上げた瞬間に2人は咄嗟に後ろへ跳躍した。

刹那、2人が立っていた地面が音を立てて抉れ、その原因を作った空から降ってきた巨体はゆっくりと折り曲げた膝を伸ばし、目線を正面に上げて2人を睨みつけた。

黒をベースに所々に赤褐色を散りばめた一見ガ○ダム風のロボットのような体つきをした巨体”ブレイブ・ザ・ハード”は漆黒の大剣を両手で支えながら、無言のまま立ち尽くしていた。

 

ユニ「!!ブレイブ……ブレイブなの!?」

 

両手で地面の破片と風を受け流していたユニが目を見張らせながらブレイブに問いかけた。

だがユニの知っているブレイブとは異なる点がいくつか見られた。

ユニの知るブレイブは白をベースとした体つきをしていたはずだが、このブレイブは体のベースは黒である。

さらに放たれている雰囲気もユニの知るブレイブとはどこか異なる点が見られた。

 

ブレイブ「………。」

 

ユニの問いにブレイブは沈黙で答えた。

足一歩どころか眉1つ動かさず、ただ2人をどこか嫌悪感を込めた瞳で睨み続けるだけだった。

この様子を見て堪りかねたユニはふらふらとブレイブの方へと歩み寄った。

 

ユニ「ブレイブ……。」

ノワール(様子が……!?)「ユニ!!」

 

ブレイブの異変に気付いたノワールは咄嗟に思い切りユニの袖を自分の方へと引っ張った。

姿勢を崩しながらユニはノワールの方へとよろけた。

その直後、先ほどまでユニの居た地面が轟音を上げながら粉々に砕けた。

その地面にはブレイブが振り下ろした大剣が深々と突き刺さっていた。

 

ユニ「!!……ぇ!?」

 

――何で……どうして……?

様々な思考がユニの中で溢れ出した。

目の前に居るのは確かにあの時、お互いの意志が通じ合ったはずのブレイブだった。

なのに今、自分に向けられているのはあの時の誠意ではなかった。

それは単純明快、親切なほど分かりやすい――

 

 

殺気だった

 

 

ブレイブ「犯罪神様に仇なす愚かな女神が。」

 

地面に埋まった大剣をゆっくりと引き抜きながら、ブレイブは2人に向かって重々しい声を上げた。

対するユニは動揺したままその場で微かに震えていた。

相反する2人の状況を視野に納めながら、ノワールは冷静な口調でブレイブに問いかけた。

 

ノワール「あなた、マジェコンヌ四天王の1人、ブレイブ・ザ・ハードよね?」

ブレイブ「如何にも、ラステイションの女神、ブラックハート。」

 

ノワールの問いに当然のようにブレイブは答えた。

答え方からして嘘を吐いてはいないと確信したノワールは少し視線を下げると共に軽くため息をついた。

傍で震えているユニの肩を優しく叩いて視線をこちらに向けると、ノワールは静かに首を横に振った。

ノワールの行動が何を意味するか、ユニには痛いほど理解できた。

だがそれでも、ユニはノワールからブレイブへと視線を移し、精一杯の声を上げた。

 

ユニ「あなた、ブレイブなんでしょ? 私のこと……忘れちゃったの?」

ブレイブ「何をほざいている。女神などと馴れ合った記憶はない!」

 

返事はほとんど分かりきっていた事だった。

それでも改めて言われるたび、ユニの心はナイフで切り裂かれたようにズタズタになった。

胸の奥底から込み上げるどうしようもなさに思わず涙さえ流しそうになった。

ユニにできた事は呆然としながら涙を堪えることだけだった。

その時、改めてユニは自分のした事の愚かさを呪った。

――『うるさい! これ以上話しかけないで!!』

何故あの時、あんな事しか言えなかったのか。

後悔と悔しさがユニの頭の中を埋め尽くした。

手の平に爪が食い込むほどに拳を握り締めたまま、ユニは涙目になりながらブレイブから視線をはずした。

 

ノワール「あなた……生き返ったのね? ということは……犯罪神…も?」

ブレイブ「犯罪神様は今は復活の時を待たれている。我々はあの方の手によって蘇った。」

ノワール「!!? あの方…? それに我々って事は……。」

 

冷や汗を流しながらノワールがブレイブに問いかける。

ノワールの表情を見ながらブレイブは微かにほくそ笑み、その表情を崩さぬままに話し始めた。

 

ブレイブ「察しの通りだ。四天王全員があの方によって蘇った。今頃は各国に四散し、行動を開始している頃だろうな。」

ノワール「あら? 随分と親切に教えてくれるのね。ついでだから、そのあの方って奴も教えてほしい所だけど?」

ブレイブ「これ以上女神に話すことなどない。さぁ、我が大剣の錆となるがいい!!」

 

威勢の良い声を張り上げると同時にブレイブは両手に持つ大剣を構え、2人の方に向けた。

ノワールは小さなため息をすると、横目でユニに一瞬目を向けた。

無言のまま、拳を握り締めて震えるユニはかすれた声を上げ始めた。

 

ユニ「……お姉ちゃん……もう少しだけ…話を……。」

ノワール「無駄よ、ユニ。以前のこいつじゃないわ。闘って倒すしかない。」

ユニ「っ……。どうしても……闘うしかないの?」

 

ユニの言葉をノワールは冷静に突き放した。

一見すれば冷酷と思えるが、これはノワールのユニを思う気持ちゆえの言葉だった。

あの状態で何時までも駄々をこねていては、1番危険なのは戦意の無いユニなのだ。

もちろんユニもそれは十分承知の上だった。

だが頭で分かっていても、ユニにはそれが耐えられなかった。

刹那、目の前の姉の姿が眩い光の柱で埋め尽くされた。

光が収まり、姉の姿がはっきりとするとそこにノワールの姿は無かった。

そこに立っていたのは漆黒のプロセッサユニットに身を包み、手には大剣をぶら下げているラステイションの女神、ブラックハートの姿だった。

直後にユニの体もノワールと同様の白く輝く光に包まれ、漆黒のプロセッサユニットに身の丈ほどもある銃剣を両手に持つ女神、ブラックシスターの姿となった。

ゆっくりと瞳を見開き、視界はクリアになれど、ユニの頭の中は依然としてめちゃくちゃだった。

だがそれは平然と振舞うノワールも同じことだった。

 

 

両者が様々な思いを抱えたまま、ここに戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

説明
約二ヶ月と少し、本編を放置してしまった……。
申し訳ありません。
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コメント
黒鍵さん>ライ「っしゃあああぁぁぁああああ!! 俺が真の主人公だ!!!」 氷室「認めねぇ! 主役は俺だ!!」 レオン「んじゃ、影の主役は俺だな。」 エスター「そして俺は心の主役ってことで。」 ライ「氷室は……エキストラ?」 氷室「主役だって言ってんだろ!!!」(クリケット)
柏中ロージュ&ミヤウエさん>少年「正確に言えばGANTZから出てきた四天王はいわばファックスから出てきたようなものなんだ。オリジナルは死んでるからね。」 氷室「……気持ち悪ィ。」 エスター「本当にGANTZって何なんでィ。」(クリケット)
リアおぜさん>氷室「敵に情をかけるとはな。」 レオン「屑中の屑だな。」 エスター「ユニ死亡確定でさァ。」 ライ「まだ決まったわけじゃ……まぁ死んでくれるならありがたいけどな。」 氷室「情をかける奴が勝てるわけねぇよ。」(クリケット)
Zさん>まぁ、今少年と氷室が殺り合ったらまず少年の圧勝ですね。 少年「ふっふ〜ん♪」 氷室「誰が負けるかよ!」 レオン「で? おまえ紫の女神と結婚する予定でもあるのか?」 氷室「断じてない! ふざけんじゃねぇ! 即刻首落とす!」 エスター「どうだか(笑)」 氷室「死ぬか?(怒)」(クリケット)
藾弑さん>氷室「戦闘において情は捨てるべきだ。」 エスター「油断してると首とられますぜ?」 レオン「最初っから情のないお前の台詞か?」 ライ「いっつも敵がダウンしてもしつこくいじめ倒すくせに……。」(クリケット)
黒鍵「四天王の復活・・・それはライの真の主人公フラグである」統夜「何でだよ?」黒鍵「そして・・・ブレイブをライが一瞬で滅殺するであろう。そして・・・鬼神へと進化する・・・」統夜「何処かの拳を極めた奴じゃないんだし。つーか話を聞けよ」黒鍵「黒女神姉妹がどうなるか楽しみっす」(黒鍵)
つまりはブレイブのそっくりさんと言うわけだ。例え肉体がそれそのものでも、記憶を弄った時点で精神面で不全なんだもの。まぁユニはブレイブに思い入れがあったからショックっすな。(柏中ロージュ&ミヤウエ)
フロム「ああ、コロシアムにいた四天王の強化版みたいな…。」がすと「ああ、いたですのそんなの。名前忘れたけど」ネロ「ユニねーさんぇ……」(リアルではおぜうタイプ@復帰)
byZ 四天王の命を蘇えらせる能力が使えるんだから少年は恐ろしく強い・・・うおーー!!氷室っちVS少年が見たい!!!!頑張れ氷室っち!!負けるな少年!!俺は二人をただ見守っているだけぇ〜♪早く氷室っちはネプテューヌと結婚しないかなぁ〜?( Z ハデス)
クァム「ブレイブが…」それはね… クァム「おいコラやめろ。ネタバレやめろ」フヒヒッwサーセンww クァム「けどノワールさんの判断力凄いな…俺ならユニ見たいな感じになってるよ」 刹那「情に流されると戦いに負けるぞ」 クァム「う、うっさい!わかってる!」(駆蘭)
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