恋姫外史終章・いつまでも一刀第15話
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スゴロクは佳境を迎えていた。

 

「あと・・・・・・5マス・・・・・・」

 

一刀はボロボロの状態でサイコロを持ち上げた。

 

ゴール直前である一刀がいままで踏んだマスは、ほとんどがダメージを受けるマスだったのだ。例えば・・・・・・

 

(ベトコン仕込みのスパイクボール)

 

ブン!

 

ゴシャア!!

 

「へぶし!?」

 

スパイクボールが顔面に直撃したり、

 

(地獄めぐりナンバー4、焦熱地獄)

 

ゴオオオオ!!

 

「死ぬーーー!!」

 

踏んだマスが急に煮えたぎる火口に変わったり、

 

(狩猟!恐暴竜!!)

 

ズーン!・・・・・・ズーン!・・・・・・

 

「できるかあああ!!」

 

どこからともなく現れた恐竜に追い掛け回されたりと、散々な目に会っていたのだった。

 

ちなみに、他のメンバーはと言うと・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

ソフ○ンも残り6マスとなっているが、彼もまたボロボロであった。

 

彼が今まで踏んだマスはというと、

 

(ぬ!献上ゲーム3!!)

 

「ぐうっ・・・・・・」

 

突如出現したピラミッドの頂上を目指し、更に増えたトラップをかいくぐって頂上で足組んで座っているところ天にぬを献上しに行ったり、

 

(賞味期限切れのところ天と、どちらが先に売れるか勝負!)

 

スーパーマーケットでどちらが売れるか勝負したり(ちなみに勝負は引き分け)、そしてもっともダメージが大きかったのは、

 

(ところ天がいままで受けたとばっちり全部!)

 

このマスに止まったソフ○ンは、まさに瀕死の重傷を負う事になった。

 

「俺のいままでの苦しみが分かったかあああああ!!」

 

血の涙(血じゃないけど)を流して魂の叫びを響かせるところ天であったが、それは置いておこう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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次は華雄を見て見よう。

 

彼女が踏んだマスはと言うと・・・・・・

 

(コスチュームチェンジ!純正チャイナドレス!)

 

「なんで!」

 

(コスチュームチェンジ!モン○ンナルガ装備!)

 

「私だけ!」

 

(コスチュームチェンジ!ミニスカ○リス)

 

「こんなのばかり踏むんだーーーー!!」

 

華雄一人ファッションショー状態になっていた。

 

ちなみに現在の衣服は衛士強化装備である。

 

そして余談だが、彼女のコスチュームが変わるごとに、一刀は「可愛い」「似合ってる」などと褒めていたのだが、

 

「見るなーーー!!」

 

その度、顔を赤くした華雄に鉄拳、または蹴りの一撃をもらっていた。

 

実の所、一刀のダメージの半分は華雄からのものである。

 

「・・・・・・」

 

だが、華雄は不思議に思っていた。

 

恥ずかしさでつい攻撃してしまうのだが、一刀の褒められる事自体は、決して嫌な気はしなかった。

 

いままでも容姿に関して褒めてきた男はいたが、そのほとんどがお世辞か、下心が見え見えかのどちらかで、不快な気持ちしかなかった。

 

でも一刀からの褒め言葉には、むしろ嬉しいと思っている自分がいる。

 

 

 

 

それは何故なのか。

 

 

 

 

今の華雄に答えが出る事はなかった・・・・・・

 

 

 

 

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最後に、美羽が踏んできたマスだが・・・・・・

 

「・・・・・・」

 

美羽は現在、マスの上で横になっていた。

 

顔を見て見ると、泣き腫らして目は真っ赤になっている。

 

どうしてこうなったかというと・・・・・・

 

(サっちゃん現る)

 

「びええええええ!!」

 

大きな鎌を持った幽霊に追いかけられたり、

 

(山姥現る)

 

「助けてたも〜〜〜〜!!」

 

二本の角を生やした鬼のような老婆に襲われたり、

 

(スン○ラリア星人現る)

 

「もう嫌なのじゃああああ!!」

 

アンモナイトのような頭部に口から無数の触手が蠢いている異星人がやってきたり・・・・・・

 

とまあ、見事に霊、妖怪関係(しかも危険なものばかり)に止まり、泣き疲れてぐったりしているのであった。

 

ちなみに、その度に一刀が介入しては、美羽を助けていた。

 

バナナの絵を描いたり、山姥を言葉巧みに誘導して豆粒ほどの大きさになった所をプチッと踏み潰したり、不毛なトークバトルを繰り広げたり・・・・・・

 

そんなこんなで、美羽がサイコロを振る際には必ず一刀が付き添うのが暗黙の了解となった。

 

一人では下手したら死ぬような目に会っていた美羽だったが、一刀が居てくれるおかげで何とかスゴロクを続ける事が出来たのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

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さて、一刀の運命の1投。

 

「りゃあ!」

 

サイコロが出た目は・・・・・・4。

 

「・・・・・・はあ」

 

ため息をつきながら一刀は4マス進んだ。

 

四角い紙袋が置いてある。

 

そのマスには、こう書いてあった。

 

(パンツ一丁になり、置いてある紙袋を被れ)

 

「・・・・・・」

 

無言で服を脱ぎ、紙袋を被る一刀。

 

紙袋には、目の部分に穴が二つ開いている。

 

そして一言、

 

「死にたい・・・・・・」

 

ネガティブこの上ない台詞を吐く一刀だったとさ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

結局、ゴールにたどり着いたのは次にサイコロを振り、6を出したソフ○ンだった。

 

「このくだらないゲームもようやく終わりか・・・・・・」

 

他の三人もふう、と息を吐いた。

 

「おめでとう。では、最後にそのマスに書いてある事を読んで見てくれ」

 

「何?」

 

ボー○ボに言われたとおり、ソフ○ンはゴールマスに書いてある事を読み上げる。

 

「最後に、参加者は全員この場で自分の名前を言ってゲーム終了」

 

「「「?」」」

 

他の三人はその言葉に首を傾げるが、とりあえずいう通りにした。

 

「北郷一刀」

 

「華雄」

 

「袁術」

 

それぞれ自分の名を言う中、

 

「・・・・・・」

 

ソフ○ンだけが無言だった。

 

「どうしたよ?さっさと言えよ」

 

「我が名は・・・・・・」

 

一刀が急かすが、ソフ○ンはやはり答えない。

 

「おい」

 

「オ・・・・レ・・・・は・・・・」

 

ソフ○ンは苦しそうに膝をついた。

 

「何だあ?」

 

一刀は訳が分からないと言ったかんじでソフ○ンを見ている。

 

「さあ!正しい名を答えろ!!」

 

ボー○ボがまるで追い討ちをかけるかのように言う。

 

「オレ・・・・の・・・・・名は・・・・・・」

 

苦悶の表情を浮かべながら、ソフ○ンが口にした名前は、

 

「・・・・・・左・・・・・・慈・・・・・・」

 

そうソフ○ンが口にした瞬間、ソフ○ンの身体から白い霧状の物が出てきた。

 

それは空中でバビロン神の形となり、再び霧になると天へと昇って行った。

 

「俺は・・・・・・」

 

そう呟く左慈は元の姿に戻っていた。

 

「終わりだ」

 

「・・・・・・な!貴様は!?」

 

ボー○ボの姿を見るやいなや、戦闘態勢に入った左慈だったが、

 

「鼻毛真拳超奥義!・・・・・・ワキチョップ」

 

ピシ・・・・・・とボー○ボのワキチョップを喰らった。

 

・・・・・・数秒後

 

「ぐはあ!?」

 

左慈は血を吐いて倒れた。

 

「それで!?」

 

思わず突っ込む一刀だった。

 

ぐにゃあ・・・・・・

 

その直後、世界が歪んだ。

 

 

 

 

世界はどんどん歪んでいき

 

 

 

 

一刀たちの意識も薄れていったのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

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一刀が意識を取り戻すと、そこは宮廷内の廊下だった。

 

辺りは真っ暗で、どうやら夜になっているらしい。

 

周りを見ると、華雄と美羽が倒れている。

 

華雄の服、そして一刀の着ている服は元通りの服装に戻っていた。

 

そして、

 

「お目覚めですか?」

 

声のした方に一刀が顔を向けると、そこには干吉と、縄でグルグル巻きにされて干吉に抱えられている左慈の姿があった。

 

左慈はまだ意識がないようだ。

 

「お前も元に戻ったのか?」

 

「ええ。あの術の解除方法は、本当の名前を言うだけでしたからね。戻ろうと思えば戻れますよ。しかし、左慈はやすやす言ってはくれないでしょうし、仕方なくあの世界に行ってもらったんですよ」

 

「どういう事だ?」

 

「あの世界では、マスに書いてある事は絶対にやる事になるんですよ。ですから左慈も、術が解けると分かっていても言うしかなかったんです」

 

「なるほど・・・・・・にしても、酷い目にあわせてくれたよな」

 

「すみません。悪ノリが過ぎているのは分かっていたんですが、私もあの姿だと色々抑えが効かなくなるんですよ」

 

「・・・・・・」

 

ジト目で干吉を見る一刀。

 

「ていうか、普通に攻撃してたけど暴力行為禁止だったんじゃねえのか?」

 

「参加者全員名前を言って、スゴロクは終わったんですよ?だから攻撃出来たんです」

 

「・・・・・・したたかな野郎だな」

 

一刀はふう、とため息をついた。

 

「ところで、霞と衛兵たちは?」

 

「いませんよ。私達が消えてから一ヶ月は経っていますからね」

 

「・・・・・・は?」

 

「いやあ、あの世界では時間の流れがとても早いんですよ。だから・・・・・・」

 

「それを早く言え!!」

 

「すみません」

 

一刀の言葉に、干吉は頭を下げた。

 

「では、私達はこれにて失礼します」

 

「ちょい待ち」

 

「?」

 

その場を去ろうとした干吉だったが、一刀に呼び止められてその足を止める。

 

「せっかくだからウチに来いよ」

 

「?」

 

「手伝ってやるって言ったろ?二人の愛の巣を用意してやる」

 

「・・・・・・承知しました」

 

そう言うと、干吉は左慈を抱えて暗闇に姿を消した・・・・・・

 

「さて、まずはどうするべきかねえ・・・・・・」

 

いまだ意識が戻っていない華雄と美羽に目をやり、頭を掻きながら一刀はそう呟くのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

正直、やりすぎたな〜〜と思っています。

 

普通にやってたら無駄に話数消費しそうなのであっと言うまに終わらせてしまいましたが、反省してます。

 

こういうネタは今回限りにしようと思います。

 

なので、そのぶん今回はやりたい放題しちゃったわけなんですがね。

 

今回のパロネタ、分かる人どんだけいるんだろう・・・・・・

 

まあ、打ち切りもいいところですが、これでようやく本編に戻る事が出来るので正直ほっとしてます。

 

それでは次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダブルハーケン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
早送り・・・・・・
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コメント
ZERO&ファルサさん:あれ出したらもう収集つかなくなりそうだったので・・・・・・(アキナス)
きまおさん:激しく同意(アキナス)
たこきむち@ちぇりおの伝道師 さん:やりすぎたと今は反省しています(アキナス)
Mr.ハリマエさん:強いて言えば一刀かな?華雄関係で・・・・・・(アキナス)
デュークさん:何気に最後の方まで出てましたよね?絶望の人(アキナス)
劉邦柾棟さん:天の助はあの三人の中では一番まともに思えるのは気のせいだろうか・・・・・・(アキナス)
本郷 刃さん:さてさて、どこまで進んだかな?(アキナス)
トゲトゲのやつは出てこなかったなあ。(ZERO&ファルサ)
華なんとかさんのファッションショー俺もみてぇぇぇぇぇ!ってかイラスト希望!(マテ(きまお)
↓うきつー。結局サジGETしたしー。いやー、カオス極まりなかった(たこきむち@ちぇりおの伝道師)
友情出演!・・・・・・か?結局のところ一番得をしたのはだれだったか?(黄昏☆ハリマエ)
華雄のファッションショー…全部見てみてー!!!…あと一刀、死にたいと思ったときはクッキーだよ!!…あ、賞味期限切れには注意してね。(デューク)
天の助wwwwwwwwwwwwww!?Σ(゚д゚lll)(劉邦柾棟)
一ヶ月ってマジですか!?色々と話が進んでそうですねwww(本郷 刃)
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