魔法少女リリカルなのはmemories 閑章 第七十五話 |
それからの事は順調に進んで行った。
あの後もベスカの伝達が聖王家に伝わってきており、アンビュ・エメジスタと共に行動している国の王などを次々に倒していくことに成功した。
さすがに情報が漏れるとは向こうも思っていなかっただろうし、オリヴィエはベスカから伝えられた重要人物を主に倒していったから尚更余計に想定外の事だろうと思った。
「しかし、ベスカは良くこのような情報を手に入れられるな」
「そうですね。だけど彼のおかげでこちらが優勢になったのは事実です」
「そうだな」
現在、オリヴィエは聖王家がある世界とは違う次元世界へと来ており、ベスカから伝えられた重要人物の一人である国の王と戦争を仕掛けようとしている所だった。
聖王家の兵士はオリヴィエと話してきたネネも含めて5万という大勢で攻めこんでいた。その中央にオリヴィエが先導しており、前方へと進んで行くと目的地である城が見えてくるのだった。
「よし、この辺りで充分だろ。それでは予定通り始めようと思う!!」
オリヴィエの発せられた言葉により、5万の内の4分の1が左右に移動していく。オリヴィエが考えた行動は単純で、四方八方から囲んで城を落とすという作戦だった。
もちろん敵には気づかれずに行動し、それぞれが指定の位置に着いたところでオリヴィエが居る所から攻め入り、前方からしか敵が来ていないという事を思わせてからほかの部隊も攻め入るという考えだった。
そもそも向こうには戦いを仕掛けるという事も伝えてないはずだから、不意打ちにも近い状況であり、簡単に陥落することが出来るだろうと思ってた。
「……それにしても、どうしてベスカはそこまで情報を知り得ているのだろうな」
「言われてみればそうですよね。エメジスタ王国にて高い地位をに就けなければ、このような情報は手に入らないと思うし」
準備を行っている最中、オリヴィエはベスカがどうやって情報を知り得ているのか気になった。
ベスカのおかげで今の状況が作れているというのは事実だが、それでもベスカに対しての疑問が少し残っていた。黒幕が分かるまではあまり気にしなかったが、重要人物がいる場所まで経った数週間でそこまで場所を特定できるのかと思った。
数週間でそこまで高い地位にベスカが就いたのならば少し分かるが、そんな簡単に思い通りになるわけがない。要するにあまりにオリヴィエが思い通りの展開になりつつあったのである。
オリヴィエが思ったのはベスカが情報を教える以前の順調さとあまり変わりがなかった。いや、その時と今回とではかなり違うのは分かるが、ベスカからそこまで情報がもらえるとは思っていなかったので、ベスカに対して何か裏であるのではないかと思い始めていた。
「オリヴィエ聖王女、それぞれ所定の位置に着き、準備が整ったようです」
「……あぁ、そうだな。それではいくぞっ!!」
とりあえず今はベスカの事は後回しとして目の前の事を考えるようにした。
そしてオリヴィエが発した言葉を皮切りに、一気にオリヴィエが居た部隊は一気に攻め入る!!
先ほどまで的に気づかれないところに隠れていたが、攻め入るときに敵に姿を現したことにより、向こうも気づくだろうと思っていた。
だが、そのような慌てている様子が見えず、遠くからかと思ったが近づいて行ったとしても慌ててるようなところは見せなかった。
それを見たオリヴィエは何か可笑しいと思い、前進していた部隊を一度止めることにする。
「一旦止まれっ!! 何か嫌な予感がするっ!!」
オリヴィエの言葉を聞いた部下たちはオリヴィエに従って足を止めた。
部下たちもオリヴィエの言葉を聞いて確かに何か違和感を覚えた。攻め込もうとしているのに、城の方からは人の気配が全く漂ってこない。
「……一人で中の様子を見てくる」
「一人でですか!? さすがにオリヴィエ聖王女一人で行かせるのは!!」
ネネがオリヴィエを止めようとするが、オリヴィエは考えを変えようとする気はなかった。
「大丈夫だ。私は一体多数でも勝てると思う。それにもし危険な状況になったら、これを使うから大丈夫だ」
刹那、オリヴィエの右腕に光の粒子が収束し、その粒子は剣の形へと変える。
ネネはそれが何なのかすぐに分かり、そして光の粒子が消えるとそこには一つの剣をオリヴィエが持っているのだった。
「まさか、これは――」
「そう、実は少し前から持ち歩くようにしていたんだ。個人的にはこんな神にすがるような剣を使いたくないのだがな」
――魔剣ティルヴィング。
聖王家が代々継いでいる神話に載せられている剣。聖王家内では聖剣と言われているが、実際は魔剣である。
確実に相手を仕留め、神話の中では持ち主であったスウァフルラーメがこの剣を奪われて殺害されたという事も言われている。
オリヴィエにとってはあまり好きではなかった。何もかも思い通りに人を殺害したり救う事が出来たりし、最小限の被害で済ませることが出来るが、オリヴィエにとっては神にすがっているようにしか思えなかった。現に聖王家ではあまり頼ることはするなと言われてあったし、使い続けて剣に溺れれてしまえばいずれ自分が化物となるだろうとも言われていた。
「だがまぁ、今回に限っては何が起こるか分からない。だからこそ念のため持ってきておいた」
それからティルヴィングを粒子にさせて、オリヴィエの右手には何もなくなっていた。
「さて、私はこの剣があるから大丈夫だ。もし背後から敵が襲撃して来たらお前たちで何とかしろ」
オリヴィエはそう言って、敵国の敷地内へと一人で侵入することにした。
回りで待機している部下たちもオリヴィエが合図を送らなければ攻め入る事はしてこないし、もしネネ達が居る部隊が危険な状況になったら独自で動けとここへ来る前に伝えてある。
そしてオリヴィエは簡単に侵入することが出来、まず城の回りにある町を見てみることにした。
「……少し前まで人がいた形跡はあるな」
周りを見てみると、まだ廃れたような感じはあまりなく、まだ新しい建物ばかりであった。
しかも少し食べ物が残っている辺り、急いで逃げ出したような感じであった。
「一体、ここで何があったんだ?」
城の中に入ったとしても多分人の姿はないだろうと思ったオリヴィエはもう少し調べてみることにした。
だが調べようとしたとき、突如背後から人の気配が感じられた。
「誰だっ!!」
すぐに気配が感じられた方向へオリヴィエは体を向け、その人物に向けて声を放つ。
さすがに向こうもこちらの気配に気づいたからなのか、オリヴィエの言葉に簡単にしたがって姿を現す。
だがその人物は、オリヴィエにとって驚くものであった――
「烈火の将、剣の騎士シグナム。主の命によりあなたのリンカーコアを奪いに来ました」
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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