IS x 龍騎?鏡の戦士達 Vent 2: 黒騎士(ダークナイト)誕生、新ライダー降臨 |
尾行した所で、織斑家の住所をメモると、しばらくの間張り込みを続けようかと思ったが、野菜の鮮度が落ちるので止む無く戻った。束は相変わらずメカをフル稼働して仕事をしていた。
「おーい、束ー!そろそろ飯にするから休憩してろー。」
「ほーい!」
「ところで今何やってんだ?」
「んー?コア作ってんの。」
「へー・・・・って、コアを!?」
「だって、いるって言ってたじゃん?それともいらなかった?」
「いや、いるけど、どう言う風の吹き回しだ?全部を話した訳じゃないのに。」
「いやー、天才の束さんでも知らなくても良い事があるかなーと思って。何より助けてもらったからさー、これ位はしておいた方が良いでしょー?はい、出来た!どーぞ♪」
コアは立体の菱形の水晶の様な形をしていた。ポケットからデッキを取り出し、コアに触れさせると、コアが中に溶け込み、デッキが輝きながら形を変えて行った。光りが治まると、それは鞘に納まったメカニカルな刀剣になった。鞘の先端と柄は、デュアルーパスの頭部を模している。
「これが・・・・・俺のIS・・・・・なのか?」
「え、ええええええええ?!何で?!何で何で!?女性にしか反応しない筈なのに?!」
「さあな。だが、これで一つ問題は解決した。ISを使えるのは女性だけだと言う壁は崩れたな。そうだ・・・・・!織斑千冬の弟の、一夏と言ったか?あいつにも使える様にしたらどうだ?世界が本当にひっくり返るぞ?」
「うーむ・・・・・どうしようねえ・・・・」
「姉だけじゃなく、その弟も注目の的になれば、どうなるか・・・・?面白いとは思わないか?」
「面白いかもね?。早速準備しちゃおー!」
束は早速何かに取り掛かり始めた。急ピッチで画面が変わって行くのを見て、司狼は目がチカチカし始めるのを感じて来たので、目を背けた。
(後使っていないデッキは十二、三個か・・・・まあ、コアの方はどうにかなったとして・・・・問題はここからだな。どうやって織斑一夏に接触して、尚且つデッキを渡して鍛えるか・・・・簡単にアプローチを掛けられるとも思えない。あんな触れれば斬れる様な姉がいるんじゃあな・・・・・あいつが学校に行って放課後辺りにミラーモンスターがでたらナイトに変身して、ワザとその姿を見せれば・・・・・よし、これで行こう。まずはコイツを使わなきゃな。)
ちょうどミラーモンスターの気配を感じた。束の世話係でもあり、ミラーモンスター専門のボディーガードなので、ISの待機状態である剣が光りと共に再びデッキに戻った。左手の甲と右の掌を自分に向け、両腕を交差させる。そして左手は握って腰撓めに持って行くと、右手は開いたまま伸ばした。
「変身!」
デッキをVバックルに装填すると同時に右腕を顔の前に持って行き、掌で顔を覆った。虚像が重なり、現れたのは、両腰に銃をぶら下げ、狼の意匠を凝らした青と紫のライダーだった。
「仮面ライダーヴォルフェン。俺の牙の錆となれ。」
鏡の中に飛び込むと、丁度そこに二体の二足歩行している羚羊型モンスター、ギガゼールとメガゼールが丁度逃げようとしていた。『食事』を終えた所なのだろう。両腰のデュアルバイザーを構え、文字通り高飛びしようとした二体を撃ち落とした。
「おお。良いな、これ。」
両方のスライド部分を押し付け、グリップも横に繋ぎ合わせると中心にスリットが入った両刃の剣に変形する。
「良いね?。これは、良いね?!!」
メガゼールが振り下ろした刺又を受け止めるとそれを払い、一撃で真っ二つに切り裂いた。
「テスト開始だ。」
地面にデュアルバイザーを突き刺し、柄のスラッシュリーダーにアドベントカードを通すと、カードが消えた。
『ストライクベント』
両腕にデュアルーパスの頭部を模したセスタス、『ハウリング・オウガ』を装備した。その一撃はメガゼールを確実に捉え、口の部分から放たれた衝撃波をもろに受けてバラバラに砕け散った。やけになって攻撃して来たギガゼールにもカウンターでもう一方の手でアッパーを叩き込み、今度は音波の砲撃の様な物を食らって爆発した。二体のエネルギーをデュアルーパスは咀嚼して吠える。
「まあ、こんなもんか。」
デュアルバイザーを肩に担ぎ、悠々と戻って行った。
「ねー。ねーねー!シロちゃんのIS見せてー?」
「・・・・・(念の為に見てもらった方が良いのか・・・・?いや、ISの生みの親なら何かしらのバグを仕掛ける事だって可能な筈・・・・まあ良いか。)分かった。ほらよ。」
剣に変形したIS待機状態の『キル・ヴォルフ』を渡した。それにコードを幾つもぶっ差し、物凄いスピードで解析して行く。
「凄いよ、凄いよ!こんなの見た事無いよー!フルスキンだよー?!武装も凄いよー!?」
「だろうな。何と言うか・・・・コイツは間違い無く俺にしか答えない気がしたんだ。」
司狼はニヤリとほくそ笑む。自分が選んだミラーモンスターに自信を持っている為、自然と顔がほころんだのだ。
「しかも、これ自体が変形機構を持ってるんだよー?!このままで何かをぶっ叩けばバラバラに破壊出来るしー、剣を引き抜いたらほぼ何でも真っ二つに出来るのだー!最後に銃に変形出来るよー?弾数制限も何も無いよー?」
「ほー・・・・自衛手段が増えたな。」
右腿のホルスターに入っているビームマグナバイザー(色違い)を指でトントンと叩く。
「はい、終わりー!微調整はしておいたから、後はシフトチェンジを待つだけだよー。」
「バグとか仕掛けてないだろうな?」
「無理だよー。何かプロテクトが掛かってるのか解析出来ないんだー。でも、束さん特性の防衛プログラムをインストールしておいたから、ハッキングも奪われる心配も無いのだー!」
「そりゃありがたい。(後は・・・・このデッキを何人かに渡さなきゃ行けねえんだよなあー。そもそも俺この世界にいる奴らなんかあんまり知らないし。まあ、その内どうにかなるだろうけど。)あ、俺また少し外出て来るぞ。」
「はいはーい!」
外に出ると、丁度下校時間なのか、中学生達が群れをなして帰宅し始めていた。その中には、一夏もいた。隣にはツインテールの女の子と、赤髪でニット帽を被っている同い年位の男子生徒もいる。彼らは和気藹々としており、かなり仲が良さそうだった。そんな中、彼らを狙うゼブラスカル Iの影が・・・・
「おお・・・・正に狙い澄ましたタイミングだな。狙いはやっぱり一夏か・・・・」
ゼブラスカルは近くにあった水溜りから飛び出し、ツインテールとニット帽の青年に襲いかかった。二人は地面を強かに打ち、気を失った。そこで待機させていたダークウィングを出現させ、ゼブラスカルを道路脇の粗大ごみが置いてある合わせ鏡からミラーワールドに叩き込んだ。
「やっぱりな。」
今しがた辿り着いたとでも言う様に登場した司狼はその合わせ鏡に向かってナイトのデッキを翳す。
「変身。」
いつも通りポーズを取らず、デッキをVバックルに装填した。
「え・・・?司狼、さん・・・・?!」
「後で説明する。とりあえずそこにいろ。」
ミラーワールドに飛び込むと、逃亡しようとしたゼブラスカルと偶然居合わせたもう一体の同型モンスター、ゼブラスカル・ブロンズ(以降ゼブラスカルB)をライドシューターではね飛ばした。デッキからカードを二枚引っ張り出し、左腰に吊っているサーベル、『翼召剣 ダークバイザー』のナックルガード部分を開き、その中にカードを装填した。
『ソードベント』
『トリックベント』
ウィングランサーを装備し、更に八体に分身したナイトはゼブラスカル二体を一方的に攻撃した。元々ナイトは防御力は高くない反面、特殊カードによる撹乱と剣術による攻撃を得意としている。八対二と言うあまりにも不利な状況に置かれたゼブラスカルは逃亡を試みたが・・・・
「逃がすかよ。」
『ナスティーベント』
ダークウィングが放つ超音波によって動きを止められ、苦しみ始めた所を八人が再びアドベントカードを装填した。
『ファイナルベント』
それは、((最期|ファイナル))が来たと言う死の通告。背中にダークウィングが合体し、空に舞い上がると、マントをドリルの様に変形させて二体を一気に八回連続の『飛翔斬』で貫いた。ダークウィングが二体のエネルギーを吸収すると、満足そうに一声鳴き、どこかへ飛び去った。ミラーワールドから去ると、一夏達はまだそこにいた。二人は丁度気が付いた様だったが、命に別状は無さそうだ。
「お前ら大丈夫か?二人揃っていきなりすっ転ぶとは、俺がびっくりしたぞ?」
「え?転んだ・・?」
「ああ。俺はちょっと一夏に話があるから、少し外してくれるか?二、三分しかかからない。」
「「はあ・・・じゃなくて!!あんた誰だよ(よ)!?」」
見事にハモッた二人に思わず吹き出しそうになる。
「ああ、悪い。そういや言わなかったな。俺は御鏡司狼。司狼で良い。一夏とはつい最近知り合ってな。」
「俺は五反田弾。弾でいいっすよ?」
「あたしは鳳鈴音。よろしく。」
「(って事は・・・?)((?是中国人?|中国から来たのか))?」
「((是。?能?普通???|そうよ。中国語喋れたの?))」
「まあな。(おいおい・・・・これもオーディンの『特典』の一つか?結構役に立つな。)驚いたろ?さてと、一夏。((さっきの事|・・・・・))で話したい事があるから、ちょっと良いか?」
「あ、ああ・・・悪いな、弾、鈴。すぐ追い付くから、先行っててくれ。」
二人は渋々ながらも承諾し、先へ進んだ。
「さっきのは一体なんだったんですか?」
「鏡の向こう側に存在するもう一つの世界、ミラーワールド。あの化け物は、そのミラーワールドに存在するミラーモンスターの内の一匹だ。俺はそいつらと戦っている。お前にも、協力して欲しい。」
「えええええ?!俺に?!」
「勿論、今直ぐにとは言わない。だが、先に言っておく。数年先、この世界は劇的に変わる。お前に取っても俺に取っても不利な世界に。これはそれを乗り越える為の力だ。もし、これを手にしたら、お前は最後まで戦う事になる。だから、強くなれ。俺の申し出を受けるか否かは関係無い。強くなれ。」
「俺は・・・・・俺は、強くなりたい!その力で、千冬姉を・・・・皆を守りたい!」
デッキに手を伸ばしたが、司狼はその手を引っ込める。
「おっと。肝心な事を言い忘れる所だった。このデッキには契約モンスターがいる。そいつには定期的に餌を与えなきゃならない。言うなれば、ペットみたいなもんだ。お前に戦う為の力を貸してくれる代わりに、お前はそいつの飯を提供しなきゃならない。」
「餌?」
「ミラーモンスターは他のモンスターの死骸から出て来るエネルギーの塊か、人間を餌としている。まあ、極端な話、ムカつく奴がいれば、契約モンスターに食わせれば良い。目撃情報も何もあったもんじゃないからな。」
「そんな!」
「冗談だよ。更に、契約ってのは持ちつ持たれつの関係だ。利害が一致しているからこそ契約なんだ。それを忘れるな。後、変身する時は自分の姿が写る所で、それも人に見られない所でやれ。ミラーワールドでは活動時間に限界があるから、それにも気をつけろ。以上の事を踏まえて、改めて聞こう。この力を、お前は手にしたいか?」
「・・・・はい。」
「そうか。良いだろう。ダークウィング!今からコイツがお前の契約者だ。仲良くしてやれよ。」
デッキを渡すと、歩き去った。建物のガラスにオーディンの姿が現れる。
「少し時間を早めた方が良い様だな?」
「ああ。頼むわ。このまま待ってたら面白みが無くなる。」
『タイムベント』
ゴルトバイザーにタイムベントのカードを差し込み、時が過ぎて行く・・・・・
説明 | ||
はい、第二話です。オリジナルライダーデビューと、一夏のライダーが決定します。 | ||
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コメント | ||
はい、やっぱ定期的に逃げ回るのも忙しいので、『現場』にいた方が良いのではないかと思いまして・・・・・(i-pod男) 一夏が中学生の時って、束さん世界逃げ回ってたような・・・犯人は現場に戻ってくるものなのか・・・(デーモン赤ペン) |
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