虚空
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胸に空虚が広がる。

 

穴が空くような感覚ではなく。

 

虚しさで満たされるような。

 

無が溢れる虚しさ。

 

或る種心地良い優しさで、

 

どこか哀しい色だった。

 

空を見上げると吸い込まれそうになる。

 

何処までも続く……空。

 

雲が在ろうと、雨が降ろうと、

 

どうしても離れないイメージ。

 

強烈に残り、それでいて儚いような……

 

冬の、高い灰のような……

 

透明に不明瞭な灰色の気持ちが、

 

そう、

 

今日のような空を見ると、それを感じざるを得ない。

 

 

虚無は……

 

何処までも優しく、

 

何処までも残酷で 、

 

同時に、

 

何処にでも存在する。

 

私はこれから、

 

この空を見る度に、

 

同じように、

 

同じような、

 

虚しさを感じるだろう。

 

それを払いのけるために……

 

別れを告げるために……

 

この花を捧げる。

 

 

今日、友人が死んだ

 

 

これからも空を見るために。

説明
空の青は吸い込まれそうで、怖いものの一つだと思います。
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