二代目 Mの英雄 |
また次の日も、学校では謎の美少女英雄の話で持ちきりだった。
「知ってるか?昨日おもちゃ工場を襲撃したゴリラが居るんだけど、前にピーチ女王を助けた美少女と同じ格好をした美少女が、ゴリラをぶっ飛ばして工場を救ったってさ。」
学校の生徒の一人が、マリーにこう言った。
「うん、知ってるよ、ニュースになってるし。」
(というか、昨日現場にいたし)
マリーがこう考えると、
「折角だしさ、その謎の美少女が何者か調べてみないか?」
クラスの人間がこう言った。マリーが勝手にやってろ、と考えると、
「マリー?お願いできるか?」
と、言われてしまった。
「何でさ?」
(って言うか、まんま本人が目の前にいるんだけど)
マリーがこう考えて抗議すると、
「だってお前アパートの大家さんやってるじゃん。アパートにはいろんな人が集まるんだから、大家さんなら普通に話ができるだろ。」
生徒たちは、家賃回収の合間に聞けばよい、と言った。
そして帰宅後の事である、
「はあ、どうしよう。」
マリーは非常に困っていた。あんな事を言われた以上、調べないわけにはいかないが、だからと言って、自分の正体を明かすわけには行かない。マリオの娘である自分が表舞台に出て行動すれば、マリオが居なくなったことが王国中に知れ渡り、かなりの大パニックになる事が予想されるからだ。
「私はお父様が帰るまでのつなぎなのに。」
マリーがこう呟くと、
「てぇへんだ!!」
誰かがアパートの前を物凄いスピードで駆け抜けて行った、
「配水管にカニやカメが出た!!気を付けろ!!」
そしてマリーは、
「配水管を壊されると少し問題ね。それにカメやカニが蔓延っていたら修理も出来ないし。」
こう呟くと、戦闘用のワンピースを身に着けると、一緒に工具箱を持って行った。
そして、カニやカメが出た配水管のポイントに来ると、そこにはカメやカニがうじゃうじゃ居た。
「うわぁ、いつにもまして大量ね。」
マリーはこう言うと、
「さっさと追い払って、修理しないと、壊れた部分があるし。そこから発生した激流に蹴り飛ばせば十分ね。」
と呟いて、ポケットから羽のような物を取り出した。
「マントはね、発動!!」
マリーが羽の力を発動させると、背中にマントを装備した姿になった。
「これを使って。」
マリーはこう言って、背中のマントを外すと、それを歩いてくるカニやカメの足元に広げると。
「それ!!」
カメやカニの足が乗ると同時にマントを引き抜き、カメとカニをひっくり返すと、
「元居た場所にお帰り願います!」
こう言って、カメとカニを激流の中に放り込んで、その場から放した。
その調子で多くのカメとカニを配水管から遠ざけると、青い炎や色違いのカメやカニが出るようになった。
「あれはバブルに、それにあれが群れのボス。奴らを何とかすれば大丈夫ね。」
マリーはこう言うと、マントの力を解除すると、代わりに「POW」と書かれたブロックを取り出した。
「POWブロック発動!!」
マリーがブロックを地面に投げつけると、ブロックが地面に落ちた瞬間、物凄い衝撃が発生してカメとカニはひっくり返り、バブルは水しぶきで消えてしまった。
「それじゃあ、お帰り下さい。仲間が待っています。」
マリーはこう言ってカニとカメを持ち上げると、水の中に放り込んだ。その後、
「さてと、あとは配水管の修理をしないと。」
様々な工具を巧みに使いこなし、配水管を修理した。
その後、自宅に帰ってから、
「てぇへんだ!!」
誰かがこう叫んでやって来た。マリーのアパートの住人である。
「水道が変になった、直してくれ!」
やって来たノコノコの住人はこう言った。なので、
「了解!」
再びマリーは工具を持って出動した。ただし、普通の服装で、
その様子を見ている者が居た。
「見た?あの子、女子高生なのに配管工も出来るみたいね。」
「さすがはマリオの跡継ぎだな。」
クッパのような甲羅を背負った女のような容姿のカメと、変なメガネが特徴のカメがこう言うと、
「よし、報告に行くか。」
そして二体のカメは、その場を立ち去って行った。
そして次の日、マリーは昨日の調査を頼んだ生徒に訊かれた、
「どうだった?何か分かった?」
生徒の一人がこう言うと、
「特には、しいて言えば彼女、配管工としての技術があるくらいかな?」
マリーはこう答えた。すると、教室に担任の先生が入って来た。何か落ち着かなげに。皆がどうしたと思うと、
「えーと、今日は転校生を紹介する、くれぐれも粗相の無いようにな。」
先生はこう言って、教室の外に言った。
「それじゃあ、入って来てください。」
すると、教室の扉があいて、短めな金髪が特徴の、一見すれば少女とも見える男子が入って来た。その瞬間、教室中が凍りついた。
「ぶ、ぶ、ブロッサ王子?!!」
皆が一斉にこう言うと、
「自己紹介は不要ですね。僕は確かにブロッサです、王子ですけど、畏まる必要はありません。不慣れなので、色々滅茶苦茶なことはすると思いますが、よろしくお願いします。」
ブロッサがこうあいさつすると、マリーは心で思った。
(大丈夫?というかさようなら、私の青春)
心の中で、自身のバラ色の学園生活と、華やかな青春に別れを告げた。
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第四話 | ||
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