ゼロの使い魔 気ままに生きる転生者 11+α |
ヴァリエールの家から出発し、いくつかの街を通り
美味しそうな食べ物が売られていれば適当に買ってつまみ食いをしつつ、ラグドリアン湖に着いた
太陽から見て時刻は12時に近い11時といったところか、余の腹が飯を寄越せと催促するのも肯ける
少し早いが昼食にしよう、昼食用のバスケットを取り出して、シートは・・・忘れたな、錬金するのも面倒だ
少々行儀が悪いが、立ちながら食べるのもまた良し
そう思いながら、バスケットから余の手作りのサンドイッチを口に運び、味わいながら咀嚼する
さすが余の手作り、固定化を掛けているからか、鮮度も良く、美味としか言いようが無い、しかし―――
「虚しいな、二人で来ているというのに、食事の出来ないニューを置いて余一人で昼食とは・・・今度の((魔改造|アップデート))は魔力炉と飲食機能の実装だったな、実装したらまた此処に来よう」
「≪諒解≫」
心なしか残念そうな声色だ、ふむ、飲食機能の未実装という失敗はしたが、感情面の表現で得るものは有ったから良しとしよう
それにしても魔力炉・・・魔力炉か、体内に入れるのは確定しているが・・・
ニューの体内にどう循環させるべきか・・・思い当たるのは、人間の神経や血管を真似たものを張り巡らせるのがベストか
飲食機能の実装も、消化器官と吸収器官を加えねばなるまい、場合によっては排泄機能もか
ならばいっそのこと、中身も人間っぽくしてしまうか、それなら魔力炉の実装も簡単になる・・・
なりはするのだが・・・やはり、今の余にそこまでの技術があるかどうかが問題になる
何か参考になるものがあればまだマシになるのだが・・・そうだな、帰ったら人体模型を作ろう、無駄に正確なやつ
それを参考にして、ニューを魔改造しよう、これで一歩人間に近づけることができそうだ
近づけることが出来るだけで、「人間」の身体にするのは恐らく不可能ではあろうがな
ひと段落ついたところで、昼食を再開しよう・・・あれ?
「ニュー、余のサンドイッチが消滅しているのだが、心当たりは無いか?」
「≪―――? グランドマスター が 全て摂取された と 報告≫」
ふむ、考え事をしながら無意識に食べてしまっていたのか、少し勿体無いことをした・・・
・・・過ぎたことを悩んでも仕方が無い、今考えるべきは、月が出るまで如何やって暇を潰すか―――!殺気!
「≪グランドマスター≫」
「解っておる、が、そなたは下がって見ているが良い。相手は一人・・・視線を感じるだけなら特に問題はなかったのだがなあ―――」
「≪オーダー 承認 諒解≫」
ヴァリエール邸の近くの街を出た辺りから感じていた視線、特に害は無さそうなので無視していたのだが
殺気を向けられたのなら仕方が無い、ああ、仕方が無いとも・・・別にいい暇つぶし相手が見つかったなどとは思っていない
いないったらいない
「朝からずぅ〜っと余をストーキングしていたようだが、余に何用か?」
まだ見ぬストーカー君に対して既に補則しているので隠れても意味はない、と暗にそう言った
「・・・ふっ、よもや君のようなようj・・・少女に気付かれるとはね、後学のために気付いた理由をぜひ教授してはくれないかね?」
・・・それはひょっとして、ギャグで言っているのか?
「逆に問おう、そなたのような((未熟|・・))な子供が何故、余に気付かれないという自信をもてたのか」
大体お前、世と同い年ぐらいではないか!
余の問い返しに、ほんの少しだけ眉を顰め、冷静を保とうと努力する・・・その、なんだ、ちっこいエミヤ
「質問を質問で返さないでほしいものだな」
その返答も実にテンプレである、ならば余はこう返そう
「ならば、先ほどそなたが((貴族である余に|・・・・・・・))((殺気を向けた|・・・・・・))事に対する謝罪として答えてもらうとしよう、故にもう一度だ、そなたのような((未熟|・・))な子供が何故、余に気付かれないという自信をもてたのか、と」
平民が貴族に害意を向けた時、向けた貴族に気付かれた場合、大抵は不穏分子として監視が付けられたりする
貴族が貴族に害意を向け、向けられた貴族がそれに気付いた場合、人によっては決闘になりかねない
故に、余はそのどちらの用意がある、と言う意図と共に、目の前に要る「ちっこいエミヤ」にむけて言い放った
「はっ、私が君に殺気を向けた?君の思い違いはないかね?」
顔色、心拍、共に変化無し、か・・・駄目だこやつ、余の込めた意図に気付いていないどころか空気読んでない・・・!
「っはぁ〜〜〜・・・まぁ、それでも良かろう、そなたも余と こんな事を議論しに態々ストーキングしてきたわけでも無いだろう本題を述べよ」
わざわざ「ストーキング」の部分まで強調し、最初から気付いていました、と主張する
ここでエミヤ(仮)の顔筋が盛大に引きつる
こやつの心境を読むとすれば、特典を駆使していたはずなのに最初から気付いてたのかよ!といったところだろう
だが、瞬時に元の仏頂面に戻し、何時戦闘に入っても良いように闘気を充実させたようだ
先走りすぎだDOUTEIめ
「ふむ、その前に、自己紹介をさせてもらおう、私の名は エルク 仲間からは「赤騎士」と呼ばれている」
あ、そこはエミヤでもアーチャーでもないのか・・・流石にこの世界観で日本人風の名前は無いか
「うむ!では名乗り返させてもらおう!余は ネロ と言う。周囲の人間からは「黄金」と呼ばれている!」
それにしても錬鉄でも弓兵でもなく「赤騎士」か
「では ネロ よ、「赤騎士」エルクが命ずる!私に絶対服従せよ!」
エルクの左目から何かのエフェクトが発生、ギアスか!
「―――良かろう」
「ふっ」
勝ちを確信した表情を造るエルクと自称する少年
「そなたがギアスを使うというのなら」
「なっ!?バカな・・・!」
しかし―――
「まずはそのふざけた命令を“お断りします”」
余に精神関係の技能は一切通用しないのだ!
・・・お断ります式そげぶのポーズ、普段使わない筋肉を使うからか、かなり疲れるぞ・・・
「戯け、余は貴族なのだぞ!精神操作に対する対策の一つや二つ、持っていないとでも思ったか!」
中央に近ければ近いほど、家の者が誘拐されて精神操作関連の魔法を掛けられても大丈夫なように、マジックアイテムを作らせて持たせている
公爵家などの高い爵位であれば普通に誰でも持っている・・・一部を除くが
「なっ!有り得ん!原作では・・・!っそうか、貴様がイレギュラーか!」
えぇー、ボロを出したかと思えばいきなり余をイレギュラー扱いか
視点を変えればそうなのだろうが、何と言うか、お前が言うな感が凄まじい・・・
「ふむ、1000歩ほど譲って、余がそなたの言うイレギュラーだとする、では、そなたはイレギュラーである余を如何するのだ?」
「知れたこと、歪んだ原因を排除し、あるべき世界に正す!」
エルクと名乗った者の充実していた闘気が一気に鋭く膨大に膨れ上がる
成る程、そこに一切の下心は無い、と
「それがそなたの正義か――いや、実に天晴れ、美しいものよな・・・だが無意味だ」
眼前の男の闘気にあわせ、余自身も同程度の闘気を纏う
「≪ユニット起動の許可を申請≫」
後ろに下がっているニューからユニット起動許可の申請を受ける
しかし―――
「否、丁度良い暇つぶしの相手が出来たのだ、そなたは現状維持 参戦は禁ずる」
「≪・・・諒解 ユニット起動 中止 現状維持≫」
「・・・暇つぶしの相手とは言ってくれる、だがその余裕、いつまで保てるか見ものだな!」
いつの間にか、彼の手には二本の短刀が握られていた。
右手には白の、左手には黒の短刀、おそらくは
「投影、干将・莫耶か―――」
どうやら、話している場合でもないようだ、一瞬にして余の視界から消えるとは・・・
「―――ッ!!セァ!」
一瞬で余の死角を取り、音速を超えるニ刀の連撃が、余の首筋に迫った
そして今の余は剣を抜いてすら居ない、無手の状態、圧倒的に不利というやつであろうが―――
「甘い!」
無手には無手の戦い方と言うものがある
その戦い方を学ばぬほど、余は怠けてなど居ない
「―――なっ!?クッ!」
相手が刃物を持っているならば、刃の部分に触れなければ良いだけのこと
あとは腕を狙って攻撃を逸らすなり、投げるなりすれば良い、まぁ―――
「ふむ、初見ならば直撃するのだが、これでアーチャー、英霊エミヤの技能は確定だな」
まだ他にもありそうだが、まだまだ時間はある、じっくり分析していこうではないか
「ふっ、流石に解るか、ならばこれも知っているだろう?」
エルクの背後の空間が歪み、膨大な魔力を内包した武具の数々が出現する
「ギルガメッシュの能力もか、なかなかのテンプレ具合よな」
彼はゲートオブバビロンの中から、ひときわ膨大な魔力を内包した、円筒のような刀身をもつ剣を取り出した
「耐えん方が身のためだ―――((天地乖離す|エヌマ))――」
は?え?行き成り?行き成りか?天の鎖で余を拘束するでもなく、行き成りそれか
驚いた、それと同時に癪に障った・・・
「ド阿呆が!『アースニードル』!」
エヌマエリシュを放とうとエアを構え、無防備なエルクの足元から土の棘が形成される
「ぶるぅあああああ!“系統魔法なぞ使ってんじゃねぇ”えええッ!!!」
エルクの構えたエアの回転速度が急上昇、その衝撃で、エルクを突き刺そうと迫っていた土の棘が消滅した
そのままエアのエネルギーチャージが加速的に完了し―――
「((天地乖離す開闢の星|ワールド・デストロイヤー))ァァァッ!!!」
若○ヴォイスで、擬似的な時空断裂を発生させる暴風にドス黒い破壊の気を混ぜて、余に向けて開放した
ワールドデストロイヤとエヌマエリシュを合わせて放つとは思わなかった。
こんな未知いらない、対人で放っているからか、破壊規模は狭いが、その分威力が高くなるなど
目の前のこの現象はまさに、威力のみを見れば、理不尽を体現した暴風と言えよう
正直、避けるのは簡単だが、環境が破壊されすぎる・・・ああ、対処が面倒だ
「・・・((オン・ケンバヤ・ケンバヤ・ウン・ハッタ|おお、道神よ。憤怒して魔性を撃破せよ))!」
超高熱の火柱が一柱、何処からとも無く出現し、余に迫ってきていた理不尽の暴風と衝突し、理不尽の暴風((のみを|・・・))((燃やし尽くし|・・・・・・))、その火柱も同じく消滅した
「手加減したとは言え、神威の焦熱を相殺するとは、なかなかやるではないか、それにしてもバルバトスか、面白い組み合わせよな」
正直、残った火柱を物質化して刀にしようと思っていたのだが・・・
「今ので手加減!?有り得ねーよどんだけチートだよ!・・・!ゴ、ゴホゴホ―――さすがに今の御業を見せられては、全力になるしか無いようだ・・・周囲の被害を考えて抑えていたのだが・・・仕方ない―――はぁぁぁあああああああああああッ!」
エルクが気を高め・・・否、魔力を高めはじめたと同時に、地面が揺れ始める
やがて炎のように彼を包んでいた赤い魔力が黄金の魔力に変化し
彼の髪の色も、白から黄金に変化し、さらにそこから赤みの掛かった黒に変化・・・て、おい おい!
「―――さぁ、始めようか」
節子、それは気ではない、魔力だ!
「・・・魔力でスーパーサイヤ人4化とは恐れ入る」
何と言う転生チート特典、何と言うご都合主義・・・
「行くぜ!」
「――三度、落陽を迎えても――」
ただの踏み込みですら小さなクレーターが出来上がり
その踏み込みの速度も当然神速の域、一瞬で余の懐に入り込まれた
先ほどの理不尽など、塵芥に思える・・・真の理不尽とはまさにこのことか
「はぁっ!!」
「ガッ・・・―――」
躊躇無く余の鳩尾を蹴ってきた、もちろん手で護りつつ、受け流すように後ろへ飛んだが
そんなものは無意味とでも言うかのように、手が砕け、そのまま鳩尾に直撃し、骨が心臓を食い破り、そのまま面白いように吹き飛んだ
「・・・今の感触、確実に殺った・・・君は・・・造られた存在が意思をもった者か、君の主は私が殺してしまったが―――」
布石を打っておいて良かった・・・
「≪―――否定 生命探知 反応 照合 グランドマスターの生存を確認 バイタル 確認 至って健康体 待機を続行します≫」
さて、スーパーサイヤ人4が相手ならば、少しだけ全力を出そう
「なっ!?有り得ない!確実に心臓を破壊したはずだ!」
能力値完全開放・・・
「ニュー、大義である、褒美を贈ろう、ラーニングを起動せよ」
「≪諒解 ラーニングシステム起動 完了≫」
―≪≪身体ステータス値が全て『EX』に((戻りました|・・・・・))≫≫―
ゲートオブバビロン―日本刀・打刀 取り出し
「((謡え|うたえ)) ((詠え|うたえ)) ((斬神の神楽|ざんじんのかぐら)) 他に願うものなど何もない」
相手は星をも砕く最強と呼ばれた戦士の力を持っている
「ならばもう一度、今度は確実に仕留める・・・!はぁっ!!」
ならば、相応の力で迎え撃とう・・・!
「((未通女等之|おとめらが)) ((袖振山乃|そでふるやまの)) ((水垣之|みずがきの)) ((久時従|ひさしきときゆ)) ((憶寸吾者|おもいきわれは))」
先ほどと同じ、理不尽な威力の蹴りが迫る・・・が、受け流して無効化する
「ちぃっ!!ぉおおおおお!」
自信に降りかかる拳と蹴りの暴雨を完全に見切り、受け流し、避けきる
「((八重垣|やえがき))・((佐士神|さじのかみ))・((蛇之麁正|おろちのあらまさ))――((神代三剣|かみよさんけん))、もって((統|す))べる((石上|いそがみ))の((颶風|かぜ)) ((諸余怨敵皆悉摧滅|しょよおんてきかいしつざいめつ))・・・!」
「これなら如何だ!!」
エルクは近接戦闘では埒が明かないと見たか
距離を取って魔力球と投影した宝具の数々、さらには王の財宝に眠る武具の数々を雨のように降らせた
それはまさに「破壊」という概念を雨のように降らせたかのような光景だった―――
そして、その雨は、地面に着弾する寸前で一時停止し、次の瞬間には余目掛けて飛来する始末
余はそれを前にして、刀に高密度の魔力を纏わせ、巨大な飛ぶ斬撃を高速で連射して相殺
否、今度は此方が圧倒的に押している状態で、破壊の雨に無理やり穴を開けた
「ならば・・・!エヌマ―――」
先ほどの数倍の物量の破壊の雨が余に向けて射出され、エルク自身はエアのエネルギーを充填させる
確かに、破壊の雨を対処するのに手がいっぱいになり、時間が稼げるだろう・・・されど―――
「 ――((太・極|たい・きょく))――
((神咒神威|かじりかむい))――((経津主|ふつぬし))・((布都御魂剣|ふつのみたまのけん)) 」
あらゆる全てを斬る神威の斬撃で((距離と言う概念を斬り飛ばし|・・・・・・・・・・・・・))、距離を無視してエアを斬り捨てた
当然、斬り捨てられたエアは幻想崩壊を引き起こして消滅する
「覚悟を決めよ」
二重の意味でな
「クソッ・・・!ならば、最後の手段だ・・・!出来れば使いたくなかった・・・!」
そうだ、それで良い、片や空中で居合いの構えを取り、片や空中に居る敵に向けて、最大の一撃を放とうと力を圧縮している
因みに何故、余が空中で構えているかと言えば、相手の一撃による自然被害に対する配慮である
「――神の御息は我が息 我が息は神の御息なり 御息をもって吹けば穢れは在らじ 残らじ 阿那清々し――」
余は祝詞を謡い、ただ斬ることのみに集中する
エルクの周囲に100を超える魔力スフィアが形成されており、その一つ一つに途方も無い膨大な魔力が渦巻いている
「歪みを正す無尽の閃光!」
「((石上神道流|いそがみしんとうりゅう)) ((奥伝の一|おくでんのいち))」
術の完成と同時に、100を超える魔力スフィアの輝きが増す
そして―――
「スターライト・ブラスター!!!」
「((早馳風|はやち))――((御言の伊吹|みことのいぶき))・・・!」
無尽の刃と無尽の閃光が衝突
無尽の閃光・・・100を超え、一つだけでも星を破壊してしまいかねない魔力スフィア一つ一つが個別に動き
あらゆる方向から、膨大な魔力砲撃を放ち続ける
対して、無尽の刃は、あらゆる方向、あらゆる場所に切断現象を発生させて、無尽の閃光を防いでいる
それどころか、少しずつだがエルク皮膚に軽度ではあるものの、切断現象が発生し始めていた
しかし無尽の閃光は、殲滅対象が消滅するまで魔力を放出し続けるため、魔力消費が激しい
逆に、無尽の刃は、剣を高速で振るい続けるため長く持って一週間といったところ
そして、一見、閃光が自身に直撃する前に切り払って防いでいるだけに見えるが、そうではなく
陣取り合戦の要領で、自身の安全地帯を確保しつつ、相手の安全地帯を削っているのである
単純に力任せの押し合いに見えるが、頭脳戦も出来なければ、この構図にはならないだろう
しかし、なまじ両者が頭脳戦を出来てしまったために、この拮抗した構図は数時間も続いた
そして、一つの斬撃が、一つの魔力スフィアを破壊したことで一気に決着が着いた
―――確かにスフィアの連携は完璧だった
完璧すぎたからこそ、一つが崩壊すれば、全てにおいて支障が出る
この隙を逃す余ではなく、一気にギアを上げ、閃光を((内側から|・・・・))斬り散らしていき、最後に――
「―――余の勝ちだ」
エルクの首の薄皮が少し切れる程度の寸止めで決着を着けた
「―――っ・・・ああ、私の敗北だ・・・」
周囲を警戒しつつ、会話を続ける
「そなたの知識の内の主人公、ルイズの未来を占ったことがある、100%的中する占いだ」
「・・・結果は?」
「余の知識と、否、恐らくではあるが、余とそなたの知識と変わらぬ運命を歩んでいた」
細部は違えど、大筋は変わらず、ただ違ったのは、彼女の周囲に誰が居たか、「知識」より誰が増えていたかの違いのみ
「・・・そうか」
若干だが、安堵の表情を浮かべるエルク
――戦いの最中で気付いたことがある
「それにしても、態々平行世界にまで来てご苦労な事だ」
この世界で生を受けた余とは違い、彼は此処とは別の此処、所謂平行世界で生を受けた存在であることだ
何があって此処に来たのかは知らん、が、何らかの警告をしようとして、最悪の場合は、歪みとして排除しようとしに来たのだろう
「ふっ―――どうやら私はおせっかい者だったらしい」
エルクの足が透けてきた、どうやらタイムオーバーのようだ
「私の居た世界は、私が力に飲まれたがために消滅した・・・君は、私のようになってくれるなよ」
そうなってしまったら、私一人では止められん と、苦笑いしながらそう言い放った
「ふん!余を誰だと思っている、ラ・ヴァリエール家が四女 ネロ・カエサル・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール であるぞ!」
「―――成る程、ではラ・ヴァリエール家が長男 エルク・ハイリス・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが命ずる!ネロ・カエサル・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ、力に溺れるな!」
―――!なるほど、そうきたか!
「諒解したぞ、異世界の兄弟よ」
「ああ、安心した―――」
成すべきことを全て成したような安らかな表情で、安心した と
そう言い終わると同時に、彼の身体が光に包まれ、次の瞬間には既に彼の姿は何処にも無かった
彼が消え去っても、数分ほど、ずっと同じ体勢で止まっていた
「・・・やられた、完全にしてやられた・・・!」
あの表情は反則だ!まさか余ともあろう者が見惚れてしまうとは・・・!
いかん、身体が火照って胸の高鳴りが収まらん・・・あぁ、なんと心地良い・・・
いやいや違う、断じて違う!余は恋などしておらぬ・・・ッ!
・・・って自覚しているではないかーやだー!
ああ、しかし嫌ではない、むしろ心地よい・・・・・・・・・
「≪じー ・・・ ・・・≫」
「ぴゃっ!?」
なななな何奴ぅぅぅ!?!?
「≪・・・ ・・・ ・・・ ラーニングシステム終了の許可を申請≫」
ってニューか、そういえばラーニング中であったな、よしよし
「う、うむ、許可する」
「≪許可 確認 ラーニングシステム 記録 整理 一部技能に現状使用不可能な技能を確認 記録は可能 記録 完了 ラーニングシステムを停止します 追加報告 グランドマスター に『春が来たと思ったら終わった』と 手紙に記入 フクロウ便 で アンナ に 報告しました≫」
えっ・・・まぁ、良いか、今の余はすとても機嫌が良い、多少の事は大目に見よう
かなわぬ、始まる前に終わってしまった初恋ではあるが、もう少しだけ、この心地よさを堪能するとしよう
平行世界の転生者・・・の亡霊
name:エルク・ハイリス・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
外見年齢約5歳
実年齢不明
fateシリーズの英霊エミヤをそのまま小さくしたような感じ
自身の能力に溺れて世界を崩壊させてしまった後、死んでしまった亡霊
死後ようやく間違いに気付き、別の平行世界の世界を崩壊させないために
生前の自分と同じく、強大な能力に溺れた者を「歪み」「イレギュラー」と称して殲滅してきた
ネロと出会い、激闘の末敗北し、自身のような間違いを繰り返してはいけないと意思を託して逝った
ネロの初恋の相手。ただしこの恋が成就することはない
能力
英霊エミヤの能力
投影とか狙撃とか無限の剣製とか
慢心お・・・英雄王ギルガメッシュの能力
乖離剣とかバビロンとかメダロックとか
バルバトスの能力
いろいろ誇張されている状態の能力
理不尽の塊
スーパーサイヤ人の能力
本来なら「気」であれこれするのだが
神のご都合主義により、膨大な魔力であれこれ出来るようになった
スターライト・ブラスター
某白い魔王の「SLB」にマジで星破壊級の魔力をブチ込んで
さらにそれを100個以上同時に作り出して
目標が完全に消滅するまで照射し続ける。
一つ一つを精密に移動させることが出来る
おまけ
今回ニューがラーニングしたもの
「≪斬撃飛ばし(連射可能)
無限の剣製
ゲートオブバビロン
エヌマエリシュ
スターライト・ブラスター(魔力がネロの一部しか扱えないため威力ガタ落ち)
((早馳風|はやち))――((御言の伊吹|みことのいぶき))(レーザーを内部から斬り散らすとかは無理)
((経津主|ふつぬし))・((布都御魂剣|ふつのみたまのけん))(現状での再現は不可能))
乙女の表情
悶々とした乙女の仕草
乙女の目
乙女の潤い視線
以上≫」
「おい、最後の四つ、おい」
「≪何か ?≫」
「いや、何でもない」
「≪・・・ ?≫」
説明 | ||
初恋は大抵実らないって実話マジ話だったのか。 厨ニ表現注意。 ご都合主義注意。 いろいろごめんなさい。 |
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