〜　第３４話 †再び旅立ちへ†　〜

黄忠と厳顔の二人を邑へとやって数日が経った

何回かあの二人がきたが気の質が分かったので

辿り着けないように細工しておいた

あれだ某無双ゲームのように特定の事しないと駄目なように

これが○明の罠だ！的なものを・・・

同じところをグルグルと周るし、俺に会えないと分かったのか

最後の方は泣きながら（主に黄忠が）帰っていったけどな

厳顔に至ってはお酒の恨みは後が怖いぞと脅していった

今度会うときがあったならお酒渡しておこう・・・

いきなりあの金棒で攻撃されるのはもうコリゴリだ

「さて、雪華（せつか）さん」

「がう？（なんじゃ？）」

「実はもうこの聖域安定してるでしょ？」

「が、がうー？（わっちはきこえないきこえないー）」

ちび虎格好で耳塞いで顔を背ける雪華さん

くそ・・・今こそ人化してればどんなに可愛いか・・・

「そんな事しても俺と雪華さんと聖域は共有してるんだから

　意味がありません」

「がうがうー・・・（だって、わっち一人お留守番とか寂しいんじゃもん）」

「じゃもんって・・・そんなモフモフ尻尾で可愛く言っても駄目です」

「がうーがーう・・・（分かったでありんす、定期的に帰ってきてくりゃれ？）」

潤んだつぶらな瞳が俺の心をかき乱す！！！！

これに耐えて勝たなければ・・・明日が見えん！！

チビ虎雪華さんの頭を撫でながら俺は言ってやる

「俺が帰ってくる場所はここしかないよ

　だから俺は必ず帰ってくる・・・だから・・・

　いつも『おかえりなさい』と言って欲しいな・・・」

俺がそういうとチビ虎雪華さんは器用にため息をつきながら

「がうっがうっ（くふっ・・・ほんにわっち使いが荒い息子じゃな）」

尻尾がブンブンと動いてたのでとても嬉しいと分かってるんだが

ここはあえて見ないフリをしておいた大人だからな

そんなわけで、数日もしない内に俺はここから旅立つだろう

目の方もぼやけてたのがだいぶ見えるようになってきた

何故か色素を判別できなくて白黒映像だが、時間が経てば全快はすぐだろう

問題としてはどこへいくか・・・

個人的には西涼（せいりょう）方面の馬騰（ばとう）か北の丁原（ていげん）をみておきたい

片方は英雄・・・もう片方は呂布（りょふ）が目当てだな

まっ・・・今は雪華さんと食べる料理を堪能しておくか