IS x 龍騎?鏡の戦士達 Vent 10:仕事と束とライダーと |
その頃、司狼はいつも通り仕事をしていた。周りには特殊装備をしている部隊が全滅しており、血腥い臭いが漂っていた。刀身から滴る血を拭き取り、奪って空になった銃を投げ捨てると、契約したミラーモンスター達が続々と現れてそれを食い漁り初める。臭いは依然として残ったが、血液も何もかも完全に消えてしまった。そこに始めから存在しなかったかの様に。
「さてと・・・・他に使える物は・・・・・無いな。」
ポケットから携帯を引っ張り出し、電話をかけた。
『どうした?』
「もう始末した。約束通り、報酬の残り半分は貰うぞ。」
『了解した。お互いに良いビジネスになったな。』
「まあね。またのご利用をお待ちしています。」
電話を切ってそれを踏み潰すと、カードデッキを取り出した。
「変身。」
ライドシューターでミラーワールドから学園に移動すると、自室の鏡から部屋に戻った。シャワーを浴びて血糊と臭いを落とし、普段着に着替える。今度は自分の携帯を取り出してスコールに連絡を入れた。
「スコール、金は?」
『送金されました。半金の二千五百万ドル、これで全部です。』
「オッケー、ありがとう。占めて五千万か・・・・・もう後戻りは出来ないな。」
自分の両手を見つめる。血で汚れてしまい、幾ら洗っても落ちる事のなくなるその両手を。その感触、断末魔、臭い、全てが鮮明に刻まれていた。体に飛び散る返り血、むせ返る様なムッとする鉄の臭い、人間の物とは思えない様な最後の叫び・・・・・・
「するつもりも無いけど、ね・・・・オーディン!」
『どうかしたか?』
「あの二人はもう変身したのか?」
『いいや、まだだが。』
「まだモンスターを放っていないのか?出来るだけ強い奴にしといた方が良いよ?それか、数で押すか・・・・・」
『心配は無い。シアゴーストを十体放っている。』
「十体も・・・?!随分と大きく出るねえ。まあ、レイドラグーンやハイドラグーンになったらそれもそれだけど・・・・やっぱりアンタは読めないね。ライダーバトルを始める気が無いなら、何でデッキを配る?」
『正直な所、この世界は気に入らない。だから変えてみたいと思った。どう転ぶかは知る由も無い。結果がどうであれ、この世界が変われば文句は無い。』
「じゃあ、俺が変えてやるよ。あいつらが変身したら、俺もお出迎えに行く。戦いと言う名の現実に降り立つ悪夢として。」
そう言って手に取ったデッキは・・・・・・リュウガの物だった。鏡の中では、契約モンスターの暗黒龍ドラグブラッカーが高々と吠えた。そんな時に携帯が鳴る。
「この番号は・・・・?はい。」
『ハロハロー!シロちゃーん!』
「束か。久し振りだな。どうした?」
『ちょーっとねー。実はさあー、ヨーロッパの方で怪しい?事しまくってる気がするんだよね?。まあ、いざとなれば天才束さんの超ウルトラハッキング技術で国ごとバーン!って出来るけど。』
「お前が言ったらシャレにならないな。でもヨーロッパか・・・・イグニッション・プランの途中だよな・・・・・なら来る可能性が一番高いとしたらフランスか。あそこはイグニッションプランから外されただけじゃなく、ISを使う国家としても存続の危機にいるからな。第三世代では一番スタートが遅いし。他は?」
『うーん、基本的に大抵の小国はシロちゃんの支社が基幹部を押さえてるから問題は無いけど、やっぱり大きい国は簡単には押さえられないよー。』
「まあ、どうにかするさ。手始めにフランスだが。束、俺も聞いていいか?」
『なあに??』
「対IS兵器ってあるか?」
『無くはないけど、試作段階だよ?リムーバーって言うんだけど、一度使ったら使えないし・・・・・』
「そうか・・・・・まあ、使われるとは思わないが、とりあえず持ってるデータ全部送ってくれないか?今後の対策の為ってのもあるし。」
『オッケイ、了解なのだ?!』
「後、妹に気をつけろ。あいつ、少し不安定だ。」
それだけ言うと、通話を一方的に切り、携帯をポケットに押し込んだ。妙な胸騒ぎを覚えながら、司狼はアリーナの方に向かって行く・・・・・
場所は戻ってアリーナではセシリア、鈴音、箒、そして一夏がピットのベンチに座っていた。
「さてと。ひとまず言わせてくれ。まずはセシリア。近接武器の扱いに馴れた方が良い。幾らそれしか無いとは言えども、使えるのと使えないのでは差が大きい。後、ビットはブースターも兼ねてるんだから機動力も大事にしろ。ビットと連動した攻撃はまず二つ位でやって、抵抗無く出来る様になったら三つ、更に四つとやって行け。鈴は衝撃砲を使い過ぎだ。幾ら燃費の良さに重きを置いているとしても、そこまでバカスカ撃ってたら限界がある。もっと距離を詰めての攻撃に専念しろ。いざとなれば至近距離でそいつをぶっ放せ。箒は・・・・・体に力を入れ過ぎだ。防御にも気を配れ。」
「分かりましたわ。勉強になりました!ありがとうございます、一夏さん!」
「分かったわ。ありがと、一夏。本当に強いわね。まさかここまでとは思わなかったわ。でも、良いの?そんな的確なアドバイスくれて、負けちゃっても知らないわよ?」
「心配無い。じゃあ、先に行っててくれ。俺はこの武装のテストをしなきゃならないから。」
二人はアリーナを出て行ったが、箒は残ったままだった。
「一夏、どう言う事だ!?攻撃が私の最大の防御だ!それの何が悪い!?」
「なら、攻撃する前に攻撃されたらどうする?例えば、」
突然一夏の姿が数メートルからほぼゼロに変わり、一夏の手が顔の前に現れる。
「こんな時みたいに。さあどうする?」
「なっ・・・・・?!(見えなかった・・・・何なのだ、この、気迫は・・・・?!」
「お前はまだ伸びる。大丈夫だ。焦る事は無い。っ!」
耳障りな音。それはミラーモンスター達の出現を表す、不吉な音。だが、箒がそれに反応した事を見て、一夏は目を見開く。
(まさか・・・・こいつが、ライダー?!)
箒が駆け出したのを見て、一夏も後を追った。
(こんな所で変身してライダーの事が委員会にバレたらたまったもんじゃない!!)
ベルトのバックルについているスイッチを押した。箒はそれに気付かず、デッキを窓ガラスに翳し、デッキをベルトに装填した。
(オルタナティブか・・・・ん・・・・!?龍騎も!?何故だ・・・・!?)
「纏めて消した方が良いか・・・?」
「一夏。」
「あ、司狼さん・・・・あの二人・・・・」
「オーディンがデッキを渡した奴らだ。この世界を変えたいらしい。俺みたいに。だから、その為にライダーが必要だとさ。詳しい事は後で話す。今はモンスターを片付けるぞ。あの素人どもじゃ不安だからな・・・・お前はナイトのデッキ、使うのか?」
「え?」
一夏はその質問に思わず間抜けな声を上げる。
「ウィングナイトはお前がライダーに変身した時の姿と若干の際はある物の、殆ど同じだ。顔が割れる可能性は出来る限り避けて欲しい。今回はこれで行けよ、特別に許可する。射撃にも馴れておいた方が良いからな。」
そう言って、司狼は緑色のカードデッキを差し出した。
「これは・・・・!!」
「行くぞ。」
「はい!」
「「変身!」」
リュウガとゾルダはライドシューターでミラーワールドを目指す。
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お待たせしました。では、どうぞ。新たなライダーが二人登場します | ||
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インフィニット・ストラトス 仮面ライダー龍騎 IS | ||
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