IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode80 戦いの後
「・・・・」
空がオレンジ色に染まった頃に、楯無は目を覚ました。
「ここは・・・医務室、か」
楯無は自分が居る部屋がそれだと気付いた。
そして痛みがある中半身を起こして辺りを見回す。
すると向かい側のベッドにはシャーリーとエリーナが眠っており、二人共頭には包帯が巻かれており、エリーナに関しては右目も含んで包帯が巻かれていた。
楯無の体中には包帯が巻かれており、ミイラみたいになっていた。顔にもいくつかガーゼが貼られており、頭には包帯が巻かれている。
「私しかこれだけのけが人は居ないようね・・・」
「そうですね」
「・・?」
すると横から声がしてその方向を見ると、そこには隼人がイスに座っていた。
「隼人君。居たのね」
「最初から居ましたよ。怪我のあまりボケていましたか」
「どうかしら・・」
と、楯無は珍しく苦笑いする。
「医者の話では肋骨数本にひびが入って、右腕の骨に筋が入っているようです。体中に浅い火傷を負って、怪我の中で深い物がいくつかあるので後々残る可能性があるそうです」
「そう・・・」
「しばらくの間は入院が必要とのことです」
「そっか。で、あの二人は?」
「シャーリーとエリーナは襲撃者を撃破した直後にアンノウンに襲われて、シャーリーは身体を思いっきり切り裂かれていますが命に別状はないそうです。特にひどいのがエリーナで・・・右目を失っています」
「・・・・」
「少しの間は目を覚まさないだろうと」
「そう。それにしても、しばらくは生徒会長としての仕事は出来そうにもないわね」
「そうですね。その為の助手と言うことですね」
「その通りよ。私が退院するまでの間、代理として、やってくれるかな?」
「分かりました。まぁあくまで代理として・・・役目を果たしましょう」
「ありがとう」
「楯無さん」
「何かしら?」
「・・・一つ残念なお知らせがあります」
「・・・・」
「楯無さんのミステリアス・レイディ・・・もう使い物にはなりません」
「・・・そう」
「無事だったのはコアのみで、外装は完全に大破。修復は不可能。予備パーツがあっても恐らく後々障害があると思います。それ以前にあの機体の予備パーツはあるのでしょうか?」
「・・情けない話しだけど・・・無いのよ。元々私個人が作ったISですもの。予備のパーツは無い。あっても旧式のパーツだけ」
「そうですか」
「・・さすがに隼人君でもどうにもならない?」
「そりゃ、ベースとなる機体が無ければ、どうしようもありませんよ」
「そうだよね」
「・・・・」
「じゃぁ、俺はこれで。襲撃者のパーツの調査を行いに行きますので」
「分かったわ」
そして隼人は席を立つと医務室を出ようとする。
「それにしても」
「・・・・・」
「・・・何があったの」
楯無はどことなく暗い隼人に感づいていた。
「・・別に・・何も」
「・・・・」
そして隼人は医務室を出た・・・・・
「参ったなぁ・・・こりゃ」
と、輝春はため息を付いて頭を掻く。
輝春が居るのは第二格納庫で、隣では回収した襲撃者の残骸を生徒会や教員と研究員が調査をしていた。
そして輝春の目の前には中破したAGE-1が天井の鎖に吊るされていた。
「ひどくやられましたね」
そして隼人が第二格納庫に来て輝春と合流する。
「あぁ。性能の差が大きく出てしまったな」
「さすがに輝春さんでもそう言いますか」
「まぁな。このまま修復しても恐らく同じ結果が続くだけだな」
「そうですね」
「どうしたものか・・・」
「・・・・・・」
「では、こうしたらどうですか?」
「・・・・?」
「提案としては、フルアーマープランが最も有効と思いますよ」
「フルアーマープラン?」
「その名の通りAGE-1に増加装甲を施して、防御力のアップ。増加武装によって火力のアップ。重武装化に伴う機動力低下を補う増加スラスターの搭載などがプランとしてありますよ」
「なるほどな。確かにAGE-1には防御面に不安点がある。火力もそこまで高くは無い。だがな、たかが装備を追加しただけで変わるものか?」
「変わると思いますよ。それにAGE-1本体にも改修を加えれば、以前よりも戦えると思いますよ」
「・・・・・」
「あくまで提案ですよ。もし気に入ってもらえれば増加装備の製作を手伝いますよ」
そして隼人は襲撃者の残骸の方に向かう。
(しかしまぁ今襲撃者を見てみれば・・・見覚えのあるものばかりだな)
そして残骸を調べていくうちにその残骸に見覚えがあった。
(ゲイルストライク、ヘイルバスター、レーゲンデュエル、ネブラブリッツ、ヴァンセイバー、ニクスプロヴィデンス、ミラージュフレームサードイシュー・・・か)
残骸を見ながら投影型モニターに映るデータを見ていく。
(コアを回収出来たのは全部で七つ。その内ヴァンセイバーと複数いたネブラブリッツ五体のうち三つが破壊されている、か)
(この中のパーツで楯無さんのISに使えるパーツって無いかな・・・)
そんな事を思いながらデータを打ち込んでいった・・・・
そして隼人は寮のロビーに向かうと・・・・・
「隼人・・」
そこには専用機持ちの面々が居た。
「どうなの?エリーナやシャーリーの容態は・・?」
「二人との命の別状は無い」
「そっか・・・」
「・・シャーリーは身体を切り裂かれている・・だが、エリーナの関しては・・・ひどいもんだ」
「・・・・・」
「利き目を失っている」
「・・・・」
「そんな・・」
「くそっ!バインドのやつら!」
一夏は右の拳を左手にぶつける。
「・・なんで名前を?」
「私たちもそいつらと戦ったんだ。その際にその名を知った」
「わたくしたちも聞きましたわ」
「あたしも」
「・・・・・・」
「それに、俺達が戦ったバインドが・・・以前福音に先制攻撃をした時に現れたバインドだったんだ」
「(デスティニーのバインドか・・・)そうか」
「・・・ってか、隼人」
「なんだ?」
「あんたの様子から見ると・・・バインドの事を知っているような素振りね」
「・・・・」
「え・・?」
「本当なのか・・・隼人?」
「・・偶然だ」
「・・・・」
「それより、一夏と箒と鈴も、ラウラとシャルロットやセシリアのようにあの力を得ていたのか?」
「あ、あぁ。私も正直驚いたよ」
「俺もな」
「一体何時バインドと接触していたんだ。あの時のバインドを除いてな」
「それが・・・見覚えは無いんだよな」
「箒は?」
「私もあまり。だが、それらしきことはかすかに覚えている」
「何時のことだ?」
「確か、福音に撃ち落されて海中に沈んでいた時に、太陽を背に黒い何かが見えたんだ」
「・・・・」
「あの時は意識はほとんど無かったから、ただの見間違いと思うが、それ以外にバインドと接触したのは無い」
「・・・・」
「恐らく一夏も・・・その時に」
「そうか」
「・・・・」
「俺は先に抜けるな」
そして隼人はメンバーから抜けて自分の部屋に戻った。
「それにしても、隼人、なんか暗かったよね」
「あぁ。それに加えて・・・怒りも混じっていた気がする」
「あんな師匠・・・初めてだ・・」
「・・・・・・」
「・・・・」
そして隼人はドアを開けて部屋の中に入ると、ベッドに寝ているリインフォースを見る。
「まだ・・・起きていないか」
隼人はリインフォースが寝ている隣のベッドに腰掛ける。
「・・・・」
(颯・・・)
そして隼人は拳を握り締めた。
(俺は・・俺は・・)
後書き
次回よりオリジナル展開になりますね(この先の原作が無いし)
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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これからも頑張ってください。応援してます!!(福音の魔弾) | ||
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