二代目 Mの英雄 |
そして次の日、マリーがピーチ女王を救った話は大ニュースとなっていた。
「さあさあ号外、号外、ピーチ女王の危機を救ったのはマリオやその弟ではなく、マリオと同じ赤い帽子を被った美少女。実はマリオの娘と言う噂があるぞ!!」
町の一角では、新聞屋のキノピオが、通りかかる人にこう言っていた。
一方の学校でも、そのことは噂になっていた。
「なあ、マリーは昨日の話訊いたか?」
男子生徒の一人が訊くと、
「何?」
と、マリーは訊いた、
「知らないのか?ピーチ女王を救った、謎の美少女の話。」
と、男子生徒が言うと、
「ああ、その事ね。」
と、マリーは言った。内心では、
(良かった、私だってばれてない)
と安心していた。実はあの後、ピーチに頼んでおいたのだ。自分がピーチを助けた事はくれぐれも口外しないでほしい、と。
一方、キノコ王国から少し離れた場所にある某所では、
「マリオ以外に、キノコの力を開放できる人間がいるだと?」
大きな甲羅を背負ったスキンヘッドが特徴の大柄な亀が、報告を行ったハンマーブロスに訊いた、
「はい、奴はマリオのように極端に巨大化するのでは無く、体の一部を部分的に巨大化させられるみたいです。はたしてそれが幸運か、それとも不幸かは分かりませんが。」
ハンマーブロスがこう答えると、
「分かった、とりあえずその娘に付いてもう少し詳しい情報をこちらに寄越せ、今後の動きは決まり次第通達する。」
亀はこう言って、通信を切った。その直後に、其の場に現れた老人カメに言った。
「弟にはこう伝えよ、詳しい情報が分かり次第まとめて報告すると。」
すると、老人カメは、
「いいや、クッパ様は今すぐ情報が欲しいと申しています。」
と、大柄な亀に言った。
「分かった。」
大柄な亀はこう言うと、クッパに会いに言った。
「私も研究を急がなければ、最近は新しいキノコがたくさん見つかっている。早々に解析し、我らの戦力にせねば。」
老人カメはこう言うと、違う場所へ向かって行った。
そして放課後の事である、
「さてと、早く帰らないと。」
マリーは鞄を持って学校を出た。このまま帰ろうとしたら、
「マリーさん大変です!!」
突然、キノピオが走って来た。
「な、どうしたの?それに学校には来ないでよ。」
マリーがこう言うと、
「ミニマリオ製造工場がデッカイでっかいゴリラに襲われてるんです!!」
と、キノピオは言った。
「でっかいゴリラ?」
その瞬間、マリーは二つの意味でまさかと思った。一つは自分が行かなきゃいけないために、もう一つは犯人に心当たりがあるからだ。
その後、家に帰るとすぐに昨日使ったワンピースと帽子の装備になると。
「折角だし、これも持って行ってみよう。」
置いてあったハンマーと、アイテムもいくつか持って、おもちゃ工場へ向かった。
「よっしゃあ、大量大量。」
一方おもちゃ工場では、大きなDKのマークの付いた帽子を被った大きなゴリラが、ミニマリオを麻袋に詰め込みながら言っていた。
「あうう、どうしよう。」
職員のキノピオ達は、その様子を只々見ていた。自分たちでは何とも出来ないからだ、
「大丈夫です、きっとマリーさんが来てくれます!!」
キノピオの一人がこう言うと、
「せいやー!!」
誰かがやって来て、ハンマーでゴリラを殴り飛ばした。そのゴリラは激しく吹っ飛ぶと、キノピオ達の所に飛んでいき、激突した。
「マリーさん、ひどいです。」
キノピオ達がこう言うと、
「な、その赤い帽子、まさかお前は?」
ゴリラは唖然としながら言った、
「サンタクロースか?!!」
「どこがよ!!一体どこの世界に五月にやって来る女のサンタが居るのよ!!」
マリーがこう言うと、
「まったく、ミニマリオが欲しいならおもちゃ屋に行きなさい。いくらでも売ってるし、売り切れでも取り寄せてもらえばいいのに。」
マリーがこう言うと、
「いいや、実はどこの誰かは分からないけど、ミニマリオをたくさん奪ってきたら、一体に付きバナナを一房くれるって言うんだ。」
と、ゴリラは言った。
「どんだけ安い商売よ、ドンキーコングjr、アンタ騙されてるって分からない?」
マリーがこう言うと、
「とにかく、ミニマリオは持って帰らせてもらう。」
ドンキーコングjrはこう言って、出て行こうとしたが、
「行かせないから!!」
マリーが立ちふさがった。
「だったら!ジャイアントパンチ!!」
ドンキーは腕をブンブン振り回してパワーを溜めたが、
「当たりますか!!」
マリーはジャンプすると、ドンキーを踏みつけた。
「とりあえず、これ使ってみよう。」
そして、マリーは不思議なPのマークの付いた紫のキノコを取り出すと、その力を発動させた。
「あれは?新しいキノコ?」
キノピオ達は驚いた。マリーが今まで見た事のないキノコを発動させたのだから。だが、変化は何も起きなかった。
「なにこれ?」
マリーも驚いた。自身の神経が強化されているためか、周りの状況がよく分かるのだ。
「やってくれたな!!これでも喰らえ!!」
すると、ドンキーが背後より巨大なカゴを投げつけた。金属製なので当たると痛いだろう。
「ヒイッ!!!!」
マリーは驚いたが、カゴは自分に命中せず、逆に自分の目の前で止まっていた。
「え?」
マリーは再び驚き、これが相手の方に飛んで行かないか、と考えた。すると、
「うおっ!!!!!」
カゴはドンキーの方に飛んで行った。
「もしかして?」
自身に備わった能力に付いて何か分かったようで、マリーはためしにミニマリオの入った袋を浮かべられないか、と思った。
すると、袋は浮いて、マリーのもとに向かって行った。
「な、ミニマリオが?!!」
ドンキーは驚いた。そしてマリーは、
「成程、超能力が身に付いたんだ。」
自身に起こった変化に納得すると、その力でドンキーを吹っ飛ばした。
「覚えてろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
ドンキーはこう叫びながら、ジャングルに向けて飛んで行った。
「やりましたねマリーさん。」
キノピオ達がこう言うと、マリーは倒れた。
「あれ?体が動かない?」
マリーがこう言うと、
「マリー殿?エスパーキノコを使いませんでしたか?」
様子を見にやって来たキノじい(二代目)は、大きな百科事典を見ながらこう言った。
「エスパーキノコ、力を発動させたものに一時的に超能力を与えるが、発動後しばらくするとエネルギーが切れてしばらく動けなくなる。」
「そ、そうなんですか?」
マリーがこう言うと、
「大丈夫です、車を用意しましたからちゃんと送り届けましょう。」
キノじいはこう言った。
一方、水晶玉で様子を見ていた老人カメは、
「成程、エスパーキノコ、もうすでに手に入れてましたか。」
様子を見てこう考えた、そして、魔法通信で、
「モートン殿、クッパ様に報告を、奴はエスパーキノコを持っています。」
と言って、モートンと言った亀にエスパーキノコの特徴を伝えた。
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