二代目 Mの英雄 |
次の事件は、マリーが学校に行っている時に起こった。
「というか、何でブロッサ様がこの学校に来るんですか?」
マリーが学食のラーメンを食べながらブロッサに訊くと、
「母が学校に行って勉強してきなさいって。」
ブロッサはカレーを食べながら言った。ちなみに母とは、この国の女王「ピーチ」の事である。
「今更?普段は家庭教師に習ってるって聞いたけど?」
マリーがこう言った瞬間である。突然校庭の方から物凄い爆音が聞こえた。
「何?!!」
マリーがこう言うと、突然校内に大声が響いた。
「この学校にブロッサ王子が居ると聞く!!正直にこのイギー様に身柄を渡せ!!」
魔法使いの杖のような物を持つカメ「イギー」はこう言った。
「おかしいな、お忍びで来たのに。」
ブロッサがこう言うと、
「あなたにお忍びなんて言葉が付いてくると思うの?」
マリーはこう言った。そして、
「どうする?貴方の実力なら追い払うくらいはできるんじゃない?あいつはコクッパの中で最弱って聞いてるし。」
と、ブロッサに言った。
「王子に戦えと?普通はマリーの役目でしょう。」
ブロッサはこう言うと、今朝からずっと持っていたカバンを渡した。
「あとこれ、これからは毎日持ち歩いてください。」
中には、マリーが戦闘時に着る服と、強化キノコにファイアフラワーが入っていた。
「まさか持ってきたの?あの部屋から?」
マリーが訊くと、ブロッサは肯定した。
しばらくしてから、
「誰をお探しかしら?!!」
誰かがイギーに話しかけた。赤いシャツに紺のワンピース、赤い帽子とマリオの女性版のような姿をした彼女は、まぎれもなくマリーである。ただ正体がばれないように、口調を変えている。
「貴様が巷で噂のマリオ擬きか?」
イギーがこう訊くと、
「何て呼ばれてるかなんて知りません。」
マリーはこう言って、イギーを踏みつけようとジャンプした。
「おお!!」
様子を見ていた男子生徒たちは思わず反応した。スカートの中身が見えるかと期待したが、結局スパッツを穿いていたので、無理だった。仮にその下に何も無くても、見応えは無い。
「させるか!!」
イギーはジャンプで回避すると、魔法で発生させたブロックを投げつけた。
「危な!!」
マリーは軽やかな動きで回避すると、
「ファイアフラワー発動!!」
自らにフラワーの力を付加させて、ファイアマリーになった。結果、ワンピースが赤、シャツと帽子が白色に変わった。
「これでも喰らえ!!」
マリーはファイアボールを何発も投げつけたが、イギーはブロックで攻撃を防いでいる。
(このままじゃ埒が明かない)
マリーはこう思った。これが休日なら時間をかけて相手出来るのだが、今は学校の真っ最中、その上アイテムも限られた数個しかない。
(それにしても、なんか暑いな)
マリーはふとこう思った。いつだったか、夏休みに行ったドルピック島のように、空には太陽が輝いている。
(暑い?これよ!!)
マリーはこう考えると、地面に大量のファイアボールを投げつけた。
「どうやらやけになりました?」
イギーはこう言って攻撃を仕掛けようとした。しかし、大きなブロックを作ろうと少し目を放した瞬間、マリーの姿が見えなくなった。
「何?消えた?」
イギーが周りを見回していると、
「陽炎ジャンプパンチ!!」
突然下からマリーが殴りかかって来た。彼女は陽炎を発生させて姿を隠すと、不意に攻撃を放ったのだ。その威力はすさまじく、イギーを吹っ飛ばし、さらにブロックも粉々に破壊した。
いったん上空に吹っ飛んだイギーが落ちてくると、
「ファイア掌底!!」
父親直伝の炎をまとった打撃技で、イギーを遥か彼方へ吹っ飛ばした。
「やば!!早くしないと授業に遅れる?!!」
マリーはこう言うと、急いで校舎に戻って行った。
結局、着替えてるうちに始業のチャイムは鳴り、マリーは遅刻した。
一方、吹っ飛ばされたイギーは、クッパ城に戻っていた。
「あーあ、これじゃ弟にどやされるな。」
イギーがこう呟くと、どこからかカメックジジがやって来て、彼にこう言った。
「いいや、むしろこうして生きて戻って来ただけありがたい。あの学校にはお前の魔法を凌駕する者がいるからな。」
「マリー以外に強敵が?」
イギーが訊くと、
「ああ、せめてこちらに関わらないで欲しいが。」
カメックジジは、何かを心配するようにこう言った。
一方、マリーの学校では、
「なあマリー、昼休みのあの美少女とコクッパの戦いは見たか?」
男子生徒がマリーに訊いていた。
「う、うん、見たよ。」
(って言うか、まんま私なんだけど)
マリーがこう考えながらこう答えた。
そして、その様子を見るある人物は、
(マリーさん、上手く正体を隠したつもりでしょうけど、このメラルナは誤魔化せませんよ)
と考えていた。
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第五話 | ||
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