真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 拠点:趙永 妹探して三千里 |
まえがき コメントありがとうございます。今回はリクエストがあったのでお兄さんの拠点です(星の兄)。話の進行に支障はで出ませんのでご安心ください。それではお兄さんの愉快で泣けるお話話をお楽しみください。
はい、始めましての人も始めましてじゃない人もこんにちは。星の兄こと趙永です。何で死んだはずの私がここにいるのかというと・・・分かりません!四か月ほど前ですかね。流星が落ちたと思ったらここにいました。さて、ここは洛陽の街の中。この街の中に星がいると聞いて来たのですが・・・いえ、一度顔は見たのですがね。御使い様と良い雰囲気を醸し出していたのでちょっと身を引きました。
「さて、さっきの音が何か気になるし門の外まで出てみましょうかね。」
外に出ると大男の人が仁王立ちしていました。お、ついでに星も発見!こんなに可愛く育っちゃって。自慢の妹です。声を掛けられないのは寂しいですがね。
「ほんとに良い子に育ってくれたみたいで良かった・・・。」
感傷に浸ってると大男さんがこちらに近づいてきましたよ。・・・私のこと見えないはずなんだけど・・・。
「お主、趙雲殿の姿を凝視して何をしているのだ?」
「おい、誰と会話しているのだ。あまり怪しい行動をとるでない。怪しいのは見た目だけにしておけ。」
「なんじゃ、お主には見えぬのか。というと幽体かそこいらなのだな。」
「・・・冗談はそこいらにしておけ。」
「あなた、私のこと見えるんですね〜。」
私のことが見える人っていたんですね〜。人生長生きするものです。いえ、もう死んでましたね。
「ここで話すと余計に怪しまれるので少し離れたところでいいでしょうか。」
「そうじゃな。」
星と距離を置きこの人と会話をしてみることにしました。いや〜、誰かと会話するなんて何年ぶりでしょうか。少しわくわくしてきましたよ〜。
「では自己紹介から。私は趙永。あそこにいる趙雲の兄です。昔に戦で槍に突かれてしんでしまいました。」
「儂は卑弥呼。亜細亜流漢女道元継承者じゃ。そしてこっちがただ今気を失っている儂のダーリンこと華佗。五斗米道の継承者じゃ。」
「そのままにしておいて大丈夫なんですか、その人?白目剥いてますよ・・・。」
「何、気にすることはない。いずれ目を覚ますじゃろうし。」
いや、そのまま目を覚まさない確率の方が高い気がするんですが・・・。この人が良いって言うんならそのままにしておきましょう。
「それにしても、幽体で現世に留まっているのはありがちじゃがこうして目に見えるとはお主も何かを抱えておるのじゃろうな。」
「ん〜、そうですね、まったく未練がなかったと言えば嘘になりますがこのような世の中ですし。戦に出る以上は相応の覚悟はできていました。強いて言えば妹に言伝を伝えたいな〜と。そのくらいです。」
「ふむ、儂では信用されておらんしの。北郷一刀に頼んでみてはどうじゃ?」
「北郷一刀?」
「天の御使いじゃよ。あやつなら趙雲にも信頼されてるしの〜。」
「ですが私を目視できるかすら分かりませんよ?」
「天の御使いだからな。もしかしたらがあるやもしれん。」
「そうですね。では与太話でもしながら待ってましょうかね。」
御使い様ですか〜。話できたらいいな〜。
・・・。
城に戻ると詠と恋が庭でお茶していた。珍しく月がいない・・・。
「詠〜、月にいるか知らない?」
「月なら部屋でお昼寝してるわよ。・・・ってあんた、二人を抱えて何してるのよ?」
詠の視線が抱えられている二人に向けられる。恋は胡麻団子を食べるのに夢中になってるけどね。
「ん?抱えて走った方が早かったからさ。」
「ご、ご主人様。お城の中に来たんですから離してもらってもいいのではないんですか?//」
「あわわ。恥ずかしいでしゅよ〜//。」
「また戻らないといけないからまだ駄目〜♪」
「あんた、少し嬉しそうね。」
詠がじと目で俺の方を見てくる。ちょっと怖いけど気にしない。
「まぁね。じゃあちょっと月の部屋に行ってくる。」
「あんた、人の話聞いてたの?お昼寝してるって言ったじゃない。」
「緊急事態なんだよ。これは月に言っておかないといけないことだから。じゃあね。」
俺は月の部屋に向かって歩き出した。二人を抱えたまま。
「恋も、抱っこされたい・・・。もぐもぐ。」
・・・。
月の部屋に入ってみると聞いた通り可愛い寝顔をした月がいた。起こしちゃうのは気が引けるけど緊急事態だし、ごめんね。
「月、ごめん、ちょっといいかな?」
「ん、一刀さん・・・。」
「起きたかな・・・。」
「ほっぺにご飯粒・・・ついてますよぉ・・・。zzz。」
起きてなかったよ・・・。ていうか夢の中に俺出てるのか。
「月、起きないと抱きついちゃうぞー?」
「えへへ、一刀さんったら・・・甘えん坊さん・・・ですね・・・。zzz。」
寝言で会話が成り立っちゃってる・・・。というか二人の視線が痛い。
「ご主人様、早くしてください。」
「はい。」
仕方ない。あれをやるか・・・。二人を降ろすと俺は月の首元を擽り始めた。
こちょこちょこちょ。
「きゃ、くすぐった!あははは!」
「おはよう、月。」
「一刀さん、お、おは、あはははは!な、なんで?、あはは、ここにいるんですか?」
俺は擽るのを止めると月はふぅっと一息ついた。
「そうだった。月を起こすのに夢中になってて忘れてた!緊急事態なんだ。月に聞かないとって思って。」
「何が起きたんですか?」
月の表情が真剣なものへと変わった。
「街の外に大男の変態が出たんだ!」
「・・・へ?も、もう一度言ってもらえませんか?」
「街の外に大男の変態が出たんだ!」
「・・・へぅ。」
月がすこぶる困った顔をしている。それはそうだ。いきなり変態が出たなんて言われたら誰だってこうなる。
「気を失ってる人を連れてるから休ませるために一部屋借りたいって言ってるんだけど・・・。どうすればいいか決めてくれない?悪い人ではないんだ。ちょっと気持ち悪いだけで。」
「一刀さんが悪い人ではないということなら多少のことには目を瞑りましょう。」
「じゃあ連れてきていいってことでいいのかな?」
「そうですね。けれど私も同行させてもらいます。」
「了解。」
「ご主人様、月ちゃんにもしものことがあったら・・・。」
「(コクコクッ)」
「俺がいるから大丈夫。」
「はい。いざとなったら一刀さんに守ってもらいますのでご安心ください。」
月が寝台から降りると俺たちは部屋を後にした。
・・・。
「えへへ。一刀さんの背中、温かいです♪」
「ご、ご主人様、大丈夫なのですかこれは・・・。」
「平気平気。」
俺はさっきの二人を抱えた状態で月を背中におぶっている形になっている。周りからの視線が突き刺さるが気にしてはいられない。駆け足で門の外まで出てみると星がぽかーんとした表情であの人の姿を眺めている。視線の先にはオカマさんと・・・誰?先ほどはいなかった男の人があの人と話していた。
「星、あの人知ってる?」
「・・・主まで何を言っているのだ。あの変人しかおらんではないか。」
「え?もしかして見えないの?星と同じ髪色で俺と変わらないくらいの背丈をした男の人。」
「見えません。」
「見えぬな。」
「ご主人様、大丈夫ですか?お疲れで幻覚が見えているのでは・・・。」
「流石にそれはないよ・・・。じゃあとりあえず二人に話してくるね。」
二人に近づいていくと俺に気付いたようでこちらを振り向いた。
「噂をしていたらなんとやらじゃな。」
「この人が北郷一刀様?」
「?街の人ではないように見えるのですが、会ったことありましたっけ?」
「私の方からは見ていましたがお気づきになられなかったのも仕方ないでしょうね。」
「どこで見られていたのですか?」
「うちの妹・・・星と抱き合っていた時ですよ。」
「ぶふーっ!げほっ!げほっ!」
えー!?じゃあこの人、星が言っていたお兄さん!?どうりで他のみんなに見えない訳だ。いや、それを言うならなんで俺とオカマの人に目視出来るのかの方が問題だよね。
「星がお世話になっているようで。私、星の兄こと趙永と言います。真名は光(こう)と言います。」
「ご丁寧にどうも。俺は北郷一刀と言います。一応天の御使いということになってますが自覚はないんです。」
「いや〜、あなたみたいな人が星の旦那になってくれれば何も心配はありませんね〜♪」
「ぶふーっ!!だ、旦那!?いえ、確かに星は俺の家臣ではありますし俺のことを『主』と呼んでくれてはいますがまだ旦那とかそういう関係では・・・。」
「あくまで『まだ』ですよね?」
「うぐっ・・・。まぁ、星のことは好きですし大切な仲間ですから。いずれはそういう関係・・・お嫁に来てくれたらとは思いますがね。」
・・・。
「〜〜〜〜〜〜//////。」
「星さん?お顔が真っ赤ですよ?どうされたのですか?」
「い、いや、何でもない。気にするな。」
主はいきなり何を言っておられるのだ!嫁にきてくれたらなど・・・!//。ま、まぁ、主の嫁ということなら喜んで引き受けるが//いや、そのような話ではない!何故私の名があそこで出てくるのだ!全く・・・//。
・・・。
「それは安心しました。これで心配なく成仏できます。いや〜、星に出会うまで陳留、建業、西涼、成都といろんなところに行きましたからね。星が寂しがっていないかしんぱいしてたんですよ。」
「お兄さんの分まで俺が責任を持って星のことを大事にしますよ。」
「不束者の妹ですが、これからもよろしくお願いします。」
「いえいえ、こちらこそ。」
「そのついでと言ってはなんですが、妹に言伝を頼んでも良いでしょうか?」
「いいですよ。」
光さんは俺に耳打ちして星への言伝を言った。ん〜、これを俺が伝えるのか・・・。結構恥ずかしいな、これ。
「それではお願いしますね。」
「了解しました。」
「儂の件はどうなったのじゃ?」
「あ、太守の子を呼んできたのでその子に交渉してみてください。」
「うむ。承知したぞ。」
「それでは光さん、あとで星に伝えておきますね。」
「何を言ってるんですか。今からですよ。」
「え!?」
「私が見ている間に伝えてください。」
「・・・了解しました。」
・・・。
「星、とある人から言伝を預かってきたよ。」
「まさかあの大男からではありますまいな・・・。」
「違うよ。光さん・・・って言えば分かるよね?」
「!?何故主が兄の真名を・・・。」
「あそこに男の人がいるって言ったよね。それが光さんだったよ。星のことが心配で来ちゃったみたい。」
「兄さん・・・。」
「それと、言伝を伝えるね。」
星、お前が元気にしているみたいで私は安心した。先立ってしまった私のことを忘れてはいまいかと少し心配してしまったよ。母さんは元気にしているか?あまり心配を掛けないようにな。星も体には気を付けて。直接伝えられないのが残念だけど、御使い様のお陰でこうして伝えることが出来た。私は死んでしまったがずっとお前と一緒だ。お前が私を忘れても私はお前の心の中に生きているから心配は無用だ。最後に、御使い様と幸せな人生を歩んでくれ、私の分まで笑って生きてくれ。あまりお前の泣き顔は見たくないからね。それでは。光より、愛する妹へ。
俺は光さんの方を振り向くと彼は笑顔で。ありがとうございますと言った後、揖礼をして彼の姿は徐々に薄くなっていき・・・消えて行った。あの人は本当に納得して逝くことが出来たのだろうか・・・。けど、最後は笑顔だった。どうせならもっとお話したかったな。
「光さん、今向こうに逝ったよ・・・。」
「兄さん・・・。まったく、死んでまでも出てくるとはお節介なお人だ。」
星は皮肉を言いながらも泣いていて、それでも笑顔だった。
「ぐすっ、良いお話ですね。」
「私も姉に会いたくなりました。」
「ふえーーーーん。感動しちゃったです。」
三人とも感動で涙を込み上げていた。俺も久しぶりに妹・・・鞘香(さやか)に会いたいな。あいつも元気にしているだろうか・・・。
「感動に水を差すようで悪いのじゃが、儂の件はまだかの?」
「あ、忘れてた。月、お願い。」
「あ、そうでしたね。はい、私は洛陽太守をやっています董卓仲頴と言います。」
「儂は卑弥呼じゃ。」
それから交渉が終わり、卑弥呼さんと華佗さんに部屋を貸す代わりに明後日の黄巾党討伐には戦力に加わってもらうことになった。それにしてもまた大物が来たな。華佗、五斗米道継承者・・・つまり医者だ。というか卑弥呼って・・・邪馬台国の姫だったよな。そんな人が何でこんなところに。いや、ツッコミどころはほかにもあるんだけどね。ありすぎてどこにツッコめばいいか分からなくなっちゃった。朱里と雛里は相変わらず怯えていて俺の背後に隠れている。確かに見た目はあれだけど、なんだろう・・・慣れたのかな?最初ほどキツイ印象は薄れた。
「それではお城までご案内するのでついてきてください。」
「うむ。よろしく頼む。」
それから俺たちは卑弥呼さんと気を失っている華佗さんと共に城へと歩き出した。
あとがき 読んでいただきありがとうございます。拠点:趙永はいかがだったでしょうか。リクエストしてくださったkazukiさんありがとうございます。趙永という名に関してですが調べてみると不明でした。ということで趙雲の封号、永昌亭候から趙永とさせていただきました。趙永さん、安心して成仏してください。一刀さんが星をあいしてくれますので。それでは次回 拠点:流琉 大きな熊さんとおじさん でお会いしましょう。
説明 | ||
何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。 | ||
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コメント | ||
光お兄さんも一安心やな。どっかの誰かが種馬の本性って言ってるけど別に一刀何も悪い事してへんやん。(ポンチキ) いい兄さんだ(´・ω・`)(yosi) 種馬の本性を見た後だったらお兄さん成仏出来なかったのではと、ちょっと思ってしまった…しかし卑弥呼が加わるだと!?それはまさに百万の援軍を得たに等しい事のように感じる。(mokiti1976-2010) まぁ、恋姫の世界において漢女はツッコミどころの塊だからな。(アルヤ) 光お兄さん凄いな!?(本郷 刃) |
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