緋弾のアリア〜一般校の転校生〜
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19弾

 

 

「遅いわよ!」

 

着くと同時にアリアに文句を言われる。

アリアは、操縦席に座ると操縦桿を握る。

 

「アリア、飛行機操縦できるのか?」

 

「セスナならね。ジェット機なんて飛ばしたことない。一応上下左右に飛ばすくらいならできるけど、着陸は無理よ」

 

「それだけできれば充分だろ」

 

後の問題は着陸か…

 

「そうか…瑞樹、俺がもう一つの席に入るぞ」

 

「ああいいよ。俺がいても何もできないだろうしな」

 

キンジはもう一つの席に入り、無線機を見つけてスピーカーに切り替えた。

 

「こちら600便だ。当機は先ほどハイジャックされたが、今はコントロールを取り戻している。機長と副操縦士が負傷した。現在は乗客の武偵2名で操縦している。俺は遠山キンジ。もう一人は神崎・H・アリア。さらに、サポートとしてもう一人武偵がいる。そいつは波谷瑞樹」

 

さてと、管制塔と連絡はついたかな。これならあとは、どれだけ被害を少なくするかだな。

 

「ん?キンジ何してんの?」

 

[もしもし]

 

聞いてすぐ質問の答えが出た。

 

「俺だ武藤。ヘンな番号からですまない」

 

[キンジか!?今どこにいる!?お前の彼女が大変なことになってるぞ!]

 

「彼女じゃないけどアリアなら隣にいるぞ」

 

武藤…聞いたことあるような…誰だっけ?まぁどうでもいいや。

 

[ちょ…お前何してんだよ…]

 

「か……かの、かの!?かかかかか」

 

彼女扱いされて顔を赤くするアリア。

 

赤くするほどのことか?

 

「武藤、ハイジャックのこともう報道されてるのか?」

 

[とっくに大ニュースだ。客の誰かが機内電話でも使ったんだろうな。乗客名簿にアリアの名前があったから皆で教室に集まってたとこだ]

 

そうか、とキンジは言い今の状況を手短に説明した。

 

[ANA600便、まずは安心しろ残りのエンジンが2基でも問題なく飛べる。それは悪天候でも変わらない]

 

[それよりキンジ、破壊されたのは内側の二基だって言ったな。燃料系の数字を教えろ]

 

「数字は今540になった。……今535だ」

 

そうキンジが言ったら舌打ちするのが聞こえた。

 

[くっそ盛大に漏れてるぞ…まずいな]

 

「燃料漏れ!?止める方法を教えなさいよ!」

 

[残念だが止める方法はない機体側のエンジンは燃料系の門でもあるんだ。そこを壊されれば、どこを閉じても漏出は止められない]

 

「じゃあ、あとどのくらいもつ?」

 

[漏出のペースが速すぎる。まあ15分だな]

 

さすがご自慢のエンジンだな。

 

[キンジ、羽田に引き返せ。時間・距離的にそこしかない。今お前らは浦賀水道上空だ]

 

「もとからそのつもりよ」

 

[ANA600便、自動操縦は決して切らないようにしろ]

 

「そんなの既に壊されてるよ。今はアリアが操縦してる」

 

「というわけで着陸の方法を教えてほしい。時間がないから近接するすべての航空機との通信を同時に開いてほしい」

 

[何をするつもりだ?それに着陸は素人がすぐにできるようなものではない]

 

「早くしてくれよ、時間がない。遅れればそれだけ死者が出る」

 

何をするつもりなのか分からないが、キンジなら大丈夫だと思う。……たまにすごくキモいけど。

 

「彼らに手伝わせて着陸の方法を一度に言わせてくれ。すぐにやってくれ、瑞樹も言っていたがもう時間がないんだ」

 

さて、そろそろ終わるかな。全員助けて終わらせてやる。

 

 

 

 

 

同時にしゃべる11人の言葉はまったく理解できなかった。でもキンジは理解できたみたいだけどね。

 

[ANA600便。こちらは防衛省、航空管理局だ]

 

防衛省?嫌な予感しかしないんだが……。そういえば、あいつが言ってたな、嫌な予感がするやつの言う事は聞くなって。大抵嘘か、ろくな目に遭わないから。

 

[羽田空港の使用は許可しない。現在封鎖中だ]

 

いや、そんなはず無いだろ。なんかテロでもあったのかよ。

 

[何言ってやがんだ!]

 

[誰だ?]

 

[俺は武藤剛気、武偵だ!燃料漏れを起こしてんだよ!飛べてあと残り10分だ! |代替着陸《ダイバード》なんかどこにも出来ねえ!羽田しか無理なんだよ!]

 

[武藤武偵。私に怒鳴っても意味はないぞ。これは防衛大臣による命令なのだ]

 

ああ。なるほど。着陸に失敗すると思ってるんだこいつらは……。

ふざけんな…ふざけんな。ふざけんな!だれも死なせない。乗客の誰も、地上の誰も、絶対に死なせない!

 

 

ぞあぁぁぁぁああああ

 

そう決めた時、体中に悪寒を感じた。

 

なんだ?この感じ。

 

何か嫌な感じがして、ふと横を見る。

 

「キンジ。あれ何?」

 

「F−15Jイーグル。戦闘機だよ」

 

ふうん。もう…もうゆるさない。乗客を見捨て、乗客を殺すつもりなら…撃ち落とす。

 

「おい、防衛省。外に戦闘機が見えるのは気のせいか?」

 

[お前は誰だ?]

 

「波谷瑞樹、武偵だよ。一応教えてあげる。((狙撃科|スナイプ))のSランクだ」

 

[そうか。では波谷武偵。先ほどの質問に答えよう。それは誘導機だ]

 

「なるほど防衛省では、誘導機に飛行機を撃墜できる戦闘機を使うんだね」

 

[そういうわけではない]

 

「じゃあ今すぐ、普通の誘導機にしてくれない?時間がないから30秒以内に下げてくれないと速攻で撃ち落とすよ?」

 

[先ほども言ったように防衛大臣による命令だ。私に言っても無駄だ]

 

「残り25秒。じゃあ撃ち落とされた後に防衛大臣に伝えておきな、《あなたの命令のせいで人が一人死にました。飛行機は無事に着陸しました》って。そう言ってる間に残り15秒」

 

さて、心苦しいが撃ち落とすか。

 

「じゃあキンジ。撃ち落としに行ってくる」

 

「お前撃ち落とせるほどの銃あるのか?」

 

「うん」

 

意味ないと思ったけど、ヘカート持ってきてよかった。

 

[ちっ。わかった下げよう]

 

「早くしてね。じゃないと…っとなかなか早いね」

 

やっぱり死にたくはないのかな?

 

「ああ。ごめんキンジ、誘導機追い払っちゃった」

 

「……いや、構わないよ。俺も同じことを考えていた。流石に追い払うことまでやろうとは思わなかったけどな」

 

やっぱりまずかったかな…まあいいや。

 

説明
〜武偵殺し編〜
一般校から武偵校に転校してきた瑞樹。
初心者なのにSランクになったり、事件に巻き込まれてしまう。
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タグ
オリキャラ 緋弾のアリア 一応チート 

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