真・恋姫無双 未来から来た子達 董卓√16
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「「「「「劉協様が二人いいいいいいい?!」」」」」

 

劉備たちの目の前には劉協、そして劉協と瓜二つの顔を持った少女過去空がいた

 

「これが、今回反董卓連合結成の原因となった理由よ。これはボクたちも驚いたけどね」

「どういうことだ?」

「始めは張譲のでっち上げに騙された袁紹が始めた物だと思っていたの。でも洛陽で調べていたらどうやら((沮俊|そしゅん))という方が始めたらしいのよ『劉協様を長安で見かけた』ってね」

 

詠の説明で軍師たちは即座に理解した

 

「そ、沮俊さんと言えば劉協様の側近で有名でしゅ。その方がでっち上げるとは考えられましぇ・・はわわ」

「つまり〜その祖俊って方がある日、空さんを長安で見かけて劉協様と勘違いされたわけですね。それを張譲が悪用したわけです〜」

 

孔明がカミカミで話しているのを陸遜がつなげた

 

「そういう事・・・・さて、深刻な話は終わり・・・今日はこちらがおもてなしさせてもらいます」

 

詠が手を叩くと扉から大量の料理が運ばれてきた。どれもこの時代の人間からしたら見たことのない料理ばかりだった。しかし、天の御使いである北郷一刀からみたらどれも懐かしい物ばかりだった

 

「なんだ、この料理は・・・どれも見たことのない物ばかりだ」

「これは僕たちが住んでいた場所では一般的に食べられていた料理です・・・どうぞ冷めない内に食べてくださいね」

 

望が説明するが誰も聞いていなかった。そしてちょうどその時、こってりと叱られた孫策と叱った周瑜が戻ってきて料理に釘づけになった

 

「望・・そんな説明は良いから食事にしよう・・・朕は早く食べたい」

「はは・・分かりました・・それでは皆さん・・どうぞご堪能ください」

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望は一度お辞儀をして一刀を見た

 

「望さん・・・これって」

「うん・・僕たちの世界での料理だよ。再現するのに苦労したよ・・・調味料とか一から作らないといけなかったし」

「そうじゃなくて、何を考えているのですか?」

「ん?どういうこと?」

 

二人がコソコソと話しているが全員が料理に釘づけだったため気付いていない

 

「玉璽の事ですよ・・・そこまで手に入れたいのですか?」

「うん、ほしいね」

 

あっさりした返答で一刀は脱力した

 

「一刀君、君は帰りたくないの?元の世界に?」

「え?」

 

そして望の質問でハッとした

 

「君は元の世界に帰りたくないの?」

「俺は・・・・そんな事考えたことないです」

「・・・少し良いかな?」

 

望が一刀を連れて広間から出て行き、小さな部屋に入った

 

「ここならだれもいないからいいかな」

「望さんは帰りたいのですか?」

「帰りたいよ・・・僕たちには帰るべき『家』があるんだから」

「・・・家」

 

望の言葉を聞いて一刀は考え込んだ。確かにいきなり別の世界に飛ばされたらまず考えることが『帰る』ことだ。それは大抵の人間が考えることだろう。しかし、一刀は・・

 

「俺はここに残りたいです。桃香・・劉備たちと一緒にこの大陸に平和を与えたいのです」

「つまり、君は『天の御使い』としてこの世界の乱世を終わらせたいと?」

「そうです」

「乱世が終わったらどうなるんだろうね」

「え?」

 

望が話すと一刀は考え込んだ。確かに管輅の予言では『天の御使い』が彗星となって乱世を終わらせる、で終わっている。つまり、その後『天の御使い』がどうなるのか分からない

 

「僕はね『天の御使い』が乱世を終わらせたら元の世界に帰れるのではないかって思っているんだよ」

「元の世界」

「そう・・・だから一刀君お願いがあるんだ」

 

 

 

 

 

「僕たち・・・董卓軍の『天の御使い』になってくれないかい?」

 

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その頃、料理を楽しんでいる劉備軍と孫策軍はというと

 

「ねぇ冥琳、このお肉食べてみてよ、すごく美味しいよ」

「・・・雪蓮、お前は何故そんなにのん気でいられるのだ?」

「劉協様も言っていたでしょ?料理は大勢で食べた方が美味しいって」

「だからって・・・」

 

並べられている料理を見るからにして確かに何か仕掛けられているとは思えない。周瑜は深々と考えながら料理を手に取るが、何も考えず美味しそうに料理を食べる孫策を見て深く考えるのはよした。

 

そして、そんな事すら考えていない劉備軍は

 

「美味しいのだ!こんな食べ物初めてなのだ!」

「こら!鈴々!行儀が悪いぞ」

「愛紗ちゃん・・・これ美味しいよ」

「桃香様まで」

 

ごく普通に楽しむ光景を見ていた劉協はとても幸せそうだった

 

「(これがいつか当たり前になったらどれほどいいことやら)」

「満ちゃん、イカ玉来たよ」

「おお・・これも美味しそうだな」

 

今はただこの幸せな日々を劉協は楽しんだ

 

「これってもしかしてご主人様が言っていた『うどん』かな・・・・あれ?ご主人様は?」

 

やっと、北郷一刀がいないことに気が付いた劉備たちはあたりをキョロキョロした

 

「北郷なら、望兄と一緒にどこか行きましたよ」

「何?!」

 

光の言葉で蜀軍の者たちが立ち上がった

 

「お前たち!ご主人様をどうするつもりだ!」

 

関羽の怒号であたりが静まった、だがそんなタイミングで北郷と望たちが戻ってきた

 

「いったいどうしたんだ?皆?」

 

キョトンとした顔で入ってきた北郷を見て安心したのか、関羽は脱力して椅子についた

 

「御主人様、どこか行くときは我々に声をかけてください!」

「ははは、すまない。望さんとだったからついね」

 

そんな風にとぼけて話している北郷だがどこか様子が違った

 

「それじゃ、俺もご飯を食べるとしようか・・・お!うどんじゃないか。美味しそうだな」

 

さりげなく、置かれている料理を取る

 

しばらくして、机の上に並べられた料理が片づけられ、全員が至福の笑みで満足していた

 

「どうやら、満足いただけたようですね」

「ええ。とても美味しかったです。また食べたくなったら洛陽に来ようかな」

「桃香様!何を言っているのですか!」

「はは、劉備さんに褒めていただけたなら作った人も喜んでくれるでしょう」

 

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その頃厨房では

 

「ふぅ・・ったく、望のやろうめ。絶対いつか土下座させてやる」

 

相変わらず不機嫌そうな顔をした未来才が椅子に腰かけて溜息をついた。何を隠そう、今回の御馳走を作ったのは彼である。天の世界、もとい彼らの現実の世界での料理の知識はあってもそれを全部作れるだけの腕を持っている人物は彼だけだからだ

 

「お疲れ、才兄。はいお茶持ってきたよ」

「お、サンキュ」

 

才の隣で未来家の末っ子、福が才の目の前にお茶を置いた

 

「才兄・・・福たちこれからどうするの?」

 

突然の言葉に才は思わずお茶を吹きそうになるが何とか泡を少し出すだけで抑えた

 

「いきなりどうした?」

「空さんが刺されて、光兄が戦場に出て。望兄や歩姉もすごく怖い顔して。福は何をするのか分からなかったです」

「・・・・・」

 

福の悲しそうな顔を見た才は何も言わず再び竈に火を点けて鍋を振った

 

「才兄?」

「ほれ、これ食って元気出せ」

 

福の前には他人丼が置かれた。豚肉、鶏肉、牛肉三種類の肉が分けられ、それぞれに違う味付けがされている。これは未来家全員の大好物の一品でもあり未来孤児院の院長の唯一とも言える得意料理である。

 

「・・・美味しい」

「そうか」

「でも、院長の味と比べたらまだまだだね」

「・・生意気な妹だ」

 

才は美味しそうに食べる妹の姿をただ優しい眼差しで見ていた

 

「それでは、私達は自分たちの領地へ戻ります」

「そうだな、我々もそろそろ自分たちの戦いのためにも準備をしなければ」

「え〜もう少しここに居ようy(ギロリx2)・・はい」

 

 

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食事も終え、周瑜が孫策を無理やり引っ張って立たせた

 

「董卓殿、今回の件。本当に申し訳なかった。そして、袁術との決戦。共に戦ってくれることをとても心強いと思っている」

 

孫権が深々と頭を下げ、扉から出て行った。その後、望が劉協を部屋に連れて行くように光と空に指示を出した

 

「それでは私達もそろそろ」

「劉備さんたち、少しよろしいですか」

 

彼女たちが出ようとした時に望が引き留めた

 

「なんでしょう?・・・未来・・望さん?」

「実は劉備さんたちにお伝えしないといけないことがありまして」

 

この部屋にいるのは望、詠、月、そして劉備一行のみ

 

「望さん、それは俺が言うよ」

「御主人様?」

 

劉備たちの前に現れた一刀は少しの間だけ黙り込みそして劉備たちを見た

 

「桃香・・・いや、劉備。俺はしばらく洛陽に居ようと思う」

「え?・・・どういう」

 

劉備は混乱した、これは何かの冗談か?一刀はもう少し残って観光をするという事なのか?

 

「ここでもう少しゆっくりしたいなら私達も『そういう意味じゃない!』・・っ!」

 

笑いながら一刀に言うが、彼の顔は真剣だった。未だにその理由が分からない劉備はますます混乱した

 

「・・俺は董卓軍の『天の御使い』になる」

「御主人様、それはつまり我々と離れるという事なのでしょうか?」

 

関羽の言葉が劉備の胸に突き刺した

 

「・・・ああ」

 

一刀の言葉にさらに突き刺さる

 

「我々を見捨てるのですか!!」

 

関羽の言葉には怒りがあった、だがそれは一刀に向けて言っているのか、董卓に向けて言っているのかは分からない

 

「違う!そんなことは絶対にない!」

「では、何故!」

 

 

 

 

 

 

「光たちが俺と同じ世界の人間だからだ!」

 

 

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一刀の言葉で劉備一行は驚きを隠すことが出来なかった

 

「・・・それは本当なんですな、未来望?」

 

趙雲が望を見ると、彼はゆっくりと頷いた

 

「・・・劉備さん。しばらくの間、北郷一刀をお借りします」

「・・・しば・・・らく?」

 

愕然といた劉備の耳にはあまり届いていない様子だった。だが望は話を続けた

 

「ええ、ですがそれがいつになるかは分かりません」

「そ・・んな」

「・・劉備・・・約束する。絶対に君たちの元へ戻る。だから、俺のわがままを聞いてくれ」

 

一刀が頭を下げ、劉備はもう何も言えなかった

 

「・・・未来望さん!それは本当に御主人様の意思なのですか?」

 

質問したのは公孔明だった

 

「もちろんです。彼は僕たちに協力してくれると言ってくれました」

「・・・では、条件がいくつかあります」

 

孔明がいくつかの条件をだし、全部聞き終えた望と詠はしばらく考えこみ頷いた

 

「分かりました。その条件をのみましょう」

 

交渉が成立し、劉備たちは北郷一刀を残して部屋から出て行った

 

「・・・いいのかい、これで?」

「そうさせたのは望さんでしょう?・・・俺は信じていますよ。『劉元徳』という人物の底力を」

 

一刀の笑みを見た望は安心した表情で笑った

 

 

「では、明日から忙しくなりますよ。まずは洛陽の復興、そして袁家との決着。その後はこれからの戦いのための準備とかありますから。しっかり頼みますよ我らの『天の御使い』様」

 

 

 

 

 

こうして、董卓軍は『玉璽』と『天の御使い』という大きな駒を手にすることが出来た。この情報は大陸中に響かせ、董卓という人物にさらなる注目が集まった

 

 

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((あとがき|愚痴りタイム))

 

はい、お久しぶりです。駄文作家の戦国です。もう九月です。夏休みの間何をしていたかって?((地獄|部活))ですよ!!!!毎日、コンクールのために学校まで行って、夏休みらしい夏休みの数なんて両手で足りるくらいですよ!っとまあ、そんな日々を送っていつの間にか九月。もし、応援メッセージが来ていなかったらさらに延びていたかもしれません。

 

さて、今回はとうとう董卓軍が北郷一刀を手に入れることに成功しました。これからはもう少し、光以外のキャラクターたちにスポットを当てていきたいかと思いますが、光と魏続の過去話はもう考えてあるんですよねww

 

次の話は前からため込んでいたネタである、董卓軍『火』の部隊副隊長の未来才が主人公の話です。新たに新キャラ仲間が次々と登場しますのでその辺把握をお願いしますw

 

 

説明
お久しぶりです。15話から三か月・・・なにも言いません。というよりも何も言えません。

久々の投稿です

温かく見てください
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コメント
一刀が董卓軍に……これからどうなるか、楽しみです。(マット)
きたさん・・・指摘ありがとうございました。修正しました(戦国)
基本的に姓・名・字一緒に「劉備元徳」や「諸葛亮孔明」と呼ぶのは間違いです。 普通は本名で呼ぶのが失礼にあたるので「劉元徳」、「諸葛孔明」と姓字で呼び、目上の人に対しては「劉備」、「諸葛亮」と姓名を名乗るが正しいです。(きたさん)
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