オーレッドへ |
オーレッドへ
大統領を救出してから早二週間がたった。この二週間いろいろあった。ウォー・ドック隊メンバーとスノーがオーシア大統領直属戦術戦闘飛行隊「ラーズグリーズ隊」に編入された。一方、アンドロメダがユーク空軍の暗号通信にハーリング大統領の大統領選挙の投票数と経度・緯度・日・時間が示した暗号通信を傍受した。その経路・緯度・日・時間にラーズグリーズ隊、隊長クラウチ・ヒレンべランドが単独偵察に向かった。その結果、ベルカがかつて自国内で7つ使った戦術核兵器『V1』の封印した鉱山施設を発見。しかも、ベルカがV1の封印を解いたことが発覚した。それを聞いたハーリング大統領はその鉱山施設を破壊し、V1を再度封印することに決定した。偵察した次の日にラーズグリーズ隊が鉱山施設を攻撃、破壊し、V1を再度封印に成功した。しかし、V1は一部すでに持ち出された後だった。だが、その数日後に再び経路・緯度・日・時間を示した暗号通信をアンドロメダが傍受し。ラーズグリーズ隊がその経路・緯度・日・時間に出撃。そこには先日の鉱山施設から持ち出されユーク軍に配備されたV1を奪ったユークトバニアのレジスタンスがいった。レジスタンスはV1を解体するため、ラーズグリーズ隊に解体まで時間稼ぎしてくれないか言ってきた。もちろんOKを出し、V1を奪い返しに来たユーク軍を攻撃。その途中にユーク軍に紛れ込んでいたベルカのアグレッサ部隊とラーズグリーズ隊が交戦。ラーズグリーズ隊が全機撃破したが、パイロットは全員ベイルアウトした。その後、レジスタンスがV1の解体に成功し、解体したV1のパーツはレジスタンスによって海に捨てられた。余談であるが、ラーズグリーズ隊が帰還したあと何か旧ウォー・ドック隊メンバー3人が嬉しそうな顔をだった。一方アンドロメダはラーズグリーズ隊が帰還した直後にベルカ語の暗号通信を傍受。すぐに解読に入るが暗号が変えられていたため、解読に時間が掛かり、解読するまで2日も掛かった。そしてその内容は恐ろしいものあった。あの白い鳥で有名な大気機動宇宙機『アークバード』にV1を搭載し、そのV1でユークトバニアのオワチャブルスク市を核攻撃するものであった。幸いなのは核攻撃の日・時間が暗号通信に入っていたのですぐにアークバードの機動を調べた結果、その日・時間に核攻撃をするためには一度機動修正するために、高度を下げることが分かった。その高度は戦闘機がギリギリで攻撃が出来る高度であった。しかも、機動修正する日は暗号を解読した次の日だった。ハーリング大統領はすぐにアークバードの破壊を許可。次の日に、ラーズグリーズ隊はアークバード機動修正ポイントに出撃。予定通りにアークバードが機動修正ポイントに高度を下げ、ラーズグリーズ隊がアークバードを捕捉、攻撃準備に入った時であった。アークバードから脱出ポットが射出され、その直後にアークバードが高度をさらに下げ、戦闘機が攻撃しやすい高度まで来た。もちろんこの好機を逃さずラーズグリーズ隊はアークバードに攻撃を開始。しかし、アークバードもレーザー兵器で応戦を開始。しかも、アークバードはベルカによって改造され本来無いはずの、無人機射出口まであり、そこから無人機が出て来た。だが、その程度でラーズグリーズ隊が落ちるわけがなく、逆にアークバードが宇宙に戻るために必要な複融合サイクルエンジンを破壊した。だが、アークバードの乗組員は諦めていなかった。ベルカは攻撃目標をユークトバニアからオーシアへと変更し、オーシアに自爆攻撃という最悪の手段に出た。さらにアークバードはベルカにかなり改造されたらしく、無人機射出口以外に、パルスレーザー砲、対空ミサイルなどが装備されており、それらを使いラーズグリーズ隊に攻撃を開始。しかし、ラーズグリーズ隊はそれらを回避しつつパルスレーザー砲と対空ミサイルを破壊し、さらに、アークバードのメインブースタも破壊。推力を失ったアークバードは海へと落ちていく。だが、それでもアークバードの乗組員は諦めなかった。補助ブースタを使いオーシアへと向かうが、補助ブースタもラーズグリーズ隊によって破壊され、今度こそ推力を失ったアークバードは海へと落ち爆発した。幸いアークバードが落ちた時刻には周辺海域には艦船などおらず、また、V1による放射汚染も確認できなかった。あと、アークバードから射出された脱出ポットを回収。中にはアークバードの正式乗組員が乗っていた。正式乗組員の話によると、突然アークバードにベルカ人が来て拘束されたが、隙を見て脱出し、脱出ポットに乗る前に制御システムに高度が下がるようにして、それから脱出ポットに乗って、脱出したらしい。つまり、アークバードの高度がかなり下がったのは正規乗組員のせいである。もし、正規乗組員がいなかったら結果は変わっていたかもしれない。しかし、この2週間、我々はベルカの企みを阻止するだけではなかった。この戦争の真実を伝えるためにハーリング大統領の話をラジオ周波数に乗せて、オーシア軍と国民に伝えていた。だが、くそアップルルースたちは「ユークトバニアのプロパガンダ作戦だ」だと言って相手にもしなかった。それでも、ハーリング大統領はラジオ周波数を使いオーシア軍と国民に戦争の真実を必死に伝えるが、結果は同じであった。そうしたなか、ハーリング大統領はある手段に出ようとしていた。
『空母ケストレルブリーフィングルーム』
今日も俺や各艦の艦長が集まっている。ブリーフィングルームにラーズグリーズ隊のメンバーがいないことから、今日集まった理由は今後の艦隊の動きについてだろう。そう思っていた時、いつも通りにアンダーセンが入って来た。だが、もう1人が入って来て、ブリーフィングルームはざわめいた。もう1人はハーリング大統領であったからである。普段、ハーリング大統領はブリーフィングには参加していない。なぜ、今になって参加したのか。そして、ハーリング大統領は入って来るなりとんでもないことを言った。
「私はオーレッドへ行こうと思う」
それを聞いた俺とアンダーセン以外の艦長たちはさらにざわめいた。無理もない。今オーシアは完全にベルカによって操られている。ハーリング大統領がヘリでオレッドへ向かった場合、最悪ハーリング大統領ごと撃ち落とすだろう。だが、俺は別に心配はしていない。ハーリング大統領は元第32大隊『地獄の犬』の隊長だなにか策があるだろう。さもなければこんな無謀なことはしない。
「本気ですか、大統領」
「そうです、大統領の身に何かあれば」
俺とアンダーセン以外の艦長たちは当然反対した。もし、大統領の身に何かあれば、この戦争を終わらせることが出来なくなる。
「ああ、本気だよ。もうこれしか方法がない」
確かにハーリング大統領の言うと通りである。いままで通りでラジオ周波数でこの戦争の真実を語り続けても、くそアップルルースたちによって全てもみ消されてしまう。
「しかし、アンダーセン艦長も何か言ってください」
「私でも無理だよ。ハーリング大統領とは古い付き合いだが、昔から自分で決めたことは必ず成し遂げるんだよ」
俺が第32大隊にいたころもそうであった。ハーリング大統領。いや、ハーリング隊長が言い出した時は我々がいくら反対してもそれをやる。だが、ハーリング隊長が言い出した時は必ずなにか策がある時である。そのお蔭で第32大隊は陸軍の中の模擬戦は常に勝利している。さらに、ベルカ戦争時は連合軍の中で一番、戦死者が少ない隊であり、その確率はほぼ0に近い。そう、ハーリング隊長が言い出した時は必ず隊全員の安全と成功する時である。
「その通りだ。策はある。第一艦隊を使うんだ」
オーシア海軍大統領直属艦隊第一艦隊。イージス艦15隻、巡洋艦15隻、駆逐艦10隻、フリゲート艦5隻、空母4隻、戦艦1隻という大艦隊であり、かの有名な旧エルジア海軍の無敵艦隊エイギル艦隊が沈められた今、オーシア海軍大統領直属艦隊第一艦隊こそが無敵艦隊と呼ばれている。この艦隊はその名の通り大統領直属であり、艦隊を動かせるためには大統領と艦隊司令官と直接会わなければいけない。また、第一艦隊の人員の配備も大統領しかできず、そのため、くそアップルルースたちじゃ動かせず、現在、第一艦隊全艦はオレッド軍港に停泊中である。また、ユークトバニアの宣戦布告時の奇襲攻撃の時もオーレッド軍港に停泊中だったため、オーシア海軍の中で唯一無傷の艦隊である。
「確かに第一艦隊を使えばオレッドへ行くことが可能ですが。どうやって第一艦隊の艦隊司令官と直接会うのですか」
そうである。第一艦隊は大統領と艦隊司令官と直接会わなければ動かせない。だが、大統領はニヤリとした。
「そのことなら心配ない。実は私と艦隊司令官しか知らない通信周波数があるのだ。それを使用する。無論、本人確認のためにある言葉を言わないといけないけどね」
さすがにこうまで言われると反対する艦長たちはもう賛成するしかなかった。
「大丈夫だよ。私は必ずオーレッドへ
無事に着くよ」
ハーリング大統領は最後にそう言い、ブリーフィングルームを後にした。
『オーシア海軍大統領直属艦隊第一艦隊戦艦パトリオット艦長室』
戦艦パトリオット。オーシア海軍で1隻しかない戦艦。この戦艦の主砲は45口径46cm3連装砲塔は世界最大級の主砲であり、それを艦橋の前に1番砲塔、2番砲塔、後ろに3番砲塔、計3基9門を備えている。また、主砲の他に副砲の60口径15.5cm3連装砲塔を2番砲塔後方及び3番砲塔後方、計2基6門搭載し、SAM(艦対空ミサイル)、SSM(艦対艦ミサイル)、ファランクスCIWS、魚雷などを搭載。また、イージスシステムも搭載しているため、極めて高い戦闘能力、迎撃能力を持っている。そんな戦艦の艦長室にある男がいた。男の名はブライアン・ロースン。階級は少将。彼は戦艦パトリオットの艦長でもあり、第一艦隊の艦隊司令官でもある。今、ロースンはあることを考えていた。それはこの戦争の事である。ロースンはこの国の大統領、ハーリングと第三艦隊所属空母ケストレル艦長、アンダーセンとは古い付き合いであり、ハーリングとアンダーセンのことは誰よりも分かっている。そう、ハーリングは仲間思いが強くこの国も好きであり、この国を守るために軍に入ったことも。そして、あの7つの核の起爆を見て、もうこんな愚かな戦争を起こさないため、この国を戦争と無縁な平和の国にするため。いや、世界を平和にしたいために、政治家になったことも知っている。そんな、ハーリングがユークトバニアと全面戦争をすることを許すはずがない。だが、今この国、オーシアはユークトバニアと全面戦争をしている。ロースンはこの戦争はとてもハーリングの意思でやっているとは思えなかった。そして、あることを思った。ハーリングはオーシアにいない。そう思い、ロースンは先日、知り合いの記者にあることを聞いた。ハーリングが最後に出て来た日はいつだと。そして、思っていたことが当たってしまった。ハーリングが最後に出て来たのはユークトバニア本土上陸が始まるちょっと前で、それ以来ハーリングは大統領府から出てきていない。つまり、ハーリングは大統領府にいないか監禁されているかのどちらかだ。そして、ロースンはある仮説を立てた。ハーリングは好戦派のアップルルースたちによって監禁され、そして、ハーリングの名を使い、この戦争をやっている。だが、あくまでも仮説。それに、ハーリングが大統領府にいないか、監禁されている証拠もない。どうにかしてハーリングはアップルルースたちによって誘拐、監禁されているという証拠を見つけることは出来ないのか。そう考えていた時であった。通信コールがなった。しかも、通信コールが鳴っている通信機はハーリングとロースンしか知らない周波数を使っているものであった。ロースンは急いで通信機を取る。
『久しぶりね、ロースン』
「ハーリング大統領!」
通信から聞こえてきたのは紛れもなくハーリングの声であった。だが、ロースンはこの声がハーリング本人の声かわからない。そこでロースンはハーリング本人なのか、あることあれを言って確認する。
「失礼ですが、一応本人確認のため、あの言葉を言ってください」
『Jorhey Home』
それはハーリングとロースンしか知らない通信時の本人確認の言葉であった。
「ハッ、失礼しました。ハーリング大統領。ですが、この通信を使っていることはやはり、大統領府には…」
本来、第一艦隊を動かすには大統領と艦隊司令官が直接会わないと動かせない艦隊である。だが、それでは大統領が何かのトラブルで艦隊司令官と会うことが出来なくなったら、第一艦隊をすぐに動かせない。そういう時のために大統領と艦隊司令官しか知らない通信周波数を用意した。つまり、ハーリングがこの通信周波数を使っていることは今、ロースンと直接会えない状況下にいることを意味する。
『やはり、うすうすと気付いていたようだね。その通りだ。今、私は大統領府にはいない』
ロースンの仮説は当たっていた。だが、今はハーリングは何処にいるのか。それが、気になりロースンは聞いてみた。
「では、ハーリング大統領は今何処に」
『私か、今は空母ケストレルにいる』
その名を聞いてロースンはホッとした。ケストレルの艦長はハーリングと一緒で古い付き合いである、アンダーセンであるためハーリングの身は安全である。
「それなら安心できます。では本題に入りましょう。ハーリング大統領」
『ふむ、そうだな。今日の1500時にケストレルのシーコブリン隊のヘリでそちらに向かうよ。その護衛を頼みたい。それと、海兵隊をいつでもフル装備で出撃をできるように用意も頼みたい』
「了解しました、ハーリング大統領」
『ありがとうロースン。では、今度はそちらで会おう』
「わかりました、では」
そうして、ロースンは通信を切り、すぐに艦の内線電話を取り、CICに連絡する。数コール後CICにいる副官が出た。
「私だ」
『ロースン提督、どうしましたか』
「今日の1500時にケストレルからある要人がこちらに来ることになった。ハーリング大統領からその要人を護衛せよと命令が来た。その護衛にウルフ隊、グリント隊、レイヴン隊を送る。すぐに、この3隊にこの護衛任務を伝えるように」
ロースンはあえてその要人がハーリングだと言わなかった。無駄な混乱を避けるためである。
「それと本艦隊に所属する全海兵隊をいつでもフル装備で出撃できるようにしてくれ」
『了解しました。すぐに伝えます』
「では頼むぞ。私もすぐにそちらに行く」
ロースンは内線を切り、机の上に置いていた軍帽を被った。
「これから忙しくなるな」
ロースンはそう言い、艦長室を出てCICに向かうのであった。
『空母ケストレル甲板』
俺や各艦の艦長。そして、アマジーグを隊長とするシーコブリン隊のメンバーが甲板にいた。12月の海風はコートを着ていても寒い。そんな寒い甲板上にアマジーグを先頭にシーコブリン隊の隊員はフル装備で整列している。これから、彼らはハーリング大統領をオーレッド軍港にいる第一艦隊と合流させ、そして、第一艦隊の海兵隊と共に、大統領府まで守り抜かなければならない。そう、彼らはハーリング大統領を待っていた。しばらくして、スーツとコートを着て、そして黒い革の手袋をはめた、ハーリング大統領が来た。俺や各艦の艦長、シーコブリン隊メンバー全員が敬礼した。それを見た大統領も敬礼する。
「聞け!今から我々は大統領をオレッドの大統領府の執務室に無事到着するまで護衛する。護衛の間大統領から片時も離れず我々がお守りする盾になる!それと!大統領に近づいて来たものはすべて敵だと思え!口答えは許さん!この作戦から降りたい奴は俺の前に出ろ!おれが直々に始末してやる!」
アマジーグはすでに熱が入っているらしく、自分の隊、シーコブリン隊の隊員に怒鳴りつける。シーコブリン隊の隊員たちは背をピンと伸びるが、ひそひそ無駄口をしている奴もいる。
「大統領!弛んだ俺の部下に一発目を覚める奴を入れてください!弛みすぎて大統領の救出の時、風邪で2名ダウンして、それで艦長であるガレ艦長が来たんです!」
「アマジーグ、今の私は軍属ではないのだよ」
「いえ、大統領。今の顔付きは第32大隊の時と一緒です!」
「そうです、第32大隊の時みたいに一発ビシッと喝を入れてください!」
俺もそう言った今の大統領の顔付きは紛れもなく第32大隊いたころの顔である
「そうか。では久しぶりに一発やろうではないか」
大統領は笑いながらそう言い、アマジーグの横に立ち姿勢を正し、目を閉じて一回深呼吸し、再び目を開ける。
「そのやかましい口を閉じろ!お前たちは大統領府の執務室に到着まで一秒たりとも気を抜く暇がない!今から我々が行くのは我々を消したくて仕方ない糞共の巣だ!無駄口をたたいている場合か?余計な事は考えるな!気合を入れろ!」
久しぶりに聞いたハーリング隊長の怒鳴り声。その怒鳴り声はマイクなしでも艦隊に響き渡る。やはり、いつ聞いても迫力がある。その迫力でさっきまで無駄口をたたいていたシーコブリン隊の隊員は背をさらにピンッと伸び、緊張で顔が引きつっいていた。
「お前たちには大統領府までの執務室まで俺の護衛を命じる。嬉しいかお前たち?俺がかわいそうなことにならないように各自努力しろ。あと、この作戦で死ぬことは許さん。必ず全員が無事で作戦を成功しろ。決して命を捨てる行為をするな。した場合は厳重な処罰を与える。分かったな。分かったなら返事しろ!」
「「「「「「「「サー・イエッサー!」」」」」」」」
「いい返事だ!最後に一つ。俺の救出の時に風邪でダウンした2人には作戦終了後に俺が直々に鍛え直してやる!以上だ!全員!持ち場に着け!出撃だ!」
「「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」
シーコブリン隊の隊員たちは叫びながら右手を突き上げる。そして、我先とヘリへと乗り込んでいく。そんな中、2人だけとぼとぼとヘリへと乗り込んでいく。おそらく、大統領救出の時に風邪でダウンした奴だろ。俺はその2人をみて苦笑いし、ハーリング大統領に話しかける。
「いや、相変わらずの迫力でしたよ、ハーリング大統領」
「そうかね、ガレ」
「そうですよ、なっ、アマジーグ」
「ええ、大統領」
「そうか、おっと無駄話はここまでだ。お迎えが来たようだ」
上空からジェット音が聞こえてきた。上空を見上げると12機のF/A-18がケストレル上空を通過する。
「では、ハーリング大統領、ご武運を」
「ああ、では行こうアマジーグ」
「サー・イエッサー!」
ハーリング大統領とアマジーグもヘリへと乗り込みヘリのスライド式の扉が閉まる。ヘリのローラがゆっくりと回りだし、徐々に早くなる。そして高速回転に移行し、ヘリはケストレルから飛び立って行くのであった。
ハーリング大統領が飛び立った直後にアンドロメダがまたユーク空軍の暗号通信に謎の暗号を傍受。今度は時間と周波数だけ。どうやら、この暗号の発信者は俺たちに直接コンタクト取るらしい。そして、その時間、周波数に合わせたスピーカーから威勢がいい男の声が聞こえてきた。その男からすごいことを言った。ユークトバニア首相、ニカノール首相を救出。この戦争はニカノール首相の意思ではないことを。そして、ニカノール首相と一緒にこちらに合流するため、護衛が欲しいと。もちろん、ラーズグリーズ隊出撃し、ニカノール首相こちらに合流するために護衛及び援護を開始。その途中、オーシアに紛れ込んでいたベルカのアグレッサ部隊グラーバクと交戦したものの、ラーズグリーズ隊がグラーバクを全機撃破した。しかし、オヴニル隊と一緒で全機ベイルアウトしたらしい。その後、ニカノール首相は無事にこちらに合流した。
いよいよ戦争の終わりが見えてきた。
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第7話 | ||
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