二代目 Mの英雄
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ある日の事である、マリーは友人たちに呼ばれた。なぜかと言うと、みんなで遊びに行こうと言う理由である。

他のメンバーが全員揃ったところで、最後にマリーがやって来た。

「みんな、お待たせ。」

こう言ってやって来たマリーの服装を見て、みんなは呆れた。

「ちょっとマリー、そんなんで大丈夫だとでも?」

友人の一人が訊いた。今のマリーの服装は、地味な色合いの上着とスカートである、

「大丈夫だと思いますよ、少なくとも問題は無いです。」

マリーがこう言うと、

「問題ありまくりです!!」

友人がこう言うと、

「一緒に来て!!」

と言って、マリーを連れて近くの服屋に入って行った。

 

 

 

 

 

そして、三十分経過、それからどうした?

「というわけで、マリー出てきて。」

服屋の中で、友人がマリーに言った。

「あの、こんなんで良いんですか?」

マリーが出てきた。今の彼女の服装は、明るい色合いのワンピースである。胸元が開いており、割と豊満な胸元が目立っている。

「良いよ、すごくかわいいよ。ほんと私が男だったら一目見てプロポーズしてる。」

友人の一人がこう言うと、

「とにかく、これを買ってあげるから、今日は一日この服装で居る事、分かった。」

この服を選んだ友人が言った。

 

 

 

 

 

その後、ガールズトークに花を咲かせながら、マリーが友人たちと町を周っていた時である。

突然町中にある電光掲示板に、同じ映像が映った。

それはキノコ王国の女王「ピーチ」の住まうピーチ城の中の様子であり、一流のデザイナーが、細心の注意を払ってデザインした内装が、一つ残らず滅茶苦茶になっている。

「何あれ?」

マリーの友人の一人がこう言うと、画面にとても巨大なカメが映った。

「まさかあれは、クッパ?」

マリーがこう呟くと、クッパはこう言った。

「ご覧のとおり、ピーチ城は我らクッパ軍団が占拠した。これより、お前たちキノコ王国の民は、われらクッパ帝国の支配下に置かれる。」

見ると、その後ろではピーチ女王が縄でぐるぐる巻きにされていた。

そして周りでは、大騒ぎが起こっていた。

「何と言う事だ、マリオが居ないことを良いことに、ピーチ城が占拠されるとは。」

「こんな時にマリオが居れば。」

そんな中、マリーは映像を見ながら、一つ疑問に思っていた。

「そういえば、ブロッサ様はどこに?」

映像の中にブロッサが居ないのだ。彼は割と腕が立つので、こういう状況では真っ先に戦いを挑んでいるはずである。

「ちょっと、マリー。」

すると、誰かが声をかけた。マリーが振り返ると、そこには問題のブロッサが居た。

「って、王子、何してるんですか?!!」

マリーも含め、その場に居た面々は一様に驚き、こう訊いた。

「いや、ピーチ城にクッパ軍が来たから、真っ先に応戦していたんだけど、数の力に押されて僕以外が全滅、それで母さんが、他から戦力を持って来いと。」

ブロッサはこう説明すると、手にしている大きなパラソルを背負いながら言った。恐らく、この大きいパラソルで、クリボーやノコノコと言った、クッパ軍団の雑魚をボコボコにしていたのだろう。そして、他から戦力を持ってくると言ったのは、マリーが素性を隠して、これまで活動していたのを考慮したうえでの事である。

「そういうわけで、マリーさんを借りていきますね。」

ブロッサはこう言い残すと、マリーの手を引いて、その場を後にした。

「って、なんでマリーを連れてくんですか?!」

友人たちはこう訊いたが、答えずに去って行った。

 

 

 

 

 

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そして、マリーが大家をしているアパート「キノコ荘」に戻ってくると、そこにはルキが居た。

「あれ、なんでルキがここに?今日はコンサートじゃ無かったの?」

マリーがこう訊くと、ルキは答えた。

「クッパ軍団が来たんだよ、会場の警備員も緊急招集されて、コンサートは中止、仕方ないから帰って来たの。」

そして、マリーに訊いた。

「お姉ちゃんの事だし、ピーチ城まで行くんだよね。」

「もちろん、父さんたちが帰ってくる場所を守らないと。」

マリーの決意のこもった言葉に、ルキはこう言った。

「私にも協力させて!」

「協力させてって。そうできるほど簡単なことじゃ。」

マリーがこう言うと、ルキはこう言った。

「それについては、ちゃんと考えてるから。」

そして、マリーに縋り付くと、こう言った。

「ねえ、お願い。」

「………はぁ、分かりました。」

マリーは渋々それを受け入れると、

「ブロッサ様、ルキの護衛はお願いできますか?」

と、一緒に居るブロッサに頼んだ。

「分かりました。」

ブロッサはこう答えると、ルキに聞いた。

「ところで、何をするつもりなんですか?」

ルキは、持っているカバンからある物を取り出して、こう答えた。

「私の得意分野でね。」

 

 

 

 

 

 

一方、クッパ軍団によって占拠されたピーチ城では、クッパが部下の報告を聞いていた。

「第一部隊から第五部隊まで、続々と要所を制圧しています。今のところ、件の娘が邪魔に来たと言う報告はありません。」

「なるほど、分かった。」

クッパはこう言うと、報告に来た部下を下がらせて、ぐるぐる巻きにしてあるピーチに言った。

「どうやら今日と言う日を持って、ワガハイ達の因縁に決着がつくようだな。」

一方のピーチは、毅然とした態度で言った。

「残念ね、あの子達が居る限り、貴方の野望は成就されないと知りなさい。」

「ほう、おぬしは奴らが何者か知っているのか?」

クッパがピーチにこう訊いた瞬間である。先ほど下がった部下が、再びやって来た。

「どうした?」

クッパが部下に訊くと、

「いえ、報告と言うわけではないのですが、城の前に謎の集まりが。」

と、部下は報告した。

 

 

 

 

 

話は、先ほどの場面より、数分前に遡る。

「本当にやるつもりですか?」

ブロッサは、普段着とは違う服に着替えたルキに聞いた。

「当然、これで城の連中の目は私に釘づけ、お姉ちゃんには注目しないよ。」

ルキはこう答えると、ブロッサに言った。

「何かあったらちゃんと守ってね。」

そしてルキは、今まで居た場所を飛び出して、人が沢山集まる広場に出た。そこはピーチ城の前の広場であり、危険だからと近寄る者は少なかったが、今はルキがサプライズで路上ライブを行うと言う事で、多くの人間が集まってる。

「それじゃあ、コンサートを中止にされた鬱憤は、ここで晴らしましょう。」

集まった人間に対し、ルキはこう言うと、自分がCDにして売り出している曲を歌いだした。

ルキの考えた作戦とは、自分がピーチ城の近くで人を集め、ライブを行う事で皆の視線をこちらに集めようと言う作戦である。これで、こっそり城に忍び込むマリーが見つからなくなる上に、うまくいけばクッパ軍団の面々も出てきて、城がガラ空きになる事もある。

 

 

 

 

 

 

一方のマリーは、裏口からこっそり城の中に侵入していた。ルキがやったことにより、城の中はがら空きで、マリーは簡単に問題の玉座まで行くことが出来た。

「クッパ!マリオの代わりに来てやったわよ!!」

戦闘服姿のマリーは、部屋に入ると同時に、そこに居た大きなカメに言った。

「ほう、おぬしが噂の新しいヒーローと言う事か。」

クッパもこう言うと、前に出てマリーと対峙した。そして、

「行くぞ!!」

「行きます!!」

二人は同時に飛びかかり、戦いの火ぶたが切って落とされた。

 

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第六話
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