おや?五周目の一刀君の様子が……17
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「華琳様。右翼より秋蘭の一隊が合流します。……これで状況は全て整いました」

 

荀ケの言葉に、曹操は微笑を浮かべ息を吐く。

 

「ありがとう。……いよいよ英雄孫策との決戦。……胸が高鳴るわね」

 

「敵は孫策に率いられ、勇猛を謳う呉の兵士。……新兵の多い先鋒部隊がどれだけ持つのか、多少気になるところではありますね」

 

「意気地のない新兵を奮い立たせるには、褒美をちらつかせるのが一番。戦場で呉の名ある将を討ち取った者には、千金の褒美を取らすという触れを出しております。これで少しは意気地も出ましょう」

 

「兵は主義では戦えんか。……それもまた当然でしょうね」

 

曹操が気がかりにしているのは、呉郡より許昌に流れ着いた一団。

英雄との戦いを穢されたくないと監視させていたが、曹操は胸騒ぎを覚えていた。

 

「しかし……孫策さんの動きが読めませんね。……どうしてこんなに動きが遅いのでしょう?」

 

「……がっかりさせて欲しく無いわね」

 

「何かあったと見るべきでしょうか……」

 

「で、伝令ーー!!」

 

「何事か!」

 

軍師達との会話の最中、急ぎこちらに走り膝を着く兵。

その報告に曹操は苦渋の表情を浮かべることとなる。

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「敵軍より単騎で前に出てくる影あり。……あれはだれでしょう?」

 

遅ればせながら展開した呉軍。その中から単騎前へ出る影があった。

遠くからでもわかる程艶やかな桃色の髪、腰から引き抜いた南海覇王を掲げるその姿は一種の芸術を思わせる。

 

「……出るわよ。護衛に秋蘭だけ着いてきなさい」

 

それを捕らえた曹操は、口早に言う。

 

「な、危険です!わざわざ華琳様が出向くなど……」

 

「黙れ荀ケ!このまま戦い、我に穢れた覇道を歩めと言うのか!……兵を鼓舞される前に早く行くわよ」

 

「御意」

 

手綱を引き孫策へと馬を走らせる。

 

「自軍の兵も御しきれずに、何が覇道か……!」

 

唇を噛み締め呟く曹操。

徐々に近づく孫策の表情には、笑みが浮かんでいた。

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「あら久しぶり。反董卓連合以来かしらね」

 

「えぇ、そうなるわね」

 

曹操は孫策の前へ着くと、馬を降りた。

続けて口を開こうとするが、その前に孫策が曹操の前に何かを放り投げた。

 

「それ、お返しするわ。一匹取り逃がしちゃったけど、帰ってきたの?」

 

投げられたのは、魏の兜を被った首。

暗殺を企て、失敗した呉郡からの一団のものだった。

 

「……えぇ、即刻首を刎ねたわ」

 

曹操の言葉に、孫策は苦笑いを浮かべる。

 

「やっぱりあなたの命じゃ無かったのね。差し詰め末端兵の暴走かしら」

 

「返す言葉も無いわ。既にこの戦に大儀は無い。我が軍は撤退する」

 

曹操の掲げる大儀。

強大な敵を正々堂々倒し、自分の進む覇道を華やかに彩る事。

故意でないにしても暗殺という愚行を行ってしまった曹操は、この戦を始める事を嫌った。

 

しかし、呉軍はそうはいかない。

少なからず国境の兵を殺され、自領を蹂躙された。

戦を始める理由に、十分成り得る。

 

「あなた、本気で言ってるの?」

 

鋭い眼差しで曹操へ殺気を向ける孫策。

曹操はそれを受け流し、踵返し馬へ乗馬する。

 

「勘違いしないでちょうだい。また近いうちに仕掛けさせて貰うわ。あなた達、軍備はおろか内政も安定していないでしょう。今回は私の誇りをかけて撤退する。その間、精々無駄に足掻いて見せなさい」

 

曹操の言葉に、孫策は眉を寄せる。

現状、曹操の言うとおりこのまま魏軍とぶつかり合えば、敗北は必死だっただろう。

漸く袁術の手から取り戻した領地。この少ない時間で癒すには深すぎる傷を負っていた。

 

「……後悔しても知らないわよ」

 

「ふふ、結構。次見えるときを楽しみにしてるわ」

 

馬を走らせる曹操。その小さくなる背を見て、孫策は溜め息を吐く。

後ろに並ぶ、魏軍による奇襲に憤る兵士達。このままでは鞘に収まらないだろう。

 

「それは向こうも同じか……」

 

悪態着いても仕方が無いと思い直す。

この猛りを溜め込ませ、来るべき魏軍との戦で爆発させればいい。

兵達を落ち着かせるための激を飛ばすため、孫策は大きく息を吸い込んだ。

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※ご都合主義といわれればそれまでなんですが、こんな感じで魏軍は撤退していきました。

原作でも思ったんですが、あの状態で撤退ってありえないと私は思います。

まぁ各player毎の捕らえ方があるだろうし掘下げませんが。

説明
原作だと呉ルートで華琳は雪蓮のこと『英雄孫策』って何度も言ってるけど、そんな事言われるような事柄あったっけ?何かと言ってるから違和感が凄かったです。
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コメント
↓ですよね。だから大陸を統一しきれなかったんだと思う(´・_・`)(たこきむち@ちぇりおの伝道師)
ここら辺りが己を殺せず、本当の意味で覇王になり切れない華琳の限界なんですよね。これがあのローマの英雄カサエルなら、むしろ「賽は投げられた」と言って部下の不始末を己の過ちとして呑み込んで戦い始めるんでしょうが。(h995)
王でありながら兵の先頭に立ち戦うというあり方をもって「英雄」と呼んでるんじゃないでしょうかね。(アルヤ)
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華琳 雪蓮 真・恋姫無双 

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