魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー激突の二人…vsギルバー戦ー
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「さて、後は俺の血を捧げれば魔界と人間界を繋げることができるな」

 

ここはテメンニグルの礼拝室。ここにスパーダが捧げた物を捧げれば、テメンニグルは人間界と魔界を繋ぐ門になる。

 

「(だがこの感じはなんだ?ムンドゥス様のお役に立てるというのに俺の体が拒否反応を示している…【魔界を開けてはならない】と……)」

 

ギルバーが迷っていると ……

 

 

 

 

「機動六課です!大人しく投降してください!!」

 

ティアナ率いるフォワード陣が礼拝室へ到着した。

 

「ほう、案外早かったな」

 

そう言うとギルバーの服装が変わった。黒いジャケットの上に青いコートを羽織り、左手には漆黒の日本刀があり、刀の鍔元には青い小さな宝石がちりばめられていた。

 

「!?あれはデバイス!?」

 

「何故デバイスを!?」

 

敵がデバイスを持っているとは思っていなかったためか、驚きを隠せないバルダ達。

 

「俺の部下が貴様等の情報を持ってきてその情報を元に俺だけのデバイスを作らせた。さて、魔界を繋げる準備をしているのだ…邪魔はしないでもらおう」

 

そうしてギルバーはデバイスに手を伸ばすが、ティアナが魔力弾を撃ち牽制する。

 

「それは無理よ。今ここで止めないと、世界中が大変なことになるから…」

 

ティアナの言葉にギルバーは溜め息を吐き 、

 

「そうか…邪魔をするか」

 

と言って刀の鍔元を少し上げる。するとそこへ

 

 

 

 

「ティアさん、みんな、ここは俺がやる…」

 

 

 

 

バルダが皆の前に出てこう言った。それに当然ティアナが反対する。

 

「ちょ、何言ってるのよバルダ!そんなの「やらせてあげなよティア」けどスバル!!」

 

反対するティアナをスバルが制した。そしてティアナの顔を見ながら言った。

 

「どうせバルダは止まらない…だからこれはバルダにやらせてあげようよ」

 

「…はあ、わかったわよ。バルダ!やるからには絶対勝ちなさいよ。そしてあんたのお兄さんの目を覚まさせてやりなさい!!」

 

スバルの決意のこもった言葉に渋々従うティアナ。

 

「バルダ!頑張って!!」

 

「無理はしないでね!」

 

ティアナの言葉に便乗し、エリオとキャロも激励した。

 

「みんな、ありがとう。俺の我が儘を聞いてくれて…これは俺がやらなきゃ意味がねぇんだ……待たせたな、ギルバー兄さん」

 

「…………」

 

そうしてバルダとギルバーが向き合う。

 

「「…行くぞ」」

 

 

 

 

ーーーシュン…ーーー

 

 

 

 

二人は一瞬で相手の元へ行き、目まぐるしい打ち合いをしていた。

引くと見せかけて攻め、攻めると見せかけて引く……互いのデバイスが唸りを上げる。

 

勝負はどちらが勝ってもおかしくなかった。

 

 

 

 

 

「「はああああああ!!」」

 

 

 

 

 

――キィンキンガキンキィンキンキィン……――

 

 

 

「Break down!!」

 

「Die…」

 

 

 

 

――ガキィィィン!!――

 

 

 

 

「…やるな」

 

「そっちもな」

 

睨み合う両者。

 

「「す、凄い…!」」

 

「何て速さなの。あの二人…」

 

二人の戦いを見てただ驚くスバル達。

 

「これでも喰らいな!!」

 

バルダがソル&ルナを抜き放ち、神速の連射を見舞った。

 

「デモリッシュ」

 

〈プロテクション〉

 

ギルバーは自身のデバイスに防御魔法を展開させ、そして自分は居合い切りの構えをとった。

 

「?」

 

バルダはその行動を不審に思うが、構わず連射を続けた。

 

「(くっ!硬いな。ならバスターで吹き飛ばす!)」

 

だがギルバーのシールドは想像以上に硬く…なかなか壊れない。

そこでバルダは拉致があかないと思い、ディバインバスターでシールドごどギルバーを吹き飛ばす事にした。

 

「(よし、行くぞ…)」

 

魔力も溜まり、いよいよ発射しようとしたその瞬間…バルダの周りの空間が歪みだした。

 

 

 

 

ーーーザシュウ!!ーーー

 

 

 

 

「ぐっ!?」

 

その刹那、バルダの左肩から血が吹き出した。

いきなり血が吹き出たことに驚愕するバルダ。

 

「くぅ…何だ今のは?」

 

肩を押さえながらさっきの現象に困惑するバルダ。

 

「余所見している場合か?」

 

「っ!」

 

その間にギルバーがすかさずバルダに斬りかかる。

バルダはアベンジャーを抜き、ギルバーの刃に対抗する。

 

鍔迫り合いが長引く中…

 

「くらえ…」

 

〈幻影剣〉

 

ギルバーが魔力でできた剣を数本バルダに向けて放った。

鍔迫り合いの状態ではまともに避けれる筈もなく、幻影剣は全部バルダに突き刺さった。

 

「ぐっ…(これは、な、まさかこれって?!)」

 

突き刺さった幻影剣を見て、バルダはある確信を得る。

 

「間違いない…これは父さんの双子の兄、バージルさんの技だ。とすればさっきのあれは…【次元斬】か?」

 

「ほう、知っているようだな。この技を。ならわかっているだろう…俺の剣の間合いはこの空間全てだということを」

 

そしてギルバーは再び居合いの構えを取る。

 

「ちっ、まさか兄さんがバージルさんの技が使えるなんてな。だがどんな技か分かれば対処は出来る!!」

 

バルダはソルを取り出し、魔力弾を放った。

 

「無駄だ」

 

〈シールド〉

 

だが魔力弾はデモリッシュが発動させた障壁に阻まれてしまう。

そしてそのまま次元斬をやろうとした時、

 

「無駄じゃあないぜ。おかげでそっちに近づけた!」

 

「なに!?」

 

バルダはトリックアップで瞬時にギルバーの上へ転移して近づき、兜割りをした。

 

「くっ」

 

ギルバーはデモリッシュでそれを受け止める。

 

「まだだ!」

 

ギルバーがバルダの兜割りを受け止めた瞬間…バルダはエアハイクを使い、再びギルバーの上へと舞い上がる。

 

「レインストーム!!」

 

そしてバルダは空中で身を翻し身体を回転させながら、ギルバーに向けて嵐のごとく魔力弾を撒き散らした。

 

「ちっ!」

 

ギルバーは即座に防御魔法を発動し、レインストームを防ごうとする。

 

が…

 

 

 

 

ーーーパリィィイン!ーーー

 

 

 

 

「な、なんだと!?」

 

少しの間レインストームを防いでいたギルバーの防御魔法は砕かれ、そのままギルバーに魔力弾の雨が降り注いだ。

 

「HaHa!どうだ!」

 

地面に着地し、全弾命中したのを確信するバルダ。

そして魔力弾が着弾した際に起こった砂煙が消え、ギルバーの姿を映し出す。

 

「んな!?いない!?」

 

こともなく…ギルバーの姿はどこにもなかった。

 

「アベンジャー。兄さんの反応は?」

 

〈ダメだ…全く反応しねえ〉

 

バルダはアベンジャーにギルバーの居場所を特定しようとするが、見つからない。

 

「…………絶刀」

 

するとどこからかギルバーの声が響き渡った。

 

「!!」

 

その後バルダは見た光景に驚愕した。

何故ならこの空間の全域が歪み、数多の斬撃が自身を襲っていたからだ。

 

「ぐああああああ!!」

 

防御魔法を発動する暇を与えないギルバーの斬撃になす術が無いバルダ。

 

そしてやっと斬撃が止むと、バルダは糸が切れた人形のように倒れた。

するとギルバーが一瞬の後に刀を納刀した状態で現れた。

 

「絶刀を使わされるとは…今の魔力弾はなかなか危なかった。あのまま喰らい続けていたらかなり不利になっていたな」

 

そう言うギルバーのバリアジャケットはボロボロで、ギルバー自身は肩で息している。

どうやらさっきのレインストームをまともに受けたようでかなり体力を消耗していた。

 

「(それに奴の魔力弾ひとつひとつが必殺級の威力を持っていた…ダークスレイヤーで強引に躱さなかったらまず落とされてた)」

 

内心冷や汗をかきながらバルダに止めを刺すべく刀を抜きながら今地面に倒れ伏しているバルダに歩み寄る。

 

「かなり手こずったが、終わりだ…」

 

そしてバルダに刀を振り下ろす。

 

「いーや。まだ終わりじゃねえぞ」

 

 

 

 

―――ガシッ!!―――

 

 

 

 

「!?」

 

ギルバーがバルダに止めを刺そうとした時…バルダはデモリッシュの刀身を掴みこう言った。

 

「兄さん、アンタはいつも言っていたな……… 【俺達がスパーダの血族なら…受け継ぐべきなのは、力なんかじゃない。それは誇り高き魂だ】と……」

 

デモリッシュを掴みながらバルダは立ち上がり、

 

「それなのに、今のアンタは何だ!?アンタの言う誇り高き魂はどうした!?そんな洗脳に負けてんじゃねーーーーーーーー!!!」

 

「!」

 

ギルバーに一喝し、バインドにかける。

バルダはアベンジャーを構え、アベンジャーの刀身に魔力を極限まで流し込む。それによりアベンジャーは赤黒く輝き、赤い雷がバチバチと鳴り響く。

 

そして放つ…最強の一撃を

 

「ヴァジュラ!!」

 

「ぐおおおおお!!」

 

バルダの史上最強の突き…【ヴァジュラ】により、ギルバーは数メートルも吹き飛ばされた。

 

「はあ…はあ……はあ…」

 

魔力の使い過ぎか先程のギルバーの攻撃によるダメージがまだ残っているからか、バルダは膝をついてしまう。

それからも油断せずにギルバーの様子を伺う。

 

「………くっ…」

 

すると、ふらふらながらもギルバーがゆっくりと立ち上がった。

そしてバルダを睨みつけながらおもむろにデモリッシュを構えた。

その様子にバルダは何か覚悟を決め、

 

「いいだろう兄さん…これで終いにしようぜ」

 

バルダもアベンジャーを構えた。

 

 

 

 

「「うおおおおお!!!」」

 

 

 

 

―――ザシュウ!!―――

 

 

 

 

二人の一撃が空間を揺らし、すれ違うような形で打ち合った。

 

 

「「………………!」」

 

 

暫くの沈黙の後誰かがひざを突いた。

 

 

 

 

――ギルバーである――

 

 

 

 

「ぐあ……はあ…はあ」

 

「兄さん!!」

 

心配になったのかバルダが駆け寄る。

 

「来るな…!」

 

ギルバーはそれを拒絶する。だが様子は先程とは違っていた。そしてバルダを見て

 

「俺の名はギルバー。魔剣士スパーダの孫にして、スパーダの魂を受け継ぐ者…そして、我が愛する弟バルダの…兄だ」

 

優しげな笑みをバルダへ向けた。

 

「兄さん……」

 

ギルバーの洗脳が解けたとわかり、涙を流すバルダ。

 

「すまなかったな。世話をかけた」

 

「ううん、いいんだ。兄さんが元に戻ってくれればそれで…あっ、そうだ。キャロさーーん!治療魔法お願いしまーす!」

 

「あ、はーい!」

 

そしてキャロを含めフォワード達がバルダ達の所へ行こうとしたその時…

 

 

 

 

―――ドスッ…―――

 

 

 

 

「「「え…」」」

 

突如、ギルバーの腹を何者かが貫いた。

突然のことに唖然とするバルダ達。

 

「やはり洗脳が解けかかってたか…ムンドゥス様が洗脳が解けたら始末しろという命をまさか実行する羽目になろうとはな」

 

ギルバーの後ろから声がした。その者は黒い鎧を身にまとい、その姿はまさに【黒い天使】だった。そして【黒い天使】はバルダと同等の大きさの大剣をギルバーに突き刺していた。

 

「ぐう…お前…はネロアンジェロ…!何故ここに!?」

 

ギルバーは全くもって予想外の事に動揺していた。

 

「ふん、ムンドゥス様がお前の洗脳が解けた時始末しろとの事だ」

 

ネロアンジェロはそう言うなり突き刺していた剣を抜いた。そして礼拝場所にギルバーの血を注ぎ始める。

 

「さあ、これで魔界と人間界を繋ぐ事ができる…後は後は裏切り者の血族をーーーー「うあああああああ!!」!!何だ!?」

 

ネロアンジェロがギルバーにとどめをさそうとしたときバルダに変化が起こった。

駆けつけたフォワード達は困惑する。

 

「バルダ!?一体どうしたの!?」

 

「これは何かいやな予感がするわ…」

 

動揺するスバル。そしてティアナの呟きは、皮肉にも現実になる。

 

「アアアアアアアアアアア!!」

 

バルダの体がスパークを放ち、その姿は悪魔の姿へと変わった。

説明
十八話目です。
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