魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー起動…テメンニグルに侵入せよー |
「もうすぐで魔界門が開くな」
ここは周りには何も無いとある平野…そこにギルバーとグリフォンがいた。
「ああ…キーとなるアミュレットと穢れなき巫女の血もこうして手に入れることができた」
そう言ってギルバーはアミュレットと巫女の血が入ったカプセルをグリフォンに見せる。
「巫女の血を手に入れるのには案外手間取ったようだな」
「…思ったよりそいつが手強くてな、血を流させるには骨を負った」
「ほう、お前程の者が…その人間は相当の手練れだったようだな」
グリフォンはギルバーの言う巫女の実力に素直に驚く。
「人間の力も馬鹿には出来ん…魔人化を使わなければ勝てなかった。さて、そろそろテメンニグルを起動するぞ」
「ああ。だが魔界門を開くには多くの魔力がいる。その際に時空管理局にばれるだろう」
グリフォンが作戦がバレるのを危惧するが…ギルバーは臆せずに言った。
「その時は叩き潰すまで」
そう言うギルバーの足元には、何かの魔法陣があった。
「さあ…準備は整った。テメンニグルよ…起動せよ!!」
ーーーゴゴゴゴゴゴ…ーーー
すると、とてつもない地響きと共に地面から巨大な塔が現れた。
「では俺は魔界を繋ぎに行く。貴様はここに侵入者が来たら排除しろ」
「了解した」
そしてギルバーはテメンニグルへ入っていった。
ところ変わって機動六課 …
「ふう、今日も平和やな〜」
「そうですねぇ〜」
はやてとリインは部隊長室でお茶を飲んでくつろいでいた。
「はいヴィヴィオ、あーん」
「あーんっ。モグモグ」
「美味しいか?」
「おいしー!!」
バルダは今ヴィヴィオに自作のストロベリーサンデーを食べさせている。そしてその様子を微笑ましそうに眺めるなのは達。
「こうして見ると本当に兄妹みたいだね」
「そうだね〜あっ、にしてもバルダが作ったこのストロベリーサンデー美味しい〜♪」
まるで我が子を見守る母親のような感じのなのはとフェイト。
「確かに微笑ましい光景よねぇ」
「まるで本当の兄妹だね〜」
ストロベリーサンデーをパクつきながら言うティアナとスバル。
「ストロベリーサンデーのおかわりがほしい人はいってください」
「くださーい」
バルダが言うのをヴィヴィオが真似る。
「ふふ、それじゃお願いしようかな」
なのはがおかわりを貰おうとしたとき、
ーービー!ビー!ビー!ーー
「え!?アラート?!」
[みんな!クラナガン外れの平野に高魔力反応が感知された!!恐らく悪魔達が何かするつもりなのやろう…それに地面からものすごく巨大な塔が現れたらしい。今そっちに映像を出すわ]
はやてがその映像をモニターに映した。
「「「!?」」」
皆映像に映し出された塔の大きさに一同唖然とする。
「お、大きい…」
「頂上が見えない!」
「これは、まさか…」
するとバルダが悪い予感が当たったかのような顔をする。
「何か知ってるのバルダ?」
フェイトがバルダに聞いた。
「ええ、この塔の名は[テメンニグル]…大昔、人間達が悪魔の力を求め、人間界と魔界を繋げるために創られた塔です」
「人間に創られたって……それ、まさか!?」
「That's right.フェイトさん。俺があの時話したおとぎ話の事の発端は人間が原因なんだ」
「「「!!!」」」
衝撃の事実にただ驚くなのは達。
「人間は欲深い生き物だ。少しでも神に近づきたいがために簡単に大切なものを切り捨てる……そしてしまいには魔界の連中が攻め込んで来る始末だ。ま、その時にスパーダが魔界軍と闘い、そして打ち勝ったというわけ」
「「「…………」」」
まさか自分達人間が戦いの発端だったことに、ショックを隠しきれないなのは達。
「さあ!!早く行きましょう!悪魔達が何してくるかわかりませんから!!」
「「「!」」」
バルダの声により、顔を上げるなのは達。
[うん、それもそうやな…みんな!気を引き締めていきや!!]
「「「はい!!」」」
そしてなのは達は気持ちを切り替える。
[ほんなら機動六課、出動!!]
バルダ達はヴァイスのヘリに乗り込み、そして今は、テメンニグルのすぐ近くまで来ていた。
「うわぁ」
「改めて見ると本当にでかいわね…」
「本当にでけぇ……っ!」
ヴァイスがテメンニグルのあまりの大きさに驚いていると……いきなりヴァイスがヘリを傾けた。それによりバルダ達は大きく体勢を崩した。
「くっ!ヴァイス!!どうした!?」
シグナムが声を荒げる。
「すんません、シグナムの姐さん。どうやら敵さんのお出ましのようです」
「何!?」
するとヘリに向かって赤い雷が放たれた。
――グリフォンである。
「くっ、ストームレイダー!!」
〈ラウンドシールド〉
ヴァイスのデバイス、ストームレイダーが防御魔法を張るが敵の攻撃はかなり強く、ヘリが大きく揺れる。
「「きゃあああ!」」
「「うわああ!」」
「ーっ、みんな大丈夫?」
「「「はい!」」」
「みんな!今ハッチを開ける!このヘリが墜ちる前に早いとこ行ってくれ!!」
そう言いヴァイスはハッチを開けた。
「ありがとうヴァイス君!!みんな行くよ!!」
「「「了解!!(です)」」」
そしてバルダ達はテメンニグルの元へ飛び降りた。
「行かせん!」
だがそこへグリフォンが追撃してきた。
「レイジングハート!」
「バルディッシュ!」
「グラーフアイゼン!!」
「レヴァンティン」
「「「セットアップ!!」」」
隊長達がバリアジャケットを展開し、バルダ達に防御魔法を施した。
「大丈夫かお前ら?」
ヴィータが皆を気遣う。
「隊長達、ありがとうございます」
「礼なら後だ。ひとまずお前たちは地上へ着くことを考えろ」
「私達がこいつを引きつけるから急いで!」
フェイトがそう言うとグリフォンが雷の矢を放ってきた。
「死ね!!」
「させない!!」
〈ワイドシールド〉
なのはが広域防御魔法でグリフォンの攻撃を防ぐ。
「くっ、小癪な」
「よし、なのはさん達があいつをくい止めてくれてる間、早いとこ地上へ行くわよ。後、セットアップもしときましょ」
「「「了解!!」」」
「マッハキャリバー!!」
「クロスミラージュ!」
「ストラーダ!!」
「ケリュケリオン!!」
「アベンジャー!!」
「「「セットアップ!!」」」
フォワード達とバルダはバリアジャケットを展開し、地上へと舞い降りた。
「なのはさん達は?」
スバルは隊長達の身を案じ空をみると、壮絶な空中戦が行われていた。
「アクセルシューター!」
〈シュート〉
なのはが牽制としてアクセルシューターを数十発放った。
「小賢しい!」
だがグリフォンはアクセルシューターを雷で相殺し、お返しと言わんばかりに数百程の雷の矢を放つ。
「!(しまった…!!)」
グリフォンの攻撃が当たる瞬間…
「サンダーレイジ!!」
「飛龍…一閃!」
――ズガアアアアン――
「大丈夫、なのは?」
「う、うん。ありがとうフェイトちゃん、シグナムさん」
なのはを救ったのはフェイトとシグナムだった。
「気を抜くな。相手は悪魔…それも魔帝とやらの腹心グリフォンだからな」
シグナムが皆を鼓舞していると、そこへティアナからの念話がきた。
『こちらスターズ4、皆地上へ到着しました』
『そうか…なら私達もそっちへ向かおう』
そして念話を終了させ、
「ティアナ達が地上に着いたそうだ。もう時間稼ぎをする必要もない。行くぞ」
そしてティアナ達の所へ行こうとする。
「そうはさせん…貴様等はここで潰す」
だがグリフォンが結界を張り、なのは達をティアナ達の所へ行かせない。
「ちっ、結界か」
ヴィータが舌打ちをする。
「やるしかないようだね」
なのははレイジングハートを握り直す。
フェイトは、なにやらフォワード達と念話でティアナと話し合っていた。
『それで…テメンニグルの中に高魔力反応があるから潜入すると』
『はい、行かせてもらえませんでしょうか?』
フェイトは少し考えこう言った。
『わかった。けど、決して無茶はしないでね』
『わかりました』
そうしてフェイトは念話を切り、思考を切り替える
「(今は目の前のことに集中しよう。もうあの子達も立派なストライカーなんだから)」
〈ザンバーフォーム〉
フェイトはバルディッシュをザンバーフォームにし、グリフォンに切り込む。
「ふん!!」
だがグリフォンは雷の矢を全方位に放ち、近付けさせない。
「…くっ」
それによりフェイトの動きが止まる。それをみたグリフォンは雷を体にまとい、フェイトに向けて突進して来た。
「フェイトちゃん!!」
「任せろなのは!!アイゼン!カートリッジロード!!」
〈了解!ロードカートリッジ〉
「ラケーテン……ハンマー!!」
――ドゴォォォォン――
「ぐおおぉお!!」
ヴィータのラケーテンハンマーが炸裂し、思わず怯むグリフォン。
「大丈夫か、フェイト」
「うん、助かったよヴィータ」
「貴様!小癪な真似を!!」
ヴィータの攻撃を受けてもグリフォンには大したダメージはなかった。
「ちっ、全然効いてねぇな…『なのは聞こえるか?』」
自身の攻撃が大して通用していない事に舌打ちしつつ、なのはに念話を入れる。
『聞こえるよ。ヴィータちゃん』
『あたしたちが時間を稼ぐ。だからお前はあの鳥野郎にでけぇのお見舞いする準備をしろ!!』
『うん!わかった!』
「よーし、そんじゃ行くぞフェイト、シグナム!!」
「了解!」
「ああ」
ヴィータはなのはとの念話を終わらせ、フェイトとシグナムと共にグリフォンに向かって行った。
一方…なのは達がグリフォンと戦闘をしていた頃、バルダ達フォワードはテメンニグルへと潜入しようとしていた。
「ティア、なのはさん達はどうだった?」
スバルが心配そうに聞いてくる。
「大丈夫よ。だけど今敵のアンノウンと交戦中だからしばらくはこっちに来れないって」
「そうなんだ…」
「それで、これからどうします?」
エリオが今後の指示を聞く。
「ええ、フェイトさんと相談した結果…このテメンニグルに潜入する事になったわ。中には高魔力反応が確認されたし…」
「それじゃ早く行きましょう。何が起こるかわかりませんからね」
「そうね。みんな、準備はいい?」
「「「うん!(はい!)」 」」
そうしてバルダ達フォワードはテメンニグルへ入っていった。
ーーテメンニグル内ーー
「「はあああ!!」」
――オオオオオン!!――
「みんな下がって!」
「「了解!」」
「クロスファイアーーシュート!!」
――ズドドドォン!!――
「よし!」
「さっすがティア!」
「これくらい当然よ。それにキャロのブーストのおかげかな?」
「みんなのサポートをする事が私の仕事ですから…当然です♪」
「けど俺からしたら全員凄いと思うんだけどな〜。パワーで突貫するスバルさん。スピードで攻撃にも防御にも回れるエリオさん。みんなのサポートに徹してみんなを守るキャロさん。そして、そんなみんなをまとめ、援護と指示をするティアナさん。ちゃんとチームとして機能してるし、連携も息ぴったりじゃないですか」
ちょいべた褒めのバルダ。
「だけど、そうなるまでもの凄く頑張ったから今のチームがあるんだよ」
スバルが当然というように言う。
「ふーん、物事やっぱり努力!ってことですかね」
「そういうこと。あっ、けど無茶な努力はダメだよ?」
「?…ああ、体を壊したら元も子もないっすからね。簡単なことじゃないですか」
スバルの言葉に少々疑問に思ったが、すぐさま理解した。
「うっ…」
バルダのセリフに呻くティアナ
「どうしたんだい?ティアさん?」
「な、何でもないわ」
「??」
『ねぇスバルさん。ティアさんの過去に何かあったんですか?』
疑問に思ったバルダが念話でスバルに聞く。
『鋭いねぇ、バルダは。いいよ話してあげる』
『ありがとうございます』
そうしてスバルはティアナの事について話し始めた。
『なる程、そういうこと』
『あの時は一体どうなるかと思いましたよ』
いつの間にかエリオも参加していた。
『エリオ達も心配してたんだよね。ティアの友達として、ありがとう』
『いえ、ティアさんもみんなも僕にとって大切な人ですから』
『しっかしまあやっぱ普段優しい人が怒るとめっちゃ怖いですね』
バルダはなのはが怒ったことについて言った。
『そうなんだよねぇ。管理局の白い魔王と言われてた意味がよくわかったよ』
スバル達はその時なのはが怒った時の事を思い出した。
〔少し…頭、冷やそうか……〕
その後を思い出すのが怖くなり、そこでやめた。
『まあこの話はこの辺で…』
『そっすね』
『はい』
『ちょっと、もう話は済んだかしら?』
『ティ、ティア!?』
『気づいてたんですか』
『当たり前じゃない。あんだけ長く黙ってれば誰だって気づくわよ。』
「それよりも…」
――キシャアアア!!――
「こいつをどうするか考えなさい!」
スバル達が上を見ると、そこには巨大なムカデのような悪魔がいた。
「なにあれ?!」
「確かギガビートだったっけ。まあ中級悪魔だからほんのすこーし手こずるね」
「そう言うわけだから早く片づけるわよ!」
「「「了解!!」」」
ーー数分後…ーー
「「うおおお!!」」
「リボルバー…シュート!!」
「Ha!!レインストーム!!」
――ギィヤアアア…――
ギガビートはスバルとバルダの攻撃によって倒された。
「ふう、案外楽勝だったね」
「見た目だけの悪魔だから♪」
「それはそれでかわいそうな気が…」
「まあそれはどうでもいいとして、先を急ぎましょ。魔力は温存しときたいからなるべく使わないようにね」
「わかった(わかりました)」
フォワード達はテメンニグルの更なる上へと駆けていった。
ヴィータ、フェイト、シグナムの三人はグリフォンを攪乱させるため、グリフォンの周りを飛び始めた。
「ぬっ、ちょこまかと!」
グリフォンは雷を放つが、フェイト、シグナム、ヴィータは巧みにかわし、そして地道に攻撃を加えていく。
「ぐぅ!おのれ…人間風情が」
「はんっ!あたしたち人間を…」
「なめないでもらおうか」
「私達はお前達悪魔には絶対に屈しない!」
「そういうこと!みんな!準備できたから退避して!!」
「「「了解!!」」」
なのはは、自身の最大の技[スターライトブレイカー]を放つ。
「全力全開!!スターライト…ブレイカー!!!!」
「!!くそっ!」
――ガシィィィン!――
「なに!?」
グリフォンはスターライトブレイカーをかわそうとするが、あらかじめフェイトが仕掛けておいたバインドに引っかかり、身動きが取れなくなってしまった。
「ぐおあああああぁぁぁぁ!!…」
ーーズガアアアアアアンーー
「はあ……はあ…はあ」
魔力の渇望により少しふらふらのなのは。
「大丈夫?なのは?」
そしてそんななのはを気遣うフェイト。
「うん、なんとかね」
「やったか?」
シグナムが尋ねる。
「手応えは、ありました」
「けどまだわからねえ…いくらなのはのスターライトブレイカーを受けてただではすまないと思うが、相手は悪魔だからな」
ヴィータが警戒しながらそう言っていると煙が消え、大きな深手を負ったグリフォンの姿があった。
「ぐっ、ぐうぅぅぅ…」
「こいつ、なのはの攻撃をくらってまだくたばらねぇのかよ!!」
「みんな!!周りをみて!」
なのは達の周りの空間を覆っていた結界が崩れ落ちていく。
「結界が…」
「無くなっていく」
「恐らく相手の魔力が尽きたんだろうね」
「くそが!人間風情がよくも我に傷をつけてくれたな!!」
激昂したグリフォンが今までで一番大きな雷を放とうとしていた。
「「「な!?」」」
「まだあんな力を残してたのか!!」
「これは…少しまずいね」
「ぐおおお!死ねぇ!!」
そしてグリフォンが雷を放とうとした時、
――ズドオオオオン――
「「「…え!?」」 」
「ぐわああぁあああ!!」
突然の出来事だった。どこからともなく凄まじい魔力の魔力弾がグリフォンに殺到し、グリフォンを跡形も残さずに倒したのだから…
その後、そよ風が吹き、どこからともなく「Too easy…」と声が聞こえた。
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