恋姫†無双〜私だけを見てください〜 第2話
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私が一刀様をおんぶして、しばらく歩いていたら小さな街が見えてきました。……因みに、この街の人達に話を聞いたところ、ここは荊州の中にある街だと言うことが分かりました。私の出身も荊州なので懐かしいです。

 

 

私は、そこの街の宿屋で一刀様が起きるのを待つことにしました。

 

 

……えっ?お金ですか?お金なら、さっきのクズ達から貰いました♪

 

 

私は部屋まで一刀様を運んで、あることを考えていました。

 

 

「(……この一刀様は、きっと私の事は知らないんでしょうね……)」

 

 

そう……この一刀様は……『この外史に現れる一刀様』なんです。だからこの一刀様は、『朱里』だった頃の私の事は当然分からないでしょう……

 

 

そう思うと少し寂しい気もしますけど、それも仕方がないでしょう……だって今の私は『朱里』では無く『零里』ですから。それに、だからこそ……この一刀様を他の女たちから守って『私だけの一刀様』にしないといけません。

 

 

「(私が……必ず……守っ………てみ………せ…………)」

 

 

私は突如、襲ってきた睡魔に耐えきれずに眠りについてしまいました……

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〜一刀side〜

 

 

「(………………………んっ)」

 

 

……あれっ?どうゆう訳だか目の前が暗いぞ。……あ、そっか。辺りが暗いのは俺が目を閉じているからなのか。……でも、なんで俺は目を閉じているんだろう??

 

 

「えっと確か……学園に行く途中で何かにぶつかって、それ以来の記憶が全くないな……て言うことは俺はそのまま気絶して…………!!??)」

 

 

そこまで考えた俺は、ある一つの結論に達する。

 

 

「ヤバッ!!遅刻…だ…………って、アレ??」

 

 

勢いよく目を開いて起き上がった俺が目にしたのは……

 

 

「……ZZZ ……ZZZ ……」

 

 

……自分の隣に寝ていた女の子だった。

 

 

「……(えっと、誰だろ?この娘……)」

 

 

黒色のロングヘアーをした、見た目的には俺よりも少し上くらいの年齢の娘だろうか?……それでも、彼女の寝顔にはそれなりの幼さもあるけど……って、む、胸がデカすぎるだろ!!この娘!?服からはもう、これでもかっ!!ってぐらいの谷間が見えてるし!?

 

 

俺はとっさに彼女の事が見れなくなり、目を背ける。すると……

 

 

「(……あれっ?この部屋の感じ……何だか日本って感じじゃないな……)」

 

 

そう、部屋の風景は一言で言えば、まるで中国風のような風景なのだ。それに寝ている娘の格好を見ても、とても現代の日本の女の子の格好だは無かった。

 

 

そんな事を考えていると……

 

 

「………んっ……んんっ…」

 

 

女の子が今にも起きそうである。

 

 

「(……もしかしてこの娘、ずっと俺の事を看病してくれていたのか?……だったらこの娘にもちゃんとお礼も言いたいし、ここが何処なのかも聞きたいし……そろそろ起こそう。)……あの、起きてください。」

 

 

俺はそう言って彼女の肩を揺らした。

 

 

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〜side out〜

 

 

「あの、起きてください。」

 

 

「……んっ…」

 

 

眠っている時に男の人の声がして、肩を揺すられる感じがしました。……あれ?でもなんで私、眠っているんでしょうか?……えっと、私は一刀様を宿屋まで運んで……そうです!!その後に急に眠たくなって、そのまま眠ってしまって……って今の声って、もしかして…………!!??か、一刀様!?

 

 

「ふえぇっ!!??」

 

 

声の正体が一刀様と分かって、私はそんな変な声をあげて、起き上がってしまいました。

 

 

「うおっ!?」

 

 

私の声を聞いた一刀様は、凄く驚かれていました。……は、恥ずかしいです///

 

 

「わわわわわ………///」

 

 

私はまだ、一刀様に起こされた驚きで、どうしたら良いか分からずに混乱していました。

 

 

すると一刀様が……

 

 

「あ、あのぉ……大丈夫ですか?……と、とりあえず深呼吸をして落ち着いて。」

 

 

と、言ってくださいました。

 

 

「は、はひっ!!……すーはーすーはーすーはーすーはー……」

 

 

「いやいやいや、それ深呼吸になってないから……」

 

 

「はひっ!!?」

 

 

一刀様の言葉を聞いた私は早速、深呼吸を始めましたが、一刀様から深呼吸になっていないと注意をされて、私はまた変な声をあげてしまいました。

 

 

……何だか、一刀様と初めて会った時のようです。

 

 

「はい、ご一緒に……すー……はー……すー……はー…」

 

 

「すー……はー……すー……はー…」

 

 

一刀様の後に続いて、私はゆっくりと深呼吸をしました。……こうやって一刀様と深呼吸をするのは、すごく久しぶりです。

 

 

「……落ち着きましたか?」

 

 

「は、はい。」

 

 

一刀様に聞かれて、私はすぐに答えました。……一刀様を前にして、取り乱してしまうなんて恥ずかしいです。もう私は『朱里』では無いのに……

 

 

「良かった……ところで、貴女は一体誰なんですか?……それに此処って、一体何処なんですか?」

 

 

私が落ち着いた事を確認した一刀様が、私とこの場所について聞いてきました。

 

 

……私は今までと違う名前を名乗る事に抵抗がありましたが、そうしないと色々と大変なことが起こるようなので、私は出来るだけ冷静さを保って、名乗り出しました。

 

 

「えっと、私は……姓が司馬、名は懿、字は仲達です。」

 

 

「………………えっ?」

 

 

私がそう名乗ると、一刀様は呆気に取られたような顔をされました。

 

 

「……あ、あの……どうかしましたか?」

 

 

私は、一刀様がどうして呆気に取られた顔をするのかを聞いてみました。

 

 

「い、いや、ちょっと待って……さっきの名前って本当なの?……本当に君は『司馬仲達』って名前なの?」

 

 

……もしかしたら一刀様は、天の世界での『司馬仲達』を思い出されて驚いているのかもしれません。

 

 

私はできる限り平常な感じで……

 

 

「はい、私の名前は司馬懿仲達ですよ。」

 

 

と、言いました。すると一刀様は……

 

 

「そ、そうなんですか……じゃあ、ここは何処なんですか?」

 

 

と、今度は場所の事を聞いてきました。

 

 

「ここは荊州の街の中にある宿屋の部屋の中です。」

 

 

私は、一刀様に場所の事を詳しく教えてあげました。

 

 

「へ、へぇ〜そうなんですか……(司馬懿って、もっと北の地方の出身のはずなんだけど……もしかして俺の知っているのとは、違うのかな?女の子になってるし……)」

 

 

場所の事を教えると、一刀様が何かを考え始めました。やっぱり一刀様は今の私と、天の世界での『司馬仲達』の事を考えているみたいです。

 

 

そんな一刀様に私はある事を聞き出しました。

 

 

「あの、それで貴方は……」

 

 

勿論私は、一刀様の事を知っているのですけれど、いきなり名前を言ったら変に怪しまれてしまうので、一刀様に名前を聞き出しました。

 

 

「あ、ごめん。そう言えばまだ名乗ってなかったね……俺は北郷一刀って言うんだ。……所でさ、俺は一体どうしてこの部屋で、寝てたの?」

 

 

一刀様は名乗った後、今度は自分がどうしてこの部屋で寝ていたのかを聞いてきました。

 

 

「え、えっと……私が道を歩いていたら、自分の目の前が急に光り出して、光が消えたら貴方が倒れこんでいて……それで私がおぶってここまで運んだんです。」

 

 

私は一刀様に聞かれた時、一瞬どうしようかと思いましたが、とっさに私はそれらしい話を作りました。

 

 

「えっ、貴女がおぶって運んだんですか?」

 

 

話を聞いた一刀様はそう聞いてきました。

 

 

「はい……あ、大丈夫ですよ。私、こう見えても力はある方ですから。」

 

 

「い、いや……そうじゃなくて、あの……貴女が俺をおんぶしたら、その……」

 

 

「…あっ」

 

 

私は一刀様の言葉に答えると、一刀様はだんだんと視線をずらしていって、次第に私の胸に視線を送っているのに気が付きました。

 

 

「///……だ、だだ大丈夫ですよ。わ、私気にしてませんから///」

 

 

「い、いや、でも…………ごめん///」

 

 

私がおぶった際に、一刀様の手が私の胸に当たってた事が一刀様に知られて、私はとっさに、気にしてないと言いましたが、一刀様が謝ってきてしまいました。

 

 

…………胸に当てていたのは、私の意思なのに///

 

 

しかし、この一刀様を『私一人だけの一刀様』にするためには、この外史に存在する他の恋姫達を排除しなくちゃいけません。……それをやるためには、まず一刀様が『天の御遣い』として起っていただかないと……

 

 

その為には、それらしいお話を創っておきましょう……

 

 

「あの……お話がちょっと違ってしまいますけど、私が話しても良いでしょうか?」

 

 

私が一刀様にそう聞いたら……

 

 

「は、はい……どうぞ。」

 

 

一刀様は私が話すことを、承諾してくれました。

 

 

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「ありがとうございます。では……もしかしたら貴方は、あの『占い』のお方では無いでしょうか?」

 

 

私はまず、こう一刀様に話しました。

 

 

「……えっ?あの『占い』って一体何ですか?」

 

 

当然ながら一刀様は、私に質問をしてきました。

 

 

「……実は私、この前に街でこんな話を聞いたのです。『白く光輝き、陽光を跳ね返す着物を着た天の御遣いと、その御遣いを支える神が、その力を持って乱世を鎮める』……と」

 

 

占いの内容は、あの髭のクズの言っていた単語を。私自身で創作した物です。でも、本物の占いと内容は変わらないはずです。……多分。

 

 

「実際に貴方は、白く陽光を跳ね返す衣を着ていますし、貴方は自分自身が今まで居た場所から、どうして此処に居たのかも分からなかったんです。……これは貴方が『天の御遣い』と言っても十分な理由かと……」

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!」

 

 

私が話をしていると、一刀様が慌てた様子で話に割って入って来ました。

 

 

「貴女の言っている事は、俺にはまるで理解出来ませんよ!!……貴女の言っているこの服は、俺が通っている学園の制服の事で、素材に『ポリエステル』を使っているから光を反射しているだけだし……そもそも俺は天の御遣いとか言うような、大層な人間なんかじゃ無いんだ。……きっと人違いか何かだよ。」

 

 

一刀様は私が話をした、『天の御遣い』は自分自身ではないと言ってきました。……そんな事は絶対にありません。だって一刀様は間違いなく『天の御遣い』であって、私の求めていた『ご主人様』なのですから。

 

 

「仮に貴方が『天の御遣い』で無かったとしても、私には夢があるんです。その夢を実現させる為には、貴方に『天の御遣い』として貴方にはこの乱世で、立ち上がってほしいのです。」

 

 

「……夢?」

 

 

一刀様はどうやら私が話した夢の内容が気になるみたいです。……でも、『復讐のため』なんて言ったらきっと一刀様は、私に力をお貸しになってくれないでしょうから、またお話を創ります。

 

 

「……私はこの乱世の中で色々な人達を見てきました。……重い税収を取られて生活難になり、やがて死んでいく人達……何かをした訳でもないのに、賊徒達から問答無用で殺されていく民達……そんな事などお構い無しに宮中の人達はずっと遊び呆けてばかり……こんな状況がずっと続いていたら、国は民達からの信用を失ってやがては国そのものが滅びてしまいます……」

 

 

私はそこで話を区切ると、一度深呼吸をしてから……

 

 

「私はそうした出来事を回避して、自分自身で国を変えるために自分の能力を持って世の中を変えたいと思っていました……しかし、私の能力を生かせそうな人物が見つからずに、そのままただ時間だけを無駄に過ごしていました。……そんな時に、あの占いの内容を聞けたのです。そしてその時私は、『やっと私の能力を生かして、私の夢を叶えてくれる人が現れた。』と思いました。そして今日、私の前に貴方が突然現れました。だから……お願いです!!どうか私に力を貸してください!!」

 

 

「…………」

 

 

私がお願いをすると、一刀様は静かに黙って何かを考え始めました。……実際に私にはさっき言ったような事は考えているつもりですよ。民の皆さんが悲しむ顔を見るのは、お優しい一刀様はもちろん、私だって嫌ですから。ですが私の第一の目的は、『一刀様を奪っていった女達への復讐』です。

 

 

そう考えていると一刀様が……

 

 

「……俺だって、もしかしたら司馬懿さんの考えているような『仕えるべき人物』じゃないかもしれないんだよ?」

 

 

と言ってきました。……一刀様が私の仕えるべき主君じゃないはずありませんよ!!私が慕っているのは貴方だけなんですから。

 

 

「いいえ、きっと貴方が私の求めていた人物に違いありません!!」

 

 

私はそう強く断言しました。……ちょっと恥ずかしいですけど///

 

 

「……分かりました、俺が何処まで貴女の期待に応えられるか分かりませんけど……俺も司馬懿さんの夢に協力をさせてください。」

 

 

一刀様が、そう仰ってきました。

 

 

「ほ、本当ですか!?あ、ありがとうごさいます!!」

 

 

私はすっごく喜びました。また一刀様の元に居られる……そう考えただけで、もう天へと昇る気持ちに気持ちになりました。

 

 

私は早速、『ある事』を一刀様に提案しました。

 

 

「それでは、貴方に私の『真名』を預けますね。」

 

 

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「……えっ?『真名』?『真名』って何?」

 

 

私が『真名』を預けようとすると、一刀様が『真名』が何かを聞いてきました。そうでした……この外史の一刀様は『真名』の事は知らないんですよね。

 

 

「『真名』というのは、字で書くと『真なる名』と書いて、その意味の通り『その人の本当の名前』を表します。この名前は自分が本当に信頼している人物か、家族以外は例え知っていたとしても口に出してはいけないのです。」

 

 

「……ちなみに勝手に呼んじゃったら?」

 

 

「首をはねられても文句が言えない程、失礼な行為に当たります。」

 

 

私が一刀様に真名の説明をし終わると……

 

 

「……そんな大事な名前を俺なんかに教えても良いんですか?」

 

 

と、聞いてきました。……寧ろ私は、貴方に真名を言われても許すつもりなのに。

 

 

「構いません。私は出会った頃から、ずっと貴方にお仕えしたくて、ずっと傍に居たいと思っていましたから。」

 

 

私がそう言って一刀様に真名で呼んでほしいことを伝えると……

 

 

「分かりました……と言っても俺には真名は無いから、代わりに何かありませんか?」

 

 

と、言ってきました。……代わりにと言ったら、一つだけありました。

 

 

「あの……それじゃあ、一つだけ……」

 

 

私はそう言い始めると、お願い事を言いました。

 

 

「……私に対して敬語を使わないで下さい。仕えてる家臣に対して主君が敬語を使うなんて、みっともないですから。」

 

 

「い、いや……俺は貴女の事をそんな風に考えてなくて、ただ単純に仲間だと思って……」

 

 

私の述べた立場を一刀様は否定をして、私の事を仲間だと言ってくれました。……こんな私を仲間だと言ってくれる様な人の良さでは、一刀様に勝てる人間は居ないでしょう。

 

 

「それでもですよ。……それに貴方は『真名の代わりに』と言ったのですからお願いをしたんですよ。……それに敬語を使われると余所余所しいから嫌いなんです。」

 

 

私がそう言うと、一刀様は観念したかのように……

 

 

「……分かったよ。それじゃあ、さっきしたけどもう一度自己紹介をしようか。……姓が北郷、名が一刀、字と真名は無いから、好きに呼んでも良いよ。」

 

 

そう言って、自己紹介を再び行いました。……さて、今度は私の番ですね。

 

 

「えっと……姓が司馬、名が懿、字は仲達、そして真名が零里です。……これからは私の事は零里って呼んでください、一刀様♪」

 

 

「ああ……これからよろしくな、零里。」

 

 

私が自己紹介をすると、一刀様は手を差し伸べて握手を求めてきました。私はすぐさま一刀様の手に、自分の手を合わせました。

 

 

……えへへ♪すっごく嬉しいです。

 

 

「でもさ、零里……俺がその『天の御遣い』って名乗るとしたら、もう一つの『支える神』って言うのは、一体誰が名乗るんだ?」

 

 

喜びに浸っていると一刀様が、質問をしてきました。……そう言えば、私の話の中には『神』も存在するんでした。……本当はクズ達の会話の中から出した単語なんですけど。

 

 

「はい…私が見つけたのは、一刀様お一人だけで『神』らしき人物が見つかりませんでした。……だからこの際、私がその『支える神』を名乗ろうかと考えているんですけど。」

 

 

私は一刀様に『支える神』は、私自身が名乗るべきだと主張しました。……実際、一刀様を支えるのは私ですし、あのクズ達も私が神の方だと思っていましたから。

 

 

「えっ!?そんな事しても大丈夫なのか?」

 

 

一刀様は、私が『神』を名乗ることに驚いていらっしゃいました。

 

 

「実際に居なかったのですから仕方ありません。……それに『支える神』も存在して無いと『天の御遣い』と言う存在までもが、嘘ではないかと思われてしまう事だってあります。……そして一刀様自身は私の事を『仲間』言っていても、他の人達から見たら一刀様が主君で、私が家臣と言う立場なのです。……そうゆう意味でも私が『御遣いを支える神』にならないといけないんだと思うのです。」

 

 

私が自ら『神』を名乗らなければならない理由を、一刀に教えると……

 

 

「……確かに、一つの事を欠いていたら他の事も嘘じゃないかと思うけど……けど、零里はそれで良いのか?」

 

 

と、一刀様は本当に名乗る事をしていいのか心配をしてくれました。……やっぱり一刀様は優しくて、大好きです。

 

 

「構いません。私は貴方にお仕えしていく事を決めたんですから。……それを、言ったら一刀様だって、この世界で『天』を名乗ると言う事は、『私は帝と同じ立場なのだぞ〜』と言っているようなものですから。」

 

 

私は笑顔でそう言うと、一刀様は困ったようなお顔をされて……

 

 

「ハァ〜〜……それもそうだよね。……それじゃあ、『神の役』お願い出来るかな?」

 

 

と、言ってきました。どうやら勝ったみたいです。

 

 

「はい♪謹んでお受け致します。」

 

 

私はそう笑顔で言いました。

 

 

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すると、その時ある事に気付きました……

 

 

「…あっ!もうこんな時間になっちゃいました。」

 

 

外を見てみると……辺りが暗くなって、建物の明かりと月明かりが暗い道を照らしていました。

 

 

「……今日は、もう遅いですから……明日から本格的に動きましょう。」

 

 

私がそう提案すると、一刀様は……

 

 

「そうだね、じゃあ……俺は一体、何処で寝ればいいかな?」

 

 

と、言ってきました。

 

 

「……はい?普通にこのお部屋で休めばいいのでは?」

 

 

私がそう言うと一刀様が……

 

 

「いや、それじゃあ零里が寝るところが無くなるだろう。……だから俺は別の部屋で眠らせてもらうから。」

 

 

と仰ってきました。

 

 

「あ、あのぉ〜……実は私が借りたのは、このお部屋だけなんです。」

 

 

「…………へっ?」

 

 

私の言葉を聞いた途端、一刀様が呆気に取られた様なお顔をされました。……そんな一刀様を横目に私は話を進めます。

 

 

「私がこの宿屋に来たのは、一刀様を見つける少し前の時間帯でした。……その時には商人の団体が来てしまって、唯一残ったのがこの部屋だったんです。」

 

 

……先に言っておきますけど、このお話は嘘です。実際には宿屋のお部屋は、三、四室埋まっているくらいで、取ろうと思えば一部屋くらいは、すぐに新しいお部屋を取ることが出来ます。……クズ達の持っていたお金もそれぐらいはありましたし。

 

 

……でも私がそれを行わなかったのは、二つ理由がありました。

 

一つ目は……『決起の為の資金を無駄にしないため』でした。決起の為にはそれなりに資金なども必要になってきます。その為にも、お金を少しでも節約しないといけませんでした。

 

 

そして、二つ目が……『一刀様と離れ離れになってしまうから』です!!せっかく一刀様とまた会えたのに、一秒でもまた離れてしまったら……私、悲しくて死んじゃいそうなんですもん!!

 

 

「そ、それなら俺は床や廊下で寝るから、零里は布団に……」

 

 

一刀様は、私と一緒に寝るのは不味いのではと考えているようで、何とか私から離れて寝ようとしていますが……そんな事は絶対にさせません!!

 

 

「そんなところで寝てしまったら、風邪を引いてしまいます!!もう、私と一緒に布団の中で寝るしか手がありません!!」

 

 

私は半ば興奮しながら、言いました。……い、嫌らしい事が目的じゃないですよ!?た…ただ、こうしないと一刀様が風邪を引いてしまいますから……ほ、ほんとですよっ!?

 

 

「そ、そんなに興奮しなくても……」

 

 

「はわっ!!?」

 

 

一刀様の注意に思わず、朱里だった頃の口癖である「はわっ!!?」を言ってしまいました。

 

 

「そ、それじゃあ……甘えさせていただいちゃおうかな?」

 

 

一刀様は布団に仰向けになって、そう仰ってきました。

 

 

「ど、ど、どうぞ!どうぞ!どうぞ!」

 

 

私はそう言って一刀様に掛け布団を掛けました。そして……

 

 

「あの、それじゃあ失礼します……///」

 

 

「あ、ああ……///」

 

 

私は一刀様の返事を聞くとゆっくりと布団の中に入りました。

 

 

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……………………

 

 

…………

 

 

……

 

 

……えっ?その後は、どうなったかですか?……は、恥ずかしくてとても言えません!!///

 

 

 

説明
長かったです。

コメント募集してます。
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コメント
おもしろかったッス♪ 続き楽しみにしてるッス〜。(鬼神)
あぁ、ここだけ見てれば普通の朱里…いや、零里なのに。やっぱヤンデレは重いなぁ……(ロンリー浪人)
恋姫で晋ルートを見るのは初めてです。期待しています(ichiro588)
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