時代は三十年後 IS世界へ〜(とある傭兵と戦闘機) 第十話
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 「海だぁ〜!!」

 

 「白い砂浜を照らす太陽!!」

 

 「青い海!!」

 

 「わ〜い!!」

 

うん、皆元気だね〜・・・

 

荷物を置いた後、私達は海に出た

 

 「う〜眩しい・・・」

 

砂浜が太陽の光を反射して辺り一面真っ白だ

 

 「どうしたの?早く泳ごーよ〜」

 

 「わかったから・・・って熱っ!?」

 

砂浜の砂は太陽に熱されていてもの凄く熱い

 

おまけに砂がきめ細かいからそれに足が埋もれる

 

 「みっ・・・水っ!!」

 

思いっきり海にダイブする

 

 「ぶはッ・・・助かった〜」

 

久しぶりの海は、押し寄せる波もあってかなり心地いい

 

浅瀬で波を受けながらのんびり海の心地よさを味わっていた

 

ちなみに私の水着は店員さんに頼んで選んでもらった。店員曰く

 

 「お客様に似合う水着は、これ以外考えられませんね」

 

 「理由は?」

 

 「純粋で汚れない女の子って感じですから(あと王道)」

 

 「?・・・じゃあそれで」

 

ってな感じに。

 

その後店員さんが試着を薦めてきたので着たら

 

 「・・・・・・・(予想以上っ!!)」

 

何故か絶句された

 

とりあえず着てみてから気がついたんだけど、やっぱり競泳用より露出高めだね。少し恥ずかしい

 

 「やあ、妹ちゃん!!」

 

 「・・・水崎さん」

 

この人は以前に学年別トーナメントで戦った水崎さん。私の中では女子Cさんだ

 

相変わらず私の事を妹扱いしている私の中の危険人物No.2

 

 「おお、その水着似合ってるね〜かわいいよ〜」

 

 「はあ・・・ありがとう」

 

 「うん。それにしても妹ちゃんって意外にスタイルいいね〜さすがイギリス人、羨ましいっ」

 

 「イギリスと日本のハーフだけどね」

 

そうなんだろうか?

 

別段気にした事ないし、いいっていう基準も良くわからない

 

 「そんな事無いよ・・・」

 

少し視線を浜辺の方にズラすと、何やらこっちに接近してくるリンさんを発見した

 

 「どうしたの?」

 

 「いや、あのさ、一夏知らない?」

 

 「ん〜まだ見てないね」

 

 「同じく見てないよ」

 

どうやら織斑君を探してるみたいだった

 

 「そう、ありがとね・・・」

 

 じぃ〜っ

 

うん、前から思ってるんだけどリンさん私と話す時って大抵私の胸を見るんだよね。なんでだろ?

 

 「お?もしかして羨ましかったりするの?」

 

 「なッ!?別に羨ましくも何ともないわよ!!」

 

 「そうなの?それなら〜」

 

そう言って水崎さんは私の後ろにまわる。何をするんだろう?

 

 「ほ〜れぃっ!!」

 

 むにゅっ

 

いきなり後ろから胸を掴まれた

 

 「ふぁっ!?なっ、何するんですか!?」 

 

 「いや〜いい胸してるね〜!!」

 

 「離してッ・・・くださいッ・・・!!」

 

 「よいではないか〜」

 

くすぐったくてしかたないんだよコレ!!

 

なんか前もこんなやりとりがあったような・・・

 

 「うわぁぁぁぁぁんっ!!」

 

あ、リンさんが泣きながら海に飛び込んでいった

 

 「う〜ん・・・ちょっとやりすぎたかな?」

 

 「はぁ・・・はぁ・・・水崎さんっ!!」

 

疲れるっ・・・これ凄く疲れる!!

 

 「あはは〜じゃあね〜妹ちゃ〜ん」

 

私が捕まえようと手を伸ばしたら、彼女はそれを避けて颯爽と走り去っていった

 

 「ぐぅ・・・はぁ、疲れた〜」

 

私は諦めて再び海水に浸かった

 

少し体を動かして熱を持った私の体を、海水が程よく冷ます

 

それから何分経ったのかよく覚えてない

 

 「お、フィリアじゃねーか」

   

ここで登場トラブルメーカーこと織斑君

 

私から見た危険人物の中で水崎さんを押しのけて堂々のNo.1

 

 「ん〜なに〜?」

 

軽めの返事をする。でも何故か彼は少し硬直した

 

 「どうしたの?」

 

 「いや・・・何でもない。所でお前は泳がないのか?」

 

 「うん。こうしてるだけで結構涼しくて気持ちいいから」

 

 「そうなのか?俺もやってみるか」

 

そう言って織斑君は私の右側に寝そべる

 

 「おお・・・確かに気持ちいなコレ」

 

 「あら一夏さん、こんな所にいらしたんですの」

 

お、セシリアさんも来た

 

 「セシリアもどうだ?意外に気持ちいいぞ」

 

 「そうなのですか?それでは・・・」

 

セシリアさんは織斑君の隣に寝る

 

 「僕達もいいかな?」

 

そう言って来たのはシャロとラウラだった

 

ラウラは何故か「さん付けはやめろ」なんて言われたからそうする事にした

 

というか、なんか前より女の子っぽくなったよな〜私・・・

 

多分中佐の指導(死導)のお陰なんだろうね・・・いや絶対そうなんだどうけどさ

 

鈴音が私に残した課題は、大方達成できたと思う

 

 「そうだよね?・・・鈴音・・・」

 

私はそう呟いて空を見上げた

 

太陽は高く昇り、たまに雲がその光を遮っては雲がのくとまた光が降り注ぐ

 

 

 

 

    一夏視点

 

 

久しぶりに海に出た俺を待っていたのは

 

 「一夏さん、サンオイルを塗っていただけませんか?」

 

 「一夏ぁっ、あのブイまで競争ね!!負けたら@クルーズのパフェ奢んなさいよ!!」

 

 「織斑君!!ビーチバレーやろうよ!!」

 

とまぁこんな感じに引っ張りだこだ

 

ただリンとの競争は途中でリンが溺れかけて試合無効になって

 

ビーチバレーはラウラの顔面にボールが直撃するというハプニングがあったりした

 

 「ふぅ〜・・・でも海はいいな〜」

 

何よりこの海岸の砂は綺麗で、ゴミというものが一つも見つからない

 

そして結構広いこの海岸だが、ほぼ貸切状態なので自由に遊べる

 

 「さてと、暇だから泳ぐか」

 

俺は海に向かって足を進めた

 

 「お、誰かいる・・・」

 

浅瀬で誰か寝てるみたいだ

 

近づいて確認する

 

 「お、フィリアじゃねーか」

 

そこに居たのは元同居人のフィリアだった

 

 「ん〜なに〜」

 

フィリアな白い水着をそれとなく着こなしていた

 

水着自体はセシリアと同じようなパレオの付いたシンプルなタイプ

 

見た感じセシリアと同じようだが白色でパレオはセシリアより短くしてあり

 

フィリア自身の長い髪と少し落ち着いた雰囲気もあり、それは透き通った空のイメージを連想させる

 

 「どうしたの?」

 

そうこうしているとフィリアが疑問マークを浮かべてこちらを見ている

 

 「いや・・・何でもない。所でお前は泳がないのか?」

 

 「うん、こうしてるだけで結構涼しくて気持ちいいから」

 

 「そうなのか?俺もやってもよう」

 

俺もフィリアと同じように浅瀬に寝そべる

 

波が来る度に僅かに体が浮く

 

波が引くと背中にサラサラとした砂が流れて当たってそれがどこか心地よい 

 

 「おお・・・確かに気持ちいいなコレ」

 

そうしていると、クラスの専用機持ち全員が同じような状態だ

 

くっ・・・目のやり場に困る・・・

 

そうして、俺達は一緒に海水浴を満喫していた  

 

 

 

 

    フィリア視点

 

 

 「お、もうそろそろ昼だな。飯食いに行こうぜ」

 

 「え?もうそんな時間?」

 

気が付けば時計が昼前の十一時を指しており、周りの人達は館の方に戻り始めていた

 

 「それじゃあ戻るか〜」

 

私達も海から上がって館の方に戻ろうとした

 

 「あ、織斑先生と山田先生」

 

先日買った黒い水着をばっちり着こなした織斑先生が砂浜を歩いていた

 

 「おぉ〜皆さん水着似合ってますね〜」

 

後ろに続く山田先生も上着を羽織っているが、下に水着を着ているようだった

 

 「そら、お前達は食堂に行って昼食でもとってこい」

 

 「先生たちは?」

 

 「私達はわずかばかりの自由時間を満喫させてもらうとしよう」

 

前日からそうだけど、先生達に自由時間なんてほとんどなかったんだろう

 

なら、この自由時間はしっかり楽しんでもらいたい

 

 「じゃあ、俺達は昼食に行ってきます」

 

 「おう。あとフェイリールド、顔色が冴えないぞ」

 

 「え?そうですか?」

 

 「ああ、先日はきつかっただろう?体調には気をつけるようにしろ」

 

 「はい」

 

そんなやり取りの後、私達は昼食に向かった

 

 

 

 

 

それから特に何もなく午後は過ぎ、夕食の時間になった

 

昼食でもそうだったけど、夕食も織斑君曰く高級魚のお刺身でこれまた豪華だった

 

 「むぐむぐ・・・うん、生の魚も意外においしいな〜」

 

もう少し魚のなま臭さがあるのかと思っていたがそれは全くなく

 

魚本来の甘みが引き立っていた

 

 「ほんとお前って順応性が高いな。セシリアは刺身を嫌がってたのに」

 

そう隣で言うのはトラブル宅急便こと織斑くん

 

セシリアさん曰く、生の魚を食べるなんて信じられないとか

 

 「いや、食べてみたらおいしくてさ。刺身ってこんなにおいしいものなんだね」

 

もう一切れ、わさびを乗せて醤油につける

 

わさびは最初こそ鼻にくるけど、それを味わうと実はほんのり甘い

 

いつか基地の食堂のおじちゃんが言っていた事は事実だった。おいし〜

 

 「ぐすっ・・・フィリアは・・・わさび大丈夫なの?」

 

私の隣で半泣きになっているのはわさびにより嗅覚に大ダメージを負ったシャロ

 

さっき織斑君にわさびを勧められて食べたんだよね・・・単体で

 

 「うん、私は好きだけど・・・それより大丈夫?」

 

さっきから鼻を押さえっぱなしだけど

 

 「うん・・・大丈夫・・・」

 

おお、すごく辛そうだ

 

それから織斑君がセシリアさんに食べさせてあげてたけど、それを発端に女子が騒ぎだした

 

案の定

 

 スタァンッ

 

 「お前達は静かに食事をする事は出来んのか!!」

 

襖が勢いよく開く音と共に織斑先生が制圧に来た

 

鬼教官の一喝により女子の騒ぎは鎮圧され、また元の状態に戻った

 

それから特に何も起きず、私は満腹になるまで料理を堪能した

 

 

 

 

 「おい、フェイリールド」

 

廊下を進んでいると織斑先生から話しかけられた

 

 「はい。どうしました?」

 

 「昨日は面倒かけて済まなかったな。今から時間空いてるか?」

 

 「特に予定は何もないです」

 

 「そうか、それでは侘びと言っては何だが私の部屋に来い」

 

え?織斑先生の部屋に一人で?それって拷問フラグじゃない?

 

お詫びなのかどうか疑わしい所だが・・・

 

 「わかりました」

 

怒られるような事はしてないし、行っても私に害は無さそうだ

 

こうして私は鬼の寝床に足を踏み入れるのであった

 

 ベシッ

 

 「お前今失礼な事を考えていただろう?」

 

何でバレるんだろ・・・

 

 

 

 

 

    セシリア視点

 

 

 「ふぅ・・・とんでもない目に遭いましたわ・・・」

 

部屋で着替えをするだけであんな目に遭おうとは思いもしませんでしたわ

 

 「ああ、でもこれでやっと一夏さんに会えますわ」

 

弾む心を抑えながら一夏さんのお部屋に行くーーー

 

でもその目的地の入り口で聞き耳を立てている人が二人いた

 

 「リンさん?それに箒さんまで。一体そこで何をーーー」

 

 「シッ!!」

 

いきなり口を塞がれる

 

 「・・・一体何事ですーー」

 

ふと、ドアの向こうから声が聞こえる

 

 

  「(痛い痛いっ痛いよっ)」

 

  「(おぉすまん。今度は優しくする)」

 

  「(うん。んっ・・・ふぁ〜・・・)」

 

  「(んじゃ、さっきのとこもう一度するぞ)」

 

  「(うん、痛いのは我慢するから。うっ・・・くっ・・・いっ・・・あぁっ!!)」

 

 

・・・・・・え?

 

 「こ、こ、これは、一体、何ですの・・・?」

 

中から聞こえた声は、一夏さんとそしてフィリアさんの声だった

 

目の前の二人に聞くも・・・

 

 「「・・・・・・・・・」」

 

帰ってきたのは沈黙と重い空気だけでした

 

二人の表情も暗く、多分今の私も同じような顔をしている事でしょう

 

でも、まさか・・・兄妹で・・・そんな・・・

 

 

  「(それじゃあ次はーーー)」

 

 

次!?まだ次がありますの!?

 

私は二人と同じように襖に耳を当てて部屋の中の様子を把握しようとする。瞬間

 

 

  バンッ

 

 

 「「「へぶっ!?」」」

 

ドアに弾き飛ばされ床に転がる

 

 「何をしてるか、馬鹿者どもが」

 

お、織斑先生!?

 

 「は、はは・・・」

 

 「こ、こんばんわ、織斑先生」

 

 「さ、さようなら、織斑先生っ!!」

 

各員でこの場からの逃亡を図るも、私は裾を踏まれてしまい離脱できず

 

もう二人も首ねっこを掴まれてゲームオーバー

 

うう、この人には全てにおいて勝てる気がしないですわ・・・

 

 「盗み聞きとは関心しないが、ちょうどいい。入っていけ」

 

 「「「えっ?」」」

 

 「ああ、そうだ。ボーデヴィッヒとデュノアも呼んで来い」

 

 「「は、はいっ!!」」

 

箒さんとリンさんは駆け足で廊下を進んでいった

 

残された私はおずおずと部屋の中に入る

 

 「(まさか・・・いやまさかですわね)」

 

さっきの会話を聞いていてそれが頭の中にイメージしていた私は目の前の光景に唖然となった

 

 「おお、セシリア。遅かったじゃないか」

 

そう言う一夏さんはうつ伏せのフィリアさんの上に乗っていた

 

 「なっ!?何をしてまして!?は、犯罪・・・でしてよ?」

 

 「?何言ってるんだ?俺はただ、コイツにマッサージをしてただけだって」

 

 「・・・は?」

 

今、何と?

 

マッサージ?

 

 「はふぅ〜・・・」

 

フィリアさんはベットの上で気がぬけたような口からため息がこぼれている

 

 「お、完全リラックスモードだな。よしセシリア、こっちのベットに横になってくれ」

 

あはははは・・・そういう事でしたのね・・・

 

さっきまで浮かれていた自分が恥ずかしい、そして無様ですわ・・・私

 

 

 

 

 

 

    フィリア視点

 

 

 「はふぅ〜・・・」

 

全身の力がぬけていく

 

織斑先生の言った通り、織斑君のマッサージ技術は凄いものだった

 

自然と体がほぐれていってしかも気持ちいい

 

体格や疲労にあわせた方法でマッサージをするから効果絶大

 

そして、何より痛くない

 

そりゃあ痛い時もあるよ?。ベルカ戦争時の疲労がそのままにされてたんだから

 

織斑君曰く、痛いマッサージはマッサージじゃないそうだ。

 

そのまま寝ると最高で不思議と疲れが取れるらしいが、それは本当みたいだ。というか

 

 「これってどういう状況なの?」

 

 「いや・・・わからん」

 

目の前には何故かいつものメンバーが揃っている

 

 「さてと織斑、フェイリールド。お前達は外で涼んで来い」

 

 「はい」

 

 「わかりました」

 

そうして部屋を出る

 

それにしてもあのメンバー何かしたんだろうか?

 

織斑先生に呼ばれるなんて恐怖だろうな〜。色んな意味で

 

 「それにしても織斑君のおかげで体が軽いよ〜ありがとう」

 

 「おう、喜んでいただけて何よりだ。それにしてもあそこまで全身のコリがひどいヤツは居なかったぞ?

  

  セシリアみたいに何かやってたのか?」

 

多分私の疲れは時代をとばされる前の疲れに起因するんだろうと思う

 

こっちに来てからはそこまで労働という労働をしていないしね。うん

 

 「いや、特になにもしてなかったけど?」

 

戦争をやってたなんて言うわけにもいかないから誤魔化す

 

 「そうなのか?」

 

 「うん」

 

ちなみに昨日からやったISの最終チェックなんて戦闘機の最終チェックに比べたら軽い軽い

 

F-16のチェック一人でやらされた時には丸三日かかったからね

 

 「そういえば、お前ってなんでIS学園に入ったんだ?」

 

 「え?あ〜・・・」

 

そういえば織斑先生は、何で軍に突き出さずに私の言う事を信じてくれたのだろうか?

 

それとも、都合よく利用されているだけのか

 

まだ確証が得られない

 

少なくとも私はまだ織斑先生に助けられた恩がある

 

 「いろいろあってさ・・・成り行きだよ」

 

 「そうなのか・・・俺と同じだな」

 

織斑君もちょっとした事から始まって今、ここに居るらしい

 

 「前にさ、お前の知り合い・・・フォルクさんに聞かれた事があるんだが」

 

 「え、ラリーが?」

 

何を聞いたんだろ

 

 「君は、神様を信じるかって・・・お前はどうなんだ?」

 

神様・・・ねえ・・・

 

 「難しい質問だね。私は信じてるとも信じてないともいえないね」

 

でも少なくとも、私が体験している三十年後へのタイムスリップは人為的なものではない 

 

その点では、私は神様を信じてる

 

戦争をしている連中には都合のいい言い訳なのかもしれないけど

 

 「そうか、俺もどちらともいえないんだ」

 

 「うん、というか、別に神様を信じたからどうとかそういう質問じゃないんだよね」

 

ラリーがした質問って

 

 「?。ならどういう質問なんだ?」

 

 「さあ、たまには自分で考えなよ」

 

それから他愛もない話をしてから、私は部屋に戻った

 

 

 

 

   〜二日目〜

 

 

二日目は主に各種武装の試験運用とそのデータ取りに費やされる

 

特に、各国専用機持ちは国から試作武装が山ほど届くらしいけど

 

 「私にはそういうの無いからなぁ〜・・・」

 

一応専用機持ちなのだが、武装などの開発は途中で中止されて何も無いらしい

 

開発者が今日来るって織斑先生が言ってたけど、どんな人なんだろう?

 

 「さて、それでは各班に割り振られたISの装備試験を行うように

 

  専用機持ちは専用パーツでのテストだ。全員、迅速に行え」

 

それから第一学年全員が班ごとに分かれてから作業を始める

 

 「ああ、篠ノ乃。お前はちょっとこっちに来い」

 

同じ班の篠ノ乃さんが呼ばれる

 

 「はい」

 

 「お前には今日から専用ーーー」

 

織斑先生が言いかけた、瞬間

 

 「ちーちゃ〜〜〜〜〜〜ん!!!」

 

砂煙を上げながら崖を走って降りてくる人が見えた

 

そしてその人は途中でジャンプして、そのまま織斑先生に飛びかかった

 

 「束・・・」

 

 「やあやあ!!会いたかったよ、ちーちゃん!!

 

  さあ、ハグハグしよう!!愛を確かめーーーぶへっ」

 

織斑先生はその飛びかかった人物の顔面を片手で掴む。

 

アイアンクローってやつだろうか、先生の指が容赦なく顔に食い込んでる

 

 「うるさいぞ、束」

 

束・・・もしかして ”篠ノ乃 束” 博士なのだろうか?

 

 「ぐぬぬぬ・・・相変わらず容赦の無いアイアンクローだねっ」

 

・・・・本人?

 

えらくブッ飛んだ人だな〜・・・

 

見た目は・・・アレだね、コスプレイヤーとでも言っておこう

 

何か頭に生えていて、ヒラヒラのエプロンの様な物を着用してるけど詳細は不明

 

 「やあ!!」

 

その人は篠ノ乃さんの方を向いてにっこりと笑う

 

 「・・・どうも」

 

 「えへへ、久しぶりだね。こうして会うのは何年ぶりかなぁ。

 

  大きくなったね、箒ちゃん。特におっぱいが」

 

 ドガッ!!

 

 「殴りますよ?」

 

篠ノ乃さんはどこかから日本刀(真剣)を取り出して鞘から刀身を抜かないで殴った

 

日本刀って結構質量があるからなぁ・・・痛そうだ

 

 「な、殴ってから言ったぁ・・・。しかも日本刀の鞘で叩いた!!ひどい!!

 

  箒ちゃんひどい!!」

 

頭を押さえながらその人は涙目で言っていた

 

 「おい束。自己紹介ぐらいしろ。うちの生徒たちが困っている」

 

 「えー、めんどくさいなぁ。私が天才束さんだよ、はろー。終わり」

 

うん、多分この人が私達が今使っている インフィニット ストラトス 開発者だ

 

現在、行方不明で各国が行方を追っている人物なのだ

 

 「はぁ・・・もう少しまともにできんのか、お前は。そら一年、手がとまっているぞ。

 

  こいつの事は無視してテストを続けろ」

 

 「こいつはひどいなぁ、らぶりぃ束さんと呼んでいいよ?」

 

 「うるさい、黙れ」

 

げしっと織斑先生が篠ノ乃博士を砂浜に蹴飛ばす

 

うわぁ容赦ないな〜

 

 「それで、頼んでおいたものは・・・?」

 

篠ノ乃さんが少し躊躇いながら質問した

 

でもなんで姉妹なのに躊躇ってるんだろう?

 

 「うっふっふっ。それはすでに準備済みだよ。さあ、大空をご覧あれ!!」

 

博士が空を指差した、瞬間

 

 ヒュゥゥゥゥ

 

っ!?この音はーーー

 

脳裏に浮かぶ三年前のあの日の事

 

 

 

 

 

   〜一夏視点〜

 

 

 

 「大空をご覧あれ!!」

 

束さんが直上の空を指差した、瞬間

 

 ヒュゥゥゥゥ

 

空気を切り裂く音が聞こえ、段々とその音が近くなる

 

 ズドォォンッ!!

 

激しい衝撃を伴って、金属でできた大きな箱は砂浜に落下した

 

 「うおっ!?」

 

落下時の衝撃波で砂がこっちに吹き飛んでくる

 

目を開けて、周囲を確認する。皆ケガはないみたいだ・・・が

 

 「っ・・・・・・!!」

 

フィリアがうずくまっていた

 

 「どうした?」

 

肩に手をのせる

 

 「ッ!!」

 

さらに小さく縮む

 

その姿は何かに怯えているように見えた

 

 「おい、大丈夫か?」

 

 「う・・・うん・・・」

 

返事をした後、フィリアよろよろと立ち上がった

 

だがまだ少し震えている

 

何か・・・トラウマでも持ってるんだろうか?

 

少しこいつの過去が心配になった

 

 

 

 

 

   フィリア視点

 

 

あの時代、空から落ちてくる物は大抵爆弾か戦闘機の残骸

 

あの日、私はいつもと同じように訓練機から降りてロッカールームに移動していた

 

 「ふぅ、やっぱり空は気持ちいいな・・・」

 

ヘルメットを外して髪留めを外す

 

 「はははっ、そうだろ?翼を持つって事はこういう事だ」

 

私の教官をしているのは グラマ・エイリヤード中佐

 

前に親父に助けてもらった事があるらしく、親父が死んでから私の教官をしてもらってる

 

もちろん私は軍籍をもっていないから、中佐の厚意で訓練機を使わせてもらっているだけだが

 

”空を飛べる” それだけで私は嬉しかった

 

 「さてと、飯でも食いにーーー」

 

中佐が言いかけた途端、基地の警報が鳴り響いた

 

 {緊急事態!!緊急事態!!、当基地上空に未確認爆撃機複数!!

 

  敵爆撃機はステルスと思われる。戦闘機隊は滑走路が潰される前に直ちに上空へ退避せよ!!}

 

 「っ!?敵だと!?」

 

中佐は再びパイロットスーツを装着する

 

 「中佐!!」

 

 「お前は基地内部に退避しろ!!」

 

 「わかりましーーー」

 

私が言いかけた途端、あの、空から重い何かが空気を突き抜けながら落下してくる音が聞こえた

 

その音はだんだん大きくなって、一瞬音が消えた、瞬間

 

 ズドォォォォンッ!!

 

 「うわぁぁぁぁッ!!」

 

轟音と共に目の前のロッカーや壁のコンクリートが崩れ吹き飛ぶ

 

 ガラガラガラッ・・・

 

 「・・・うぐっ・・・が・・・」

 

痛みを堪えて目を開けると、真っ暗だった

 

私は運よく倒れてきたロッカーによって飛んできたコンクリートの破片や爆風から逃れる事ができた

 

私はかぶさっているロッカーを力任せに蹴りとばした

 

 ガァンッ!!・・・ギィ・・・

 

金属特有の軋む音と共に、ロッカーは私の上からどいた

 

そしてロッカーをどけた私が目にしたのは、空から差し込む光

 

跡形もないロッカールーム

 

完全に砕けて瓦礫となった、コンクリートの壁

 

 「・・・そうだ、中佐!!」

 

自分が居た位置から中佐が着替えていた場所を予測してその場所の瓦礫をどける

 

瓦礫をどけていくと中佐の手が見えた

 

 「中佐っ!!」

 

力任せにその手を引っ張った

 

 ズルッ

 

 「うわっ!?」

 

あまりの軽さに思わず尻餅をついてしまった

 

そして、自分が持っている物を確認する

 

私が持っていたのは、肘までしかない中佐の右腕だった

 

 「う・・・あ・・・」

 

胸の底からこみ上げてくる気持ち悪さ

 

やがてそれは私の全身を支配する

 

 「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

怖い  気持ち悪い  わけがわからない

 

頭の中で色々な物が混ざり合い、私の意識を闇へ引きずり込む

 

 

 

 

 

 「ーーい、大丈夫か?」

 

織斑君の声が聞こえる

 

 「う・・・うん・・・」

 

返事をして立ち上がる

 

でも私の震えは止まらなかった

 

あの音が、聞こえる度に体を恐怖が支配する

 

 「じゃじゃ〜ん!!これぞ箒ちゃん専用IS、”赤椿”!!。瞬発機動性能意外のスペックが、

 

  現行ISを上回る束さんお手製ISだよ!!」

 

落ちてきたコンテナから出てきたそれは全身が赤く彩られ、新車のような艶を放っていた

 

 「さあ!!箒ちゃん、今からフッティングとパーソナライズを始めようか!!

 

  私が補佐するからすぐ終わるよん♪」

 

それからいくらかの姉妹のやり取りがあって赤椿の調整をする二人

 

でも、篠ノ乃さんはずっと博士の会話を無視していた

 

なんでだろう?。姉妹っていうのは基本仲いいっていうのに

 

 「あとは自動処理に任せておけばパーソナライズも終わるね。

 

  あ、いっくん、白式見せて。束さんは興味津々なのだよ」

 

それから博士は織斑君の白式のデータ確認をしていた

 

 「ん・・・不思議なフラグメントマップを構築してるね。なんだろ、見た事ないパターン。

 

  いっくんが男の子だからかな?」

 

フラグメントマップというのは、各ISが搭乗者とパーソナライズを行う事によってできる

 

進化の道筋、人間でいう遺伝子らしい

 

要は、搭乗者によってIS自体もそれに応じるように独特な個性を持つって事

 

凄まじく技術が進んだもんだなぁ〜

 

 「さて、もう一人の興味対象さんはっと」

 

そうして博士は私の前に来た

 

 「現存人類で唯一、零ちゃんと組める蒼髪ちゃんだよ〜!!」

 

蒼髪って・・・この学年他にも居た気がするけど

 

 「さて、零ちゃんを呼んでくれるかな?」

 

零ちゃん・・・多分レイの事なんだろう

 

 「わかりました・・・」

 

待機状態のヘアピンに触れて

 

 「(レイ・・・起きてる?)」

 

 {はい、起きてます}

 

 「(今から展開するけど、準備は?)」

 

 {各管制システムネットワーク構築完了。いつでもどうぞ}

 

 「(了解。いくよ、”零式” )」

 

眩い光の粒子が私を包む

 

光が収まる頃には、私は零式の展開を完了させていた

 

 「さてと、武装チェック・・・ん?」

 

 

  武装ロック解除を確認  ・腰部内蔵小型SAAM ”リオリーズ” 

 

              ・多目的BNAR  ”ヴィアリス”

 

 

 「武装が増えてる・・・」

 

SAAMってセミアクティブ誘導ミサイルの事かな?

 

一応展開して確認する

 

 「”リオリーズ” 」

 

言葉に出してコールすると、腰部アーマーが光に包まれ武装の構築を始める

 

光が収まる頃には、サイドアーマーの部分が少し大型化していた

 

 「たいして邪魔にならないな・・・これを通常展開時に同時展開っと」

 

ツールでISを展開すると同時にそれも展開するように設定する

 

 「次は・・・”ヴィアリス”」

 

同じようにコールして展開する

 

右腕に光が収束し、それが装備を構築する

 

 「おぉ、アサルトライフルだ」

 

データを見ると、ビームを射出するアサルトライフルみたいだ

 

なんでも単発時は中距離精密射撃ができ、連射時はニードル状にビームを形成し

 

それをフルバーストで敵に叩き込むものらしい

 

 「おぉ〜・・・こんな短期間で第四武装までアンロックしてる」

 

ん?という事は

 

 「篠ノ乃博士、質問いいですか?」

 

 「うんうん。何でも聞いて〜」

 

 「零式って、あなたが製作したんですか?」

 

織斑先生が言っていた製作者というのは多分篠ノ乃博士だ

 

 「そうだよ〜!!。でも日本の倉持技研に渡したら解析もままならないまま

 

  ポイされちゃったんだよ。でもね、今は使える人が居るから安心してるよ〜」

 

そういいながら、博士は零式のコネクションポートにケーブルを繋ぐ

 

 「おぉ〜零ちゃんとの相性は抜群だね〜。それに適性も高い・・・これなら大丈夫だね」

 

 「・・・何がですか?」

 

すると博士は空中投影キーボードで何かを入力した

 

 

  manager unrock........ "Extra Inarshal Canceller"........standby

 

 

 「これはね、私が作った最高傑作の代物の一つなんだよね〜

 

   君ならうまく使えそうだし、束さんからの心からのプレゼンツ!!」

 

そう言って博士がEnterキーを押す

 

すると、零式の背面バックパックに”何か”が追加された

 

 「・・・何を追加したんですか?」

 

 「うんとね、今追加したのはーーーー」

 

 ピピピッ ピピピッ

 

突然私の携帯端末の着信音が鳴る

 

 「失礼します。」

 

誰からかと思って端末を見る

 

 発信者  PIXY

 

ピクシーというのはラリーのTACネームで、仕事の時用の回線を別で作っていた

 

 「もしもし」

 

 「緊急事態だサイファー。ハワイ沖で試験稼働をしていた軍用ISが暴走、当空域を離れて日本の方向に離脱

 

  日本政府にも情報を送っておいた。お前にもそのISのデータを送るが、これはトップクラスの機密事項だ

 

  これが漏れた場合、お前はIS国際委員会から拘束を受ける羽目になるから注意しろ」

 

すると私の端末が機密データを受信する

 

 「送った機体データを確認の上で、お前には俺から秘匿任務を言い渡す」

 

 「はいはい・・・何でしょうか?フォルク司令」

 

 「暴走したISを、コアを破壊せずに回収しろ」

 

 「コア以外は?」

 

 「最悪破壊しても構わない。あれはアメリカとイスラエル共同開発の機体だ、責任は俺が負う」

 

 「了解、善処します・・・アウト」

 

そう言って通信を終える

 

 「フェイリールド、今の通話は何だ」

 

 「織斑先生、ちょっとこちらへ」

 

 「・・・わかった。全員、そのまま作業を続行しろ 

 

少し皆から離れて先生に小声で話す

 

 「緊急事態です、さっきラリーから連絡がーーーー」

 

 「たっ、た、大変です!!。お、おお、織斑先生!!」

 

言いかけた所で山田先生が走ってきた   

 

 「どうした?」

 

 「こ、こっ、これをっ!!」

 

山田先生が手に持っていた端末を渡す

 

 「あっ!!フェイリールドさんは作業に戻ってくださいっ」

 

おぅ・・・外野に見られてる私?

 

 「・・・軍用ISが暴走したんでしょ?」

 

小声で山田先生に囁く

 

 「っ!!何でそれを!!」

 

 「私にも連絡が入ったんですよ。フォルク司令から」

 

それに驚く山田先生。まぁ、もう見慣れたんだけどね

 

 「特命任務レベルA、現時刻より対策を始められたし・・・」

 

 「そ、それが、その、ハワイ沖で試験稼動をしていたーーー」

 

 「山田先生、今は他の一般生徒がいます。機密事項を口にするのはお控えください・・・」

 

情報が漏れたら困るのはあなたなんですから

 

 「す、すみません・・・」

 

 「専用機持ちは?」

 

 「ひ、一人欠席していますが、それ以外は」

 

それからハンドサインで大方の連絡を済ませる

 

 「そ、そ、それではっ、私は他の先生たちにも連絡してきますのでっ」

 

 「了解した。全員、注目ッ!!」

 

織斑先生がパンパンと手を叩くと、作業をしていた一年全員が織斑先生の方に注目する

 

 「現時刻よりIS学園教員は特殊任務行動へと移る。今日のテスト稼動は中止。

 

  各班、ISを片付けて旅館に戻れ。指示があるまで各自室内待機すること。以上だ!!」

 

先生がそう一般生徒に指示を出し、皆それに素直に従った

 

 「専用機持ちは全員集合しろ!!織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰、

 

  フェイリールドーーーそれと、篠ノ乃も来い」

 

 「はい!!」

 

気合のこもった返事をしたのは、先ほど専用機持ちとなった篠ノ乃さんだった

 

 「・・・・・・・・」

 

でも私はそれを見て、逆に直感的な危険を感じてしまうのだった

 

 

 

 

 

-2ページ-

 

 

 

 

   駄文なのと更新不定期申し訳ありません

 

 

   次回から福音戦です、戦闘描写が得意ではないので

 

  

   見づらい場面があるかと思いますが

 

 

   よろしくお願いします

 

 

   ☆意見感想募集中☆

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

説明
前はスト魔女の世界  今度は元の世界の三十年後の世界へと飛ばされた主人公  戦闘機が旧世代と呼ばれる世界で、傭兵はIS学園の生徒として活動する事に ....
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コメント
次回も楽しみにしています 頑張ってください(SUPER HONET)
更新お疲れ様です。次回も楽しみにしています(メビウス1)
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世界 傭兵 戦闘機 タイムスリップ クロスオーバー エースコンバット インフィニット・ストラトス 

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