IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode71 もう一つのバンシィ?
「・・・・・・・」
隼人はパソコンに向き直って「うーん」と静かに唸りながらパソコンに向き合っていた。
『何を唸っているのですか、隼人?』
そんな様子にリインフォースは少し苦笑いする。
「いやな・・・一昨日の夕方に俺のところに来たどっかのISの企業の人が試作品のISの武装のデータを取りたいって話を持ち掛けて来たんだよな」
『だから一昨日は帰りが遅くなったのですね』
「まぁな。その企業は色々と高性能な物を作り出しているんだが、従来のISじゃまともに使うことが難しい代物ばかりで、その企業にある試作ISしか運用が出来ていない状態だとよ」
『それで、隼人の元に?』
「だろうな。まぁ最初は断る気でいたんだがな・・・・」
『・・・?』
「いやぁあの企業の武器って言うのが豪快な物でな。俺の性分に合っている武器が多いんだ」
『はぁ・・』
「で、俺のデータの収集を任されたのがこの『ウォーハンマー』だ」
そして早とはパソコンの画面に表示されている武器を指す。
打撃部には鋭い杭が付けられており、後部には小型ブースターが三基搭載されていた。
「その名の通りハンマーだが、武器に推進器が内蔵された特殊武装でな、それを使った推進で強力な打撃を与えることが出来る。で、打撃面についている杭『プラズマパイル』でISのシールドエネルギーを大幅に削ることができる。グレー・スケールの機構をそのままハンマーに入れたって感じの武器だ」
『なるほど・・・』
「まぁこの武器のデータを取るだけでいいって言うから引き受けたんだ」
『そうですか・・・しかし意外ですね。隼人がその仕事を引き受けるとは』
「それなりの興味があったからな」
『なるほど・・・隼人らしいですね』
「まぁな」
それからして隼人はパソコンの画面を消して立ち上がった。
『どちらに?』
「ちょっとな。颯を頼むぞ」
『はい』
そして隼人はベッドの上で寝息を立てて昼寝をしている颯を見てから部屋を出た・・・・
そして隼人が訪れたのはIS学園のある人工島の浜辺に来ていた。
「そういや・・・ここで颯と出会ったんだったな」
そこは隼人が颯を見つけた浜辺であった。
隼人は気晴らしの散歩に出かけたが、自然とこの場に来ていた。
「もう一ヶ月か・・・早いもんだ」
そう呟いて海の方を見る。
「・・・・・・」
「・・・・?」
隼人は何か気配を感じたのか、左の方にある岩場を見るが、誰も居なかった。
「・・・・・」
隼人はゆっくりと足音立てずにその岩場に近づいていくと・・・・
「うわぁぁぁぁっ!?!?」
そして岩陰より一人の女子が出てくると目の前に隼人がいたためか驚きの声を上げて後ろの飛び退いた。
水色の背中まで伸びたロングヘアーをした女子で、瞳の色は茶色みが掛かった黒で、メガネを掛けていた。歳は自分と変わらないぐらいであったが、どこか見覚えのあるような顔立ちであった。服装は紺のジーンズに白いTシャツとラフな格好であった。首には黒をメインに黄色が施されたチョーカーを付けていた。
その女子はおどおどとして隼人から遠ざかろうとしていた。
「何者だ。なぜここにいる」
「あ、い、いや・・・そ、それは・・・」
「ここはIS学園の生徒や教員しかいないはずだ」
「・・え、えぇと・・・」
「まぁいい。俺はIS学園の生徒会長助手の神風隼人だ。何をしようと言うわけではないが、同行してもらうぞ」
「い、いや・・・それはちょっと・・・」
女子はゆっくりと下がっていくも、隼人もゆっくりと迫る。
「それはこっちとしても困るんですよ。色々と」
「だが、このまま見逃すわけにはいかんのでな」
「そ、そこは何とか・・・」
「駄目だ・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
(どうする・・・このままだとあいつに確実に捕まる・・・。若い頃だから動きだって今より良いはずだし・・・何より格闘戦になったら勝ち目なんか無いよね・・・・)
(挙動不審すぎるだろ・・・。何に怯えているんだ・・)
「・・こ、こうなったら・・・」
「・・・・?」
隼人は身構えた。
「やっちゃえ!!『ネクスト』!!」
すると女子の首にしている黒と黄色のチョーカーが光り輝くと、女子はISを身に纏った。
「なに!?」
隼人はその姿に目を見開いて驚く。
その姿は隼人が使うバンシィと瓜二つであった。
相違点は両腕にAGE-3のウェア『グラフト』の『インパルスギア』に酷似した武装を装備しており、各所にバンシィとは若干異なっており、背中には今のバンシィ・アサルトと同じブラスタービットとコンテナが搭載されていた。
その間に女子は離脱しようと一気に飛び上がった。
「っ!逃がすかっ!」
隼人はすぐに気を取り直してバンシィ・アサルトを展開してすぐに飛び上がってバンシィの前に立ちはだかる。
「はやっ!?ネクストより速いって!?」
女子は驚いてすぐに立ち止まる。
「ISを使って逃走とは大胆だな・・・・だが、許可無くISの使用は禁じられている。力づくでもお前を連行する」
隼人はストライクカノンを右腕に展開する。
(信じられない・・・・この『バンシィ・ネクスト』はバンシィ・アサルトよりも性能は高いはず・・・・なのにこの性能って・・・)
女子はバンシィ・アサルトの性能に驚いていた。
(当時からこんな性能だっていうの・・?ありえないって・・・アサルトはネクストよりも数世代前のISのはずじゃ・・)
(見るからにバンシィと瓜二つだな・・・しかし両腕の武装はインパルスギアか?ビームトンファーの代わりに装備とは・・・それに背中のユニットはブラスタービットか?しかしなぜ・・・)
隼人は警戒すると同時にバンシィと同じ姿をしている目の前のバンシィに戸惑っていた。
(それにバンシィ・アサルトのことを知っているような感じだったな・・・一体何者だ・・)
「・・・どうしても・・・逃してくれるって事は無い・・ですね」
「当然だ」
「・・・だったら」
「・・・・」
そして女子は左手を開いて右手を叩きつけると火花を散らす。
「ここは押し通させてもらうよ!」
そして女子は身構えた。
「・・お前がその気であるのなら・・相手をしよう」
そして隼人はストライクカノンを構えて、ネクストと呼ばれるバンシィに向かっていく。
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
隼人はストライクカノンを大きく振り上げた。
「っ!」
女子は後ろに飛んで攻撃をかわすと、両腕のギアを回転させた。
「リボルバー!」
そしてスラスターを一気に噴射して飛び出した。
「ナックルっ!!」
女子は隼人に勢いよく右拳を突き出した。
「ちっ!」
隼人は身体をずらして攻撃をかわすが、その直後に女子が回し蹴りをしてくるが隼人は上に飛び上がって蹴りをかわすがすぐに女子が左拳を突き出して来た。
「くっ!」
隼人はストライクカノンの側面で攻撃を防ぐが、その直後に衝撃がシールドに叩き込まれた。
「ぐっ!?」
それによって隼人は吹き飛ばされ、その直後に拳が当たったシールドに亀裂が走る。
「たった一発で・・インパルスギアより衝撃が強いだと・・」
(動きにキレがある・・・やっぱり若いとこんなに違うの・・・でも、ネクストの特殊能力を使えば何とかなるはず・・)
女子は両腕のリボルバーナックルと呼ばれるユニットを回転させて隼人に接近する。
「ちっ!」
隼人はストライクカノンのバレルを展開して超音速で弾丸を放つが、女子はすれすれで弾丸をかわして隼人に向かっていく。
隼人は連続で弾丸を放っていくも、女子は超音速の弾丸をギリギリのタイミングでかわして行った。
「こいつっ!」
隼人はとっさにストライクカノンのバレルを閉じて刀身を振るうが女子は寸前で攻撃をかわして右腕を引く。
「ソードブレイカーッ!!」
そして勢いよく右拳を突き出すと、拳がストライクカノンの刀身に直撃した瞬間刀身が砕け散った。
「なにっ!?」
隼人は目を見開いて驚くが、すぐにストライクカノンを収納して右手にライオットザンバーを展開する。
(只者じゃないな・・・こいつは羽目を外さないといけないな)
隼人はライオットザンバーを両手で持って一回振るって女子に向かっていく。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
そして勢いよくザンバーを振るっていくが女子はギリギリでかわすと右拳を突き出してきたが隼人は身体を反らしてかわす。
「くっ!」
その直後に右足を上げてネクストの右腕を蹴り上げて、そのままザンバーを振るうが女子は左腕のリボルバーナックルで攻撃を受け止めた。
隼人はそのまま押していこうとするが・・・・
「でぇぇぇぇいっ!」
そして女子が隼人の横腹に回し蹴りを入れた。
「ぐっ!」
隼人は横腹から痛みが走るがすぐに立後ろに下がってザンバー下部のカバーを下にずらしてリボルバー式の弾倉を回転させてカートリッジをリロードする。
そして刀身に縦に線が走って二つに割れてから刀身が縮み、二刀流となる。
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
隼人はライオットブレードを振るうが女子はリボルバーナックルで攻撃を防いでいく。
「くぅ!・・・でぇぇぇぇぇい!!」
女子は右腕を振るって隼人が振るうライオットブレードを弾き返した。
「リボルバー――――」
そして左腕のリボルバーナックルの側面のカバーが開いて中の弾倉よりカートリッジがリロードされる。
「シュートッ!!」
そして勢いよく左拳を突き出して拳からエネルギー弾を放った。
「ちっ!」
隼人はライオットブレードを振るってエネルギー弾を切りつけるが、すぐに切れず押し合いになるものも、すぐに切り裂いた。
(うそ・・・。リボルバーシュートを切り裂くなんて・・・)
女子は一旦距離を取る為に後ろに飛ぶ。
(・・悔しいけど・・・この人は本当に凄いや・・・・やっぱり私の――――だからかな・・)
(なんてやつだ・・・俺とほぼ互角か・・・)
隼人は息を整えながら相手を見る。
「・・・・」
隼人はライオットブレードを見ると、刀身に薄っすらと亀裂が入っていた。
「・・・・・・」
隼人はライオットブレードを一旦振るうと女子に向かって行った。
「くっ・・レーヴァテイン!」
女子は右手に西洋の剣のように真っ直ぐ伸びる刀を展開して振るい、両者の刃が交わる。
直後に二人は同時に下がると隼人はスラスターを噴射して飛び出してライオットブレードを振るうが、女子はレーヴァテインを前に出して防いで直後に振るってくる。
「っ!」
隼人はライオットブレードを上に上げて斬撃を防ぐと、女子を押し返したと同時に柄頭同士にエネルギーワイヤーを繋げて隼人は左手のライオットブレードを投擲する。
「くっ!」
女子はレーヴァテインを振るってライオットブレードを弾くと、刃の反対側の根元のカバーを下にずらしてカートリッジをリロードした。
すると刀身に均等感覚で隙間が出来ると、それがワイヤーに繋がれて伸びて女子が振るうと鞭のように隼人に襲い掛かる。
「ちっ!」
隼人は飛ばしたライオットブレードを左手に戻すと勢いよくライオットブレードを振るって攻撃を弾き返した。
「っ!」
女子は鞭のように伸びた刀身を戻すと両手に持って構える。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・一つ聞くぞ」
「・・こんなときに・・何を・・」
隼人は範囲を狭めて女子にオープンチャンネルで呼びかけた。
「俺の見間違い出なければ、お前あの時いたな」
「っ!・・な、何のことよ」
「この間あったキャノンボールファストで、俺はとあるやつに助けられたからな」
「・・・・・」
「一瞬だったが、アリーナの外でお前のISと思われるものを見たが・・・あの時はお前が俺を助けたのか・・」
「・・・・・・」
「・・えぇ・・そうよ。確かにそれは私よ」
「・・・・・・」
「だから何だって言うのよ・・・」
「・・・あの時は感謝するよ」
「っ!」
「余計なお世話とかそう言うことは言わない。だが、それが勝利の一手に繋がったからな」
「・・・・・」
「・・・・・」
「い、言いたい事はそれだけ?」
「あぁ」
「・・・・・・」
「だが、それとこれは別だ。悪いが一気に生かせて貰うぞ!」
そして隼人はライオットブレードを再度合体させて女子に向かっていく。
「うおぉぉぉぉぉ!!」
そしてカートリッジをリロードして女子に切りかかる。
「っ!」
女子はレーヴァテインを前に出して振るったが、隼人はそのままレーヴァテインを弾き飛ばした。
「このっ!」
すると女子は左拳を突き出してザンバーの刀身にぶつけると刀身をそのまま砕いた。
「甘いな!」
そして隼人は左腕のビームトンファーを展開して女子に切りかかった。
「っ!?」
そしてビームトンファーはネクストのシールドエネルギーに切りつけた。
「くっ!・・・うおぉぉぉぉぉぉ!!」
女子はそのまま左腕を裏拳でアサルトの腹部にぶつけて衝撃を叩き込んだ。
「ぐっ!?」
隼人が怯んだ直後に右腕のリボルバーナックルの側面のカバーを開いてカートリッジをリロードする。
「一撃必殺!!・・・ストライク――――」
そして右腕に高密度にエネルギーが纏った。
「ブレイカー!!」
女子は勢いよく右腕を突き出して隼人の胸部に叩き付けた。
「ぐはっ!?」
隼人は体中に衝撃が走って激痛が走り、勢いよく吹き飛ばされた。
そして女子は弾き飛ばされたレーヴァテインを拾うと後ろを向いて瞬間加速のようにその場から一気に戦域を離脱した。
「ぐっ・・・」
隼人はスラスターを噴射して殴られた胸部を押さえる。
「逃げられたか・・・不覚だ・・」
そしてそのまま浜辺に下り立つと、バンシィを解除する。
「・・・だが・・・何者なんだ・・・やつは・・」
隼人は飛び去った方向を見つめた。
「だが・・・まだよく慣れてないな・・・。タッグマッチまで不満点を解消するか・・・」
そうして隼人は少しふらつきながらもIS学園の方に戻って行った・・・・
後書き
今回現れた謎のもう一つのバンシィですが・・・・たぶん分かる時が来るかも・・・。ちなみにこのバンシィはepisode56に出てきた黒い機体です。
最近コメントが無い・・・
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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レヴァンティンだよねあれ…(人吉善吉) 次回も楽しみにしてます!(ryuujin5648) |
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