真・恋姫†無双  転生一刀劉璋録 第4話
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第4話  反董卓連合

 

 

 

 

黄巾の乱が終わり、1ヶ月が経とうとしていた。

その間に十常侍が洛陽で何進を暗殺、その後、洛陽に董卓が入った。

そして董卓は洛陽で悪政を働くと世間でそのような噂が流れていた。

その噂は蜀の劉焉の方にも届いていた。

 

「………」

「父上、軍を出さないのですか?」

 

当然、そのことは一刀の耳にも入っていた。

 

「璋か」

「父上、董卓の悪政はこの蜀にも届いています。そして反董卓連合の誘いの手紙も来たと……」

「それがどうした?」

「え?」

「儂は連合には参加する気はない」

「何故ですか? ここで参加すれば、父上の名は大陸に広まります」

「だがそれだけだ。それ以上に得られるものはない」

「ですが!」

「くどい! 儂は行かんからな!

もしお前が行くと言うのなら、連れて行っていいのは、張任、法正、黄権……、それにお前が黄巾の乱で連れ帰った旅芸人の協力で得た兵士のみだ!」

「十分です」

 

一刀は玉座の間を去る。

 

「璋、お前は見えてない。人の悪意を……」

 

一人になった劉焉はぼそりと言った。

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中庭では綾達、蜀の将がいた。

 

「一刀!」

「話は纏まったのかしら?」

「纏まったと言えば纏まったし、纏まってないと言えば纏まってない」

「どういうことじゃ?」

「父、劉焉は反董卓連合には参加しない」

「なんですと!?」

「だが俺が行くこと自体には反対しなかった。

ただし条件として連れて行けるのは綾に美咲に千歳、それに天和達のおかげで徴兵された人達だけだって……」

「……となると行けるのは若頭と若頭直参と言ったところかの……」

「そう言うことになるわね」

「それで行くのか? 一刀……様……」

 

少しどもる焔耶。

 

「ああ……、それに……前に父上は言っていた。見聞を広めてこいって……」

「また見聞を広めるのですね」

「そうだな……、綾、美咲、千歳はどうだ?」

「ついて行きましょう、一刀は幼馴染であると同時に我が主です」

「私も…まだ世界を見ておきたい」

「というわけで全員賛成ね」

「そうか……ありがとう」

「あとは天和達に会って事情の説明ね」

「そうだな、それじゃあ準備していこう」

「一刀様」

 

紫苑が呼び止める。

 

「ご武運を……」

「お主達もじゃぞ」

「生きて帰ってこい」

「分かってるわよ」

「行ってまいります」

「生きて帰るわ」

「ああ、行こう!」

 

そして一刀、綾、美咲、千歳は準備をし、反董卓連合の方へと向かう。

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一刀達は反董卓連合の集まっている場所へとやって来た。

 

「おーーほっほっほっ!!」

「なんだ?」

 

一刀が連合に着いた時にいきなり大きな笑い声が聞こえてくる。

 

「あなたが劉焉の名代ですわね」

「失礼ですが、あなたは?」

「まあ、私を知らないですって!

ならば教えて差し上げましょう!

私こそ、河北、いえ、大陸でも名を馳せている袁本初ですわ!」

「あなたが…袁紹」

「そうですわよ!」

「それは失礼しました。それで先ほどの話ですが、名代……というにはだいそれてますな。劉焉はこの連合には参加しないことを決め、ここには俺が独断で来ただけです。

……ですから我々は劉焉の名代ではないと思っていただきたい。それと名乗るのが遅くなりました。俺は劉璋、字は季玉です」

「ではなぜこの連合に参加したのかしら?」

 

そこに別の女性がやって来る。

 

「あら、華琳さん、何の用かしら?」

「麗羽に用はないわ。そこの劉璋に用があるの」

「俺に?」

「ええ、それとあなたは私も知らないのでしょう?」

「まあ……」

「さすがは蜀にずっと住んでいただけあって、田舎者ね」

「!!」

 

綾が思わず剣を抜こうとするが、一刀が手を前にして止める。

 

「躾がなってないのかしら?」

 

そこにその女性の軍師と思われる少女がバカにして来る。

 

「家臣が主を貶されて怒るのは当然だ!」

「落ち着け、綾。悪いのはこちらだ。それで袁紹の時のように失礼だが、あなたは?」

「このお方を知らないなんて……田舎者ね」

「それはもう承知しています」

「まあ教えてあげるわ。私は曹孟徳よ。覚えておきなさい」

「曹孟徳……、曹操で間違いないですか?」

「ええ、名前は知っていたようね」

「まあ名前くらいは……」

「そう……」

「それで俺に用と言うのは……」

「ええ、あなたはなぜこの連合に参加する気になったのかしら?

あなたの父であり、蜀の王である劉焉は参加する気はないと聞いたのだけれど……?」

「確かに父は参加する気はなく、今回俺がここに来たのも俺の独断と言ってもいいです」

「ならばなぜ?」

「単純な人助け……、それですかね」

「人助け?」

「その通り。董卓が悪政を敷いていると聞き、そしてその董卓を止めるために結成された反董卓連合、それに参加すれば人助けになると思ってね……」

「…………」

「華琳様?」

 

曹操は黙っていた。

 

「あなた、とんでもないお人よしね」

「そうでもないと思っているんだけどね……」

「ええ、お人よしで……バカね」

 

そう言って曹操はいなくなった。

 

「バカか…」

「どういう意味でしょうか?」

「ここに来ておおよその検討はついたさ」

「?」

 

それからしばらくして、軍議が開かれたがそれは酷いものであった。

その軍議の内容の最初はだれが反董卓連合の盟主になるかであり、話し合い(ほとんど呆れた状態で)の結果、袁紹となった。

その袁紹の作戦は正面から巳水関と虎牢関を攻めると言うものだだった。

しかし巳水関も虎牢関もそこに配置されている董卓軍は多いうえに、どちらも正面からでは簡単には落とせないのだ。

そして巳水関、虎牢関を攻めるための先陣などの順番を決める時に色々揉めた。

その軍議の中、一刀は思った。

 

(なんてことだ、ここにいる袁紹と袁術は自分達の事しか考えてない……)

 

父の劉焉が参加しなかった理由の一つを一刀は悟った。

 

軍議の結果、劉備の部隊が先陣を務めることになった。

それから孫策の部隊は劉備の補佐をすることにもなった。

そして一刀の部隊はと言うと……。

 

「………」

「一刀様、美咲、どうだった?」

「最悪だ」

「最悪?」

「俺達は……先陣だ」

「それのどこが最悪なの?」

「俺達は巳水関、虎牢関、どちらも先陣だと言うことだ」

 

そう一刀達は常に最前線だ戦わせられると言うことであった。

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一刀達は劉備、孫策軍と共に先陣を切っていた。

 

「相手は巳水関から出てきませんね」

「このままでは……」

「こちらに被害が出るのは目に見えてるな」

 

諸葛亮、周瑜など劉備軍、孫策軍の軍師達が声を漏らす。

 

「だが、巳水関にこもっているのは華雄だ」

「華雄ね……」

「何かあるのか?」

 

一刀が周瑜、孫策に尋ねる。

 

「私の母様と少し……ね」

「なるほど、じゃあ、華雄をおびき出すのは……」

「私に任せてね」

「そうか、だったら俺達は少し離れた場所で伏兵で待つとするか」

 

一刀達はそう言って少し離れた。

それからすぐに華雄は孫策の挑発に乗り、巳水関から出てきた。

そこを孫策、劉備軍の二軍が叩く!

 

「よし、俺達も行くぞ!」

「おおおおお!!」

 

そして一刀達は華雄など有力な将がいなくなった巳水関攻めていく!

 

「でやっ!」

 

一刀が抵抗する最後の兵を斬り倒す。

 

「巳水関制圧お疲れ様」

「劉璋さん、強いんですね」

 

孫策と劉備が一刀にねぎらいの言葉を言いに来たのか一刀の所にやって来る。

そこで二人は見た。一刀が泣いている姿を……。

 

「劉璋さん?」

「あなた、何故泣いてるの?」

「人が死んだんだ、泣くのは当然だろ」

「けど、これは戦よ。敵を倒さなければこちらがやられて、もしかしたらあなたも死んでいた」

「そうだな……、それでも命が失われることは悲しいんだ…」

「…………」

 

一刀はそのまま自分の部隊へと戻っていた。

 

「………」

 

その様子をただ黙って見ていた劉備。

 

「劉備?」

「桃香様、どうかしたのですか?」

 

そこに関羽や張飛、劉備の家臣達もやって来た。

 

「お姉ちゃん、考えこんでどうしたのだ?」

「愛紗ちゃん、鈴々ちゃん、私って……酷い人なのかな?」

「え?」

「何をおっしゃられます! 桃香様は民の為に立ち上がり、そして我らの上に立たれたではないですか!」

「けど、私は死んだ人たちに対して…泣いたことがない」

「桃香お姉ちゃん…」

「けどあの人は……劉璋さんは違う。あの人は味方だけじゃなくて敵に対しても泣いてた…。

あの人は本当に人のことを考えてると思うの。それに比べると私は……」

 

一刀の行動に考えさせられる劉備であった。

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反董卓連合は虎牢関へと進んでいた。

虎牢関の門の上には呂布、張遼、華雄、軍師の陳宮が虎牢間前に集まる連合兵を見て驚き、張遼は籠城するかそれともと思った矢先、華雄が勝手に飛び出してしまった。

 

「あんのぉ猪……!!」

 

張遼が華雄の安易な行動に怒る。

 

「……出る」

「呂布どの!」

 

華雄が出てしまった以上自分も出るしかないと判断した呂布は自分も出陣しようとし、陳宮が反対しようとする。

 

「しゃあないやろ! せめて華雄を引きずり戻さんと、月に会わせる顔が無いわ! 陳宮は関の防備、しっかり頼むで!」

「わかったのです!」

 

敵が虎牢関から出てくる様子を美咲は呆れたように言う。

 

「出てきたわね。巳水関の時と言い、連中は籠城戦を知らないのかしら?」

「それがあの華雄って人なんでしょうね」

「何はともあれ、これでやりやすい」

「ああ、行くぜ! 皆!」

『応っ!』

 

虎牢関を先に攻めるのは袁紹、曹操、そして一刀の軍である。

袁紹の方は兵数は多いものの将があまりいないためかそこまで強いかと言われるとそうではなく少々劣勢を強いられたが、曹操の方は兵こそは袁紹よりは劣るものの数では連合の中では二番目の多さであり、また将も優秀なのが多いため、袁紹軍の劣勢も巻き返せていた。

そして一刀の軍は……。

 

「はあっ!」

「えい!」

「せいっ!」

「たあっ!」

 

千歳、美咲、綾、そして一刀の働きや天和達によって徴兵された兵達もなかなかに鍛えられていた為に曹操軍のようにさほど苦戦することなく董卓軍を押していく。

 

「このままいけるわ!」

「油断しないで!」

「ここには呂布がいる!」

 

呂布の名は蜀の方に届いており、その力もかなりのものであると大陸中に轟かせるものだった。

 

「けれどその呂布は?」

「……あそこだ!」

 

呂布は撤退しようとした仲間を守るために殿をしていたようで、その呂布に戦いを挑んでいたのは袁紹軍の顔良と文醜、劉備軍の関羽と張飛と趙雲であった。

いずれもそれぞれの軍ではかなりの強者。その五人を相手にしているのにもかかわらず呂布は余裕を見せていた。

 

「お前達、弱い」

「なんだと!」

「これ以上……無駄」

「無駄かどうかは分からないぞ!」

 

そこに一刀が乱入し、上から刀を振り下ろす!

 

「!」

 

呂布は方天画戟でそれを防ぎ、一刀はすぐに後ろに下がる。

 

「一刀様!」

「ここは我々が…」

 

すぐに綾と千歳もやって来る。

 

「呂布、いくらおまえでもこれだけの人数、相手には出来ないはずだ」

「………」

 

一刀ははったりをかます。

正直なところ、これだけいても呂布に勝てるかは分からない。

万が一呂布に勝つことは出来ても犠牲は大きいだろう。

しかし呂布は戦うのをやめ、すぐに撤退した。

 

「待て! 逃げるのか!」

 

関羽が追おうとしたが、陳宮が火矢で呂布の撤退を援護したために呂布を追うことは出来ず、断念するしかなかった。

 

「くそ!」

「仕方ないさ、だがこれで虎牢関は落ちた」

 

一刀達の前には連合軍によって落とされる虎牢関があった。

そして一刀はまた涙を流していた。

その涙は呂布と戦う前から既に流れていた。

呂布が撤退した理由、それは一刀の涙にあった。

 

「………」

「恋殿、どうしたのでありますか? 泣いておられますぞ」

「え?」

 

撤退の中、呂布は陳宮に言われて自分が初めて泣いてることに気づいた。

 

「まさかどこか怪我を!?」

「……ううん、怪我、してない」

「ではなぜ?」

「………分からない」

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それから反董卓連合は洛陽に入場。

既に董卓の姿はなく、戦いは反董卓連合の勝利に終わり、一刀も国へと帰っていった。

 

「結局得られるものはなかったわね」

「けれどこちらの兵が一人も失われなかったことは奇跡と言ってもいいわ」

「ああ、それこそ我らが得たものかもしれないな」

 

千歳、美咲、綾が健闘をたたえあう。

それを黙ってみる一刀。

 

「一刀?」

「どうしたの?」

「どこか具合でも悪いのですか?」

「いや、そうじゃない。ただ……俺、見えた気がしたんだ」

「見えたって……」

「何を?」

「……………人の悪意………」

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おまけ

 

 

作者「第4話でございます」

一刀「きちんとした1週間だな」

作者「一応、全部書いたからな。投稿できるさ」

一刀「それで今回、ここで書くことは?」

作者「『ソードアート・オンライン』と言う作品を知ってるか?」

一刀「絶賛放送中のアニメだな」

作者「俺は原作見たことないけど、アニメは見ている。

そんで今週ニコニコで公式配信の第14話で第1部が終わるんだよな。

けど俺が見た限り第14話のあの終わり方、もしもあれで完全に物語を終わらせるならって思いついたんだよな」

一刀「要するに書きたいんだな?」

作者「うん」

一刀「節操ないな」

作者「俺はやりたいようにやりたいんだ。けど、それだとSOAでやるのはどうかと思うから、他の作品の劇かオリジナルでやろうかなと思う」

一刀「『そらのおとしもの』でやる気か?」

作者「それもありだな。劇だろうとオリジナルだろうとボスキャラは俺の分身である秋山にやらせようと思う」

一刀「なぜだ?」

作者「ボスらしい雰囲気を出したいからな。ってもほぼモデルがギルガメッシュになるけど・・・」

一刀「だったらギルガメッシュにしろよ」

作者「チート的なのを考えると秋山がいいさ。

まあ、とりあえずこんなもんかな。連載中てか、この話の後か次くらいにでも投稿できるように書こうかな。

でも色々やってるからな。まあ予定は未定ってことで…。

それでは!」

説明
この作品は作者が最近見かけている「転生もの」の影響を受けて書いたものです。
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コメント
きっとこの外史の袁招と曹操と桂花は馬鹿なんでしょう、それなら納得ですし、この三人は後でギャフンと言わせて欲しいね(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
BLACKさん、その言い訳は流石にどうかと……。いささか見苦し過ぎるのでは?(Daisuke)
いつもはここではコメントしませんが、あえてします。この作品では皇帝=劉家とは限りません。てか恋姫本編を見ても特にそんなこと言ってなかったし・・・。(アニメで桃香の剣がどうとか程度だし)ですので、あまり気にしないでもらいたいと言うのが本音です。それと一刀は他人の態度はそこまで気にしない性格になってます。(BLACK)
いくら前漢の血統だからって、劉璋は列記とした皇族なのにすごい対応ですね。袁紹と曹操、ついでに荀ケは不敬罪で十分死罪にできますよ。だからこの場合、一刀はむしろ漢の皇族として毅然とした態度をとるべきでしたね。(h995)
官職がどうなってるかはわかりませんが、劉家の人間にあの態度は…一刀はちゃんと丁寧に応対してるだけに、華琳や麗羽の態度はどうかと。陣に帰って身内だけの場で嘲るならともかく(吹風)
なぜ劉家の人間に、袁紹も曹操も上から目線なんですか?おかしくないですか?(nao)
袁紹がいくらバカでもいきすぎじゃないですか?父の劉焉は皇帝になる可能性もあった人物、いくら名家とはいえここま上から目線になりすぎだと違和感があります。家柄や血筋にこだわる恋姫の袁紹だと余計に(にっこり)
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