Nobody is in my heart without you. ep4 |
おや、いらっしゃい。またお会いしましたね。近頃は台風が吹き荒れたと思えば猛暑に見舞われたりと、秋の空らしく天候が不安定な日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
これで何度目でしょうか。彼に関する話は、それこそ山のようにありますが、やはり楽しくて仕方がありません。まぁ、今は笑い話に出来るというだけで、中々楽しいことばかりでもなかったんですけどね。まぁ、それは追々話すとして。
さて、以前は彼女の元に新しい付き人が訪れたところまで、でしたね。その後、二人の関係がどのように変化していったのか、そろそろ始めるとしましょうか。
これは、世界の次元すら越えて出会った、とある二人の男女の、物語です。
…………
……………………
………………………………
―――『英雄』とは、どのような存在だろうか?
十人十色、千差万別であろうこの問いに、俺はこう答える。『人の心に残る何かを成し遂げた者』だと。
英雄譚と言えば、えてして多くの人間を救い幸福な世を勝ち取る、という結末が大半を占めている。そして『多くの人間を救う』という結果に行き着く手段も、それこそ英雄の数だけ存在すると言っても過言ではない。一騎当千の如く戦場を駆け抜ける。不治と謳われる病の治療法を確立させる。政変により悪逆非道の暴君を玉座から爪弾く。俺がぱっと思いつく程度でもこれほどの方法が思いつくのだ。世には俺以上の賢者なんて大勢いるだろう兎に角、俺が知る『英雄』という単語が持つ意味合いを、俺の答えは全て満たしている。まぁ、俺自身が導き出した答えならば、満たしていて当然なのだが。以前に話した、俺にとっての『英雄』、特撮作品の主人公や両親、歴史上の偉人や傑物、いずれも皆、俺の心に深く根強く刻み込まれている。人心に残れば口頭にしろ見聞にしろ文面にしろ、伝承という形をもって、自ずと後世にその名は広まっていく。それは悪党、俗にいう反英雄もまた然り。彼らの所業は恐怖や災厄として、人の心に癒えることのない傷跡を残していく。
そして、あの日であった彼女もまた、その一人だった。
何事も渓流のように徐々に削り取ってしまう時流の中にあって尚、あの日あの時の経験は、俺の記憶の中枢で決して色褪せる事無く息づいていた。子供心ながらに、世に愛情を謳った作品が有り触れている理由が理解できた気がした。そして、鼓膜に焼きついて離れなかったその名前を調べて、その生涯と結末を知った。
曹真子丹。史実では曹操の甥にあたり、魏国の重鎮として曹家三代に仕えた宗室の筆頭格の一人にして後に大司馬、現在でいう国防長官の地位まで上り詰めた、義侠心に溢れる傑物。若い時に従弟の曹遵や同郷人である朱讃が早くに亡くなってしまったことを憐れみ、その子らに自身の封地を分け与えることを明帝に願い出るなど、自らの幼い頃の苦労と重ね合わせたように情で報いている。また、恩賞が足りない者がいれば、自らの財産を与えるなどした。このため、曹真は将兵から人望が厚く、その率いる軍の団結力も強固なものであったという。肥満だったため、呉質から酒宴の席でそのことをからかわれて激怒し、このとき同席していた王忠や曹洪にも冷やかされたが、後に曹洪が文帝の不興を買い罪に問われ逮捕されると、これを弁護した、という逸話もある。公明正大にして聡明、しかし才能や運勢に恵まれず、諸葛亮や司馬懿によって彼、そして彼の一族の名声には不遇の影が落とされることになるのだが、それはまた別として。
彼女が、死ぬ。既に1000年以上も前の人物なのだ、それは不変の、そして当然の事実なのだが、
「納得、出来る訳ねぇよなぁ」
それは、実際に彼女に会って、言葉を交わして、想いを抱いたからこそ、なのだろうか。成程、多くの名も知らぬ罪なき大勢と、たった一人。数多くの((英雄|主人公))が天秤にかけた訳だ。『何を馬鹿な真似を』と落胆していたあの頃の俺を殴り飛ばしたくなる。理解と納得は違う。それをこの上なく思い知らされた。
だが幸か不幸か、それを打破できる手段を、俺は持ち合わせていた。葛藤も、躊躇も、螺旋のように渦巻いて、黒雲のように飽和して、それでも、俺はその道を選ぶことにした。その結果、何が待っていようと、何が起ころうと、俺はその道を選ぶことにした。
だって、そうだろう?
「守りたいって、思っちまったんだから」
…………
……………………
………………………………
「はぁ……」
それは、実に盛大な溜息だった。
ありとあらゆる不満の類を煮出して煮込んで煮詰めたような濃度の高いその吐息は、紫煙を吹かしたそれに酷似しているようでもあった。
「華琳様、どこかお加減でも?」
「いいえ、身体はすこぶる健康よ」
徐州は瑯邪郡にそびえ立つ城、その自室。似つかわしくない、似合わないと解りながら、口をついて出る吐息はこれで何度目だろうか。何となく十まで数えてみて、そうしている自分が馬鹿らしくなって、考えるのを止めた。思えば、私が自ら思考を停止させるなんて、いつ以来だろうか。
「はぁ……本当に、あの男ときたら」
「あぁ、王双殿ですか」
共に昼下がりの読書に耽っていた秋蘭も合点がいったのか、紙面から視線を上げてそう言った。
あの日、春蘭との決闘騒ぎから、今日で5日ほどが経過した。件の『あの男』、王双子全は今のところ平穏無事につつがなく従者として華陽姉様の側についている。それはもう一昼夜、四六時中、ずっとだ。流石にお互いが異性という点は弁えているようで、当たり前だが姉様も風呂や着替えの際には近づけたりしていない。異性の側近ということでそこが狙いだったのかと勘ぐりもしたがあの男、姉様に対して『そういう』素振りを一切見せないと来た。
『私は、あくまで従者ですので。主の意志に従うのみです』
拍子抜けというか、余りに反応が淡泊なのが却って気になった。自ら側近を名乗り出た以上、あの男は姉様に対して何らかの正の感情を抱いているはずだ。少なくとも『近づきたい』ぐらいには。
「確かに、不思議な御仁です。あの黒い眼鏡も手伝って、中々心中が読めません」
「貴女の目でもそうなのね。というか、もう自然にあの男に対して敬語を使っているのね」
「気に障るようでしたら、改めますが」
「構わないわ。一人の武人として、何が感じるものがあったのでしょう? 春蘭も、相変わらずのようだし」
敗北を喫して以来、春蘭は文字通り燃え上がっていた。普通なら最低でも一月は休養が必要なはずの怪我はわずか一晩で完治し、暇さえあれば模擬剣片手に練武場へ。より枷を積んだ鍛錬を重ね、そして再び王双に挑んでは負けている。ひたすらその繰り返し。そう、繰り返し。
「未だに白星は一つもなし?」
「はい。あれから毎夜毎夜、傷をこさえて帰ってきます。それも、随分楽しそうに」
傍から見れば延々と『悔しい』『次こそは』と零しているだけなのだが秋蘭曰く、両目が以前よりも遥かに輝いているとのこと。姉馬鹿の領域まで至っている彼女の言葉だ、そう言うならばそうなのだろう。実際、今まで指南を乞うてきた者達とは違い、アイツは一切の容赦をしない。先日、その様子を覗き見たことがあるが、あれは下手をすると指南ではなく一方的な、一種の暴力にすら感じられた。あの時、余りに見ていられなくて咄嗟に間に入ろうとしたのだが、
『止めないで下さい、華琳様っ!!』
初めてだった。春蘭が私に『頼んだ』のは。あの時の目を、私は未だに忘れられずにいる。標的を目前にした猛禽のようとも、玩具を与えられた子供のようとも窺えたあの瞳は、十年来の付き合いになる私でさえも見知らぬ顔だった。
「今までずっと、存分に力を振るえずにいたものね。全力を受け止めてくれる相手ができて、じゃれつきたい一心なのかしら」
「言い得て妙、ですな。でなければ、あれほど執心もしないでしょう。それが私でなかったのは、少々残念ではありますが」
どんなに優れていようと、どんなに強かろうと、やはり今の私達は成長途中の幼い身空だ。未だ理解と納得が相反する事態も少なくない。施政者としてはまだまだ未熟。旗印など、以ての外だろう。
そう、いつかの旗揚げの為の準備期間。全力疾走の為の助走区間。知識を、経験を、より多く、より高く積み上げるべき時期。それが、私達にとっての今。現状に満足することなく、文武共に邁進しなければ。
それを考えると、
(あながち、あの男の存在は私達にとって悪くもないのだけれど)
それでも、やはり、どうしても、
「はぁ……」
幼い頃より共にあった従妹の側に、ある日突然現れた異性。気にするなという方が、難しいというものだった。
…………
……………………
………………………………
同じ頃、当の本人たちはというと。
「ここが、私達がよく利用する本屋ね。珍しかったり玄人受けする本を扱ってる事が多いから、お城の書庫で物足りなくなったらここに来るといいかもしれないわ」
「成程」
二人は今、連れ立って城下町の喧騒の中を歩いていた。会話の内容から概ね想像はついただろうが、この町を訪れたばかりの王双を曹真が案内しているのである。
時刻は間もなく正午、という頃合いだろうか。頭上に仰ぐ日輪はほぼ真上。皆が労働の小休止に賑わう昼食時。多くの人が行き交う大通りの只中にあって尚、やはりその筋骨隆々な体躯は目立つことこの上ないわけで、
「おや、曹真さ―――ま゛っ!?」
「おっ、お館さんとこの御嬢さんじゃねぇか。今日はどんな御用―――でっ!?」
「あ、おねえちゃん。きょうはどうし―――う、うぇぇぇぇぇん!! こわいよぉぉぉぉぉ!!」
「…………あ〜」
施政に携わっていると麻痺しがちな感覚だが、文官は兎も角、腕前を評価されて登用される武官には体格に優れていたり強面だったりは別段珍しい事ではない。増してや私達は幼少の頃からそんな人達に囲まれて育ってきたから一定以上の免疫があるのだけれど、
(王双って、私達から見ても結構吃驚したものね)
そんな自分達でも初対面の時は声をかけるのを渋る程に、彼の外見は非常に近寄りがたい印象を受ける。丸太のような双腕。風を切る肩幅は下手をすれば私の倍近くだろうか、上背も手伝って角度によっては私が完全に彼の影に覆い尽くされてしまう事もあった。そして彼の顔つきも一因でこそあるが、一番の要因は、
「ねぇ、王双?」
「はい、何でしょうか?」
「その、さんぐらす、だったかしら、それは外せないの?」
彼の話によれば、どうやら視界に入る日光をある程度緩和するらしいその黒い眼鏡が、筆舌し難い圧力というか、威圧感というか、そういった類の雰囲気を彼に纏わせている。その製造法もさることながら、彼は常日頃からそれを決して外そうとしない理由が、どうにも解らないままでいた。
「これはまぁ戦闘中に視線の動きを悟られないよう、という意味合いもありますが、私自身の趣味や拘りみたいな部分もありますので、別に『外せ』と言うのでしたら、構いませんが」
ふむ、どうやら別に必ずしていなければならない訳ではないらしい。となれば、出来る事なら外して貰いたいとは思うし、
「ちょっと気になるのよね。貴方の素顔って、まだ見せて貰った事、ないじゃない?」
「そう、ですね。では、少しだけ」
そう言うと、ゆっくりと彼は黒眼鏡に手を伸ばす。ゆっくりと外し、瞼を開くと、
「…………」
「……あの、何か言っていただけませんか?」
「えっ!? あ、いや、えっと、もう、いいわ、うん」
ちょっと、意外な素顔だった。思いのほか、瞳が大きかった。てっきり切れ長の三白眼みたいなのを想像していたのだけれど、そんなのとは丸っきり正反対で、早い話。
(ちょっと、可愛かった)
「……曹真殿?」
「ぷっ、ぷふっ、ちょっと、待ってて」
身体を屈め肩を震わすのは決して恐怖などではなく、内から湧き上がる笑いを堪えているからである。はっきり言って、物凄く優しい目をしていたのだ。外す前と後ではえらく違和感を覚えるほどに。
「そ、それって、自分でかけようと思ったの?」
「いえ、友人の勧めですが」
名も知らぬ彼の友人は、本当にいい仕事をしてくれたと思う。これだけ体格に恵まれながらあの両目では確かに色んな意味で『台無し』だ。こと武官においては外見にしろ風評にしろ、相手に恐れられるというのも一つの利点である。
「あははっ、貴方って本当に見かけによらないのね。私、この間から驚かされっ放しよ?」
眼鏡を戻しながら、私の態度の理由がしっくりこないのか、微かに眉を顰め首を傾げる彼を見上げて、私は思う。
ここ数日、彼には試用期間という事である程度の身の回りの世話を任せてみる事にした。そこで解ったことは、彼は予想していた以上に人間臭い、ということであった。出会い頭の腕立て伏せや堅苦しい言葉づかい。春蘭を僅か一撃で沈ませる圧倒的な実力と、未だ拙い少女相手に恭しいにもほどがある包拳礼。彼はきっと、四角四面の武一直線な堅物なのだろうと、そう思っていたのだが、
「お茶を淹れさせれば温度も時間も飲み易いように調節する。掃除をさせれば放っておいても隅々まで綺麗にやっちゃうし、書簡の整理は大きさから内容まで完璧に揃えたり。貴方、ひょっとして侍従や文官の経験もあるの?」
「まぁ、皆無ではありませんね。文官の経験と言うよりは机仕事の、と言うべき程度のものですが。家事は祖父母に教わりました。両親は共働きで、帰りは常に遅い人達だったので」
「へぇ、その歳で祖父母が健在なのね。いいことだわ」
どうやら学舎にも通っていた経験もあるとのこと。最低限かと思っていた教養も中々のものだったし、字なんて下手をすれば私よりも上手いかもしれない。
見れば見るほど、聞けば聞くほど、知れば知るほど、興味が湧く。華琳も、春蘭や秋蘭と出会って間もない頃は、こんな感覚だったのだろうか。近しくなるための、親しくなるための、最初の手順。未知をなくしていく快感は何事にも共通する。新しい字を覚えたり、数式を解いたり、仕組みを知ったり、それと同じだ。幼い頃の、何物にも代え難いこの快感。忘れた頃にふと思い出すそれは、胸の内を擽るそれは、好奇心という導火線に小さな小さな火種を灯す。
「……失礼ですが、曹真殿?」
「ん? 何?」
「曹真殿は、一体私を何歳だと?」
「え? えっと、う〜ん……」
どう答えたものだろうか。女性ほどではないが、男性も諦観の境地に至るまで、老けて見られるのは嫌がる人は少なくないと聞いたことがある。が、当然ながら妥当に見られた方がいい人もいるそうで、所謂千差万別というやつなんだろうけど、
「25、くらい?」
「……やはり、ですか」
あれ、間違えた? 外見や言葉遣いから察するにそれくらいかと思っていたのだけれど。
「そこから8、引いてください。それで丁度、です」
「8……え゛っ!?」
今度は、私が驚く番だった。25-8。数字を知っていれば子供でも導き出せるその正答によれば、
「年、下?」
そうなのだ。信じられないことだが、彼がこの世に生まれ出たのは私よりも後ということになる。
「……老け顔もここまで来ると凄いわね」
「自覚は、あります。どうやら昔から年齢以上に誤解されることが多くて……10代前半の時点で、もう普通に酒を買っても何も言われなくなっていました」
「あ、あはは……」
呆然、である。今になって思い返せば、叔父様は彼に『同年代の異性』という代名詞を用いていた。
失敗を誤魔化すように零れる笑いを厭いもせず、彼は苦笑の吐息と共に肩を軽く落とす。恐らく今までもこういった誤解は、それこそ呆れるほどに受けてきたのだろう。纏う空気から『仕方がない』という心の声が聞こえたような気がした。
「ご、御免なさい」
「いいえ、構いませんよ。何も悪いことばかりではないんです。ただまぁ、それを受け流せるには、もう少し老いが必要なんでしょうけど、ね」
「…………」
「……如何しましたか?」
「……ううん、何でもないわ」
つくづく、見かけによらないと思う。先日、厨房で前掛けを付けながら兵達に料理を振るっているのを見た。この間、中庭の木の上から降りられなくなっていた子猫を助けて懐かれ、今でも時折、自分の食事を分け与えているのも知っている。そう、私が勝手に思っていた以上に、彼は人間臭くて堪らないのだ。
不思議だ。これほどすんなりと他人を受け入れたのは何年振りだろうか。城に住む皆は大抵、私の境遇を知っている。血の繋がりのない、元戦災孤児。明確に拒否された覚えはないが、やはり他人との一線は確かに感じてしまう自分がいて、あの城の中で何処か明確な居場所を見出せないままに、私はいた。語尾を過去形に出来るのは、言わずもがな『あの子』のお蔭だ。あれ以来、やはり会えてはいないけれど、私自身に大きな変化を齎してくれたのは間違いない。でなければきっと、私は今でも『独り』だった。華琳達だけでなく、ひょっとすると義父様とも、解り合える日が訪れることはなかったかもしれない。
「それじゃ、お昼食べたら続き、行きましょうか」
「え、えぇ」
歩き出す一歩。それは互いに、心身共に。気付けばほんの少し、距離は縮まって。
「何か、希望はあるかしら?」
「私は、別に何でも構わないのですが」
「それは駄目。こういう時の『何でもいい』って、一番性質の悪い答えなのよ?」
どうしようか。炒飯に餃子、麺に点心。これだけの身体で、しかも育ち盛りだ、きっと食べる量も人一倍だろう。思いつく限りの食事処、その採譜を思い出して、何を食べさせてあげようかと考え出して、
「―――曹真様、こちらにおられましたか!! おぉ、王双殿も」
私達を呼び止めたのは、街の警邏をしているはずの兵士だった。特に焦っている様子はないので緊急の用件ではないだろうが、態々私達を探していたと言うことは、
「城で、曹嵩様がお呼びです。王双殿も、ご一緒に来るように、との事です」
概ね、予想通りだった。私達を直接呼び出す人物などそう多くない。ましてや兵達を遣いに出せる立場など。
「解ったわ。取りあえず、私達お昼がまだだから、その後でもいいかしら?」
「えぇ。特に緊急の招集ではないとのことですので。では、確かにお伝えしましたので、私は職務に戻ります」
「お疲れ様でした」
再び雑踏の中に消えていく兵士を見送って、私達は再び、休憩時間で賑わう繁華な通りへと紛れていくのだった。
…………
……………………
………………………………
で、兄さん。本気なのか?
―――ん? 何のことだ?
例の件だ。まだあの娘達には早すぎないか?
―――遅かれ早かれ、誰もが経験する事だ。この家に生まれたなら、誰もが、な。
それは、まぁそうだが、
―――お前は優しいからな、愛娘を危険な目に合わせたくないのも解る。俺だって、叶うならあの子に何のしがらみもなく生きて欲しいさ。
…………。
―――だからこそ、アイツを付けたんだ。それに、華琳にはあの二人もついてる。大丈夫、切り抜けるさ。俺たちの子供だぜ?
そう、だな。心配のし過ぎ、なのかもしれない。
―――それがお前の長所でもあるんだがな。子供なんて、いつかは親の手元を離れていくもんさ。時間ってのは、流れるもんだ。堰き止めたって、いつかはそのツケが来る。
あぁ、確かに。
―――それに、そんな難しいことでもないしな。……受け入れられるかどうかは、アイツら次第だが。
…………。
―――おいおい、早速眉間に皺寄せてんじゃねえよ。
兄さんが不安を煽るような言い方ばかりするからだろう。
―――悪い悪い、態とじゃねえんだって。
……初陣、か。
―――俺らも、アイツらぐらいの年頃だったろ。
どうなるかね?
―――ま、果報は寝て待つさ。
……兄さんのそういうところ、本当に羨ましいよ。
―――はっ、俺からすりゃお前の用心深い性格の方がよっぽど凄ぇよ。
……無い物ねだり、か。
―――あぁ。アイツらも、そうあって欲しいもんだな。
あぁ。
―――――変化こそ、機会の母である。 中内功
(続)
後書きです、ハイ。
久々に本格的に体調を崩しました。偏頭痛、吐き気、関節痛。若干熱もあり。完全に風邪の初期症状ですね。連日のハードスケジュールが祟ったようで。
冷えピタ貼ってパブ○ン飲んでアイス枕敷いて今ココ。そう、布団の中。スポドリは冷蔵庫になかったので、麦茶で代用。幸いなのは、今日は特に研究室でやらなければならないことがないことでしょうか。そこまで酷くはないので、今日中には何とかなるでしょう。新陳代謝には結構な自信あるので。
で、
今回は過去SSの更新でした。次回辺りからそろそろきな臭い連中が混じってきます。同時に、多分管理者連中も。今回はおとなしめな分、次回は再び戦闘全開になると思います。
……ちなみに、過去の体験エピソード云々は俺のそれそのものです。
次回更新は、多分『第4回同人祭り』のSSの完結編になるかと。
では、その時にお会いしましょう。ノシ
…………新・絵心教室、意外と舐められない。
説明 | ||
ども、峠崎ジョージです。投稿96作品目になりました。 管理者時代SSですね。今回は中だるみというか、次回への繋ぎみたいな感じかな。 本編の方は、今しばらくお時間をいただきたい。 んでは、本編どうぞ。 コメントに感想etc、ついでに支援宜しく。 |
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コメント | ||
兄弟>解ってくれるか……中学後半から、学生証持ってなきゃどこ入るにも成人料金でよ、一緒に来てた友人たちの笑う事笑う事……(峠崎丈二) たこきむちさん>マジっすか……ちょっと詰め込みすぎたかな。了解っす。(峠崎丈二) 解る、解るぞ、兄弟!あのナチュラルに実年齢と五つ以上間違われた時の切なさ…。今でも「え、まだ二十代なの!?」って、みんなに言われるし…orz(YTA) 3p辺りなど、文書がきっちり詰まってる所です( ´ ▽ ` )ノ(たこきむち@ちぇりおの伝道師) 狼>解ったっしょww むしろ傍から見ると解り易過ぎるだろww(峠崎丈二) 二度コメ失礼。曹真さんのいうあの子、読み返したら気づけたわwwwうん、一人しかいないわな。盛大に勘違いしていたよww(狭乃 狼) アーバックスさん>外史内の時間は3年しか流れてませんからね……軽くウラ○マ現象な訳で。気付いた時のリアクション、お楽しみにww(峠崎丈二) たこきむちさん>読みにくかったのはどの辺ですか? 今後の参考にしたいので、できればお教えして下さると有難いんですが……ってか、今気づいた。これって96作品目なんですよ。1つずれてたorz(峠崎丈二) ひさやすたさん>初期のから読んでくださってるんで!? 嬉しい限りです……物凄く変わってるでしょうww それまでずっとお堅い文章ばっかり書いてたので、こういうノリを掴むまでが中々大変でした。ちなみに一時期、ユーザーネームを『T-5000』にしてた事もありますww(峠崎丈二) 風邪お大事になさってください。 曹真さん・・・まぁ・・・普通は気付かないですよね…。その時のリアクションを楽しみにしておきましょう♪(アーバックス) 途中、少し読みにくかったかな…いよいよ95、100まで後5ですね…。まぁ無理をせず、楽しみに待ってます( ´ ▽ ` )ノ(たこきむち@ちぇりおの伝道師) 小説、マイペースにですが初期から読ませていただいています。中だるみ〜と書かれていましたが、これだけ読んでも十二分に面白いです。……これが文才というものかっ!? あと、ターミネーターは僕もちょっと思いましたw(ひさやすた) グリセルブランドさん>随所で自分を説明する際は『アロハを来たターミネーター』と言っております。(峠崎丈二) 一丸>眼鏡を外すと目つきが悪くなるので余計に誤解されがちなんだが、パーツだけで見れば目はそうでもないらしい。普段は眼鏡が緩和してくれてるから、そこまで敬遠されることもないし。……ってコラ、なんで燃えてんだwww(峠崎丈二) 狼>読み返してみれば、きっと確信できると思うぞ? むしろ、解らない?(峠崎丈二) 真山 修史さん>おぅふ、久々にやらかした……ご報告どもです。(峠崎丈二) サングラスに屈強な肉体・・・丈二さんはターミネーターだった・・・?(スカイネット並みの推察)(グリセルブランド) そうか、丈二さんの瞳は純粋できらきらしていて、子供みたいなんですね・・・・・・かわいらしいですねwwこれが、ギャップ燃え(誤字にあらずww)?・・・・続き楽しみに待ってます。(一丸) 曹真さんのいうあの子ってのは誰でしょうかね?今一人、ふと頭に浮かんだけど、さすがに違うだろうし(当たっていたらびっくりだけどw さて、物語は若いみなの初陣へ、かな?まずは次に期待w(狭乃 狼) 普通なら最低でも一月は休養が必要なはずの怪我はわずか一晩で感知し→〜完治し ですね(真山 修史) |
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