IS 最強の異端の力
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統夜サイド

 

授業が終了すると同時に、俺は教室を出た。何時までも教室にいる理由など無い。それに俺はこんな所に出来れば居たくない。

 

俺は山田教員から教えられた部屋番号を目当てに、廊下を歩き続けていた。俺は一人部屋だそうだ。

それに関しては束さんの配慮だ、バレないようにハッキングを掛け部屋を調整してくれたようだ。

束さんには、世話をかけっぱなしだな。ん、ここか

 

俺は部屋の前に到着すると、扉を開けて部屋に入り、扉に鍵をかけて更に持っていたチェーンを巻きつけて厳重に開けないようにする。

 

「・・・目が14、耳が21か」

 

俺は軽く腕を振るった、それと同時に部屋全体に特殊が電撃を放出し部屋のあちらこちらに設置されていた目と耳を一斉に破壊する。若干けむくなったが、窓を少し開けて換気する。

 

「政府の犬が・・・」

 

俺は机の上に自前のパソコンを起き電源を入れる。そして目の一つを解析する。

 

「・・・仕掛けたのはアメリカか・・・愚かな・・・」

 

俺は口を歪ませてキーボードを叩き始めた。アメリカの政府の中枢にハッキングをかけ始めた、が、ハッキングは俺の予想を上回る速度で成功した。それだけ、アメリカのセキュリティが甘いという事か。

 

「・・・全データをコピー開始」

 

画面には、アメリカの軍事機密から政府の役人の情報、あらゆる情報がコピーされていきアメリカの弱みを握っていく。

 

「コピー完了、さて。どのようなデータか詳しく見させてもらおう。暇潰し程度にはなるだろう」

 

NOサイド

 

統夜は早速コピーしたデータを回覧した。そこには武器のデータ、最新式ISの設計データ。各軍事拠点のデータなど様々なものがあった。統夜にとってどれもどうでもいい物であったが、一つの項目が統夜の興味を誘った。

 

「『特殊技能開発研究所、所長レポート』?」

 

統夜はカーソルを操作し、そのレポートを開いた

 

『11月、十七、廃棄処分。五入監。12月、九、廃棄処分。8入監――』

 

データに目を通していた統夜はそう呟いた。統夜も最初は何の事かは理解出来なかった。がレポートを読み続けていくとその実態が掴めた。

 

『1月、漸く餓鬼共に、特殊技能が備わってきた。こんな仕事はほかにはない、なんせISに復讐する為の力を俺たちが作っているのだから。餓鬼共に試験段階の『潜在能力覚醒薬』を投与する事で、餓鬼共は特殊強化人間となる。その特集能力はまちまただ。自身の身体能力を底上げさせる物、念動力を扱う物、瞬間移動をする物、物体から情報を引き出す物。が、その能力はかなり低い。

それをどうやって引き上げるかがこれからの問題だな。なぁに、幾ら餓鬼が死んだ所、また孤児の餓鬼を補充すれば良い。さぁって・・・俺も餓鬼の調教に戻るとするか』

 

『2月、餓鬼共め能力を使用して俺達に反抗するとはいい度胸だ。が、俺達には覚醒した餓鬼共の能力を無効化させる力がある。それがある限り唯の餓鬼だ、これで奴らも懲りて俺達に平伏すだろう。

ふふふ・・・あと数年で形になるだろう、そうすればISの時代などすぐに終わる』

 

『3月、なんでもISを動かせる男の餓鬼が出たらしい。イチカ・オりムラ、世界最強と謳われたチフユ・オリムラの弟らしい。男でありながらISを使えるねぇ・・・コイツは良いサンプルになるかもしれねぇな。捕縛して潜覚薬を投与してみるのも悪くないかもしれねぇ。それにコイツのサンプルさえ取れればISを使える特殊強化人間が出来るかもしれねぇな、検討してみる価値はありそうだな・・・

 

それにしても・・・最近餓鬼共の調教で疲れてきたからなぁ・・・このレポートもこの辺にしとくか

どうせ、政府はこれを黙認するしかねぇんだからな。俺がアメリカの弱みを握ってる限りな・・・

 

じゃ、あとは頼むぜぇ。旦那さんよ。

 

                      特殊技能開発研究所所長 アグレム・サディード』

 

統夜はレポートを見て絶句した。アメリカにこの様な研究所があったとは知らなかったのだ。更に一夏の名が出ている事で明らかに最近のレポートになる事になる。

 

「コイツは・・・ISに対抗する為に生体兵器を作ろうとしている研究所のレポート・・・アメリカの特殊強化人間。女尊男卑を嫌いアメリカの一部の男達が、薬や様々な方法を使い作り上げているのか戦う為だけの人間、生体兵器を・・・」

 

更に、レポート中にあった念動力、瞬間移動能力、身体強化能力、それらは全て自分と同じような異端の能力と直感した。自分のと同じような存在たちが居る・・・?っと統夜に頭に駆け巡った。ある意味嬉しいというと感じてしまった。そして、統夜は薬品を投与された子供たちに興味を持った。

 

「・・・俺が行きたいところだが、束さんの護衛の依頼を投げ出すわけにはいかん。束さんに依頼するしかないか・・・」

 

統夜は別のソフトを開き、番号を入力した。すると・・・

 

『やぁほ〜い!皆のアイドル!束さんだよ〜!!』

 

束が画面に表示された、どうやら今のソフトは通信用に使用されるソフトのようだ。

 

「束さん、お願いがあるのですが宜しいですか?」

『う〜んん?何かな何かな〜?あっ解った!寂しいから束さんに来て欲しいだね!?それなら今すぐにでも行ってあげるよ〜』

「いえ、違うんですが・・・お気持ちは嬉しいのですが・・・いまデータを転送します」

 

統夜はキーボードを叩いて先程コピーしたデータを、束の下に送った。

 

『お〜きたよ〜。・・・アメリカも地に落ちたものだね〜』

「って、もう全部読んだんですか・・・それで、その施設の破壊と子供達を自由にしてあげてください。方法はお任せします」

『珍しいね〜。とっくんが見ず知らずの人間に興味を示すなんて〜』

 

束は本当に不思議そうに言った。統夜は自分の興味のない事、心を許していない人間や物事には、徹底時に関わろうとしない。それならのに自分から見ず知らずの子供達の自由を願ったのだ。

 

「俺だって、まだ人間としての良い感情は残してるつもりですよ束さん。異端の力を持つのは俺のような人間だけで十分です」

『とっくん・・・解ったよ。その事は任せてね、それと・・・とっくん。とっくんはとっても良い人間だよ?それは、束さんやマッちゃん、くーちゃんがよく知ってるよ?」

「・・・はい、有難うございます」

 

統夜は束に礼を言いながら頭を下げた

 

『じゃ!見返りは今度一緒に寝てよね?勿論、マッちゃんも一緒だよ?』

「解りましたよ。喜んで受けますよ」

『それとね、マッちゃんがもう少しでそっちに行くから、仲良くしてね〜』

「はい」

 

そう言って、統夜はソフトを終了させてパソコンの電源を切った

説明
この世界にただ一人、真の最強の名を欲しいままにする力を持った男がいた。 が、彼の持つ力はほかの人間にはない、異端の力。その力を彼はどのように使うのか?
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