僕と君とやり直したい出来事と 第十三問 |
―文月学園会場・優子side ―
優子「ハァ……まさかあんなことになるなんて思わなかったわ……」
霧島「……でも、大丈夫みたいで安心した」
優子「心配かけてごめんね?愛子も……」
工藤「別にいいよ。それよりも吉井くんに言葉かけてあげた方がいいんじゃないカナ?」
霧島「……昨日は最後まで付きっきりだった」
優子「……みたいね。決勝が終わったらお礼を言うわ」
………なんでそこまでしてくれるのか……。やっぱり何かがあるのだろうか。普通ならこんなモヤモヤした気持ちにはならない……。何かを…何か大事なことを忘れているようなこの感覚……
わからない…………
学園長「ん?大丈夫だったかいアンタたち」
優子「!?」
霧島「……学園長」
工藤「どうしたんですか?こんなところで」
学園長「……あのバカコンビを見てるんだよ」
霧島「……雄二と吉井を?」
学園長い「そうさ、なんたって勝ってもらわないと話にならないからねぇ」
3人「「「?」」」
学園長「ま、こっちの話さね。気にしないでいいよ」
??「……盗聴器を見つけた」
工藤「ムッツリーニくん!?」
??「いや、しかしまぁなんと……明久の言った通りだったのぅ」
優子「秀吉!?」
学園長「ご苦労だったねアンタたち。さ、試合ももう始まるさね。皆あのバカどもを応援してやりな」ニヤッ
司会者『―――では、始めて下さい!』
私は、自分の回りを見た。学園長先生のこの、吉井くんたちが勝つとわかっているような顔が気になったからだ。ここには、文月学園の生徒全員が揃っている。その中でもFクラスの皆……土屋くんや秀吉もすでに結果がわかっているみたいだ。そして、会場に3年生の先輩と吉井くんと坂本くんの声が響いた。
常村・夏川『『試獣召喚!!』』
明久・雄二『『試獣召喚!!』』
まずは勝負科目が表示される。
学園長「ほぉ…そうしたのかい」
なんと、おかしなことに、決勝の科目が英語から日本史になっていたのだ。
優子「あれってまさか……」
工藤「吉井くんたちが勝手に科目変更したんじゃ……!?」
これって反則になるんじゃないの?
学園長「アンタたち以外の教師と生徒(教頭と常夏以外)にはランダムにしたって、デマカセ言っておいたから大丈夫さね。心配しなくていいよ」
優子「……いいんですか?そんな適当で……」
学園長「…いいんだよ。どうせあの常村・夏川コンビもセコいことしてたんだ。これぐらい多目にみてもらわないとねぇ」
そんなこんな、やり取りをしていると、愛子と代表から驚いたような声が聞こえた。
工藤「え……?」
霧島「……すごい」
そう、さっきまで表示されていなかった点数が表示されていたのだ。
常村 日本史 216点 夏川 日本史 197点
坂本 日本史 216点 吉井 日本史 426点
優子「426点!?」
信じられない点数だ。
学園長「ってことはだ…腕輪の能力が見れるってことかい。やるじゃないかい」
明久『さてと、雄二?』
雄二『………明久に負けただと!』
明久『ねぇ!?やっぱりそこなの!?気にしないでよ!』
雄二『………』
明久『だ、ダメだ…っ!てんで僕の話を聞こうとしてくれない!』
全員「「「「「………」」」」」
(((((こんな時でも変わらないのか)))))
明久『ま、いいや。雄二には悪いけど……一人で片付けさせてもらうよ』
常村『はぁ?なめてんのか吉井?』
夏川『いくら点数に差があっても、関係ねぇんだよ』
………。
明久『……そうでしょうね。これは点数というより、どう協力していくかが問題だと思いますし―――』
続けて吉井くんは話を続ける。
吉井『でも、僕は負けない。もし負けたとしても、まだ雄二がいる。こっちは意地でも勝たなきゃいけないんだ。どっかの大バカ野郎に目にもの見せてやるためにね』
常村『ふん、行くぞ夏川!』
夏川『おうよっ!』
優子「ちょっ!坂本くん狙われてるわよ!?」
秀吉「大丈夫じゃ姉上」
召喚フィールドで、ガキンッと武器と武器がぶつかり合う。
雄二『ったく、まず点数の低い俺からかよ……オラァ!吹っ飛びやがれ!!』
坂本くんの召喚獣が先輩二人の召喚獣を吹き飛ばす。
常村・夏川『『なにィィ!?』』
明久『さすが雄二。じゃあ後は僕がやるけど…いいよね?』
雄二『好きにしろ。それにお前の腕輪の能力が気になるしな』
明久『じゃ、そういうことで――』
そういうと、会場全体に沈黙が訪れた。さっきまでと何か、雰囲気が変わったことに気づいたのだろうか。吉井くんの召喚獣がどうなっているかというと、腕輪は光っているが、特に変わった様子はない。
優子「……なにも起こらないんだけど」
霧島「……でも、明らかに感じは変わった」
工藤「そうだね…。でも、この感じ、私知ってるような気がする」
愛子がそういうと後ろから姫路さんと、島田さんがやって来た。
姫路・島田「「はぁ…はぁ……疲れた(ました)……」」
島田「言われた所に連れて行きましたよ…」
学園長「お疲れさん。それじゃあ、もう勝負は決まったみたいだし、私は行くよ」
優子「吉井くんの腕輪の能力を見ないんですか?」
学園長「……いいや、見せてもらったよ。大体見当がついた。じゃあ、後は楽しむんだねぇ」
姫路「あれ?吉井くんの召喚獣……あんな構えでしたっけ?」
全員「「「「「え?」」」」」
この場にいる全員が注目する。まるで、忍者がクナイを持つような……。
島田「あの構えって……」
ムッツリーニ「……!俺と同じ!!」
工藤「そうだよ!あの感じはムッツリーニ君と、まったく同じだ!」
雄二『……お前の腕輪の力、みせてもらおうか?』
明久『……加速』
前のFクラス戦で聞き覚えのある言葉とともに、吉井くんの召喚獣が姿を消した。
常村 日本史 dead 夏川 日本史 dead
常村・夏川『『んだとぉぉおぉぉぉ!?』』
いや、消したんじゃない、高速で…土屋くんの召喚獣のように、目に見えない速さで倒したんだ。
司会者『な、なんと!一瞬にして勝負が決まったぁあぁぁぁ!?一体何が起こったのかぁあぁぁぁ?』
夏川『ど、どうなってるんだチクショー!?』
司会者の後に先輩の片割れが怒鳴る。
吉井『僕の腕輪の力はですね?――他人の腕輪の力を真似ることなんですよ』
これは、文月学園の皆は驚いただろう。なんたって、一人一つしか持っていない能力を複数使えるというのだから。
常村『そんなデタラメな力、聞いたことねぇぞ!』
明久『ただし、二つまでしかコピーはできない。新しく別の腕輪の力を観ると古い順番に消えていくんですよ』
秀吉「……つまり、いまの明久は姫路の“熱線“とムッツリーニの“加速“が使えるということかのう?」
優子「そうでしょうね…Aクラス以外で腕輪の力を使えるのは、姫路さんを含めてもそんなにいない。それに、Aクラスもあの時は誰も腕輪の能力は使ってなかったしね」
それにしても、強い………。
常村『チィ…!行くぞぉ夏川!“あれ“を流しちまえばこんな試合どうでもいいんだからよォ!』
夏川『おうっ!』
あれって……?
司会者『それでは、優勝した坂本・吉井ペアに、優勝賞品が送られま………って、ちょっと!どこ行くんですか!?』
雄二『優勝賞品?それなら貰ってるさ、これは有りがたくちょうだいしていくぜ?』
明久『僕達は用事があるから、これで失礼します――』
―――――
――――
―――
――
―
ところかわって、新校舎屋上に続く階段――
常村『あの感じじゃ、あいつら俺達がなにやってるか知ってるみたいだな』
夏川『どうせわかってても、もう遅いんじゃねぇの?あいつらのことだし、普通に放送室に行くだろ』
常村『そうなったら――』
夏川『俺たの勝ちだ』
……なんて会話だ。内容は詳しく聞いてないが、大体見当がつく……。
??『ハイハーイ、先輩方〜……』
常村・夏川『『あぁ?』』
??『アンタらが持ってるテープを貰おうか?大層大事なものが録音されてるんだろうな?』
常村・夏川『『!?』』
学園長『模擬試召戦争を承認するよ』
常村・夏川『『なっ!?』』
??『試獣召喚……』
常村・夏川『『試獣召喚!』』
数分後……
常村『な、に?』
夏川『ありえねぇ、どうなってやがる!』
??『おーい、鉄人。あんたの出番だぞ〜?』
鉄人『西村先生と呼べ――高梨』
高梨『へーい……』
学園長『それじゃあ、アンタたちには詳しく事情聴衆といこうかねぇ?高梨、アンタはもういいさね』
高梨『そうっすか』
学園長『ああ、あとだけどねぇ、吉井が言うにはこのあとに打ち上げするみたいだよ。行くなら行きな』
高梨『そりゃどうも、………約束は守ってくれよ?』
学園長『私を誰だと思ってるんだい?ちゃんと守るさね。その代わりアンタも約束を忘れるんじゃないよ』
高梨『了解っと……』
学園長『ふぅ…それじゃあ西村先生、この二人を補習室に連れてった後は頼んだよ』
鉄人『わかりました』
……まだなんか企んでるのか?
高梨『………』
あんま問題起こすなよな……明久、雄二。
―――――
――――
―――
――
―
明久side ……
明久「雄二」
雄二「わかってらぁ、起動(アウェイクン)!」
明久「試獣召喚(サモン)!」
雄二「ってか、よく知ってんなぁ明久?ここに花火があるなんて」
明久「雄二も場所くらいわかってたでしょ?」
雄二「まあな。んじゃ、念のためだ、屋上の放送機器を壊しちまえ」
明久「二重召喚(ダブル)!!」
雄二「点数は大丈夫なのか?高すぎると暴走するってババァが言ってたが」
明久「それなら大丈夫だよ雄二。日本史以外は0点にしておいたからね」
雄二「そうか、ならやっちまえ!」
僕は副獣を放送機器へ、主獣を教頭室へと花火を打ち上げる筒を向ける。
明久・雄二「ファイアー!!」
まあ、これは一回経験済みなだけあって――スゴい光景だ。だって『ドッカン』だもんね。本来なら退学ものだもんな〜……。でも、今回は退学でも、停学でも、ましてや、厳重注意すらない。
鉄人「何をやってるかァァアァァァ!!」
明久「さ、雄二。捕まろっか」
雄二「そうだな……」
僕達は鉄人により、別の空き教室に連れていかれた。
昨日……あのあとに、学園長…もといババァと約束をしていた。約束の内容はこうだ。録音されているテープの回収、教頭室の捜査をさせること。教頭室に関しては、恨みを込めてあらかじめ、花火を打ち込むと言っておいた。そうすることでババァも堂々と調べることができるから。でも、ババァに言っただけじゃ意味がない、とにかく、まずは鉄人の協力がいるのだ。表向きは鉄人に捕まり、厳重注意されたと言うようにする必要がある。いや、本当はそれもいらないと思う、けど、もしかしたら未来が多少変わるかも知れない。ただでさえ、あのサボりで有名な友人を呼んだんだから……。少しでも結末……結果を変えないでおきたいんだ。もっと…大事な時がくるまでは………。
こうして、清涼祭は終わったのである………。
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続きです。そして、オリキャラでます。駄文です。無理やり清涼祭完結です!!! | ||
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