真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 拠点:恋/ねね 武の頂・二頭の獣、寂しがり屋の憂鬱
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まえがき コメントありがとうございます。もう10月も半ばですね。時間が流れるのが早く感じる今日この頃です。あとモンブランを無性に食べたくなります。さて、今回は三国最強こと恋ちゃん&蹴りに定評のあるねねの拠点です。俺も恋ちゃんに肉まんを食べさせてあげたい!ねねの蹴りは一発くらいなら・・・いやよしとこう。それではごゆっくりしていってください。

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「ご、ごめんなさい。遅れちゃいました。」

「月、お腹空いた・・・。」

 

お昼に差し掛かり、恋の空腹が限界に達しそうになったくらいに月が慌て気味にやってきた。それにしても別れてから結構時間経ってから来たな。詠と話し込んでたのか?

 

「詠、何か月と話して・・・やつれて見えるのは気のせいか?」

「それもこれもあんたのせいよ!」

「えー?何で?」

「うるさい!!」

 

何でか怒ってる。何かしたわけじゃないんだけど・・・。すると月が肉まんを持って俺の隣に座った。

 

「はい、一刀さんの肉まんです。」

「ありがとう。ねぇ、詠が怒ってるんだけど理由とか知らない?」

「?いえ、分かりません。私が一刀さんの素晴らしいところを二刻ほど話した後はそれほどでもなかったんですが・・・。」

「・・・。」

 

俺の話を二刻?一体俺の何を話したんだ?興味はあるけど・・・聞かない。いや、聞けない。自分の話をそこまで話し込まれたら赤裸々なんてものは済まない。恥ずかしさで死んでしまう。

 

「そっか・・・。分かった。」

「お力になれずすみません。私が聞いてきましょうか?」

「いや、いいよ。」

 

とりあえず食べることに集中しよう。食べようとしたら桃香たちが城から出てきた。霞と華雄も警邏を終えたようでこちらに向かっている。月は肉まんを霞と華雄に配りに行った。

じゃあ俺は桃香たちに配りに行こう。

 

「桃香、愛紗、お疲れ。」

「ありがとうございます、ご主人様。」

「う〜、もうお勉強したくないよ〜。」

 

勉強したくない・・・か。なんか及川あたりがそんなことをテスト前によく言ってたな。そしてその度に姫島先輩に引きずられていってた。ふふっ、なんだか凄く懐かしく感じる。

 

「くすくす。そんなこと言ってるとまた愛紗に引きずられていくよ?」

「そ、それは嫌だな〜。」

「それならばもっと復習すればよろしいでしょう。」

「だって、空いた時間は月ちゃんに料理教えてもらうんだもん!」

「じゃあ暇な時に俺が復習の先生をしてあげよう。」

 

そう言った途端、桃香の目の色が変わった。桃香、顔が近いよ・・・。

 

「ご主人様、先生も出来るの?」

「う、うん。良く友達とかちっちゃい子たちに勉強教えてたからね。割とそういうの得意だよ。」

「私、ちっちゃくないもん!」

 

見れば分かるよ。というか論点がずれてるな。

 

「とりあえず、俺が分からなかったところは教えてあげるから。それでいいね?」

「ちょっと納得がいかないけど、まぁいいや。じゃあよろしくね、ご主人様♪」

「ご主人様は本当に何でも出来るのですね。流石です。」

「諦めずに色んなことに手を出してたら俺みたいに中途半端になっちゃうからあんまり真似しないようにね。」

 

・・・ご主人様が中途半端なら武以外何もできないに等しいのではないか?愛紗以外にも

その発言を聞いていた者皆が首を横に振り、『ないない。』と思っていたのは言うまでもないだろう。そして、真似なんてしたら体がもたないと思ったことも付け加えておく。

 

「朱里と雛里もお疲れ。」

「う・・・ご主人様。」

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「ご主人様〜!」

 

突然二人が俺に抱きついてきた。しかも何故か涙目だし。俺は何事かと一瞬固まってしまった。

 

「どうしたの?二人とも。」

「もう竹簡なんて見たくありません!」

「竹簡のお化けが襲ってきます〜。ぐすっ。えぐっ。どれだけ確認してもどんどん追加されていくから量が減らず、私の背丈も超えてしまって。うえぇぇぇん。」

 

こ、これは相当な重症だぞ・・・。雛里よ、竹簡のお化けはあんまりだろう。まぁ俺もさっき詠と結構な量の竹簡を捌いて来たから気持ちは分からないじゃない。

 

「二人ともとりあえず落ち着いて。あ〜ほら雛里も泣かない。」

「うっ、す、すみましぇん。」

「ぐすっ、ごめんなしゃい。」

「二人とも相変わらずカミカミだなー♪」

「はわわ!」

「あわわ。」

「あはは。それが出たならもう大丈夫だね。」

 

二人の頭を撫でると彼女たちの表情に笑顔が戻った。うん。やっぱり笑ってないとね。

 

「俺も明日手伝ってあげるから。三人で一緒に頑張ろう?」

「ご主人様のお手を煩わせるわけにはいきません!」

「です。」

「じゃあ、俺にも手伝わせて?お願い。」

「そ、それはずるいです・・・。」

「朱里ちゃん、私たちの負けだよ。」

 

ちょっとずるいかなって自分でも思ったけど彼女たちの負担は少しでも軽くしてあげないと。もし倒れでもしたら俺が仕事に集中できなくなっちゃうから。朱里や雛里が倒れるくらいなら俺が仕事をやり切って倒れた方が何倍もましだ。

 

「けど、無理は禁物ですからね?」

「・・・何が?」

「顔に出ていますよ。」

「ばれたか。」

「ご主人様は無理しがちですからね。お体を労わってください。」

「ありがとう。」

「どういたしまして。とりあえず、はい。四人とも肉まん。どうぞ。熱いから気を付けてね。」

 

俺が四人に肉まんを配ると桃香がいきなりかぶりついた。あ、いきなり食べたら・・・、

 

「熱っ!!」

 

桃香は肉まんを口から出して涙目になっていた。舌をべーっと出して。水は・・・ないな。仕方ないなー。

 

「桃香、どこが熱いの?」

「え?この真ん中らへん。」

 

俺は唾をちょっと指につけると桃香の患部に指を当てる。

 

「このままちょっとの間咥えてて。」

「~~~///」

 

え!?これ、凄く恥ずかしいよ〜//ていうか、何か意味があるのかな?ご主人様の指を咥えて・・・。口付けの方が全然ましだよ〜。う〜、愛紗ちゃんがじと目でこっちを見てるし・・・。ご主人様、早く終わって〜。

 

「このくらいかな?」

「ご主人様、何をされているのですか?」

「え?人の唾液って傷の治りを早くする効果が強いんだよ。まぁ、それが痛みが引くのに効くかどうかは分かんないけどね。」

「・・・それだったら口づけの方がましだよ〜。」

「いや、人前だし・・・。はっ・・・。」

 

愛紗や朱里の視線が痛い。雛里は涙目でこっちを見てるし。・・・冷や汗が垂れてきた。どうしよう?一人で焦っていると月がこちらにとことこと近づいてきた。

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「一刀さん・・・。」

「な、何?」

「その、私とも口づけしてください!」

「月さんずるいです!ご主人様、私と雛里ちゃんともお願いします!」

「あ、あわわ。ちゃっかり私も入ってるし・・・。」

 

・・・俺にどうしろと・・・。頭を抱えること五分。その場の雰囲気にもよるからと言って半分無理やり納得してもらった。ふぅ。なんか疲れたぞ?

 

・・・。

 

とりあえず食事も終わりちょっと休憩すると恋が俺の隣に座った。

 

「一刀。模擬戦、いつするの?」

「そうだね、あと一刻くらいしたらやろうか。」

「(コクッ)恋、本気。じゃないと、一刀に勝てない。」

「そっか。じゃあ俺も久々に本気出してみようかな。よろしくね。」

「(コクッ)」

 

少し離れたところで霞たちはどちらが勝つか輪を作って話し込んでいた。

 

「ご主人様と恋の一戦か。かなり興味があるな。三国一と呼ばれる恋と実力未知数のご主人様。普通に考えれば恋の勝利だが・・・。」

「主はまだまだ実力を出し切ってないのは明白だからな。もしかすると化けるやもしれん。」

「私はご主人様に勝ってもらいたいわね。けど恋ちゃんが負けてセキトに会いに行けなくなったらやだなー。」

「なんだ?清羅の口調が違う気が・・・。」

「気にするな。深い意味はない。」

「鈴々はどっちにも頑張ってほしいのだ!」

「恋殿があの男をぼこぼこにして勝つに決まっているのです!」

「恋さんの強さは凄まじいものですが、ご主人様もこれまで無敗なのです。どちらが勝たれるのか見当もつきません。」

「おそらく実力は互角でしょう。ですが恋さんは実戦経験豊富な方ですから若干恋さんの方が有利だと思います。」

 

武官・文官で集計を取った結果・・・恋の勝利、四名・一刀の勝利、四名・どちらが勝つか分からない、二名・どちらも頑張ってください、二名となった。

 

「恋、そろそろ移動するか。」

「(コクッ)」

 

俺と恋は南鍛錬場へ模擬戦をするために移動を開始した。恋との一戦・・・アドレナリンが出ているのを肌で感じられる。こんな高揚感を戦う前から感じられるのは鹿児島にいた時以来だ。存分に楽しもう。

 

・・・。

 

場所は変わってとある海岸。そこに海から泳いできた人間がいた。

 

「ここが今回の外史か。うーん、さてとりあえず『北郷一刀』を探すか。」

「そこにいるのは誰だ?」

「む!おのこボイス!」

 

そちらを振り向くとイケメンおのこが!これは運命の出会いでは!?

 

「私の名は卑弥呼。漢女道亜細亜方面前継承者だ。ダーリンの名は?」

「だーりんではない!俺は華佗!五斗米道継承者だ!」

「五斗米道!あの医者の集団か。流石は私のダーリンなだけはある!」

「だーりんではない!華佗だ!」

「細かいことは気にするでない。」

「そ、そうか・・・。」

 

・・・。

 

再び場所は変わり幽州五台山の麓。そこで山賊三人が何をするでもなくたむろっていた。

 

「最近は盗みの稼ぎも少ねーな。どっかに良いカモいねーか?」

「そんな簡単には見つかんねーっすよ。お?兄貴、あそこに何かいますぜ!」

「よし来た!早速持ち物すかりに行くか!」

 

大穴の空いた箇所を覗き込むと大男が一人うつ伏せで倒れていた。

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「・・・兄貴、こいつは何かやばいぜ。見なかったことにした方が良い。」

「何言ってやがるんだ!何か持ってるだろ!早く盗ってこい!」

 

チビが恐る恐る近づくとその大男がむくっと立ち上がった。チビは突然の出来事に腰を抜かしてしまった。

 

「あらん、着地に失敗しちゃったわ〜。ここは・・・幽州あたりかしら?とりあえずここから出ましょう。」

 

随分と大きな穴を空けちゃったわね〜。お、男が二人も・・・。ぐふふっ。

 

「・・・。」

「・・・。」

「あら〜、私のあまりの美貌に見惚れちゃって言葉も出ないのね。私ったら罪な女。」

「き、気持ち悪い!これ以上近づくんじゃねぇ!」

「だ〜れが顔を見ただけで三日三晩うなされ続けて思わず吐き気を催しそうな気持ち悪さですってぇ〜!」

「そこまで言ってねぇ!と、とりあえず近づくな!」

「恥ずかしがっちゃって、初心ね〜。」

 

ご主人様に比べれば月とすっぽんだけどまぁいいわ、暇つぶしに遊んでもらいましょうか♪

 

「あ、兄貴、オラもう無理だ。」

「お、おう。デブ、ずらかるぞ!あいつはやばい!」

 

あらあら行っちゃったわん。まぁいいわ、もう一人残っていたし。

 

「ひぃ、ば、化け物!」

「化け物とは酷いことを言うわね〜。私のガラス細工よりも脆い心が砕けっちゃいそうよん。そんなに怖がらなくてもいいわ、すぐに楽にして、あ、げ、る。むちゅーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

「ぎゃぁぁぁぁぁあああああああああああああああ。」

 

気絶しちゃったわ。あまりにも刺激が強かったのね。エネルギーも補給したし、ご主人様を探しましょうか。ぐふふっ、待ってねん、ご主人様♪

 

・・・。

 

「・・・(汗)」

「一刀、どうしたの?」

「いや、今とてつもなく寒気がしたんだけど・・・。身の危険が迫っているような・・・。」

 

凄くヤバいものに狙われている気がする。恋と戦う以前に冷や汗が止まらなくなってきた。でもこの気の感じはどこかで会ったことがある人のような・・・。まぁ、会ったら分かるから今は気にしないでおこう。

 

「一刀、準備、出来た?」

「いいよ。」

 

俺は帷子と籠手を外して聖桜を構えた。恋に力押しはおそらく通用しない。ならばスピードと気の力で応戦するしかないからな。・・・恋から鋭い殺気が伝わってくる。お婆ちゃんの殺気に慣れてなかったら尻込みしているよ。

 

「・・・いく。」

 

恋の方天画戟による斬撃の応酬が始まった。一つ一つの斬撃に威力と早さ兼ね備えられている。どんどん腕が痺れてきた。

 

「はぁ!」

 

刀を鍔競り合わせたときに出来る一瞬の隙を見て左手を恋の腹部目掛けて放つがすらりと躱されてしまった。体勢を立て直し恋を視界に入れるとあっという間に距離を詰められ突きの嵐が俺を襲う。俺は左に体を倒し転がることで躱すことに成功した。

 

「はぁ、はぁ。やっぱり、恋の一撃を受けるのは辛いね。」

「?何で反撃に来ない?」

「大丈夫だよ。これからだから。」

「・・・っ!?」

 

一刀の気、大きくなってる。これは・・・恋も危ない。

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「んんんんんんっ!はぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!」

 

・・・。

 

「!この気は亜細亜流漢女道継承者のもの!もしやあそこに貂蝉が!ダーリン、儂に掴まれ!」

「あ、あぁ。しかしこの異常な気の膨れは・・・。」

「おそらく儂の知り合いの者だ!急ぐぞ!でりゃああああ!」

 

・・・。

 

「これほどの気はおそらく卑弥呼ね。早いうちに合流しましょう。ふぅぅぅぅんんんんん!!!」

 

漢女二人と一人の医者は気の発生源、洛陽に向かって移動を始めた。

 

・・・。

 

「な、なんやこの馬鹿げた気は!?ほんまに一刀のもんなんかいな!?」

「くっ、立っているので精いっぱいだ・・・。」

「ご、ご主人様、こんなものを隠していたのですね。」

「お兄ちゃん凄いのだ!」

 

私や他の武官はどうにか耐えられるが桃香様や月、軍師たちは立つのもままならなくなり私たち武官の肩にしがみ付いていた。しかしご主人様の気の質量は人間の出せるものとは思えないほどのものだ。だが淀みがない。純粋で、自然の力まで取り込んでいるようにも思える。

 

「ふぅ。久しぶりに使ったから体が追いつくか分からないけど、これで恋に反撃できる。・・・いくよ。」

「!?」

 

早い。私の目でもご主人様の動きにはついて行けなかった。

 

「はぁ!!」

 

ご主人様の一度の斬撃を恋は受け止めたが勢いを殺せず恋の体が後方に飛ばされた。恋が立っていた場所は地面がひび割れている。あの細身の刀でどうやったらあのような威力を出せるのか見当もつかない。しかしご主人様がここで終わるわけもなく、恋が体勢を立て直し彼の姿を探していたがそれは見つからなかった。

 

「・・・どこ?」

「ここだよ。」

「!!」

 

ご主人様は恋の背後に回り、刀を彼女の背中に突き付けていた。これは勝負あったな。

 

「恋・・・負けた。」

「そんな、恋殿が負けるなんて・・・。」

「俺の勝ちだね。」

 

俺は聖桜を鞘に納めると視界が暗転した。あ〜、やっぱりまだ体が追いつかないか・・・。ちょっとだけ、休憩させてもらおう。そして一刀は意識を手放した。彼の体がふらっと恋の体に倒れこんでくる。

 

「ご主人様!」

「一刀さん!」

「一刀!」

「お兄ちゃん!」

 

一刀が倒れて、皆が近づいてきた。一刀、寝てるだけ。大丈夫。

 

「大丈夫。寝てるだけ、だから。」

「はぁ〜、良かったよ〜。」

「おそらく先ほどの気の解放がお体に触れたのでしょう。まったく、無茶をなさる方だ・・・。」

「そう言いながらも嬉しそうだな、愛紗。」

「勿論だ。ご主人様が倒れられては私も心配するからな。」

「おや、珍しく素直ではないか。」

「一刀さんの影響でしょうね。」

「たまにはいいかもなと思っただけだ。深い意味はないぞ?」

「とりあえず、一刀、運んでくる。」

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恋さんは一刀さんを連れて庭の方に行っちゃいました。ちょっとだけ私が介抱したかったのは内緒です。

 

「恋殿・・・。」

「ねね、あんま気にするもんやないで。恋だって人の子や。今回は相手が悪かったとしか言えへん。あの状態の一刀は正直言って手ぇ付けられんやろ。」

「で、ですが恋殿は最強なのです!天下無双なのです!あんな男に負けるはずないのです!!あんな男に・・・。」

「ねねは主のことが嫌いなのか?」

「嫌いなのです!恋殿は最近あの男のことばかり話してばかりで・・・ねねの恋殿を取った悪いやつなのです!」

「ねねちゃんは一刀さんとお話ししたのですか?」

「してないです・・・。けど、悪いやつなのです!絶対そうなのです!!」

 

ねねちゃん、涙目になってますね。まぁ、寂しがり屋さんですから。これは一刀さんに任せた方が良い方に向かうでしょう。

 

「じゃあ一刀さんと直接話してみてはいかがですか?それから判断してもいいと思いますよ。」

「・・・分かったです。ちょっと行ってくるです。」

 

ねねちゃんも恋さんを追って庭の方に歩いて行きました。戻ってきたときに笑顔になっているといいですね。

 

「まったく、世話が焼けるわね。」

「ねねちゃんが一番年下なんだから、そんなこと言ったらめっ!だよ、詠ちゃん。」

「分かってるわよ、そんなこと・・・。」

 

・・・。

 

一刀はセキトの背中を枕にして眠りについていた。セキトも気持ちよさそうに眠っていて、恋はその姿をじーーーーーーっと見ていた。彼女が何を考えているかは分からないが、一刀の頭を撫でてほんの少しだけ微笑んでいるところを見るに機嫌は良いのだろう。そこへねねがてくてくと歩いてきた。

 

「ねね、どうしたの?」

「この男に用事があってきたのです。」

「一刀、眠ってる。」

「けど、無理に起こすの、良くない。」

「ですが!」

「ふぁ、・・・ふぁあ〜。ん〜!やっぱりあれを使ったら気を失っちゃうか〜。」

「・・・起きた。」

「ん?どうしたの、二人とも。俺の方を見て・・・。」

 

何か顔に付いてるのかな?軽く触ってみたが特に何もない。

 

「お前に言いたいことがあるです!」

「いきなりだね。それで、何?」

「ねねの恋殿を取るなです!」

「・・・。・・・・・・。えっ?」

「最近の恋殿はお前のことばかり話すのです!だから、お前がたぶらかしたに違いないのです!」

「・・・恋、俺のことばかり話してるの?」

「・・・?」

 

特にそういうことはない・・・らしい。特に覚えてないというのもありえるけど。今のねねを見るに、これは母親を取られたと思っている子供と同じだと考えた方が良いのかな。ふふっ、なんか懐かしいな。

 

「何を笑ってやがるのですか!」

「ごめんごめん。とりあえず、俺はねねから恋を取った覚えはないよ?」

「そんなの嘘です!」

「ねねは恋が離れていってしまうと心配になっちゃったんだよね?」

「そ、それは・・・。」

 

ねねが口籠った。これは当たりだな。寂しがり屋なんだな、ねねって。

 

「大丈夫。恋、ねねをおいて、どこにも行かない。」

「恋殿・・・。」

 

恋がそっとねねを抱きしめた。それは、まるで子供をあやす母親のように。

 

「恋、一刀のこと、好き。だけど、ねねも好きだから。心配いらない。」

「ねね、俺が言うのもなんだけど、俺もねねと仲良くしたいんだよ?せっかく真名を許してくれたのに嫌われたままなのは俺も辛いからね。」

「・・・。」

「今度恋の部屋に遊びに行くからさ、みんなで遊ぼう?一緒に楽しんで、笑って、話して・・・。俺のことをもっと知ってもらいたいし、ねねのことも知りたいから。」

「ふ、ふん!分かったです!そ、そこまで言うなら一緒に遊んでやるです。光栄に思えです。」

「はいはい。」

 

そう言いながらもねねは顔を少し赤くしている。顔は嘘をつけないな。これは俺でも照れ隠しというのが分かる。恋もねねの頭を撫でながら微かに笑ってるし。それから夕刻になるまで三人と一匹でのんびりとした時間を過ごした。

 

・・・。

 

「もう寝ちゃったか。」

「ねね、寝るの、いつも早い。」

「そっか。」

 

俺たちはねねを真ん中にして寝台に横になっている。やっぱりこう見るとまだまだ子供なんだなー。起きているときはキビキビしているけど寝顔はこんなにも幼い。こうやってると父親になった気分になるな。

 

「一刀、昼間、ねねのことで、ありがとう。」

「どのこと?」

「ねねのこと、もっと知りたいって言ってくれた。だから。」

「そのことね。お礼なんていいよ、本心を言ったまでなんだから。まぁ、恋のことももっと知りたいけどね。」

「恋も、一刀のこと、もっと知りたい。恋にとって、一刀は蒼天だから。」

「蒼天?」

 

どういうことだろう?何かしらの意味はあるんだろうけど、イマイチ理解できない。

 

「(コクッ)一刀、みんなを優しく包んでる蒼天みたいなもの。恋はその下で空を泳ぐ龍。龍は蒼天を穢させない。だから、ずっと一刀と一緒にいる。」

 

初めてこんなにたくさん喋ってる恋を見た。そうか、蒼天・・・そういう意味だったんだな。これは責任重大だぞ。けど・・・素直に嬉しい。胸の奥がほっこりしている。

 

「あぁ、ずっと一緒だ。けど、その前に黄巾党をどうにかしないとな。」

「一刀と恋がいる。怖いもの、ない。」

「確かに。じゃあ、おやすみ、恋。」

「(コクッ)」

 

三人が寝静まった頃、セキトが怪しげな影を発見し一吠えしたがその影はすぐに姿を消した。その夜、洛陽周辺で色黒の変態がいたとの噂が巷で噂になったのはまた別のお話。

 

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あとがき 読んでくださってありがとうございます。拠点:恋/ねね 武の頂・二頭の獣、寂しがり屋の憂鬱はいかがだったでしょうか。あいかわらず戦闘描写が苦手です。今回は恋との一騎打ちとねねの心情の微かな変化について書いてみました。この3人が並んで歩いている描写は何度見ても親子にしか見えません。それでは、次回 『拠点:朱里/雛里 つ、つやぼn・・・ み、見ないでくださーい!、た、たいへんでし。』でお会いしましょう。

説明
何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。
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コメント
↓デュークのもげてまえ意味分からんからw頭おかしいんちゃうんw(ポンチキ)
三国志系の話で蒼天って言われると「蒼天已死」……この世界の黄巾党が言ってたら一刀を侮辱したと叫びながら突撃しそうだなぁ(波摩璽)
確かに恋&ねね拠点の一枚絵は親子にしか見えなかったよ。原作よりもロリ気味なねねも一刀さんにハントされてしまうのだろうか。あと、本編と全然関係ないけど蒼天というと蒼天の拳を思い出してしまう。(yosi)
ねねとも仲良くなれそうで何よりです。次は腐の世界への扉が開かれるのか…。(mokiti1976-2010)
蒼天の剣士…いいけど剣聖の方がグッと来ません!? そして一刀、一度モゲテまえ!(デューク)
拠点がつながってるから半分くらいは本編状態だな。(アルヤ)
一刀の異名は『蒼天の剣士』というところですかね? 音々が可愛かったです♪(本郷 刃)
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真・恋姫†無双 一刀  ねね 桃香   

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