ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第十二話 怒りのデュアルスレイヤー |
デュオとシリカは朝食を済ませた後、お茶を飲みながら今日の予定を話していた。
デュオ「今日はどうしようか?」
シリカ「攻略には行かなくていいんですか?」
デュオ「そうだな・・・キリトも最近は攻略も行き詰まってるって言ってたし、たまには出るか。」
デュオはそう言って、立ち上がると愛剣を呼び出して装備する。
その様子を見ていたシリカは少し後悔したような表情をして言った。
シリカ「行くんですか?」
デュオ「俺だってのんびりしてたいけど、やる時はやらなきゃな。」
デュオはそう言うと、扉に手をかけようとした。
すると、デュオが手をかける前に扉が勢いよく開いた。
エルフィー「おっはよ〜!!・・・って、いきなり剣突きつけるのやめてくれない・・・」
いきなり、飛び込んできたエルフィーに、デュオは剣を突きつけて言った。
デュオ「俺の家にいきなり飛び込んできたら、一刀両断されると思ったほうがいいぞ。」
エルフィー「うわぁ・・・それやめようよ。忍者屋敷じゃないんだから・・・」
デュオ「安心しろ。お前以外は飛び込んでこないから。」
エルフィー「それ、斬られるのは私だけってことだよね・・・」
デュオ「そういうことだ。」
デュオはそこまで言うと、剣を背中に戻して続ける。
デュオ「で、何の用だ?」
エルフィー「ああ、実はね、シリカちゃんを借りていい?」
シリカ「あ、あたしですか・・・!?」
エルフィー「うん。今からクエストを受けに行くから一緒にどうかなって。」
エルフィーからの誘いにシリカは少し悩んだ後、行くことにした。
その後、デュオは攻略に向かうため七十四層に
シリカとエルフィーはクエストを受けるために五十九層に向かった。
シリカ&エルフィー サイド
シリカとエルフィーは転移門広場を出て、街の外へ向かう。
シリカ「ところでエルフィーさん、どうしてデュオさんは誘わなかったんですか?」
エルフィー「それがね、今回挑むクエストは女性限定のクエストなの。」
シリカ「ああ、なるほど。」
その後、シリカとエルフィーは話しながら目的地に向かった。
だが、フィールドでエルフィーが足を止める。
エルフィー「あれ?アスナの話だとこの辺のはずなんだけどな・・・」
シリカ「どうしたんですか?」
エルフィー「それが、フラグを立てるはずの村が無いの。マップではこの辺のはずなんだけど・・・」
シリカとエルフィーは周囲を見渡すが、村らしき場所はどこにも無い。
シリカ「そのクエストって誰から教えてもらったんですか?」
エルフィー「アスナって言う私の友達が、護衛のクラディールっていう人に聞いたって言ってたんだけど、無いみたいだから帰ろうか。」
シリカ「そうですね。」
2人が来た道を戻ろうとしたその時だった、突然エルフィーが倒れる。
シリカ「どうしたんですか!?エル・・・!!」
そこまで言いかけてシリカもエルフィー同様に倒れた。
2人のHPバーには普段は存在していない表示が点滅している。
麻痺毒だ。
シリカが麻痺になっているのに気づいた時、3つの足音が2人に近づいてきた。
その3人のカーソルはオレンジ色をしていた。
黒いフード付きのマントを被っていて顔はわからないが
どうやら男のようだ。3人はシリカたちを嘗め回すように見ながら言う。
オレンジ1「おう、今日の獲物は上玉みたいだぜ。」
オレンジ2「そりゃあ、楽しめそうだな・・・ん?こいつは確か・・・」
シリカとエルフィーの品定めをしていた男の1人が思い出したように呟いた。
オレンジ3「知ってるのか?」
オレンジ2「ああ、確かこいつら【((紅蓮の劫火|レッドプロミネンス))】と一緒にいた女だ。」
オレンジ1「じゃあ、こいつらを餌にしてあいつを呼び寄せれば・・・」
オレンジ3「金やアイテムが手に入って・・・」
オレンジ2「あいつも殺せる。その後は、こいつらで楽しむ。」
オレンジ3「イッヤッホォォォォ・・・!!最高だぜ!!」
男たちはそう言って騒いだ後、シリカとエルフィーを担いでどこかへ行ってしまった。
デュオ サイド
デュオが攻略を終えて、街に戻った時、時刻はすでに11時を回っていた。
現在デュオはエルフィーが行くと言っていた五十九層に来ている。
デュオ「おかしいな、家には帰ってこないし、メッセージも繋がらない。どうなってるんだ?」
デュオはシリカとエルフィーが家に来なかったので
メッセージを飛ばしたのだが、その返信がまだ届いていない。
デュオ「フィールドで足止めくらってんのか?」
デュオがそう言った、ちょうどその時だった。
エルフィーからのメッセージが届いた。
デュオ「やっとか・・・」
デュオはメッセージを開いて、その内容を見た途端デュオは言葉を失った。
メッセージにはこう書かれていた。
[この女たちは俺たちが預かった。1時間以内に指定してある場所へ1人で来い。]
デュオ「ずいぶんと古めかしい脅迫状だな・・・」
デュオはそう呟くと、すばやくウインドウを切り替えて
知り合いのプレイヤー数人にメッセージを飛ばす。
[今すぐ四十五層のウォーディアに来てくれ。]
そう書いてメッセージを送った後、デュオは転移門から四十五層へ向かった。
デュオ視点
四十五層 ウォーディア
俺がここに来てすぐに、メッセージを送った内の一人の刀使いが転移門から出てきた。
悪趣味なバンダナを巻いた武者鎧姿のこの男の名前はクライン。
ギルド【風林火山】のリーダーで攻略組の一人だ。
普段は締まりの無い顔をしているこの男も今回は真剣な顔をしている。
クライン「おめえから、メッセージを送ってくるってことは、緊急なんだな・・・」
デュオ「ああ、友達が2人オレンジに誘拐された。」
クライン「なんだって!?」
デュオ「今から1時間以内にこの層の西にある洞窟に一人で来いと言われた。」
俺が説明すると、クラインは考え込むようにしてからこちらを見て言う。
クライン「・・・行くのか?」
デュオ「ああ。バックアップ、頼めるか?」
俺が訊くと、クラインはドンと胸を叩いて言う。
クライン「任せとけ!で、俺はどうすりゃいい。」
デュオ「まず、俺が1人で行って2人を取り戻す。そうしたら、お前は2人を守ってくれ。」
クライン「よし!じゃあ2人を取り返したら何か合図しろよ。そしたらすぐに飛んでいく。」
デュオ「これを上に投げたら来てくれ。」
俺はストレージから赤い光を放つ直剣【ブラッドボーン】を呼び出して
クラインに見せる。
クライン「よし、わかった。じゃあ行くか。」
デュオ「ああ・・・」
俺は静かに頷くと、指定された場所へ走っていった。
通常視点
オレンジに指定された洞窟の前に着いたデュオは剣を引き抜いて中に入る。
クラインはデュオがスキャンしても引っかからない位置で待機している。
中に入ると、洞窟の中の開けた場所に出た。
そこには数十人のオレンジプレイヤーたちが待ち構えていて
中央にシリカとエルフィーがロープで全身を縛られたまま横たわっていた。
アイテムはすべて取られたらしく二人とも下着姿である。
オレンジ1「待ってたぜプロミネンス。」
デュオの姿を確認した1人のオレンジプレイヤーがデュオに近づいてきた。
デュオ「約束どおり来てやったぞ。2人を返してもらう。」
デュオは一見穏やかそうに言っているが、いつもと違って言葉に威圧感がある。
オレンジ1「慌てるなよ。まずはアイテムを全部、出してもらおうか。」
デュオ「断る・・・」
デュオがそう言った次の瞬間、デュオは2人を抱えて洞窟の出口に立っていた。
オレンジ1「てめえ、いつの間に!?」
オレンジプレイヤーたちが混乱して喚いている間に、デュオは洞窟から出た。
洞窟から出たデュオは、ポーチの横に止めておいたブラッドボーンを真上に放り投げた。
そしてシリカとエルフィーを少し離れたところに寝かせると、ロープを切り
解毒結晶を使って毒を回復させる。
デュオ「少し、待っててくれ・・・」
デュオはそう言うと、洞窟に向き直る。
そこには、デュオを追って出てきたオレンジプレイヤーたちが武器を構えて立っていた。
デュオは再び剣を引き抜くとオレンジたちに問いかける。
デュオ「てめぇら、死ぬ覚悟はできてるか?」
デュオの問いにオレンジたちは笑い声を上げる。
オレンジ1「こいつ、この状況で勝てると思ってやがる。」
オレンジ2「バカだな、ちょっとレベルが高いからって俺たち全員に勝てるわけねえじゃん!!」
デュオ「そうか・・・なら、((斬る|殺す))!!」
次の瞬間、デュオの目から光が消えた。
デュオ「【デュアルスレイヤー】!!」
デュオがそう言うと、デュオの周りを紫色のライトエフェクトが包み込む。
デュオ「「覚 悟 シ ロ !!コ ノ 屑 ド モ ガ !」」
デュオは静かにそう呟くと剣を構える。
オレンジ2「調子こいてんじゃねえ!」
オレンジが突っ込んでくる。
すると、突然デュオの姿が消えた。
次の瞬間、オレンジたちの半分がポリゴン片となって消滅する。
オレンジ4「な、何だ・・・!?」
この光景を見たオレンジは理解できていないようで消えた仲間を探す。
だが、その間にデュオは残りのオレンジたちを消す。
デュオは次々にオレンジたちを消滅させていき、5秒で数十人いたオレンジたちを壊滅させた。
デュオはデュアルスレイヤーを解除して言い放った。
デュオ「「死 ン デ 当 然 ダ・・・」」
そう言っているデュオの瞳は、劫火の名とは裏腹に氷のような冷たさを持っていた。
だが、オレンジプレイヤーたちがいなくなるとその目は光を取り戻し、普段のデュオの目に戻る。
オレンジが消滅した後、デュオはすぐに索敵スキルで周りをスキャンし、敵が残っていないかを確認する。
デュオ「もう大丈夫だ。」
クライン「そうか。」
デュオはクラインにそう告げると、シリカのところへ向かった。
シリカは膝を抱えて蹲り、震えていた。
デュオ「シリカ・・・」
デュオが話しかけると、シリカはゆっくりとデュオの方を見る。
その目には涙が溜まっていて、今にも泣き出してしまいそうだ。
シリカ「デュオ・・・さん・・・」
デュオ「ごめん・・・待たせたな・・・」
デュオはシリカに近づくと、その小さな体をそっと抱きしめた。
するとシリカは泣き始めてしまった。
デュオ「怖い思いをさせてごめんな。もう大丈夫だよ。」
デュオは優しくそう言いながら、シリカの頭を撫で続けた。
見るとクラインもエルフィーを抱いていて、デュオと同じような体勢になっている。
クラインはストレージからマントを呼び出してエルフィーに掛けた。
デュオもそれに倣ってストレージからロングコートを呼び出し、シリカに掛ける。
しばらくそのままの状態で、シリカとエルフィーは泣き続けていた。
後書き
シリカとエルフィーの2人はアイテムを取られただけで
何もされてはいません。
(アイテムもオレンジからドロップして取り返しています。)
説明 | ||
描写が難しくてあまり上手く書けていません。 ・・・ごめんなさい(泣) |
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総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
motomaruさんへ オレンジのくずどもにあれ以上の非道は許しませんよ。(やぎすけ) 最後を聞いて安心した(motomaru) |
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