IS x 龍騎?鏡の戦士達 Vent 6: ウィングナイト、見参 |
そして決闘当日、第四アリーナのピットに三人が普段着で集合していた。元が仮面ライダーと変わらないので、ISスーツを必要としない特別製なのである。
「さてと、昨日の内に念入りにメンテしてたから大丈夫か。」
三人はISを展開する。どれも全てフルスキンタイプであり、ライダーに変身する時の姿と若干の差異はあるが、殆ど変わらなかった。ベルトの様な装飾部分に、契約モンスターのレリーフが入ったカードデッキ、更に((基本装備|プリセット))としてバイザーもある。
「一夏。」
「ん?」
「勝って来い。」
「元よりそのつもりだ。あいつが言った様に格の差ってのを見せてやる。」
一夏はカタパルトに乗り、アリーナに射出された。かなりの人数で人が埋まっている。それもそうだろう。入学仕立ての三人が代表候補を相手にするのだ、見に来ない方がおかしい。アリーナ上空には、既にセシリアが待機していた。
「あら、逃げませんでしたのね?」
「お前程度の雑魚を相手に逃げる必要は無い。ソレのデータは既に閲覧した。弱みも強みも全て知っている。敵情の把握は戦いの基本だ。お前のカードは全てお見通しで、お前は俺の手の内を全く知らない。勝敗は見えているが・・・・まあ、御託は良いからさっさと来い。」
「そう、では、」
ブザーが試合開始の合図であるブザーが開戦を告げる。
「お別れですわね!!」
セシリアの持つ主力ライフル、スターライトmkIIIが青いレーザーを放った。だが、一夏は逆手に保持していた雪平に似ているダークバイザーを使ってそれを切り落とし、霧散させた。
「どうした?その程度か?」
ダークバイザーを右手に持ち替えると、一気に近付いた。
(速い!!)
誰もがそう思っただろう。
「御鏡、あのISは一体何だ?白式じゃないのか?寧ろ逆の色だぞ?」
千冬が顔をしかめる。自分が使っていたISとは違う事が面白くない様だ。
「ああ、白式が完成した所で倉持技研を買収して傘下に入ってもらって、少しばかり俺の会社で改造した。高速機動と近接戦特化が白式同様ウィングナイトの売りだ。白式よりは武装も少しばかり増やした。ワンオフもあるし。確か、バリア無効化の零落白夜だったな。まあ、見てなって。白式の本来の力を引き出しているから、不足はない筈だよ?」
「くっ・・・・!(どうして当たりませんの?!)」
「おいおい、射撃の最中に棒立ちは厳禁だぞ?殺して下さいとでも言ってる様なもんだ。」
再びダークバイザーを左手に持ち替え、右手にウィングランサーが現れる。そして白い光りに包まれたそれを思い切り振り下ろした。ギリギリで避けたが、それでも当たった面積に見合わない程シールドエネルギーが削られる。
(これがワンオフアビリティー・・・チ冬姉と同じ物か・・・・・エネルギーに気をつけなきゃな。)
「もう許しませんわ!踊りなさい、ブルーティアーズの奏でるワルツで!」
腰のフィンが四つ分離し、レーザーを放ち始める。
「生憎俺はそう言うダンスは嫌いなんだよ。」
そう言った瞬間、音楽が流れ始めた。Revolutionである。
「何が起こっていますの?!」
「ああ。司狼さんだな。戦闘中はやっぱりBGMがある方が雰囲気が出るって言うから。まあ、俺も音楽好きだから別に良いけど。さてと、俺も本腰入れましょうかね。」
一夏は左腰に納めたダークバイザーにカードを装填した。
『Trick Vent』
無機質な音声と共にシャドーイリュージョンの効果でウィングナイトが二人から四人、四人から八人に分身する。これには会場がざわめいた。
「さて、八人相手に、立ち回れるかな?これは一対多に向いているお前に対してのハンデだ。」
「減らず口を!どうせ虚像なのですから、意味はありませんわ!」
だがやはり結果は同じである。ビットであろうとレーザーライフルだろうと、全て避けられるか剣で弾かれてしまうかだ。焦りと苛立ちでビットの動きが雑になるその瞬間を一夏は見逃さなかった。
「気を緩めるな。死ぬぞ。」
前後左右、そして上下から計六本の零落白夜を纏ったウィングランサーが急速接近して襲う。
「キャアアアアアアアア?!」
六本全てが機体の一部を破壊した。
「そろそろフィニッシュだ。」
残りの二人が彼女が怯んだ所で接近する。
「お生憎ですが、ブルーティアーズは、全部で六機ありましてよ!」
「知ってるさ。」
ウィングランサーをジャベリンの様に投げつけて爆発させる。
「言っただろ?お前の手の内は全て知ってるって。」
シャドーイリュージョンの効果が切れたのか、分身が全て消える。それを見て、セシリアは再びビットとライフルの一斉射撃を行った。
「無駄だと言っているのが分からないか?」
『Guard Vent』
背中のダークウィングが変化したマント、ウィングウォールでそれを全て防ぎ切る。
「私は負ける訳には行かないのです!!!インターセ」
『Final Vent』
「はあああああああああ!!!」
飛翔斬を発動し、ウィングウォールがドリルの様に変化した。それが近接武器を呼び出そうとしたセシリアを突貫する。
「キャアアアアアアアアーーーーー?!」
一夏が着地し、後ろではシールドエネルギーが二桁を下回った所で倒れているセシリアがいた。彼女の方へ歩いて行き、ウィングランサーを突き付ける。
「ひっ!」
「降伏するか、この場で絶対防御を貫かれるか、どっちかにしろ。俺はまだ零落白夜を使うだけのエネルギーは十分にある。お前は決闘を申し込んだんだ。俺の見解では、決闘はどちらかが負けを認めるか、どちらかが死ぬまで続く。」
一夏の顔はフルスキンのアーマーの所為で見えないが、その声は冷たかった。刃先が全く震えないのは、本気であると言う事が見て取れる。
「ま、参り、ましたわ・・・・・・」
ブザーが鳴り、試合終了を告げる。
「よいしょっと。」
途端に雰囲気が変わった一夏はISを強制解除されたセシリアを横抱きにしてピットに飛んで行く。
「大丈夫か?少しやり過ぎちまったな。ごめん。でも、軽々しくそう言う事は言わない方が良いのは事実だ。代表候補の在り方をもう一度しっかり考え直してみろ。いずれは国を背負う大役が待ってるんだろう?だったら、下積みはしっかりしておいた方が良い。お前の過去に何があったか知らないが、乗り越えろ。」
ゆっくりと彼女を簡易ベッドに寝かせると、シールドエネルギーの補充に向かった。その後ろ姿に、セシリアは思わず魅入ってしまい、ときめくのを感じる。
説明 | ||
一夏vs セシリアです。所々アメリカ版のドラゴンナイトの要素(名前とか)が取り込まれています。 | ||
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コメント | ||
あ、確かに。修復しておきました。指摘、ありがとうございます。(i-pod男) 疑問なんですが、一夏がアリーナに射出された後に箒と会話しているんですが、これは通信機かなんか使っているんでしょうか?だとしたら、織斑先生の性格だと幾ら知り合いだとしても一生徒に使わせないと思うのですが。(鬼龍皇) |
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