ツンデレ猫耳さんと共に 二十六話 <書庫で> |
「そこ座りなさい」
「ああ」
一刀は桂花の近くの椅子に腰掛ける
・・・
・・・・・・
「と、いう訳なんだけど・・・」
一刀はこれまでの経緯を桂花に伝えた
「・・・話は分かったわ。とりあえず話をまとめるとアンタは私に地の御使いを倒すためにその怪我を治してほしくてわざわざバカな真似してここまで来たってことでいいのよね?」
「あ、まぁ・・・そうなるかな。」
「返事だけど却下。」
「えっ!?」
てっきり協力してもらえるとばかり思ってた一刀にとって、桂花の返事は意外なものだった。
「ど、どうして?」
「はぁ〜」
桂花が溜息をつく
「・・・・あほらしすぎるからよ」
「な!」
直球で来た
「アンタ自分のしたこと分かってるの?自分の治療の為にわざわざ風や七乃まで使って、更には警備兵まで巻き込んで私のとこまで来たって言ったわよね?もう何度も言ってるから知ってると思うけど華琳様にバレたらどうなるか知ってんでしょ!?」
「ま、まぁ・・・」
猫耳フードが逆立っているのをみて、マジで怒ってるのは分かった・・・・確かに今思えばなんて下らない事を桂花に話してるんだろうと思えてきた・・・
いや、ここで引いたら今までの話の意味がなくなる!
「それは分かってるけど・・・・俺は地の御使いを倒したいんだ!魏のみんなや華琳の為にも!」
「!?」
ピクッ!
華琳というワードにぴくっと桂花の猫耳フードが反応する
(よし、チャンス!)
「それに奴らの狙いは華琳なんだぞ!?」
ピククッ!
「そう・・・何故だか知らないけど相手は華琳様を狙っているのよ・・・・この前の敵の襲撃もそう・・・」
「さっき七乃から聞いたんだが敵の襲撃があったみたいだな」
「そうよ、警備もきちんと厳重にしていたのだけど、ほんの小さな隙を見事に攻め込まれたみたいで・・・なんとか秋蘭と琉流が対処してくれたので致命傷には至らなかったんだけど、こちらから攻め込む機会が潰されてしまったわ、全く!」
桂花の本を持つ手に力が入る
「魏の隙を突くって・・・相手はそんなに大人数だったのか?」
「確認したところ、実はそんなに数はいなかったようなの。」
「マジ?」
「目的は多分先手を打って襲撃することによる混乱・・・敵の兵士は攻め込んできたと同時にあたりの建物なのに火矢をはなっていったわ」
「それで消火と迎撃に戦力をさかれてしまったのか」
「まあね、そして魏の援軍が到着する時にはきれいに皆いなくなってた・・・だから今回の敵の目的は華琳様じゃなく、魏の戦の準備を遅らせ、この洛陽に戦力を固めさせるのが目的とみているわ」
なんか聞いてるとやっかいな事になってるぞ・・・・あんまり戦で時間を使いたくないし・・
「撃退はできたけど、援軍が遅れていたら最悪、兵糧庫が焼かれてたわ」
「なっ!」
「もしかすると敵の目的はそっちだったかもしれないわね」
「兵糧庫を狙っていたなら、敵は何故場所を知ってるんだ?」
「敵に相当な軍師がいる、もしくは地の御使いの何らかの力によるもの・・・・そして内部に内通者、裏切者がいるって線が考えられるわ。」
「裏切者がいるなんて考えたくないな」
「私だってそうよ」
魏のみんなの事は俺が一番知っている・・・そして敵は魏にどんどん侵略してきてるってのは分かったが・・・・ん?
「あれ?魏って桂花や風、稟など名だたる軍師がいるんだろ?その隙を突かれたって事は相手はこちらより上の・・・」
ばしっ!
「いだっ!」
本で思いっきり叩かれた
「んな訳ないでしょ!魏の軍師と比べれば蟻同然、今回はたまたま相手の運がよかっただけよ!」
言い訳のように聞こえるが、俺も魏の軍師以上のやつが相手にいるなんてかんがえたくない・・・
「そうか、そうだよな、なんたって桂花は華琳も認める三国一の天才軍師なんだからな、変な事いってごめん」
「えっ!?そ、そうよ・・・あたりまえじゃないの、アナタが変な事いうのはいつもだけど、そんな当たり前の事本人の前で言うなんて・・・は、恥ずかしいじゃない!」
「なんで恥ずかしいんだ?そんなの誰もが知ってるし、言われなれてるだろ?」
「う、うるさい!」
ドゲシッ!
「ぐえっ!」
「な・・・・なんで・・・」
「ふんっ!
」
頬を赤く染めながら答える
(他の人に言われるのと一刀に言われるのは違うのよ馬鹿!)
蹴られたところを抑えながら顔を上げると桂花の猫耳がピコピコ立っていた。そしてもう1つ気づいたが、なんか流れ的に桂花の力を借りるのは無理そうだな。
あまり長居しても仕方ないか・・・
俺はスクッと立ち上がる
「よし、じゃあ俺はもう行くよ」
「えっ?」
「傷を作ってしまったのは俺が未熟だったからだ。それを他人に治してもらおうなんて依存だったわ。この程度のこと、自分で何とかできなきゃ地の御使いなんか倒す資格すらないな・・・断ってくれて逆にありがとな、桂花」
一刀は書庫の扉に手をかける
「ちょっと一刀、待ちなさいよ!」
桂花の声に足を止める
「あ、あんたね、このまま私が何もせずにアンタを追い払ったら、せっかく協力してくれた風や七乃に悪いじゃないのよ・・・だから・・・その・・」
「桂花?」
「だから!私にできることなら手伝ってあげるって言ってんの、そ、それぐらい分かりなさいよ、バカなの?死ぬの?」
「桂花・・・」
「な、何よ!?」
「ありがとな。」
「//// バ、バッカじゃない!全身精液の男になんか感謝されても全然うれしくないから!たまたま今書簡の整理が終わって時間ができただけよ!で、でもね、時間も遅いから少しだけなんだからね!」
「ああもちろん!」
桂花は宝具である巻物を取り出して一刀の傷の手当の方法を見る
「本当は大事な戦局の中で使いたいんだけどね・・・いっとくけど相当気を使うんだからね。そして気の力は時には治療する事もできるのよ。」
「桂花は気が使えるのか?」
「私を誰だと思ってんの?もし華琳様に何かあったときにすぐ治療を施せるようにかなり前から風と一緒に凪に教わってるわ。まさかこんな形で使うことになるとは思わなかったけどね」
「そうか・・・じゃあ気で俺の「無理よ」えっ!?」
「私はまだ治療を施せるぐらい気を出せないもの」
「そうなの?」
「こんなこと嘘ついてどうすんのよ・・・それでも私にはこの頭脳があれば問題ないから気にしてないわ」
桂花の様子が一気に暗くなったぞ・・・・口では大丈夫といってはいるが相当ショック受けてるな
「けい・・」「見えたわ」
「え、マジ!?」
「一刀、あんた本当に重症みたいね、よく立ってられるわね・・・全部この宝具に出ているわ。自然治癒で完治するには半年ぐらいかかるみたい。」
「半年!?」
「そうね、何本か肋骨とか折れてるんじゃないの?これは華陀に頼んだほうがいいわね、後は・・・竜の肝が必要ね」
マジか・・・・そこまで俺ってボロボロなのか?ってか竜っていったよね今!?
「とりあえず協力はしたから。後はアンタ次第ね、華琳様のためにも早く治して地の御使いなんとかしなさい」
「いや待ってくれ、華陀はともかく竜は無理だ!肝を手に入れるには時間もかかるし倒せないし、そもそもどこにいるのかも・・・・」
「場所はここからずっと北に向かった山の山中にいるみたいよ」
なんだと・・・
「竜を倒すことについては誰かに依頼して頼むのが無難ね。とりあえず私はもう寝るから」
「ちょ・・・桂花〜見捨てないでくれよ〜」
桂花の袖をつかむ
「何よ、はなしなさいよ・・・って強!アンタ一体どこにそんな力があるのよ!」
「頼む・・・・桂花も一緒にきてくれ!」
「なっ!?」
「桂花の傍にいると凄く安心するんだ、それに北の山って抽象的すぎて全然わからん!竜の場所まで道案内できるのは桂花だけだ」
「ちょ!な、なに恥ずかしい事をさらっていってんのよー馬鹿ーー!!」
ポカポカポカッ・・・
正直な所、桂花と一緒にいたいのが10割だけど
「頼む!」
「わ、私がなんでアンタの為に命の危険がある場所にいかないといけないのよ」
「そこをなんとか!」
「う〜〜」
(本当は一刀とは一緒にいたい・・・jけど今ここを離れて万が一、華琳様に二人でいることが知られたらそれこそ終わりだわ・・・・・でも)
桂花が考え込む。様子からして可能性あるかな?
「質問があるわ」
「なんなりと」
「アンタ竜を倒せるアテないでしょ?それに今は大事な時期で私はここを離れられないのよ?勿論それは魏の武将全員よ」
「そうだな・・・・まぁ、アテならあるさ。一人頼れる人物がいるから」
「魏の者以外で?」
「ああ」
「竜を倒せる人物・・・関羽?アンタ知り合いだっけ?」
「関羽じゃない・・・関羽とはあまり話した事はないし協力してくれる理由がない」
「・・・まぁいいわ。仕方ないから私も付いてってあげるわ。私がし教えた竜の情報で死なれたら後味悪いから」
「おぉ・・・桂花――――」
「きゃあ!」
ドスッ!
「調子に乗るなー!」
いいのが腹に・・・ぐふぅ・・
「はぁ、とりあえずアンタのアテと言うのにあわせてもらうから!」
あぁ・・・華琳様になんていえば・・・いいえ、これも華琳様や魏の為!少しの間、留守を致します!
説明 | ||
しばらく期間があいてしまいました・・・でも小説の方はきちんと完結までは書いていきたいので、飛び飛びになりますがよろしくお願いします! |
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