英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 372
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〜銀の道〜

 

門の中へと入ったリース達は分かれ道を見つけ、一端足を止めた。するとリース達の目の前に妖しげな光陣が現れた!

「っ………!」

「……来る…………!」

「う〜、いきなりですか〜………」

それを見たリースとヨシュアは警戒した様子で仲間達共に武器を構え、サリアは不安そうな表情で呟いた後詠唱を開始し

「フム。どんな敵が来ようと余がいる限り負けはなーい!」

「はいはい。わかったから、あんたはさっさと魔術の詠唱を始めて!」

リフィアは高々と言い、その様子を見たマリーニャは呆れながら指示した。すると光陣から今まで見た事のない魔獣が現れ、リース達に襲い掛かった!

 

「「……………」」

戦闘開始早々角を持つ魔獣らしき敵達はリース達に突進した!しかし!

「させん!」

「っと!!」

ユリアとマリーニャがそれぞれ前に出て、武器で受け止め

「出でよ、鋼輝の陣!イオ=ルーン!!」

「や、やられちゃってくださいです〜!イオ=ルーン〜!!」

リフィアとサリアが後ろから魔術を放ってユリアとマリーニャが受け止めている敵にダメージを与え

「どうだぁっ!!」

「とう!!」

さらにジョゼットとエヴリーヌがそれぞれ銃弾や矢を放ってダメージを与え

「ヤアッ!!」

「はいっ!っと!!」

ユリアとマリーニャが止めを刺した!一方後方に残っていた敵はアーツの駆動を開始していたが

「無駄です!!」

リースがクラフト――アークフェンサーを放って攻撃すると同時に妨害し

「吹き荒れよ!………吹雪!!」

クローゼは魔術を放ってダメージを与えると同時に凍らせ

「絶影!!」

ヨシュアがクラフトを放った!すると敵は叫び声を上げながら消滅した!

「……………………」

「な、なにあれ………まるでおとぎ話に出てくる死神みたいじゃなかった!?」

戦闘が終了し仲間達と共に武器を収めたリースは不安そうな表情で考え込み、ジョゼットは先程戦った敵の特徴を思い出して信じられない様子で言った。

「……ええ、確かに。悪魔とはまた違った意味で私達の世界では”あり得ない”魔物のようです。」

「……どうやら簡単には進ませてくれないみたいですね。」

「ええ。慎重に行きましょう。」

そしてリースの説明を聞いたクローゼとユリアは静かな表情で頷いた。そしてリース達は先を進み、しばらく進むと封印石を3つ見つけ、手に入れた。

 

「わ〜………キレイです〜。」

「フム。今度は一体誰が解放されるのだろうな?」

「リウイお兄ちゃんだといいんだけどな〜。」

封印石を見たサリアは顔を輝かせ、リフィアは考え込み、エヴリーヌは次に解放される人物を期待した。

「………とにかく先に進みましょう。ここでは解放もできませんので。」

一方リースは冷静な表情で呟いた。その時、3つの封印石が光を放った!するとそれぞれは光の球になって、そこからある人物達が現れようとした。

「え………」

「手に入れてすぐに解放されるとは初めてだな………」

それを見たリースは驚いて呆け、ユリアは考え込み

「おお!まさかあ奴らも巻き込まれていたとはな!」

「リウイお兄ちゃんじゃないのは残念だけど、ウィル達ならまあいいか〜。」

「え………て、天使………?」

リフィアとエヴリーヌはそれぞれ口元に笑みを浮かべ、一方リースは現れてくる人物の一人を見て驚いた。。そして光が消えるとそこにはウィルとセラウィ、そしてエリザスレインが地面に膝をついていた!

「今の光は……?セラウィ、大丈夫かい?」

「ええ。私は大丈夫ですよ、ウィル。それより一体何が………?………え!?」

「……クッ……何者!何が狙いでこんな事をしたの!?……なっ!?これは一体…………?」

ウィルに尋ねられたセラウィは頷いた後、目の前にいるリース達や隣にいるエリザスレインに気付いて驚き、エリザスレインは警戒した表情で叫んだが、すぐに状況を把握して驚いた。

「?どうしたんだい、セラ………あ、あれ??エリザスレインがいつの間に執務室に………って………え!?リ、リフィアにエヴリーヌ!?」

セラウィの様子に首を傾げたウィルだったが、セラウィと同じうようにリフィア達に気付いて驚いた。

「久しいな、ウィルにセラウィよ。それにエリザスレインまで。まさかこんなにも早く再会するとは思わなかったぞ。」

「3人とも久しぶり。ちなみにエヴリーヌ達だけじゃないよ。」

一方リフィアとエヴリーヌは懐かしそうな様子で話しかけた。

「……皆さん、久しぶりです。」

「フフ………お元気そうで何よりです。」

「えっと………妙なとこで会っちゃったね。」

「………………………」

リフィア達に続くようにヨシュア、クローゼ、ジョゼットが話しかけ、ユリアは軽くお辞儀をした。

「リベールの人達まで………一体これは………?………!?な、なんだここは………!」

「………いつの間に転移をしたのでしょうか………?」

「………どうやら何かとてつもない事に巻き込まれたようね………」

ヨシュア達にも気付いたウィルは不思議そうな表情をした後周りを見て驚き、セラウィは考え込み、エリザスレインは目を細めて周囲を見回した。その後リース達はお互い自己紹介をした後、状況を説明した。

 

「そんな物があの浮遊都市にあったなんて………あの時、もっと詳しく探索して見つけるべきだったわね……だったら、こんな事にはならなかったのに……」

「………まさかそんな事があったなんて………」

「にわかには信じがたいですけど、実際こうして体験してしまっているのですから、信じる他ありませんね………」

状況を聞いたエリザスレインは考え込んだ後溜息を吐き、ウィルは考え込み、セラウィは信じられない様子で呟いた。

「それでみなさんは今後どうされるのですか?よければ私達と共に行動をしてほしいのですが。」

「勿論、構わないよ。むしろ、こちらからお願いする所だったしね。」

「ええ。自分達のいる世界に帰る為にも夫共々できる限り協力させて頂きます。」

「ま、ウィル達がいなくなれば今保たれる秩序は崩れるわ。それを防ぐ為にも私も共に行かせてもらうわ。」

そしてリースに尋ねられたウィルとセラウィ、エリザスレインはそれぞれ頷いた。

「フフ、そうは言いますけど、本音はウィルを守りたいのでしょう?」

「確かにあっているけど、何よ?その意味深な笑みは?」

エリザスレインの言葉を聞いたセラウィは微笑みながらエリザスレインを見つめ、見つめられたエリザスレインは尋ねたが

「あら。言わないとわかりませんか?」

「………だから何よ?」

「フフ、なら言わせてもらいます。ウィルを愛しているからでしょう?」

「……何を根拠にそんな事を。」

「メロディアーナから聞きましたよ。貴女がウィルの子供を身ごもった事を。」

「………そう。(まだ伝えるのは早いからあれほど黙っていなさいって言ったのに………普段からかっている仕返しのつもりかしら?…………帰ったら覚えてなさい、メロディアーナ…………!)」

「えっ!?」

セラウィの言葉を聞き身体を震わせながら頬をわずかに赤らめて呟き、ウィルは驚いてエリザスレインを見つめた。

「え、えっと………おめでたいことでいいのでしょうか………?」

「ちょっと!あんた、奥さんがいるのに何で他の女と子供を作っているんだよ!」

一方クローゼは冷や汗をかいて苦笑し、ジョゼットは慌てた様子で尋ね

「何を言っておる?ウィルは領主だぞ?世継ぎである子をたくさん作る事も領主としての義務だし、領主ならば愛人の一人や二人、いてもおかしくないぞ?」

「ん。リウイお兄ちゃんなんて、もっとたくさんの側室がいたんだから。」

「いや、比較対象が違いすぎるし、ウィルさんの場合、既に2人いるじゃないか。」

(い、言えない……ユイドラ領主は世襲制じゃないなんて事、この状況では絶対に言えない………!)

リフィアは意外そうな表情で言って、エヴリーヌはリフィアの言葉に頷き、ヨシュアは2人の言葉に突っ込んだ。またリフィア達の会話を聞いていたウィルは冷や汗をかいていた。

「フフ、リフィアの言う通り、今更ですよ。結婚する前からウィルは他の女性達も愛しているのですから。」

「それをわかっていながら、結婚するなんて………」

「大物………としか言いようがないな…………」

何でもない風に答える様子のセラウィを見てリースは信じられない様子で呟き、ユリアは感心した。

「フフ、ウィルが私を一番愛してくれるのは知っていますから。それにウィルと親しい他の女性達はみんな一緒に頑張ってきた仲間なんですから。仲間の気持ちは無下にできません。」

感心されたセラウィは優しい微笑みを浮かべて、ウィルを見つめた。

 

「………ありがとう、セラウィ…………って、それよりエリザスレイン。どうして黙っていたんだよ………教えてもらえば、色々手配するのに。」

「………まだ1月目だし、言う必要はなかったと思って黙っていただけよ。それに今のあなたはメンフィルや異世界との交流の件について忙しいのだから、それどころではないでしょうが。」

溜息を吐いて尋ねられたエリザスレインは呆れた表情で答えた。

「確かに忙しいのは事実だけど、それでも俺と君の子が……セティ達の妹か弟ができたんだ。俺は勿論の事、セティ達だってきっと喜ぶよ。………それにもうエリザスレイン一人の身体じゃないんだから、もっと俺達を頼ってくれよ。」

「そうですよ。私の事は気にしないで下さい。あなたと私は同じウィルを愛する仲間なんですから。」

「………ハア………もう、バレてしまった以上しょうがないわね…………………」

そしてウィルとセラウィの言葉を聞いたエリザスレインは溜息を吐いた後、ウィルを見つめた後、近づいた。

「え、えっと?エリザスレイン?近いんだけど………」

「あら、これからあなたの愛人になるのだから別にいいでしょう?………”人間”のあなたがこの私に愛される事、光栄に思いなさい。………ん。」

「んむっ!?」

戸惑っているウィルにエリザスレインは深い口付を行った!

「キャッ………!」

「わわっ………!」

それを見たクローゼとジョゼットは顔を赤らめて慌てながらも2人から視線を外さなかった。また他の仲間達は視線を外して、明後日の方向を見ていたり、目を瞑っていたりしていた。

「フフ、よかったですね、エリザスレイン。」

「同じ天使でもイルザーブとは偉い違いね………」

「う〜。イルザーブさんもエリザスレインさんみたいな天使さんだったらよかったのに………」

一方セラウィは特に動揺せず、微笑んでエリザスレインを祝福した。また、その様子を見ていたマリーニャは溜息を吐き、サリアはある人物の事を思って、残念そうな表情をした。そしてエリザスレインはウィルから離れた。

「………ねえ。今、気付いたんだけどヨシュアはエステルを含めて何人の女と結婚するんだろうね?」

エリザスレインがウィルから離れたのを見計らったエヴリーヌはある事に気付いて呟いた。

 

「ちょっ、エヴリーヌ!?一体何を………!」

エヴリーヌの言葉を聞いたヨシュアは驚いてエヴリーヌを見た。

「え?だって、ヨシュアって結婚したら婿になるんでしょ?」

「いや、そんな先の話はまだ考えていないよ……というか何で婿確定なのさ。」

「………おお!そういう事か!」

そしてエヴリーヌの答えを聞いたヨシュアは溜息を吐いて指摘し、リフィアは納得した様子で頷いた。

「リ、リフィアさん?もし、ヨシュアさんが婿としてエステルさんと結婚したら複数の女性と結婚する………とはどういう意味ですか?」

その様子を見たクローゼは戸惑った様子で尋ねた。

「忘れたか?今のエステルは”侯爵”………つまり権力者だぞ?権力者が妻の場合でも愛人はいてもおかしくないからな。」

「「……………ヨシュア(さん)の愛人…………………」」

リフィアの答えを聞いたクローゼとジョゼットはそれぞれわずかに顔を赤らめてヨシュアを見つめた。

「あの………何でそこで2人とも僕を見るの?」

「で、殿下………?」

クローゼ達に見つめられたヨシュアは大量の冷や汗をかき、ユリアは冷や汗をかいて引き攣った笑みを浮かべた。

「フフ、ちょっとした冗談ですよ。(本当は結構本気で考えたんですけどね………けど………………)」

「そ、そうそう!(う〜ん………能天気娘と一緒なのは嫌だけど………でもヨシュアの愛人になれるんなら……)」

「頼むから、そんな心臓に悪い冗談は勘弁して………」

内心を隠した2人の答えを聞いたヨシュアは疲れた表情で溜息を吐いた。

「コホン。それではそろそろ進みませんか?」

そして会話が終わるのを見計らったリースは軽く咳払いをして先を促した。

「うん、そうだね。…………それにしても謎の異空間か…………一体、どんな素材があるんだろうな?今から、楽しみだよ。」

「もう、ウィルったら………」

「あなたって人はもう………」

「相変わらずだね、ウィルは。」

「ウム!この状況下でも職人としての血が騒ぐとはさすがはウィルだな!」

周りの様子を見て目を輝かせているウィルを見たセラウィは苦笑し、エリザスレインは呆れ、エヴリーヌとリフィアは感心した。その後そのままウィル達を仲間に加えたリース達は探索を再開した。探索の最中、さまざまな見た事のない魔獣らしき敵達がリース達を襲い掛かって来たが

 

「炎の力よ!爆炎スマッシュ!!」

「双連撃!!」

「行くぞ!はっ!やっ!せいっ!たぁ!!」

「はいっと!!」

「ハッ!!」

ウィル、ヨシュア、ユリア、マリーニャ、リースが前に出て迎え撃ち

「えいっ!とうっ!きゃはっ♪」

「やっ!はっ!たぁ!!」

「やあっ!そこっ!どうだぁ!!」

その後ろからエヴリーヌとセラウィ、ジョゼットがそれぞれ次々と矢や銃弾を放って、ウィル達が撃ち漏らした敵を攻撃し

「味わってみて!光燐衝撃!!」

「あっち行ってくださいです〜!レイ=ルーン〜!!」

「余の風格を拝め!ティルワンの闇界!!」

「や〜っ!ダイヤモンドダスト!!」

エリザスレイン、サリア、リフィア、クローゼが魔術やアーツを放って止めを刺して行った!

「………終わったようですね。あら?」

戦闘が終了したのを確認したリースは仲間達共に武器を収めた後、目の前にある宝箱に気付き、宝箱に近づいて空けた。宝箱の中には使いこなされたように見える法剣が入っていた。

 

「……………え………(これ………どこかで見覚えが…………)」

宝箱の中に入っていた法剣――霊剣シルヴァーンを手に入れたリースは呆けた様子で法剣を見つめて考え込んだ。

「………リースさん?」

その様子に気付いたヨシュアは不思議そうな表情で尋ねたが

「……どこかで見たことがあるような気がしたのですが気のせいだったようです。なかなかの業物ですし………せっかくだから使ってみます。」

気を取り直したリースが先を促した。そしてリース達はどんどん先へと進み、ついに終点らしき場所に到着した。

 

「あ………!」

「もしかして………出口でしょうか?」

先にある大きな扉を見たリースは驚き、クローゼは明るい表情で扉の先を推測した。

「………ええ。どうやらそのようです。もしかしたらケビン達の方もすでに…………」

クローゼの言葉にリースが頷いたその時、妖しげな光陣が現れた!

「………っ………」

「フン、簡単には通さないってことだね。」

「お約束って奴?キャハッ♪」

それを見たリースは警戒した表情で仲間達と共に武器を構え、ジョゼットは真剣な表情をし、エヴリーヌは無邪気に笑っていた。すると光陣からなんとボウガンを構えたケビンが現れた!

「……え…………!?」

「し、神父殿!?」

「ケビンさん………!?」

ケビンの登場にリースは呆け、ユリアとヨシュアは驚いた。

「…………………」

一方ケビンは何も語らず、虚ろな目でリース達を見つめた後、妖しげな動く砲台達を召喚した!

「…………ケビン……!」

それを見たリースが叫んだその時

「惑わされないで!その男は偽物よ!」

エリザスレインがリース達に忠告した!

「え!?それは本当かい、エリザスレイン!」

エリザスレインの忠告を聞いたウィルは驚いた後尋ねた。

「ええ。人間の気配が一切しないもの。恐らくアレはあの神父を偽った”魔物”よ。」

「………そうですか。なら容赦をする必要はなさそうですね………!」

エリザスレインの説明を聞いたリースはケビン達を睨んだ!

 

そしてリース達は戦闘を開始した………!

 

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という事でリース側は神採り陣営が一気に合流です!!(というかこの辺で出しておかないと、もう出せそうな星層がないので)そしてエリザスレインはかつてはウィルを危険視しておきながら、メロディアーナの二の舞になってしまったというオリジナル設定にしました(爆笑)…………感想お待ちしております。

 

説明
第372話
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コメント
感想ありがとうございます。エステルはメンフィルの貴族として結構高い位置にいますから、政略結婚としても成り立つからシャレになんないですね。ヨシュアはそうですが、逆にロイドはいくら愛人を作っても、あまり違和感ありませんね(笑)まあ、男性からはすざましい殺気を向けられますが (大爆笑)(sorano)
ウィル達合流ですね。そして、ヨシュア・・・・・・愛人なんて作ったら許さないぞ(怒)♪ 自分エステルとヨシュア一筋なんでw(本郷 刃)
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