ONE PIECE ?黒髪少年の描く世界? 第四十二話 ジャングル |
おっさん曰く、空島に行く為には空に向かって突き上がる海流に乗らなきゃいけないらしい。だがそれがもうドガーンズドーンとヤバいらしい。
俺的にはなんかロマンを感じる。こう、無理そうな事に挑戦する事にね?
ルフィも目をキラキラさせている。反対にビビ、ナミはもうこれ以上ないくらいに絶望していた。
「ああもう…馬鹿ばっか…死ぬ気なのかしらあいつら…」
「な、ナミさん、あの人だって根拠なく言ってる訳じゃないだろうし、可能なのよ!」
四つん這いになるナミの肩に手を置き、慰めようとするビビ。いや、もしかしたら自分自身に向けての言葉だったのかもしれない。
「いや。今まで海流に上っていった船は全部残骸になって降って来た」
「殺す気かーーーーーーーーーーー!!!」
おっさんの言葉にナミの怒声が飛ぶ。
「あのねえ!私たちは安全に空島に行きたいの!そんな自ら死に急ぐ行き方知りたいんじゃないの!!」
「いいじゃねぇか。そこで死んだらおれらの運がそれまでだったって事だ」
ゾロの言葉にさらに憤慨するナミ。
「運なんかに頼ってたら命がいくらあっても足りないわ!ちょっとヤマトも何とか言ってよ!」
「ん?別にいんじゃねーの?成功したら俺たち歴史に残んじゃね?」
その言葉に反応したウソップやチョッパー。二人で勝手に武勇伝を作り上げてる。さらにはサインまで考えなくてはという始末。ウソップはもう考えてるとか。準備いいな。
そんでまあこんな冒険チックな事をルフィが見逃す訳がなく。
『船長権限』とかいうもので決定した。…無理矢理。
そしてその海流の場所は予想できるらしいが、正確な方角がわからないとその場所に行けないと言う。エターナルポーズじゃあ意味がないし俺のお手製スプーン方位磁石はおおよその世界である。
そこで前の話に出て来た鳥である。
前置き長かったなー。
まあいい。その鳥が方角を教えてくれるらしい。ジャングルにいるらしい。とにかく時間がないからとっとと捕まえてこい!と網を持たされ家を出される。
もう少し早く思い出してくれれば良かったのに…
さてと…
「やっぱ何組かに別れて探した方がいいよなー」
何せこの広さである。それに全員で行く必要は皆無だ。それの利点はゾロの迷子が防げる事くらいである。という事で。
くじ引きしてみました!その結果、
ルフィ、チョッパー。
『野生の感チーム』!
ナミ、サンジ。
『王女様と家来チーム』!
ゾロ、ビビ、ウソップ。
『…何とも言えないチーム』!
ヤマト、ロビン。
『余り大きな声では言えないけど元B.Wチーム』!
という感じだ。最後に行くに連れてネーミングが無理矢理になっていくのは自然の摂理だ。バリエーションが減ってくもんなー。難しいよ、ネーミングは。
まあそれはさておき、とりあえずジャングルに入っていった。その鳥を捕獲したら一チームに一個持たされたロケット花火を上に放つという事にした。
「でも、姿形も知れない鳥をどうやって探すのかしら」
ジャングルを歩き始めて早5分。鳥らしき物は見えない。
「でもおっさんは耳を澄まして変な鳴き声がしたらそれだって言ってたよな?」
だが残念ながらそんな鳴き声聞こえない。普通の鳴き声も聞こえない。聞こえてくるのは変なカサカサという葉の擦れる音だけ。
もしかしてもう鳥も|おねむ(・・・)なんじゃないか?
ジョ?????????????
「「いた(わ)」」
確かにこれはわかりやすい。
「とりあえず声のする方へ行ってみましょう」
鳴き声のする方に感覚で歩いていく。
すると。
「なあ、何かなにか転がってくるような音しねえか?」
「…言われて見れば」
そう言い辺りを見回す。
…ゴロゴロゴロゴロ
「…嘘だろ…」
「まあ」
何でダンゴムシが転がって来るんだよ!!
しかもでけえし!!
転がってきたのは直径1mあまりの丸まったダンゴムシだった。
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