エルフィーがデュオにデュエルを申し込むと

デュオは初撃決着モードを選択し、シリカに離れているように言う。

デュオ「今回も勝たせてもらうぞ。」

エルフィー「今回は負けないよ。」

デュオ「今回はちょうど３回目だから３度目の正直っていうやつか？」

２人はそんな軽口を叩きながら、自分の剣をゆっくりと抜く。

今回はデュオも背中の大剣を引き抜いた。

カウントが１０を切る。

デュオ「それじゃ、始めるか。」

エルフィー「本気で来てね。」

２人はそう言うと、全く同じ動作で剣を後ろに引き

今度はそれを前に突き出すようにして刀身をぶつけた。

カキーンという澄んだ金属音が響き、それと同時にカウントが０になった。

先に動いたのはエルフィーだ。最初に左上、次に右上から攻撃した後

間髪入れずに体を時計回りに回転させて左下から切り込む。

一方デュオは大剣の幅を利用して攻撃を防ぎながら、同時に

エルフィーが反応しづらい位置に剣を打ち込む。

そんな２人の戦いにシリカは、自分とは別次元のものを感じていた。

その時、デュオが両手剣用ソードスキル【バスター・インパクト】を放つ。

これは防御破壊用のソードスキルで直撃したものによっては吹き飛ばされてしまうこともある重撃である。

回避し切れなかったエルフィーはそれを刀で防御したため

３ｍ程吹き飛ばされた。

エルフィー「デュオ君、遊んでない？」

エルフィーは吹き飛ばされた後、体勢を立て直すとデュオに訊いた。

デュオ「バレた・・・？」

エルフィー「やっぱり！本気で来てって言ったのに！！」

デュオ「わかったよ。じゃあ少しだけ本気で行こうかな。」

デュオは剣を構えなおしてユニークスキルを発動させる。

デュオ「【トリック・エース】！」

デュオがそう言うとデュオの周りに一瞬だけ黄色いライトエフェクトが発生する。

デュオ「もうついてこられない。」

デュオは静かにそう言った次の瞬間デュオの姿が掻き消える。

そして次の瞬間、デュオはエルフィーの目の前に出現する。

エルフィー「・・・！？」

突然現れたデュオにエルフィーは驚いたが、すぐに思考を入れ替えると

デュオの連撃を防ぐ。

デュオ「【ソード・マスター】！」

攻撃中にデュオがそう言うと今度は赤いライトエフェクトが発生する。

するとデュオはソードスキル【ブレイク・インパクト】を発動する。

これは防御貫通攻撃を８回叩き込む大技だが

その分硬直時間がかなり長いため、ほとんどのプレイヤーは決め技として使っている。

デュオが放ったソードスキルをエルフィーはすべて回避しきった。

エルフィーはとどめを刺すため４連撃ソードスキル【新月斬】を放つ。

すると、

デュオ「【ハイパー・ガード】！」

デュオが今度は青白いライトエフェクトを一瞬纏うと

硬直して動けないはずの体でエルフィーの攻撃を弾いた。

その上、その後の攻撃が発動せずエルフィーには硬直時間だけが課される。

その隙に、デュオはエルフィーに何度か攻撃し、

エルフィーのＨＰがイエローゾーンに達して、デュエルは終了した。

勝者の名前を告げる紫色の文字列がフラッシュすると

デュオは剣を左右に振り切って、回転させながら背中に戻した。